あらすじ
後継者はこうして殺された。迫真の諜報小説。
北朝鮮のドル紙幣偽造に関与した容疑者を逮捕する作戦は、事前に漏れていた。
米海軍犯罪捜査局(NCIS)の坂下冬樹はソウルに入り、ハニートラップを仕掛けた女を追い始める。
女の部屋で、坂下は、韓国国家情報院の情報部員・洪敏成(ホンミンソン)に出会す。坂下の捜査に協力するためと洪が言うのは詭弁で、監視のための派遣だと思われた。
二人はやがて、女が兄とともに入国していたこと、兄はマレーシアの軍出身らしいことを突きとめるが‥‥。
同じ頃、長く異国に潜伏していた工作員に、北の後継者候補から脱落した男「キバノロ」に関する指令が下りる。草原で気ままに遊ぶキバノロに怪しまれずに近づける草食動物を何頭か、ただちに用意せよという内容だった。
やがてベトナム・ホーチミンの歓楽街に一人の男が現れ、多額の米ドルを手に女たちを集め、こう問いかけた。もしきみたちがもっとちゃんとした仕事を探しているなら、海外のテレビや映画に出る仕事をしてみないか?
また同じ頃、ソウルのロシア大使館の改修工事が始まり、古い調度品がオークションにかけられた。その中に、一枚の美しい女の絵があった。
絵は一人の中国人が他の調度品とは比較にならないほどの高値で落札。だが、真の購入者は別にいた。
坂下の追う女はどこへ行ったのか?
マレーシアの空港で首領の血を引く男が暗殺された――あの出来事はどう「実行」されたのか?
そして、オークションの落札者は誰か、描かれた女の素性は?
いくつもの謎が収斂し、やがて別の新たな謎がぼんやりと輪郭を見せ始める。
読後、唸ること必定! いまや日本でただ一人と言える諜報小説作家・五條瑛による、傑作エンターテインメント。
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Posted by ブクログ
まずは。ほんとに。
小学館さま。
続きを。
刊行宜しくお願いします!!
…諜報活動小説とかくと、スパイものってことになるのだけど、うーん、そうなるのかな。
現実をベースとして、きたちょーせんとの情報戦をしているものの、今回はどっちかというと肉体派登場人物目線の、話。
のはずなのに、かなり肉体派が頭脳戦繰り広げてる。さすが。さすが坂下!!!
途中でぽろぽろ書き込まれる、めちゃ頭脳派の同僚とのメールがほっこりしたりもするし、これまでのこのシリーズの隠されまくっていた部分がいきなりパーン!と開示されて、
「続きを!早く!!!!!!!」となる。
Posted by ブクログ
買ってすぐに一気読みしました。
シリーズの新刊が読めるなんて嬉しい!
五條先生ホントにありがとうございます。
スリーアゲーツやパーフェクトクォーツの裏のストーリーで、今回は坂下が主役。
坂下があの事件までソウルで何をしていたのかよく分かります。
過去の作品の登場人物がたくさん登場しており、呉道も登場。
彼の後継者は「夢の中の魚」では前途洋々に見えていたけれど、そうでもなさそうな描写に、良くも悪くも世の中は変わり続けていくのだと思いました。
大使館から見つかった1枚の絵画も含め、本作の続きがとても気になります。