由佐美加子のレビュー一覧
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南アフリカの民主化にむけて大きな力となった伝説のワークショップを担当したファシリテーターの新著。
しばしば、対立概念でとらえられる力と愛であるが、それは補完的なものである。愛のない力、力のない愛では、いずれも社会変革は失敗する。これらは、二者択一の概念ではなく、ディレンマ、つまり両立させるべきであるが、なかなか両立が難しい問題である。で、解決策としては、歩くように、愛→力→愛→力といったぐあいに、交互に進んで行くことが大切というメッセージである。
言われてみれば、当たり前のことだけど、なかなかこれをストレートに言った人は、すくなくともファシリテーションとかやっている人では、少ないと思う -
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原書のタイトルが『Power and Love』といって、冒頭のキング牧師の引用が、この本のすべてを語ります。
愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である。
ーキング牧師
よくこの対決を日常の至る所で目にします。感情論に訴えて具体的な解決策が見いだせなかったり、やったら強引に物事を進めようとして、関係者の気持ちを無視してみたり、さもすると、ナイーブな感情論というくくりの『愛』と、ギラギラした出世欲丸出しの自我としての『力』の対決の構図になりがちですが、本書はまったく新しいコンセプトを提示します。
愛と力は二者択一する選択肢なのではなく、そのバランスを保つことが重要だと。
そう考えたの -
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ネタバレ世界のために、世界の人たちといっしょに働くとはどういうことなのかを学びたくて、読んでいる。
カヘンは、南アフリカを始め世界50ヵ国以上で教育、環境、紛争、食糧問題など社会問題の変革を支援する仕事をしてきたプロジェクトデザイナー。この本は華々しい成功物語ではなく、彼がプロジェクトを進める中で発生した葛藤や苦悩について率直に語っている。
◆学んだところ
○プロジェクトを成功させるためには、なにが必要なのか?
愛(統一の衝動)と力(自己実現の衝動)を統合する力を身に着けること。
このテーマによって、本書は貫かれている。
○愛とはなにか? 力とはなにか?
カヘンは、神学者パウル・ティリッヒの定義 -
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著者オットー・シャーマーは、変革を「未来の可能性を感じ取り、それに基づいて行動するプロセス」と定義し、その中心にあるのが「プレゼンシング(Presence+Sensing)」という概念で、深い内省と集合的な感受性を通じて、まだ現れていない未来を「感じ取り、共創する」姿勢が求められると述べている。プロトタイピングを通じた実践重視の姿勢が特に印象的で、小さく試しながら学びを深めるフレームは、イノベーションや組織変革に携わるビジネスリーダーに有効であると感じた。
「思考を変える」のではなく「あり方を変える」ことが変化の出発点であることを論理的かつ実践的に教えてくれ、ビジネスの枠を超え個人の成長にも直 -
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投資法やマネー術とは全く違う。「宇宙銀行」や「私は愛されている」といったワードに最初は怖気付いてしまったけれど、お金への向き合い方について新しい視点で書かれている良書だと思う。
お金の使い方はその人を表すともいう。つまりお金への価値観は人生観とも言える。本書は人生観からお金にアプローチしている点で、参考にしたい観点に溢れてた。
つまり心が満たされていない、自分が満たされていないと、お金を使っても空虚なままだということ。自分を満たすことができて初めて、豊かな使い方ができて、そこからさらに自分を満たすことができる。その繰り返し。
1st STEPの自分の満たし方も、よく言われるセルフケアとか、 -
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U理論
第2版
著:C・オットー・シャーマー
訳:中土井 僚
訳:由佐 美加子
読むのに時間がかかってしまい、もうへとへとの状態です
読む前まで、ちょっと楽しみにしていたのですが、甘かった。
近頃であったことのない感覚がありました。そういう意味では脳細胞は活性化されてよかったかもしれません。
各章のうしろに、フィールドノートというまとめがついているのですが、わからないものをまとめてもわからないのです。図表がたくさんついているのが幸いでイメージ的に感じられた、ような感覚をもちました。
現在のやり方でも、過去のやり方でも、問題は解決できない
そこで、過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変 -
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「今日斬り」という由佐美加子さんのYouTubeを見る機会があり「メンタルモデル」に興味を持った。
人って同じものを見ていても… 同じ経験をしていても…そこから受けるものは違う。
子どものころに経験した「ない」という痛み その痛みを回避しようとしていろいろな行動をとる
克服だったり 逃避だったり… なるほどな…と思う
動画を見て 自分のタイプを知りたくなったが それはわからなくても 間違っていてもいいらしい。
本の中にそれぞれのタイプの思考の癖とかが書かれているので 当てはまるのかも…しれないが
「痛み」を体験するのは その痛みの裏側にある大切にしたいという願いを見つけるために必要なこ -
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「自分もしくは世界とはこういうものだ」と無意識に決定づけたその人固有の最も深いところにある信念。それが、この本でいう4つのメンタルモデル。
A:「価値なし」モデル(私には価値がない)
B:「愛なし」モデル(私は愛されない)
C:「ひとりぼっち」モデル(私は所詮ひとりぼっちだ)
D:「欠損・欠陥」モデル(私には何かが足りない・欠けている)
人は誰しもこの4つの痛みを共通して持っている。でもその人が保持するメンタルモデルはひとつに絞り込むことができる。メンタルモデルとは、パソコンで言うならOSに相当する部分で大きな影響を与えるプログラムのようなもの。
このメンタルモデルを知ることで、自分の「不 -
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U理論の前に読むとよい本。U理論でやりたかった抽象的で学術的に記載された内容の一端を覗くことができる本。文字数も少なく、講座の対話形式を元に記載されているためかなり読みやすい。4つのタイプに分かれることや、瞑想の仕方などは全く重要な要点ではなく、むしろ今まで続いてきた宗教の意味や、それにつながる人間の性を感じとることができたと思う。ベースとしてはやりたかったことをやりなさいや、7つの習慣のまず終わりから考える、などの考え方をベースに感じたほうが分かりやすいと思う。また感じるための手段はやはり瞑想や、宗教系の修行が手っ取り早い方法ぽい。(この手っ取り早いという考え方がすでに囚われてるっぽいが。。
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メンタルモデルとは、人間が小さい頃に体験した痛みを避けるための信念を分類し表したもの。その信念から人生におけるすべての行動が自動的に作り出されている。ただし、個人としてその自覚はなく、自身が日々やっていることを「良いことだ」「意味のあることだ」と頭で正当化している。
メンタルモデルという枠の外に出て、自己を客観視できれば「わたしを突き動かしているそのOSは自分ではない」し、「システムに作り出された回避行動で人生を生きている私も本当の意味で自分ではない」、「痛みと回避行動を卓越させた結果として出来上がったアイデンティティにすぎない」と気づくことができる。
これこそが、本質的な意味で自分を取り