五條瑛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
連鎖して発生した事象の原因を究明する方法として本書で提示されるのは、各事象が発生した時の周囲環境を映像、測定値等のデータに変換し、大容量高速の情報処理システムを駆使してプロファイリングを行い、共通項を見出していく手法である。
齋藤孝の「頭がよくなる思考法」流に言えば、これこそ現代の現象学的アプローチ。小説の主役は明らかに「システム」でありタイトルが「システム」およびその「ファンクション」の符号であるのも当然。
扉にある「競争と評価ですべてが決まる世界の片隅で'ただの人'であり続ける者たちへささやかな夢とともに捧ぐ」というのが何を指しているのかよくわからない。単に、日々愚 -
Posted by ブクログ
うーん。
五條 瑛さんの作品をあたしは、敬愛している。
硬質な文章に、緻密な描写。息詰まる程の現実感に溢れた壮大なドラマ。
それを期待して読んだのだが・・
文章はさすがの五條ブシ。
探偵物の筆運びと軽い言い回しは、原寮の、あるいは野沢尚のタンテイのよう。
ボンクラな御曹司と共同生活をしながら調査員をするしがない俺が巻き込まれる様々な事件。
東京で、女子高生が、キャバクラ嬢が、ニューハーフが消える。
そうしていつしか俺が馴染のアイスドールのようなキリエも。
「わかっているんだろ、あいつは、あんたに見つけてもらいたいんだよ」
・・・・えーっ!
このエンディング?
作者がどうしても