筧裕介のレビュー一覧
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本書は、人口減少問題について、大きく2つの側面からアプローチしている。
それは、
①人口減少問題の本質を捉えること
②地域に問題解決の行動を呼び起こすことである。
また、本書が斬新なのは、人口減少問題に関して、「デザイン」をかけあわせているところである。
著者は、デザインについて、「デザインとは、複雑な問題の本質を一挙に捉え、(中略)社会に幸せなムーブメントを起こす創造的行為」と定義している。
私たちは、「デザイン」の持つ意味合いをここまで考えたことがあるだろうか。著者の斬新なアイデアに脱帽した。
まず、本書は、人口減少問題の本質について、インフォグラフィックスの手法を用い、わかりやすく -
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ネタバレなかなかの良著。ソーシャルデザインの取り組み方の道のりだけではなく、具体的な調べ方に至るまで丁寧に教示してくれている。
<メモ>
ソーシャルデザイン実践の流れ
①森を知る 森の中を歩き、先人の知恵を学び、全容を理解する
②声を聞く 森の住民、管理者、活動家の声を聞き、課題を自分ごとにする
③地図を描く 自分の目と耳と足で手に入れた情報を手掛かりに森の全容を地図にする
④立地を選ぶ どこに道をつくるべきか、選択・決定する
⑤仲間をつくる 住民や専門家など道づくりに協力してくれる仲間を集める
⑥道を構想する どんな道をつくるべきか、アイデアをみんなで多数出し、検証し、具体化する
⑦道をつくる 仲 -
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ネタバレ社会問題についてデザインで解決しようというissue+designの本。参考になります。
<メモ>
・孤独死は年間26821人。郊外化により人と人の距離が遠ざかったり、多世帯化で同居家族人数が減り、一人暮らしが地域との接点を失うなど、日本の社会的孤立度の高さは世界有数。孤独死70歳代男性が最も多く30.4%。その次に65~70歳男性が17.6%と圧倒的に男性が多くなっている。
・生涯未婚率は男性30%、女性23%に。
・集落の人の日常が都会住民の非日常。
・大人資源の活用→放課後アフタースクール
・親子健康手帳 母子手帳の改良版。
妊娠・出産・育児のセーフティネットがコンセプト。
お父さん -
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問題解決の全体を俯瞰できる「必携」の書
「何らかの課題を解決しようとする人」がその解決の流れ全体をつかむために使える本である。
ボランティアや会社での仕事を考えると「課題を見つける」「問題解決する」がその主なところである。しかしながら、学校でそれを直接的に教えてくれることはなかったと思う。
この本で良いと思ったのはその要諦をコンパクトにまとめているところである。そして、重要な点をきちんと残しているところはとても好感を持てる。いくつかの新旧の「道具」が挙げられているが、どれも実際的で効果が出やすいものが選ばれていると感じる。
読者のメンタルについてもとても配慮されている。「第1章 森を知 -
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ネタバレ色んな地域を活性化する商品のデザインが載っているのかと思ったら1章では色々な社会課題(イシュー)をわかりやすくレイアウトして掲示。でも見たかったのはこんなのじゃないんだけどなーと進んでいくとそれを踏まえた上でその課題をクリアする為には何をデザインすればよいか、デザインとは視覚化することと考えている人が多いが、この本でいうデザインとは「地域に眠る人材、コンテンツ、技術、産業、空間などの有形無形の資源を組み合わせて作る地域ならではの仕組みや経験、すなわちコトのデザイン」というかなり高等なデザイン思考を要求している。一般的にいうとディレクターとかの部類に入るのかなーと思った。私も“デザイン=視覚化”
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デザインってきくと、おしゃれなイラストだったり、奇抜なファッションなんかを連想していまいますが、本書でいうデザインとは、以下のように定義されます。
・問題の本質を一挙にとらえ、そこに調和と秩序をもたらす行為
・美と共感で多くの人の心に訴え、行動を喚起し、社会に幸せなムーブメントを起こす行為
本書は3部構成になっており、1部では日本の現状を知るための各種データがわかりやすいビジュアルで掲載されている。
そして2部では今の日本が抱える課題を実際に解決しようと取り組んでいる事例を30紹介している。そして、3部ではこれからの時代に必要となるデザイン思考の考え方、コミュニティデザインの方法、行政のあ -
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具体的にはどうすればいいのよ、と本編を読んでモヤモヤしていた気持ちは多少解消されたけど、別のモヤモヤも浮かんできている。
いずれ老後に暮らす家を建てようと思っていて、対策出来ればいいな、という気持ちで読んでいたけど、
トイレの床は周囲の床と同系統、壁と床の境目はくっきり分かる様にした方がよくて、便座の座る所は分かりやすくマークした方がいいのね?
膝が痛いけど畳の生活したいから、小上がりを作って収納も作れたらばっちり、と思ってだけど、段差がない方がいいの?
見える収納にすると防災面は?ガラスじゃなくて透明プラスチックを利用?
結局、個別にそれぞれ対策していくしかないってことなんだろうか。 -
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実際にわたしの母が徐々に認知機能が低下していることもあり、認知症世界はどんな感じか知りたかったのでこの本を選びました。
認知症の方の日常目線で描かれているので、読者からすると別な世界にいるような感覚になるように構成されていました。
目から入ってきた二次元情報を三次元情報に変換できないサッカク砂漠が面白かったです。
電車とホームのわずかな隙間が深い谷のように見え怖い。しかし「ぴょ〜んっ!」と心の中で叫ぶとホームに降りられたというエピソードがとても可愛いですね。
お風呂に入りたくないと嫌がる、七変化温泉では、人によって感覚の違いもあり認知症とは言っても、入りたくない理由もさまざまあることが分