詩縞つぐこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ第5弾。
近くの高校の美術部で起きた呪われた絵をめぐる事件。その真相を探るため、千景が学園に潜入する。
このシリーズ、ミステリー部分は薄め。なので、図像術の有無と主要キャラの関係をメインに楽しむことに。
作を重ねるごとに、千景の刺々しい部分がなくなり、柔らかくなってる印象。
それでも透磨にだけは、感情が“怒”のほうに振れてしまうようだけど、無意識のうちに透磨を頼るようになっているのが微笑ましい。
そして透磨も、千景の同級生相手に嫉妬したり。まだまだお互いに距離の計り方に戸惑っているふたり。
そんな中ダークホース?のカゲロウさんが今作も登場!相変わらず謎の多いカゲロウさんと千景の過去も気になるところ。
図像術を再現することができるとしたら…千景が記憶を取り戻した時、また彼女を捨てた父親や、利用しようとする大人たちが群がってくるのかも知れない。
透磨と千景の関係だけでなく、そちらも進展が望めそう。 -
Posted by ブクログ
美術ミステリーの4冊目。
千景と透磨の関係は少し進展し、千景の記憶が少しずつ戻ってきている。
透間は彼女の戻りつつある記憶と、現在の彼女との間でどう立ち居振舞うのか。
彼女を過去から守るために、彼は何をするのか?
千景の父、そして姿の見えないカゲロウなる人物も徐々に姿が見え隠れし、今後の展開が更に気になるところである。
本作では「禁断の絵」が鍵となる。
目隠しをした女は何を意味し、どこにいたのか。
それが明らかになったとき、千景自身が覆い隠していた過去が現れてくる。
目隠しをした女というとすぐに思い出すのがレディ・ジェーングレイの処刑を描いた絵画だ。
白く浮かび上がるジェーングレイ。
彼女が示す意味は......。
人を羨ましがる心はほんの少しなら自分を磨く石になる。
しかしそれが多すぎたり強すぎたりすると一体どうなるのか。
嫉妬は七つの大罪の一つである。
自らを破滅せしめるもの、それが嫉妬が大罪である理由に違いない。
絵画には力がある。
かつて文字の読めない人々が大多数だったとき、絵画のモチーフで、情景で、人々は絵画から意味を読み取り、自らの心に留め置いた。
それは言葉より強く、直接的に自らをかえうるものであったかもしれない。
それと同じように、「イチジクの実」は千景の心に届くだろうか。
そして彼女は楽園の外で何を知るのだろうか。