石川結貴のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ教員として、GIGAスクール構想が進められ、公立学校に携帯電話の持ち込みが許可できる裁量権が自治体に与えられるなど、子どもを取り巻くスマホ事情を知りたいと思い、購入。自分自身、中3でスマホを持ったが、今は小学生でも持っているし、フォートナイトなどのオンラインゲームは普通に帰宅後に友だちと時間を合わせてやっている状況である。
しかし、本書にもあるが、フォートナイトは対象年齢が17歳以上である。そうした事実を知っている大人はどれだけいるのだろうか。恥ずかしながら自分も知らなかった。
まずは、知り、そして子どもの声に耳を傾けてスマホルールをともにつくりあげていかなければ、ますます子どもの健全な発達が妨げられることになる。
多くの教育委員会や自治体でも、一律に時間制限を設けているが、それを守っている子どもや家庭がどれだけあるか。あまりないのであれば意味はない。より実効性のあるルールづくりをしていかなければならない。
いずれにせよ、親子できちんと話し合い(学校であれば子どもと教員が話し合い)、ルールを決めて運用しないと、押しつけになって、負の連鎖になるだけである。
保護者との懇談などでも、積極的に伝えていきたい内容も多くあった。。 -
Posted by ブクログ
スマホ利用に対する警鐘は以前から頻繁になされており、こういった類の本は珍しいものではないが、いわゆる「デジタルネイティブ」ではない親世代にもわかるように実際の被害・対処法がまとめられていたため、大変読みやすかった。
例えば、ご自身の子がいつまでもスマホを触ってしまうときに皆さんはどういう声掛けをするだろうか?
一度、この問いに真剣に向き合ってからこの本を一読していただくと、大変有用なものを得られると考える。
子供のスマホ依存に限らず、リーダーシップやマネジメント、恋愛関係など、人生における人間関係の悩み事は数多く存在するが、そこにはやはり共通項がある。
「相手と対話すること」だ。
この因数分解を行った後に、初めて具体的な方法・メソッドに向き合えるものだと思う。
むろんこの本は「スマホ危機」についての概説と実践的ノウハウを教えてくれるが、そこにはスマホ危機以外にも向き合うためのヒントが隠されている。 -
Posted by ブクログ
一緒にいて子供に悪影響を与える毒親を介護するようになった場合、どのように対処すればいいのか。豊富な事例とともに紹介してくれる1冊だった。
毒親とは、単純に子供に対して暴力や暴言を与えていた親だけではなく、子供のやることに過干渉だったり、自分の老いを盾にして負担を強いてきたり、肉体的・精神的・経済的に子供に悪影響を与える親全般を指している。
嫌いな親であれば見捨てればいいと思ってしまうが、大嫌いだったからこそ最後に自分のことを認めてほしい、愛してほしい、そういった感情を抱く子供も少なくないようだ。
具体的な介護で苦労している人の話は読んでいて、こんな親なのによく介護する気になったな、と思うものが数多く紹介されていた。
介護をするにあたって頼れる機関やサービスがあること、認知症や老いによる変化への心構えがあるのも良かった。
一番重要だと思ったのは「親を『捨てる』」選択肢があるということだ。第6章の最初の数ページでしか紹介されていないが、あまりにも親が酷い場合は、見切りをつけることも大事というのは新鮮な考えだった。ただ、親と縁を切る場合、ちゃんと行政に引き継いでおく必要があることも覚えておいた方が良いだろう。 -
Posted by ブクログ
読む前から内容がだいたいわかってしまう感じのタイトル。
スマホに依存しすぎることの弊害はすでに、よくわかっているつもりだし、冷静に周りを見ていれば気づくことがたくさんある。朝夕、スマホを片手に自転車に乗っている人をいつも見る。車を運転しながらスマホいじってる人もけっこういる。すごく怖い。
