五條瑛のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
まずは。ほんとに。
小学館さま。
続きを。
刊行宜しくお願いします!!
…諜報活動小説とかくと、スパイものってことになるのだけど、うーん、そうなるのかな。
現実をベースとして、きたちょーせんとの情報戦をしているものの、今回はどっちかというと肉体派登場人物目線の、話。
のはずなのに、かなり肉体派が頭脳戦繰り広げてる。さすが。さすが坂下!!!
途中でぽろぽろ書き込まれる、めちゃ頭脳派の同僚とのメールがほっこりしたりもするし、これまでのこのシリーズの隠されまくっていた部分がいきなりパーン!と開示されて、
「続きを!早く!!!!!!!」となる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとにかく圧倒的に面白かったです!
複雑に絡まる〝ヨハン〟を巡る各国の思惑や利害関係、それに加えて個人の想念が最終的にあっという終局を呼び寄せるのですが、そこに至る過程がまさに手に汗握る展開で、徐々に核心に近づいていく緊張感がたまりません。〝石英〟や〝カタツムリ〟を巡る謎解きもスリリングで、その正体には驚かずにはいられませんでした。
前作の『スリー・アゲーツ』は父親が家族を想う姿に何度再読しても涙なしでは読めないのですが、今作は一転して父親と息子の複雑な関係性が描かれており、特に終盤はひたすら圧倒されました。父親にとっての息子とは何なのか、息子にとっての父親とはどういう存在なのか、改めて考 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私が今まで読んだ小説の中で、
最も愛したキャラクターがこの本の主人公、成嶋優弥です。
世界最先端の施設警備システムROMESが置かれる西日本国際空港(通称:西空)で、唯一そのシステムを完全に操れる男がこの成嶋なんですが、心の揺れやすい人間よりも指示通り動く機械と愛犬しか信じないという人です。そしてその西空で巻き起こるテロリストとの戦いの中で明らかになるROMESの全貌や、成嶋の行動、テロリストの内情など、その全てに惹かれました。
この作品を初めて読んだのは学校の図書室でしたが、お小遣いをはたいて文庫版を買ってからも、月に一度読み返したくなる面白さがあります。そしてこの作品は何年か前にドラマ -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
おー!この正月休みにようやくのヒット。
自分の体への異常を感じつつも特殊物質を運ぶ運転手。
恵まれた環境で育ちつつも自分の出生に疑問を感じる女性。
天性の魅力で破壊と破滅に人を導く男。
万華鏡のようにカラフルな登場人物が、ぱちんとはまるのはさすが。
ただし、やや書き込み不足?とかえー、その偶然はどうなのー?
とか突っ込むところはありありだった思うけれど、
この正月に読んだいくつかの本が自分の中ではやや期待はずれだったので、
いつも以上に満たされました。
基本的には絶対基準をつけたいんだけど‥
いつもの五條節からしたら★は4つだけど、正月祝いもかねて5つかな。 -
Posted by ブクログ
たまたま仕事で数値を扱うことが増えたので、この話への興味がわいたってのもあるが、それを差し引いても大いに楽しめた。最高!
計測屋でのんびりと働く、警察が肌に合わなくてやめた主人公・偲の設定がいい。
通常、元・警察官のキャラクターはちょっとやさぐれていたり組織から大きくはみ出ながらもどこかで矜持を捨てきれずに屈折しているのだが、偲は正義感やバランス感覚、そうして「現実と折り合う能力」をきちんと残しながら、下町でまっとうに育ってゆく。
最後のクライマックスシーンで太郎に起こったこと、偲の前に展開した構図はとても私の胸を凍らせたけれど、それでもこの小説が前に向かって倒れる、清々しいまでのまっすぐ -
Posted by ブクログ
すばらしい。
先が知りたくてわくわくし、でもこんなにも読み終わるのが残念だった本はそう、ない。
チームという符丁、それぞれの性別と正体、つながり。
対比されて描かれる、犬とシステムしか信じない、天才・成嶋と、
なんとか成嶋に認められたいとがむしゃらになる、自分ではどうしようもない傷を持つ砂村。
少しずつ明らかになる、巨大な防衛システム、ROMES。
飄々としながら自分の持ち場を徹底して守る成嶋の頭脳と、
自分を認められたい砂村の焦燥が重なり、離れる。
成嶋と砂村だけではない。
この小説の構成の妙は、シンメトリに位置する対比の妙にある。
静の成嶋、動の砂村。
成田と西空。
ルイとタカ。