あらすじ
不二宮市職員の矢代は、開催が迫った来常湖トライアスロン大会の準備に奔走していた。そんななか水質異常に気づいた同僚が検体を取りにいくと言い残して失踪し、キャンプにきていたカップルも荷物を残して姿を消す。海洋生物学者の渋川まりは、この湖にオオメジロザメがいるというが、これはサメの仕業なのか……? 映画顔負けの迫力に圧倒される本格サメ小説!!
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Posted by ブクログ
面白かったです。サメ小説として星5をつけます。
理由はこれだけサメに向き合った(向き合いすぎた)作品はなかなかないんじゃないか、と感じたから。
この作品、富士山周辺の湖でのトライアスロン大会当日でのサメ大暴れまで、サメがなかなか出てこないんですが、まさにそこからは圧巻と言っていい描写。準備したものが効果なく、絶望を感じるパニック展開なんです。
そしてそこに至るまで、いかにサメが大きくなるか、ややSF的解説や被害者視点のホラー描写を積み重ねていく。まさにサメと対決するための準備を積み上げて最後に至る感じなのです。
ところがそのために、トライアスロン大会やスポンサーでついた企業との対決軸が弱く、登場人物たちは個人的動機でしか深く入り込めない。一番対立するのが恋愛感情ですが、その原因となる彼が、なぜ主人公の一人である学者にメールを残したのか考えると、それはサメに真剣に向き合ったからに他ならない。
特に印象的なのは、カメに始まりカメにおわるところ。つまり、本作はサメ対他のすべてという構図なんですよ。モンスターとして存在しているのではなく。だから、物語の最後はカメがサメを見届けなければならなかったわけです。
Posted by ブクログ
富士の裾野、三島市の本屋での出会い。
出会った場所が場所だけに、気になって即購入。表紙もインパクト大!
ブルシャークは本当にいるのかどうなのか!?
真打ち登場までしっかりハラハラドキドキさせられました。
文字だからこそ、過去に見たサメ映画の記憶も相まって、ものすごく怖い映像が頭の中にながれて来る感じ。もう一気読み。
主人公矢代と渋川のコンビもいい。
Posted by ブクログ
帯に「富士山麓の湖に巨大なサメが!?」って書いてあるから「エエッ!?富士山麓の湖に巨大なサメが!?」と思って衝動買いするじゃん、すげえわ、読むサメ映画だったわ。
寧ろ映像ではここまで無理ではというほどのお召し上がりっぷりと、消えていく人々・姿を見せないサメへの恐怖と、そもそもなぜあんな内陸部にサメが、しかも巨大化したのかという謎解き、迫るトライアスロン大会、登場人物各々の葛藤、ぜんぶまるっと平らげられる小説でした!
Posted by ブクログ
サメホラー(サスペンス?)としては本格的。
語り口がたびたび変わって、文脈を追うのに若干戸惑いあり。主人公の成長も盛り込んだで居て盛りだくさん。
アメリカのゴルフ場の池にも20年近く居たとの記事を見て、あり得ることかと感じた。環境汚染の絡みが伏線なのか、警鐘なのか、ちょっとはっきりしなかった印象。