赤ちゃん泣いてるのにスマホ、授乳しながらスマホ、ゲームに課金しすぎて破産、中高生のラインのトラブル、SNSでのプライバシー侵害、差別的な情報発信などなど、よく見聞きするし、ありそうな話だと思うけど、人はいかにして廃人にまで至るのか!?と思って手に取ってみました。
知っていると思っていた内容も、あまり知らなかったイマドキの就職活動とSNSの関係などの内容もあり、興味深かったです。 -
Posted by ブクログ
383人。2014年の居所不明児童の人数である。1961年から2014年
までの累計では約24,000人になる。
神奈川県厚木市で白骨化した男児の遺体が発見された事件が
あった。両親は離婚し、父親が男児を引き取ったが週に数回、
コンビニの弁当やパンを置いて来るだけで、育児を放棄した。
男児が発見されるまで8年。その間のどこかで救いの手を差し伸べる
機会はなかったのか。
この事件は勿論、本書ではかなり衝撃的なケースを取り上げている。
詠めば「ああ、あの事件か」と思い出すものばかりだ。
地域から、学校から、忽然と姿を消した子供たちがいる。そんな子供
たちが発見されるのは既に死に至ってからというケースのなんと多い
ことか。
何故、子供たちを救えなかったのか。一番の問題点は親であろう。
子供を育てるということがどういうことなのか分からない親たち。
貧困の中で「助けて欲しい」との声を上げられない親たち。そして、
「命」への無関心。
例え行政が子供の不安定な生活を把握していても、情報共有が
旧態依然としている現状では居住地域を離れてしまえば追跡調査
が出来ないという。今時、不明児童のデータがFAXってなんだよ。
実際に起こったいくつかの不明児童のケースを追い、教師、社会
福祉士、児童相談所への取材を行っている。
誰が、どこまで踏み込むか。線引きは難しいのだと思う。でも、救えた
かもしれない命は確かにあった。
この世に誕生したのは確かなのに、どこにいるのか分からない子供
たち。出生届さえ出されていない子供を統計に加えたら、実際の居所
不明児童の人数はもっと増えるのだろうな。
社会から零れ落ちてしまう子供をなくすことを、もっと真剣に考えない
といけないんじゃないか。 -
Posted by ブクログ
家庭・教育問題、児童虐待、などをテーマに
綿密で豊富な取材実績を誇るジャーナリスト、石川結貴さんの新刊です。
sashaさんが既に素敵なレポを書かれています。
居るはずなのに学校にも来ないし、
住民票にある住所にも住んでいないという、
居所不明児童について、実際に起こった事件を追い、
複雑な家庭事情や社会の落とし穴が鮮明に見えてくる作品でした。
この作品で取り上げられている事件は、全て現実に起こった事件です。
親しか頼るものがない幼い子どもたちは、
どんなに親から冷たい仕打ちをされても耐えるしかなく、
その結果行き着くところは、「死」でした。
周りの人たちや行政機関の人々が
居るはずなのに存在感がない子供に気が付いて
「おかしい」と思っても、助けてあげられなかったもどかしさ。
これが現代社会の現実なのでしょう。
なぜ助けてあげられなかったのか。
引っ越しから引っ越しと遊牧民のように移転する親。
所在する県が異なれば、
県から県への連絡も遅くなったり行く届かなかったり。
キチンとした親ならば
その都度手続きはちゃんとするはず。
それが出来ないのは、
やはり生活の困窮と親としての自覚の無さなのでしょう。
遊牧民族は家族の絆は強いようです。
同じように移転をくり返していても、全く違いますね。
「居所不明児童」を世に生み出したのは「大人」の責任と思え、
今後少しでもこのような子供たちを救ってあげたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
プライバシーや人権への配慮が叫ばれる社会で,声を上げることのできない子供たちをどう発見し助け出すのか。行政介入の難しさがもどかしい。
中心として描かれる少年のケースが印象に残る。貧困の中,実母とその愛人に支配され,小学校にも通えなくなり,野宿を含め居所を転々とした少年。産まれた赤ん坊の世話や金策を押し付けられ,果てに母親の教唆によって金のために祖父母を殺害してしまう。こんな悲劇に至る前に,劣悪な環境から解放してあげられていれば…と思わざるを得ない。
