アーネスト・クラインのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「リスポーン」行動心理学によれば人間の行動は大きくレスポンポンデント条件付けとオペラント条件付けに分けられる、簡単に言うと環境に対して行動が発現する。それの極端な形が”ゲーム”である、というところからアイデアとったのかな?と思われる短編。ゲームの中でプレイヤーはどんな人にでもなれる。でも所詮それだって、条件付けの産物にすぎない。じゃあ、俺は俺のままでもなんだってできる。そういうことだろ?みたいな話。ゲームSFの懐の深さを見せつける読みやすい良作。
「救助よろ」ケン・リュウは別格なので置いておくとしたら、これが一番面白かった。最初から現社会と異世界の合いの子みたいな世界観で、まあ、SFなんだしこういうこともあるかなぁ、と思いながら読んでいたら意外な仕掛け。ゲームみたいな世界だったらなあ、とは誰しも一度は思うこと(多分)。でもラストのオチはお約束みたいでイマイチだったかな。そんなに悪い世界とも思えないし……。
「1アップ」ゲーム好きが、ゲーム好きならではの発想や推理力から、大きな敵に打ち勝つという王道ながら感動のストーリー。レディプレイヤーワンに求めてたのはこれだったのに……(その話は今は関係ないでしょ)。
「猫の王権」認知症とゲームの未来について、といった解説がなされていたけど、着想はゲームばかりでコミュニケーションを取ってくれなくなってしまった隣人からなのでは? ある意味どこにでもある話なのだと思う。ラストの解釈は難しいんだけど、そういう方向から考えたら、「ゲームは確かにコミュニケーションを奪う、でもそこにはそれだけの魔力も確かに存在している」ってことかな?
「神モード」セカイ系! 崩壊していくセカイ、そこに残されるきみとぼく。よくあるストーリーだけど、それでも好きなものは好き。コメント以上。
「リコイル!」MGSが好きなんだろうなあと思いました。
「キャラクター選択」ゲームがスカウトの役割を果たす、というアイデアは「The video game with no name」にもありましたね。こっちはちょっとひねってある。ネットの感想で「なぜわざわざガーデニングの上手い人をとるのか、オチが雑」というのを見たけど、多分「戦うことを求められる場においても人々の幸せを求めて違った選択肢を見つけられる人こそが平和を守るためには必要」。泣ける。
「時計仕掛けの兵隊」ゲームを進めるに連れて、ゲーム世界と作中世界、そして現実世界までもが交錯していく様は、まさに”ナラティブ”なゲーム体験。抑圧され、知ることを許されず、自己選択を制限されることの苦しみ、それに不自由な身でありながらも少しでも抵抗しようと試みるのは、何よりもそれが自分自身の問題であるから。「無知であることと、知ろうとしないことは、別物である」これはアレックスに向けた、そして私たち読者に向けたメッセージ。その読後の余韻の重さにしびれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレもともとビデオゲームを題材にした26篇が収録されていた米国のアンソロジーから、12篇を邦訳した日本版再編集アンソロジー。全体的に読みやすい文体で短めの短編作品が多い。ゲームSF縛りだけど全く飽きず。
「リスポーン」★★★☆☆
- 本アンソロジー唯一の日本人作家、桜坂洋。ラノベ出身なだけあってサラッと読みやすい。死ぬと近くにいる誰かに乗り移って、死ねない男。
「救助よろ」★★☆☆☆
- ゲームにのめり込んだ元カレ、デボンと連絡を取るためにメグはそのゲームに参加してみると「助けてくれ」という連絡。彼女は元カレのためにゲームを勝ち進み、彼氏を救出するが、それは毎回記憶(記録)をリセットして繰り返した〇千回目だった。彼氏は本来一度しか入手できない最強のアイテムをいくつも手に入れるために元カノを利用していた。
- さらさらと読みやすいけど。今までに読んだことありそうな、絶望系のオチ。
「1アップ」★★★★★
