雪富千晶紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
離島を舞台にした、かなり盛りだくさんな青春ホラー。章ごとに都市伝説的内容だったり島の伝承的な内容だったりとテーマが異なる事件を扱っているが、それらが島の大きな異変の正体へとつながっていく展開にわくわくした。予想外にスケールが大きくなり派手な展開となるが、風呂敷をしっかりと畳んだ手腕は見事。
初めの方、特に顔取りとヨットの話は好みで怖さもあったのですが、後半にいくにつれてなんでもありにしてしまい緊迫感はあるものの怖くはなかったのが少し残念。
空回りしつつもがんばってる主人公には好感がもてた。ざっと読み返してみると、友人はかなり重要なポジションだと思うのに若干影が薄く、理不尽かつ不憫。 -
Posted by ブクログ
エンタテインメントとして面白いんだが、
ちょっと「あれもこれも詰め込みすぎ感」あり。
作者のサービス精神はもの凄いが、
もう少し交通整理できてるとさらに良いか。
出だしは横溝正史風「田舎の因習話」かと思うと、
青春小説風だったり、ホラーだったり、
もちろんミステリ要素もあったり。
「で、結局どんな話?」と聞かれた時に、
「こうだ」と答えられる「どんとした印象」がない。
これが若干読後感の「弱み」ではないかと。
ミスリードも、私には先が読めたし。
が、読んでる間は、けっこうなドキドキワクワク感(^ ^
繰り返すが、読んで面白い本ではあるので、
批評家の目を捨てて読めば純粋に楽しめます(^ -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初は何も考えずに文庫本の表紙が良かったので買ったのだが・・・まさかホラーとは思わなかった。ただし、普通のホラーとは違う、清々しいホラーというかミステリーというか、・・・かと言ってかなりグロイ所もあり、ラストではまさにゾンビが海から島に這い出てきたりで、何でも有りという感じでした。
内容的には6つの章に分れており、それぞれの章に伝記的ミステリー、民俗学的ミステリー、呪いのミステリー等々とかなりグロテスクな描写が多々あるが、前述したように清々しさを感じるのは、この小説の主人公「杜弥」と「椰々子」の恋心が描かれていたからだろうと思う。
ある人に言わせればちょっと詰め込みすぎと言われているが・・ -
Posted by ブクログ
ネタバレクローズドサークルミステリと青春恋愛とゾンビアクションと因習が全部詰め込まれた見どころたくさんの小説。
ただのホラーと括れない程盛りだくさんのジャンルが詰まってます。
出てくる主要な登場人物の見目がいいからアニメ化や漫画化しやすそうだな。
なんかあんまり解せなかった所は、ある一定の周期でゾンビに襲われる島であるって分かってても町民がそこを出ようとしない事。確実に少なくない人数の死者が出るって分かってるんだし、命が大事ならそこまでこの島に固執しなくていいと思う。
あと最終決戦でゾンビの群れに島が襲われる時に、物理攻撃が効くって分かったんだから、今後のためにも神社での祈祷や封印も大事だけど村長 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初から生存者は一人とわかっていて、その様子から始まる。その人物をラスト近くまで勘違いしていた。
途中に何度も訪れる危機。
マダガスカル沖でエンジントラブルをきっかけに、日本人観光客7人とボート運営者1人、運転手2人の計10人を乗せた観光ボートの漂流。
最初はすぐに助けが来ると思っていたものの、誰からも見つけられない場所に漂流してしまったため、みんながどんどん衰弱していく。
継人(けいと)はたまたま、無気力な大学生で海洋生物を研究していて将来に行き詰まっていた。そんなときマダガスカルという生物的に魅力ある島のクルーズに出かける。漂流したところで、継人の知識が役にたってくる。食べられるもの、ここ