竹宮惠子のレビュー一覧

  • 扉はひらく いくたびも 時代の証言者

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     読売新聞『時代の証言者』に語り下ろした連載をまとめた本。
     竹宮惠子さんのこれまでの漫画人生をまとめられています。

     子ども時代から上京までの話。
     上京してから、漫画家の萩尾望都さんと会って意気投合し、その後増山法恵さんを仲立ちにして、大泉の長屋で同居するようになったこと。
     その長屋が「大泉サロン」と呼ばれるようになり、若い漫画家やアシスタントなどが集まるようになっていたこと。
     若い漫画家のなかには『アラベスク』などを代表作とする山岸凉子さんなどもいて、漫画家を志す人たちの文字通りサロンであったこと。
     そのなかから既存の少女漫画の枠を越えてたくさんの作品が生み出されてきたのだと感じ

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    2021年11月17日
  • 扉はひらく いくたびも 時代の証言者

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    たぶん、同じ人がいっぱいいると思いますが、萩尾望都「一度きりの大泉の話」を読んでの本書です。「一度きり…」が竹宮恵子「少年の名はジルベール」の出版によって生まれた悲痛な叫びなので、ここは「少年の名は…」を読まなくてはならないのですが(そして、もちろん読みます!)、個人的には去年、コロナとの遭遇に日常がたじろいでいた5月6月に讀賣新聞に連載されていた「時代の証言者・マンガで革命を」を楽しみに読んでいて、その中で、いわゆる「大泉サロン」での萩尾望都への言及になんか不思議さを感じて、「一度きり…」を手にした、といういきさつもあり、先ずは新聞連載をまとめた「扉はひらくいくたびも」に立ち戻った次第です。

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    2021年10月22日
  • 【電子版限定特典付】 少年の名はジルベール

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    ネタバレ

    「扉はひらくいくたびも」のほうが近作だからそれを読んで済ませようと思ったが、念のため大泉騒動の火付け役になった本書も読んでみることにした。
    近作は子供時代や親のことまで書かれているのに対し大泉時代前後のことがメインに書かれている。
    下井草で萩尾さんに実質別れを言い渡した件は竹宮さん側はわりとあっさりと述べられている。その前後の葛藤は結構克明に描かれてはいるが。
    萩尾さんへのお礼のことばも書かれているのでやはり書き表すことによって和解したい気持ちがあったのだろう。個人的には「空が好き!」は当時好きな作品だったが、「ファラオの墓」より前あたりまでは作家としての自分の個性がだせなくて悶々とされていた

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    2021年10月10日
  • 扉はひらく いくたびも 時代の証言者

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    ネタバレ

    萩尾さんの「一度きりの大泉の話」を読んだだけでは片手落ちかと思い、読んでみた。なぜ「少年の名はジルベール」のほうを選ばなかったからというとこちらのほうが最新刊だから。インタビューからおこした文章ではあるが、理路整然として聡明な竹宮さんらしい。自分で自分を分析する能力や社会の動きを感じ取る能力も高く、大学の先生をやってもちゃんと勤まる人だなあと改めて器用さに感動した。また漫画文化をどう継承してゆくのかについても真剣に考えていらっしゃる。まだ読んでいない竹宮作品もいろいろあるので読んでみたく思った。天才も悩みながら作家人生を歩んでいたことがわかった。その道の第一人者になるって血のにじむ努力が必要な

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    2021年09月26日
  • 扉はひらく いくたびも 時代の証言者

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    生い立ち、葛藤に直面した青春時代、名作「風と木の詩」「地球へ…」創作秘話、マンガを学問として追究、学生へ指導…。漫画家・竹宮惠子が時代と共に駆け抜けた、その半生を語る。『読売新聞』連載を加筆、再構成。

    萩尾望都との話をもう少し読みたかった。次は「一度きりの大泉の話」を読もう。

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    2021年07月12日
  • 扉はひらく いくたびも 時代の証言者

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    大泉サロン関連本 一方の当事者
    竹宮惠子さん読売新聞連載。1970年秋、萩尾望都さんとオンボロ長屋に同居、石ノ森章太郎さんに憧れる今まで負けたことがないケーコタン竹宮惠子はピアノ音大受験より少女マンガプロデュースに興味がある物知り
    ノンたん増山法恵とまだまだ男社会で社会的地位が低かった少女マンガ界を少年愛ストーリーで改革を夢見るも
    天才モーさま萩尾望都に劣等感を抱きストレス過多によるスランプに陥る。山岸涼子さんを含む4人での欧州旅行後1973年長屋の契約更新時に大泉サロン解散を申し出。その後距離を置きたいとモーさまに伝え絶縁状態になり現在に至る。その後スランプを脱し「風と木の詩」「地球へ」発表

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    2021年05月22日
  • 扉はひらく いくたびも 時代の証言者

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    『一度きりの大泉の話』を読んで、これは竹宮惠子さん側からの話も読むべきでしょう、と思って読みました。本当は『少年の名はジルベール』を読みたかったのですが、近所の書店で手に入ったのがこちらだったので。

    大泉の話も出てきますが、こちらはそれ以前の生い立ちから漫画家としての活動全般、大学で漫画を教えるようになってからの活動など、まさに自伝。

    明晰な語り口で、頭のいい方なんだなぁという印象。萩尾望都さんが感覚型で、内向型の天才なら、竹宮惠子さんは分析型、外交型の天才という感じです。
    この正反対な2人の天才。
    やはりドラマ的だわ〜。

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    2021年05月08日
  • 風と木の詩 (3)

    購入済み

    やっぱり昔の漫画家さんは違う!