- SFではなかったけど、ハラハラドキドキ系で面白かった。
- ゲームの中でしか会ったことがなかった仲間のソリーが死亡、生前から絶対葬儀に来てくれと言われていた。初めて会う他の仲間3人と参加。ソリーの寝室に行くと自作のテキストアドベンチャーゲームがあった。ゲームを進めると継母がソリーを部屋に閉じ込め、殺そうとしていたことがわかる。ソリーは仮死状態になる毒物を自ら購入し、死んだふりをして部屋から出る作戦を決行。酸素が残っている5時間以内に墓を掘り起こし、棺を開けてもらうよう友達に命を託していた。
「NPC」★★☆☆☆
- ゲーム内の脇役キャラが昇格して浮かれたり、沈んだりするライトな短編。
「猫の王権」★★★☆☆
- 認知症患者であるシェアリーのリハビリのためにあるゲーム(猫の王権)を勧められる。同性パートナーのジュディの不安かつ寂しそうな様子が緻密に描かれている。
- 物語として何かが起きそうなところで終わってしまうので、やや物足りなかったけど、なかなか読める。
「神モード」★★★★☆
- 大学生のサラと僕。サラがある時電車で転倒し、頭を打ち付ける。その日を境に世界が少しずつ消滅していく。ふと目が覚めると自分たちは老夫婦でベッドに横たわっていた。
- すべてがハッキリ説明されてないので正しく理解できているかわからないけど、その夢オチのようなエンディングでも嫌な気持ちにならない満足感のある内容。ストーリーだけでなく文体もよい。
「リコイル!」★★★★☆
- ゲームのテスターの仕事をしているジミーが夜遅くにオフィスにいると、何者かがビルに侵入する。犯人から逃げながら、武器を使って応戦し、まるでFPSゲームの中のミッションみたいにスリリングな展開だと思ったら、本当にFPSゲームでした、という若干夢オチ的な終わり方ではあるけど、直接神経インターフェースを使った体験型ゲームという設定も面白いし、最終的に現実世界がまたゲーム世界のような「今どっち??」と混乱させる終わり方も楽しい。
「サバイバルホラー」★★★☆☆
- あるゲームをインストールしたせいで命がけのパズルゲームにチャレンジさせられる、という話だけど、そもそもこのプレイヤーがいる世界自体がファンタジーで魔法的なものが使える設定。半分ジョークSF的なもの。(長編のスピンオフ作品らしい)
「キャラクター選択」★★★★☆
- 子育ての合間にFPSゲームをプレイするわたし。夫曰く、そのゲームは国防総省開発で、優秀なプレイヤーは国防総省にスカウトされるらしい。わたしはそのゲームの本来の目的はそっちのけで、八百屋の裏に畑を作ったり、ラクガキを消したりしていたら、電話番号らしきものが現れ、かけてみると国防総省に繋がり、スカウトされた…。
- SF色はほぼないけど、日常と非日常の混ざり方が面白い。
「ツウォリア」★★★☆☆
- エンジニアである自分が30年以上前に走らせたまま止め忘れていたプログラムが勝手に増幅し、とてつもないAIに成長して自分の元に帰ってきた、というジョーク系SFショートショート。「火星の人」の著者アンディ・ウィアーによる作品。
「アンダのゲーム」★★★☆☆
- 勧誘者ライザから、ゲームの中でミッションをクリアするとリアルマネーが振り込まれるという仕事に誘われ、金を稼ぎ始めたアンダ。
- 長い割に物語自体はどこにも着地しない感じがちょっと物足りなかった。肥満の女子がリアルの世界でダイエットを頑張るあたりはなんかよかった。
- アンダ:ゲーマー。リアルでは肥満体型な女子。
- ライザ:勧誘者。ファーレンハイト・クランのリーダー。
- ルーシー:軍曹
「時計仕掛けの兵隊」★★★★☆
- 新しい設定。アレックスは捕まえた賞金首のライダーを逃すところから始まり、その後、回想シーンへ。アレックスはライダーの父親(政治家)の依頼でライダーを捕まえ、宇宙船で輸送していた。その間、ライダーはPCでテキストアドベンチャーゲームを制作しており、アレックスはそのゲームをプレイすることで、ライダーの過去を知る。※ライダーは幼くして亡くなったが、選挙期間中の父親は息子を見舞う暇がなかったため、死んだことを隠すために自動人形を作っていた。
