嬉野君のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者がご病気でいらしたということで2年半ほどの間をあけての新刊。大好きな作者&シリーズなので、ご体調を心配しながら待っていた。
そして待った甲斐を何倍にもして返してくれたように思える大満足の新刊。
連載はWebで1回は読んではいたけれど、書籍の活字になったストーリーは格別過ぎてすごかった。
回の区切りを「え!?」というところで切ると続きが読みたい病が発症してしまうわけだが、嬉野先生の場合、それが章ごとに来るので、1ページも油断できない。アドレナリンMAX放出状態のまま読まなくてはいけない。これマイルール。ジェットコースターさながらに振り回されっぱなしである。
それは淡々と鋭い的確な説明であっ -
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ネタバレ夏草も合流したことでフォーメーションが変わるのが面白い。
桜に戦い方を教えるシーンがとても良かった。錆丸を特訓した夏草がっていうのもまた胸熱。
鉄の盟主社の人達も良かった。皆自分たちの技術に自信と誇りを持っているのが格好いい。そしてその彼らの知識の源になっていたのが三月の蔵書だったっていうのが…今巻で一番うるっときたところ。
蜜蜂の過去とイリヤの正体は、なんだか気が滅入る。洗脳されているのはわかっているのに、目的はいまだにリルリルなのがよくわからない。
わからないといえば、砂鉄のことを覚えていないユースタス。何の関係もない人が七百年もってどう考えてもおかしいわけで、そのあたりをどう解釈してい -
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表紙から、内容がファンタジーかあやかしかと思ってしまうが、ミステリーの要素がたっぷりで、ほっこりするあたたかさを持ったいい話だった。
奨学金を出してもらったおかげで、無事大学院を出て、就職することのできた小窪律と、同じく高校までの資金を出してもらったチンピラ風の今村が、奨学金を出してくれた鎌倉の老婦人楢村文絵に自宅まで招かれるが、文絵には20歳台の夫がいて、なんだか奇妙な感じ。奨学金の審査の面接のときに話した、自分と友人のとんでもない中学、高校時代のエピソードを謎として、夫(!?)の竜弥にもう一度話したところ、たちまちに謎を解いてしまう。今村の凄絶な人生の謎仕立ての話も同様に解かれる。どうも、 -
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ネタバレ待望の第2巻。毎月新刊が出てくれれば良いのに、と思うほど大好きなシリーズ。
まさか彼女が彼を忘れているとは、と驚かされたのだけど、もし推測通りの理由なら、胸を締めつけられるしかなくて。
でも、また彼女が彼に惹かれていくのは間違いないので、その過程が再度見られるのは、決して悪くないよね。
そして夏草の目覚めでは、三月と一緒に泣いたです。
金星特急シリーズに限らないのだけど、嬉野さんの博識ぶりと旅経験の豊富さにはいつも驚かされる。
雑学好きな自分には、そこも読みどころの一つだよ。
なので、アルちゃんのウザ語りは大好きです(笑)
あー、早く続きが読みたい。 -
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ネタバレすっごく楽しみにしていた続編。
嬉野さんならハズレがあるはずはないとはわかっていたけど、期待をはるかに上回る面白さで悶絶した。
後書きで書かれていたように、続編と聞いたら、あの続きで桜が大きくなって学生に、と思うじゃないですか。
それがまあ、スケールが数百倍。
あの人やあの人が、ああなってこうなって、涙が溢れた描写も何か所も。
平凡な言葉だけど、こんなに果てのない愛を桜に注げる人達が、実は他から愛を与えられてなかったりするわけで。
自分の中にほとんど持っていなかったものを、どうやって生み出して引き出して、彼女に注ぐことができるのか。
その強さにまた涙が出る。
ああもう、続きが待ち遠しくてた -
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金星特急の旅から八年。お世話になった人を訪ねる旅に出た錆丸は、月氏の幕営地、北極圏の村、そしてグラナダへ辿り着く。大人気作番外篇!
いやーー、雑誌で短編出る度に読んでましたが、一冊になると感慨深いですね。しかも続編とか涙が出るよ。ありがとう嬉野先生、編集者さま、ウィングス文庫。
今までは錆丸もしくは金星を中心だった物語は完全に桜を中心に回り始め、あの本編の舞台をなぞるように展開します。確かに女神の娘だから何かある可能性高いけど、こう来たかー!と書き下ろしでは頭を抱えてしまった。人を傷つける力ではなく助ける力。だけど、その力を我が物にしようとする人はいるだろうな・・・みんなの心配もよく分かる。 -
Posted by ブクログ
腕の立つ琥珀と翡翠に、人の思念を読む能力を持つ珊瑚が加わり、益々護衛としての評判を上げる宝飾店。そんな彼らを気に入ったらしいミシェーレ老の口利きで、三人は十年前に失踪した『ペルシャの王子様』探しの依頼を受ける。入ったが最後二度と出られないと恐れられる坑道跡地へ潜入するが・・・?さらに一行は、若きミシェーレが魅了された女神と宝石の謎を解き明かすため、三十年の時を経て密林の奥へと旅に出るーー。
今回も面白かったー!珊瑚が大活躍の坑道冒険でした。知識があることの素晴らしさを実感したので、またいろんなジャンルの本読まないとだなあ。ミシェーレ老が宝飾店にやたら絡んできた理由も判明し、わざわざベトナムま -