課題は地域を越えた学校,児相,警察の連携。特に学齢の子供がほぼ必ず通う小中学校段階で家庭状況をしっかり把握し追跡することが最も効果的だと思うのだが,それには多くのマンパワーを要するし,保護者の壁も厚い。財務省も教員削減などと言ってる場合ではないんじゃないだろうか…。 -
Posted by ブクログ
約2万4000人。
これは、1961年から2014年までの54年分の居所不明者の累計数である。ちなみに2014年の居所不明者数は383人である。この人数をどう捉えるかは人によって異なるだろうが、決して少ないとはいえない。またこの統計上の数字には計上されていない事例も数多くあるものと思われる。本書に登場する亮太(仮名)も統計には出てこない居所不明者の一人だった。
亮太は幼い頃に母と父が離婚し、その後は母と共に各地を転々とする生活をおくる。母の愛人と一緒に暮らしたり、母とその恋人とラブホテルで一夜を過ごすような生活をおくることになる。そんな彼は十七歳の時に強盗殺人の罪を犯している。実母から祖父母に金を無心するように要求されたうえでの犯行だった。
彼は11歳から学校に通えていなかった。だから、学校なり教育委員会なりが異変に気付いてもよさそうなものである。しかし、実際には異変は察知されず、最終的に彼は罪を犯してしまうことになる。住む場所もままならず、学校に行けない子どもがどうして社会から認知されず、助けられないまま厳しい人生を歩まなくてはならないのか。その原因はどこにあるのか。それが本書の主題である。
縦割り行政、公的機関の対応の不徹底、学校の教員数削減と評価システム、児童相談所の疲弊…。数多くの問題が複雑に絡まりあい解決を困難なものにしている。ここ数年、「子どもの貧困」や「虐待」に関する著書が多く出されているが、それらの著書とともに本書も子どもが置かれている不幸な現実を認識するうえで読んでおきたい1冊だといえる。 -
Posted by ブクログ
たまたま予約した図書を借りに行ったら、私が借りる本の隣でこの本が借主を待っていた。
代理婚活かー聞いたことはあるけど、子どもの結婚に親がしゃしゃり出るなんて想像もつかない!と怖いもの見たさ?で、その場で予約して帰ってきた。
代理婚活なんて、どんだけ過保護な親なんだ!と勝手に思い込んでいたが、それは偏見でしかなかった。そこに至るには、それなりの理由があるのだと、少し理解できたような気がする。
人間関係も複雑になってきた現代では、結婚は向こう見ずな若い時でないと簡単にはいかず、年齢を重ねれば重ねるほどにハードルが上がってくるのだろう。
結婚したいけど今じゃない人、結婚したくても気に入った相手のいない人、結婚しなくても困らない人、結婚したくない人、選択の自由が広がることは好ましいことだ。
中には諦めざるを得ない人もいるだろう。
ただ、結婚が人生の全てではない。結婚したが為に不幸になる人もいる。
あとは親子のコミュニケーションが大事。可愛い我が子を安売りするわけにはいかないのだから。
本人が幸せなら、結婚しようがしまいが、その生き方を応援するのが親であり、子の幸せを願うのが親なのだ。
-
Posted by ブクログ
結婚相談所の成約率は10%程度らしい。ジャム効果と言われてそうだよなと思った。リアルに知り合ったこの人と結婚するかどうか検討するのと,登録者全員の中からどの人と結婚するかを比較検討するのでは,後者の方が意思決定が回避されるだろう。
特定の相手がいない人に「結婚する気があるのか?」と聞くのは愚問である。車を持っていなくて,今後車を買えるかどうかも分からない人に,「運転しないのか?」と聞くのと一緒だ,という筆者の息子の意見に賛同する。
しかしまぁ,「結婚というもの」に対する願望の正体は何なんだろう?相手がいて,お互い法的婚姻関係にメリットがあれば結婚するかと考えるだけの話ではないのか。これだけ個人化が進んで,非婚の割合も高まっているにも関わらずである。結婚が個人の選択に過ぎなくなったと言われていることと,結婚願望の強さとの齟齬が謎である。