五條瑛のレビュー一覧
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前作に引き続き、架空の人工島である西日本国際空港を狙うテロ組織に対して、その高い頭脳と警備システム「ROMES」で立ち向かう成嶋との攻防を描いたシリーズ2作目。前作にて反則技も含めた「ROMES」の機能紹介が充分にされてるだけに、今回はシステムに関する余計なアピールが省かれて純粋にストーリーが楽しめる作品となっていた。
ストーリー的にも、死んだはずの伝説的なテロリストの名を語る犯人やテロ組織の狙いなど、前作とは異なってミステリー的な要素もしっかり織り込まれているし、何よりも本シリーズの主軸である「ROMES」の開発に至る裏事情と成嶋の性格形成に踏み込みつつもうまく事件と絡まっていてエンターテイメント作品としての完成度の高さが感じられた。しかも、テロリストを逆手に取った保険会社のビジネス戦略に関する設定は妙な説得力があって、作品の本質とは別にしてもリアリティのある展開だったしで。。。
もちろん、成嶋のキャラクター性も健在で、自分の信念に基づいてテロを迎え撃っていく頭脳戦はこのシリーズの醍醐味としてしっかり受け継がれている。ま、成嶋も人間を信じていないと言う割には、砂村を呼び戻すなど、結果的に部下の器量を計算した戦略を講じてるってツッコミは少なからずともあるけれど。。。
何にしても、テロ組織側の人間模様の描き方、事件の背景・全景の表現方法など、物語を盛り上げる手法もうまく機能していて、前作に感じたストレスを見事に消化できたので、個人的には前作より面白く読めた作品だった。 -
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あらすじ:人生の生きる指針を見失った浪人生である主人公が偶然怪我をした女性を助ける所から物語は紡がれる。彼女は名前を「J」とだけ残し、彼の元を去ってしまう。Jとは一体どんな存在なのだろうか?また彼女がほのめかす人生の再出発地である「島」とは何か?
謎と憎しみが交差する本格サスペンス
楽園なんて人々が生み出した幻想
だがそこでしか生きられない人が確かに存在する
「誰に何をぶつけても、あなたが失ったものは戻ってこない。もっとたくさんのものを失うだけよ」
それは断ち切れない憎しみの連鎖
「もしかしたら、わたしたちの一番大きな過ちは、救いを自分以外に求めたことだったのかもしれない。自分で自分を救う道を模索しなかったツケが、いま廻ってきたのよ」
それは死を覚悟してようやく辿りついたJの真理
身売りという残酷な過去を持つ者がテロに加担し
希望を見い出し始めた主人公の前に立ち塞がり、
夫に裏切られとてつもない憎しみに駆られた妻が犯罪に加担し、皮肉にも夫の凶行を阻もうとする
完全な被害者・・・完全な加害者は存在しないし
その関係は複雑怪奇として入り組んでおり、あっさりと覆されてしまうということを深く理解させてくれる作品
鬱を通り越して何だか人生の悟りに触れているかのような感じだった
久野さんを知るためにもぜひ読んで欲しい
「教えてくれ、誰が・・・何の権利・・・があって」
ソコニラクエンハアルノダロウカ?
そんなものすべて人間のエゴだと
この本を読んで思った -
Posted by ブクログ
架空の人工島、西日本国際空港を舞台に世界最先端施設警備システム「ROMES」を操る成島と、過去の悲しみを抱えたテロ組織チームとが頭脳戦を繰り広げていく。ハラハラ感や息の詰まるような展開はないが、不特定多数が自由に出入りしつつも閉鎖的な人工島の空港を逆手に攻めるテロ組織と、まだその全能力をフルには活かせない「ROMES」を如何に駆使して空港の安全を確保していくのかといった成島の手腕との凌ぎあいが本作の魅力の1つだろう。
ストーリーの展開や頭脳戦も然ることながら、犯人側も空港側の人物もそれぞれのキャラがしっかりと裏付けされているので飽きさせることなく読ませる作品になっていたように思う。特に成島は筋金入りのエリートで最新の警備システムROMESを熟知するたった一人の存在でありながらも、自由奔放に愛犬と遊び、上司などにも飄々と立ち向かうキャラクター性、そして「ROMES」のみを信じる一貫した姿勢はなかなか面白かった。
…等々、興味深く読むことはできたのだが、読み進む内に自ずとテロ組織の主要メンバーが判明していく構成になってるだけに、どこかにミステリーとしての仕掛けが隠されてるんだろうと深読みしながら読み進んでも、その期待感を満たすことなく終わったのが少々残念かと。。
それと、ストーリーの構成上「ROMES」の機能を徐々に紹介をしていくしかないにしろ、読み終えて振り返ると「ROMES」のデモンストレーション用の物語だったように感じてしまったのも事実だ。。。
何しろここぞって時に反則技のような機能が披露されてくんだから。。。特に「06」なんて。
続編もあるみたいなので、今回はキャラクターと「ROMES」紹介のプロローグと捉えて次作へ期待しよう。
少なくとも基本設定や人物描写、そして文章は間違いなく面白かったので! -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本人の考え方、昨今の冷たさに憎みを置いた感じ。最後は展開が早すぎた。もやもやしたところはもやもやのままなのでスッキリしなかったけど、面白かった。このテのお話は好き。
物語はジェイという女性を中心に、2人の男性(秋生と時津)の人生の歯車が狂う。
ジェイは“島”から“兵士”のスカウトに日本に潜り込んだ。秋生は街で偶然ジェイと出会い、その後も何度かジェイを見かけるようになる。しかし、ジェイを見かける場所は決まってテロが起きている。ジェイとテロと島の関係に不審を抱きつつも、秋生は何も行動できないでいる・・・。日々のストレスから厭世的になった時津はジェイにスカウトされ、家庭を棄てて島に行き、兵士となるが・・・。