    大の漫画好きですが、今まで試し読みして
    3ページぐらいで、ちょっとヤダなーと思って
    読まずにいましたが、30代も後半に入り、
    色々(BLぽいもの)も読んでみたいと思うようになり読み進めると、見事にハマってしまいました!昔の漫画家さんはストーリー性だったり
    濃さ、そして画力が素晴らしいです

    #ドロドロ #切ない #深い

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    2021年05月07日
  • 【電子版限定特典付】 少年の名はジルベール

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    「大泉」の死によせて、竹宮惠子は壮麗な墓へ美しい花を手向けるように語るけれど、萩尾望都はいまだ埋葬も叶わぬその死体と暮らしていると悲痛に告げる。

    わたしは10代からの萩尾望都の大ファンであるけれども彼女たちが少女漫画雑誌の表紙を飾っていたころの世代ではない後追いファンで、『一度きりの大泉の話』の読後、補論として『少年の名はジルベール』を読んだ。

    非常に整然とした面白い回顧録だった。「頭がよくそつのない何でもできる人」という著者への評価が腑に落ちる。

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    2021年04月23日
  • 風と木の詩 (16)

    ネタバレ 購入済み

    風の行方

    ジルベ-ルの為に、男色家の建築士の元でセルジュは一緒に暮らすべきでしたね。そして、音楽の支援を彼から受けて、一人前になり、ジルベ-ルを養うべきでした。
    ただ、そういうストーリーでは、こんなに長く語り継がれる事はなかったでしょう。

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    2020年12月28日
  • イズァローン伝説 (1) アッハ・イシュカの庭

    永遠に生きるって

    12巻までであの終わり方はないと思ったが作品の完成度は高い

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    2020年10月27日
  • 【電子版限定特典付】 少年の名はジルベール

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    著者である竹宮恵子先生の自伝
    ファラオの墓 執筆中の様子が非常に印象深い
    読者の好みの把握、自分の描きたいものと描けるもののバランス、徹底した分析と研鑽
    マーケットインのビジネスそのものと感じた

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    2020年04月15日
  • 【電子版限定特典付】 少年の名はジルベール

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    萩尾望都派だけど竹宮恵子の名に反応してしまうのは、やはりどちらも読み漁った世代だからなのか。デビュー前後のこと、代表作秘話、「大泉サロン」での繋がりなど、これまで知らなかった知りたかったいろんなことを興味深く読んだ。あのときこうなったのはそういうことだったのかーとか(ただコミックス追っかけ派なので雑誌連載中のことはよく知らない)。
    後半、風木の最終巻の辺りがちょっと駆け足で、いくつか物足りない部分もあったけど、創作する人にはとても大事なことが書いてあると思う。望都サマの本も探そう。

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    2019年11月29日
  • ファラオの墓 (4)

    sa

    購入済み

    懐かしい!

    子供の頃、従姉妹の漫画を借りて読んだ。その頃には気付かなかったけれど、どの登場人物もなんて魅力のあることか。購入して良かった。

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    2019年11月14日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    「少女マンガ読み」でも知られる内田樹さんが、巨匠竹宮恵子さんと対談。日本独自の文化と言える「少女マンガ」を掘り下げる。興味深く楽しい対談。

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    2015年08月31日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    竹宮惠子さんのお話に世界が広がっていくような爽快感。
    新年にぴったり。
    『若草物語』とケストナーは、自分にとっても背骨のような物語なので、内田樹さんの考え方に共感を覚える理由の一つなのかも、と思った。

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    2015年01月16日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    マンガ論で核心をついてると感じたのは初めてで、本当に面白い一冊でした。クリエイティヴィティはどういう環境に生まれるのかに関する議論には何度も膝を打ちました

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    2014年12月20日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    マンガ発展の歴史と、今かかえている問題を、書き手の事情を誠意もって、読み手のことをよく考えながら、率直に語っているように思えて、とてもうれしくなっちゃう。
    少女漫画は、大泉サロンメンバーの1か月のヨーロッパ旅行で塗り替わったのだ!

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    2014年12月02日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    レジェンド少女漫画家と、それを読んで育った武道家・哲学者の対談。
    僕自身が少女漫画読者でなく、かつ時代が違うので、なかなかグッと話に入っていけなかったけど、その時代を想像して楽しめるだけの話の濃さとリアリティとユーモアでした。

    内田「音楽についてトリビアルな知識を持っている人間が『これはこれとこれのパクリだ』と言うと、その知識自体が何か批評性を持っているかのように見なされる。でも、マンガの場合は、そういう話はしませんよね。この人のこの絵柄とかコマ割りは誰それのパクリだと言っても、誰も反応しないでしょ(笑)。」
    竹宮「誰が何をやっても構わない。ただただ、マンガはオープンソースなだけです。」

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    2025年02月19日
  • 【電子版限定特典付】 少年の名はジルベール

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    少女漫画の大家、竹宮惠子自らが、デビュー当時を振り返ってエッセイとしてしたためた本書。60-70年代、可愛らしい少女しか出てこなかった当時の少女漫画界に、少年を主人公にして精神性をフィーチャーしたり、元祖BL系に踏み込んだり、新たな時代を革命的に作ってきた世代の方。

    自分が生まれるよりずっと前の時代だが、萩尾望都作品が好きなので、このあたりの時代の作品にも親しんでいる。その中でも、竹宮惠子と萩尾望都はデビュー前後で同居をしながら描いていた仲間ということで、一括りにされることが多い。しかし、彼女たちは実は仲がよくないようだ…ということをつい最近初めて知り、俄然、竹宮惠子側の話を知りたくなり手に

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    2024年11月09日