- ケン・リュウらしい、後味が悪いけど美しい文章。
- アレックス:女性のバウンティハンター
- シェヘラザード:ライダー(賞金首) -
Posted by ブクログ
ビデオゲーム×SFをテーマにしたアンソロジー。
全部で12作品載っていて、自分的に特に印象深かったのは、「猫の王権」(チャーリー・ジェーン・アンダース)。
主人公が認知症の改善に効果があるという評判のVR国家運営シミュレーションゲームを同性のパートナー(認知症)にプレゼントするんだけど、そのパートナーはVRの世界でものすごい政治家になっちゃって、もはや主人公とは違う世界の住人になってしまう、っていうお話。
ゲームにのめり込むにつれて、主人公を必要としなくなってくるパートナーと、それを受け入れざるをえない主人公の悲しみが切ない……
最後、主人公が同じような境遇のひと(新しいパートナーになりそうな予感)と出会うところが救い(><)
あと、「アンダのゲーム」(コリイ・ドクトロウ)も良かった。
主人公に感情移入できて、最後は気分爽快のハッピーエンド(^○^) -
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アメリカ人向けライトノベル
あらすじだけ見るとスターファイターの亜種に見えるが、読んだ感触としてはむしろ笹本祐一の妖精作戦をはじめとする日本の初期ライトノベルを現代のアメリカ向けに再構築したのではないかと思える。
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映画とは別ものになっているが
60年代後半から70年代にかけての生まれというこの小説の作者と同世代のオタク層に最適化された小説。
海外のライトノベルといっていい
映画の原作となっているものの、映画はアメリカ向けに再構築されているため、色々異なる部分が多い。
小説の方は映画に比べ日本成分がかなり多めになっているので上記の日本人読者層には楽しめる内容になっていると思う。
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Posted by ブクログ
ヴァーチャル世界の宝探し(エッグハント)は続く、のだが、そのアプローチはネットワーク内に留まらず、リアル世界にも展開する。ギーク=おたく達の、豊富な知識と無謀ともいえる挑戦が、世界を動かしていく。
冒険あり、恋愛あり、読み終えてしまえば王道の物語なのだが、SFと80年代ポップカルチャーに彩られた素晴らしい作品だった。オチの教訓は賛否あるかもだが、ワシはあり。
しかし作者は、本当に日本のアニメ、特撮が好きなのだなぁ。その愛が伝わってくるのも嬉しく感じた。
本の感想としては余談だけど。
映画「レディ・プレイヤー1」と比較すると、モチーフやキャラ設定は活かしつつ、宝探しの段取りは相当違う。それでもどちらも面白いし、映像を見ていたから補完できた小説のイメージもあるので、やはりスピルバーグ監督の表現力はすごいな、と。
ただ、映画で「それはないだろ!」というツッコミをしたい箇所があったのだが(コメディと捉えれば敵役の間抜けさを際立たせていたが)、それはさすがに小説では無くて安心。
まぁ分かりやすく2時間にまとめるの大変だし、それでも面白さは損なわれてないからやはりすごいのだけど。 -
購入済み
映画を観た後で、これを読む人へ
映画を観た後で購入したので、同じようにこの本を買おうとしている人に向けに書かせていただきます。
覚悟してください。映画と同じなのは登場人物名と三つの鍵を探してイースターエッグを得るという事だけです。探し方も全然違います。なにより日本中のダイトウのファンに申し訳ない内容。
それをわきに置いて、これを原作小説と割り切って読むならいいかも。
小説の方が版権の制限がない分、何でもありで痛快。後半の最終決戦前から読むのが止まらなかった。それでも引用する映画やゲームが日本人にはマニアックすぎるw