筧裕介のレビュー一覧
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issue+designの筧さんの著書。いわゆるソーシャルデザインというか、コミュニティの力による社会課題の解決について、「人」と「経済」の観点から、持続可能な仕組みづくりを教えてくれる。ちゃんと経済の観点が入っているのが有効だなあと思うことと、SDGsのテーマ・枠組みに乗っかって、地域の課題の炙り出しや解決方法を見つけるきっかけを発見するやり方はとても面白い。この技、使えるようになりたいと思う一冊。「生態系を壊す5つの負のループ。経済衰退・生活困難・孤立無援化・教育水準低下・環境破壊」「地図を書く」「地縁型コミュニティとテーマ型コミュニティ、もう一つ必要なのはタスクフォース型」「インタビューの拡大ポイント」「特殊なキーパーソンを選ぶ。子供5人のお母さんとか」
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Posted by ブクログ
これから“ローカル”を考える上で、とても普遍的なことが体系的に書いてある。とはいえ、新しいアイデアが書いてあるわけではないし、未来への明確なヒントが示されているわけでもない。
ただ今は失われてしまった「あったらいいな(人間/社会としての当たり前)」を実現するための地道な歩みの道標が書いてある。
シビれるような示唆をくれる本ではない。
ただ、こういう本を読んで「ああ、本当そうだよね」と思う人と一緒に働きたいな、と思う。特に行政職員が手に取るといい。
地域の活性化を「空気の熱対流」に例える次のくだりがとても今の感覚にピタッときて、好きだ。
「風、すなわち空気の流れが生じるのは。そこに「熱」があるためである。暖められた空気は膨張して、軽くなり、上昇気流が生じる。地表付近では、上へ移動した空気の穴を埋めようと水平方向から空気が吹き込んでくる。こうして風が生じる。
チャレンジの風は個人の熱い思い無くしては起こらない。誰かに勧められるものでも、強制されるものでもない。個人の内面にある情熱、使命感、好奇心などに火がつくと熱が発生する」(p.280)
結局、みんなが各々めいめいが「これをすべき」と思うことを、自分の責任においてチャレンジするしかない。他人まかせにタライを回しつづけても、風はもちろん、そもそも熱は起こらない。
「未来に向けた多様なチャレンジの風があちこちで吹いている、それが持続可能な地域である」(p.278)
だから、たぶん僕はビール醸造を勉強し、ギター職人に仕事をばんばん発注し(百年ヒノキのプロジェクトをお願いしつつ、個人的に古いギターを直してもらいまくっております。どれも最高!)、道の駅で地元の若手生産者の野菜を買いまくるのである。
「熱」あるところで、お金(資本)を燃やす。これしかない。
明治の成金が玄関の灯りとりに紙幣を燃やすより、よっぽどいいんじゃないですか。本来の資本主義って、そういうことなんだと思う。稼いだ金を、未来のために再投資する。全然稼いでないけど。
未来からのTake(収奪)ではなくGive(贈与)の精神。
本書は、見る人がみれば永遠の中二病、理想主義者のたわ言に見えるだろう。だから、これをどう現実とすり合わせて止揚(aufheben)させるかが、現場の僕らの腕の見せどころだ。
ひたすら対話をして「AでもBでもないなら、Cでいく」。
冒頭で「新しいことは書いていない」と言ったのは、僕がこちらに移住してからいろんな人が言っていたことが総合商社的に出てくる本で、読んでいて妙になつかしかったから(笑)。
とりあえず村内で思いあたる人にタグを貼ってみる。が、たぶんまだまだ他にもいっぱいいらっしゃるような気もする。そう思うとまだまだいけるような気が……。
根っこの方では、やっぱりみんな考えていることは一緒なのかもしれない。社会をよくしたい。人間らしく、生きたい。
さぁて、あとは本当に「やる」だけだー。
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「経済・技術・情報主導の社会進化の過程で、私たちの生活は昔と比べてはるかに便利で効率的になった。しかし、その反面、人が自分の手足、肉体、頭を使う機会が明らかに減っている。スマートフォンの電池が切れると、待ち合わせもできなければ、目的地にもたどりつけない。過度に依存したテクノロジーを失ったら、自分はどうやって生きていくのだろう?そんな不安に襲われることがある。
人と人の関係性が希薄になり、福祉、教育、環境、治安等多くのことが金銭で解決されるようになった。昔は自分の力で、地域や家庭などの日常の人間関係の中で解決してきたことを、企業や行政に回し、お金に依存して解決している。
大量生産・大量消費の中、分業化は進み、自分の仕事の意義がわからない人、短期間での成果が求められ、稼ぐためにやりたくもない仕事に長時間勤しむ人が増えている。
