三池ろむこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ後書きで作者が桜並木を書きたくて書いたお話だと言っているとおり、桜のため息が出るような美しい風景描写が何度も登場します。他の方のレビューを読むと、好きと嫌いと分かれていたので、大好きな作家さんだけど、過剰な期待をしないで読みましたが、私はかなり好きです。とにかく毎度のことだけど、読者にはとうの昔に心のうちはお見通しなのに、ぐるんぐるん悩み続ける主人公、そしてジレジレと進展しない恋。高校の同級生同士の微妙な三角関係。みんながみんな、相手を思うあまりやさしさで相手を傷つけて、少しづつ自分も傷ついていくみたいな。結末は最初に見えてしまっているのに。さなぎが羽化するのをじっと見守るように、ただ息をつめ
-
Posted by ブクログ
ネタバレ突然人の心の声が聞こえるようになってしまった、エリート会社員の
転落人生からスタート。
人間不信に陥り、会社も辞め、引き籠もりになり、なんとか社会復帰を
したものの、家電量販店の契約社員。そこで知り合った他部署の社員、
長谷部の心の声が聞こえてしまうんですね、余村のことが好きだって。
心理描写が滅茶苦茶うまい。
基本、全編通して受けの余村視点なんですが、心の動きが丁寧です。
だから、余計にせつない。『声』が聞こえることを打ち明けたあたりから
ラストまで、随所で胸がきゅうきゅうしますよ。
場所によっては目頭熱くなる。
あれだけ疎んじたはずの『声』が聞こえなくなってしまった朝…。
そこからの余村 -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
3年前、他人の心の声が聞こえるようになってしまったことがきっかけで人付き合いを避けてきた余村。
ある日同じ仕事場の男に倒れたところを助けられ、彼が自分を好きだという心の声を聞いてしまう。
【所感】
本音と建前。表の顔と裏の顔。
人が紡ぐ言の葉と、実際に心で考えていることがいつも同じとは限らない。
それはきっと誰もが当たり前だと思うことだけれど、そう思えるのは相手の心の声を聞くことができないから。
もし相手の心の声が聞こえるようになってしまったら?
笑顔の裏の、恐ろしい本音が垣間見えてしまったら?
Ifの世界が切なく展開していく様に、まるでお伽噺を聞かされているような印象を受けま -
Posted by ブクログ
び、、びっくりしたーーーーーー!!!
すっかりと表紙イラストにいろんな意味で騙されました!いい意味で。
これ高校生もの。先輩×後輩という設定の本だとばかり思って読み始めて
進めていくうちに、あれ?あれ?なんかおかしいぞ?
と思い始めた時すでに遅し。
しまった!これ年下攻め…(基本、年下攻めは苦手で避けてる)
でもなんだろう?予想以上に小林がものごっつタイプな感じで
違和感なく読んでいけてる自分が居て。
なんか気がつけば続きが気になって夢中に読み進めてしまいました。
こんなのは初めてです。
苦手な筈の年下攻めで萌える日がくるなんて!!!
作者さんの名前、どっかでみたことあるなーとは思ってたのです