【感想・ネタバレ】ブルシャークのレビュー

あらすじ

不二宮市職員の矢代は、開催が迫った来常湖トライアスロン大会の準備に奔走していた。そんななか水質異常に気づいた同僚が検体を取りにいくと言い残して失踪し、キャンプにきていたカップルも荷物を残して姿を消す。海洋生物学者の渋川まりは、この湖にオオメジロザメがいるというが、これはサメの仕業なのか……? 映画顔負けの迫力に圧倒される本格サメ小説!!

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Posted by ブクログ

これは面白い。サメ映画はよく聞くがサメ小説である。しかも王道のモンスターホラーにパニックものの要素、さらにはヒューマンドラマにも焦点を当てつつ物語がまるで脱線していない。導入部で「巨大な正体不明の何かがいる」と提示された瞬間から最後、読み終えるまで手を止められなかった。あの出現シーンは「怪獣映画かよ」とワクワクした。たまらない一冊だ。

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2025年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったです。サメ小説として星5をつけます。
理由はこれだけサメに向き合った(向き合いすぎた)作品はなかなかないんじゃないか、と感じたから。

この作品、富士山周辺の湖でのトライアスロン大会当日でのサメ大暴れまで、サメがなかなか出てこないんですが、まさにそこからは圧巻と言っていい描写。準備したものが効果なく、絶望を感じるパニック展開なんです。
そしてそこに至るまで、いかにサメが大きくなるか、ややSF的解説や被害者視点のホラー描写を積み重ねていく。まさにサメと対決するための準備を積み上げて最後に至る感じなのです。
ところがそのために、トライアスロン大会やスポンサーでついた企業との対決軸が弱く、登場人物たちは個人的動機でしか深く入り込めない。一番対立するのが恋愛感情ですが、その原因となる彼が、なぜ主人公の一人である学者にメールを残したのか考えると、それはサメに真剣に向き合ったからに他ならない。

特に印象的なのは、カメに始まりカメにおわるところ。つまり、本作はサメ対他のすべてという構図なんですよ。モンスターとして存在しているのではなく。だから、物語の最後はカメがサメを見届けなければならなかったわけです。

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2023年08月17日

Posted by ブクログ

雪富千晶紀『ブルシャーク』光文社文庫。

まさか日本人作家による本格的『鮫小説』が読める日が来るとは夢にも思わなかった。

中学生の時に映画館で初めて観た洋画が『ジョーズ』である。その後、早川書房から刊行されたピーター・ベンチリーの原作も読んだ。以来、自分にとって鮫は、羆と並ぶ動物界の恐怖の象徴である。

さて本作であるが、トライアスロン大会が迫る富士山麓の来常湖にオオメジロザメが現れるという設定だ。

『ジョーズ』の既視感は完全には払拭出来ていないが、非常に面白い。

問題のサメがなかなか姿を見せない点、サメが居るにも関わらず、危険を犯してイベントを強行しようという点、2メートル級のアリゲーターガーが捕獲されて一安心する点などは『ジョーズ』と同様の展開である。

さしずめ矢代がブロディ署長で、渋川は海洋学者のフーパーと言ったところか。となると、クイントは誰なのだろう。

トライアスロン大会の準備を進める不二宮市役所職員の矢代貴利は、同僚の関から来常湖の水質汚染の話を聞かされる。関は湖に検体を採取して来ると言い残して姿を消してしまう。

関の安否が気掛かりな矢代が湖のキャンプサイトに向かうと、久州大学准教授だと言う渋川まりと名乗る風変わりな女性と出会う。矢代は海洋生物学者の渋川から来常湖にオオメジロザメが迷い込んでいるという有り得ない話を聞かされる。

何とかトライアスロン前にオオメジロザメを捕獲しようと渋川と行動を共にする矢代だったが、第2、第3、そして第4の犠牲者が……

そして、ついにトライアスロン大会の号砲が鳴り……

ラスト80ページで巨大化したオオメジロザメがついに姿を見せる。

本体価格780円
★★★★★

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2023年02月17日

Posted by ブクログ

トライアスロン大会の開催一週間前、実行委員会の責任者である市の職員が、会場となる富士山麓の湖に関する異変についての報告を受ける。
めっ…ちゃくちゃ面白かった!これぞエンタメ!個性豊かな人物達が美しい湖を血と絶望に染める巨大鮫に立ち向かう!読後続編即購入!

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

小説ならではのドキドキ感
サメの生態に関しても知ってたこと、知らないこと両方あって面白かった。
続刊あるらしいのでそっちも買う予定。

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2024年01月31日

Posted by ブクログ

サメ小説という新たな分野を開拓した意欲作。
モンスターパニック映画さながらの描写、展開で是非ハリウッドで映像化してほしい。
ノーアサイラム!

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2023年06月07日

Posted by ブクログ

富士の裾野、三島市の本屋での出会い。
出会った場所が場所だけに、気になって即購入。表紙もインパクト大!
ブルシャークは本当にいるのかどうなのか!?
真打ち登場までしっかりハラハラドキドキさせられました。
文字だからこそ、過去に見たサメ映画の記憶も相まって、ものすごく怖い映像が頭の中にながれて来る感じ。もう一気読み。
主人公矢代と渋川のコンビもいい。

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2023年03月04日

Posted by ブクログ

帯に「富士山麓の湖に巨大なサメが!?」って書いてあるから「エエッ!?富士山麓の湖に巨大なサメが!?」と思って衝動買いするじゃん、すげえわ、読むサメ映画だったわ。
寧ろ映像ではここまで無理ではというほどのお召し上がりっぷりと、消えていく人々・姿を見せないサメへの恐怖と、そもそもなぜあんな内陸部にサメが、しかも巨大化したのかという謎解き、迫るトライアスロン大会、登場人物各々の葛藤、ぜんぶまるっと平らげられる小説でした!

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サメホラー(サスペンス?)としては本格的。
語り口がたびたび変わって、文脈を追うのに若干戸惑いあり。主人公の成長も盛り込んだで居て盛りだくさん。
アメリカのゴルフ場の池にも20年近く居たとの記事を見て、あり得ることかと感じた。環境汚染の絡みが伏線なのか、警鐘なのか、ちょっとはっきりしなかった印象。

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2023年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よくぞ書いてくださったサメ小説!
プロローグとエピローグのカメ視点、大会までのカウントダウン期間中に見え隠れする巨大オオメジロザメの影や風変わりな海洋生物学者の渋川まりを始め彼女に協力してサメ巨大化の謎を探っていく学者陣、落ちぶれたトライアスロンの元花形選手等の登場人物が個性豊かで只の生物パニックで終わらせないドラマがある。
サメとの決着が一番サメの大きさを実感できてガクブル、そのホラーな状況に息を呑むしかなかったな。
想定内だった終わりも不気味なサメホラーの新たな幕開けを予感させる描写で続きが楽しみ。

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2023年02月26日

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