こうした生活と仕事の環境が変わる中で、人は本来持っていた繊細な感受性、強い生命力、豊かな人間力、深い道徳心などを失いつつある。そして、自分が生きていることを実感できない、生きがいを見つけることができない人も多い。そんな「生の実感」が希薄な時代ではないだろうか」(p.415)
「産業革命は人から作る喜びと個性を奪ったのに対して、情報革命は画一的な働き方や単純な繰り返し労働をなくし、喜びと個性あふれる仕事を取り戻す進化をもたらしてくれるに違いない。
そしてその恩恵をより得られるのが、大都市以上に地域である」(p.417)
「農業、林業、職人的ものづくりの世界など、自然環境に近い暮らしから得られる「身体の知」とテクノロジーの進化が可能にする「機械の知」。身体と技術を融合し、「手ごたえ」ある働き方、暮らし方ができる豊かな環境が、地域にはある」(p.417) -
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ソーシャルデザインの教科書
本書では、ソーシャルデザインを「人間の持つ『創造』の力で、社会が抱える複雑な課題の解決に挑む活動」と定義している。
また、デザインを「問題の本質を一挙にとらえ、そこに調和と秩序をもたらす行為」「美と共感で人の心に訴え、行動を喚起し、社会に幸せなムーブメントを起こす行為」と定義している。
この定義が秀逸であり、何やら難しそうに感じるソーシャルデザインという言葉を分かりやすく説明しているのである。
その上で、Part1でソーシャルデザインの行程を7つのステップで説明している。
1.森を知る
2.声を聞く
3.地図を描く
4.立地を選ぶ
5.仲間をつくる
6.道を構想する
7.道をつくる
これらのステップの説明も非常にわかりやすいものとなっている。
Part2では、著者が関わった事業の紹介がされており、Part1と合わせて読むことにより、具体的にソーシャルデザインがどのように進められたのかが理解できるだろう。
社会課題の解決は難しく、本書で提唱されているとおり、スモールスタートでプロジェクトを展開し、仲間をみつけて、よりよいものに改善していくことをやっていくことが大事だと思った。 -
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「issue+design project」による地域デザインについて書かれた本。
ビジネスの世界ではグローバル展開に目が行きがちだけれど、今日本に起きている事、これから起こるであろう事をしっかりと理解し、自分ができる事から初めたいと思わせてくれる内容。
前半1/3は前提となる「キーイシュー」20個の説明。
課題先進国と言われる日本には人口減少、高齢化、自殺、食料自給率の低下、エネルギー問題など多くのイシューを抱えている。
これらを前提として各地域で実行されている事例を後半で説明。
デザインの説明に関しても、アルビン・トフラーの『第三の波』の説明で分かりやすい。
第一の波・・・農耕社会(農業革命後)
主に伝統工芸品。人の手の技を凝縮し生活を彩り、手足の役割を果たす。
第二の波・・・工業社会(産業革命後)
プロダクトデザイン、建築デザイン。大量生産に美的な付加価値を与えるもの。
第三の波・・・脱工業化社会(情報革命後)
コトのデザイン。地域に眠る人材、コンテンツ、技術、産業、空間などの有形無形の資源を組み合わせて作る地域ならではの仕組み。
コトのデザインに必要な「デザイン思考」に関しても特殊能力ではなく、訓練で習得できると位置づける。
共感する技術(他人事を自分ごとにする)、発見する技術、拡散する技術(数を出して、質を高める)、統合する技術(混ぜて、つなげて、化学反応を起こす)、表現する(具体化・改良を繰り返す)。
そしてこれらを活かすチームワーク。
なんだか全てが仕事に通じる要素ですね。
今住んでいる東京で抱えている課題、出身地で抱える課題。
できる事からコツコツと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ認知症世界の歩き方ウィークが、GWに開催されていたのをニュースで知り、行ったのがきっかけで、原作の方を読むことに。なるほどなあと思うところが多くて、これは認知症の人が身近にいなくとも、社会として実装すべき知だなと思いました。それが全員に優しい作りにつながると思うので。いくつかの"症状"は、自分でも陥ったことあるぞ?と言うもので、「認知症」という病気というよりは、よくある症状の延長線上なのだという感覚を強くした。(私は変温動物なので、冷暖房に敏感すぎるし…)
歩き方ウィークを体験していた時も思ったけど、認知症になると、いつもの世界が少し違う異世界のようになるの、ちょっぴりだけ楽しそう。それを楽しむマインドさえあれば、それを楽しめるサポートがあれば、と。(特にこの後に無常商店街を読んだのもあるけど)
総評、面白かった!