石川結貴のレビュー一覧
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一緒にいて子供に悪影響を与える毒親を介護するようになった場合、どのように対処すればいいのか。豊富な事例とともに紹介してくれる1冊だった。
毒親とは、単純に子供に対して暴力や暴言を与えていた親だけではなく、子供のやることに過干渉だったり、自分の老いを盾にして負担を強いてきたり、肉体的・精神的・経済的に子供に悪影響を与える親全般を指している。
嫌いな親であれば見捨てればいいと思ってしまうが、大嫌いだったからこそ最後に自分のことを認めてほしい、愛してほしい、そういった感情を抱く子供も少なくないようだ。
具体的な介護で苦労している人の話は読んでいて、こんな親なのによく介護する気になったな、と思 -
Posted by ブクログ
読む前から内容がだいたいわかってしまう感じのタイトル。
スマホに依存しすぎることの弊害はすでに、よくわかっているつもりだし、冷静に周りを見ていれば気づくことがたくさんある。朝夕、スマホを片手に自転車に乗っている人をいつも見る。車を運転しながらスマホいじってる人もけっこういる。すごく怖い。
赤ちゃん泣いてるのにスマホ、授乳しながらスマホ、ゲームに課金しすぎて破産、中高生のラインのトラブル、SNSでのプライバシー侵害、差別的な情報発信などなど、よく見聞きするし、ありそうな話だと思うけど、人はいかにして廃人にまで至るのか!?と思って手に取ってみました。
知っていると思っていた内容も、あまり知らなかっ -
Posted by ブクログ
383人。2014年の居所不明児童の人数である。1961年から2014年
までの累計では約24,000人になる。
神奈川県厚木市で白骨化した男児の遺体が発見された事件が
あった。両親は離婚し、父親が男児を引き取ったが週に数回、
コンビニの弁当やパンを置いて来るだけで、育児を放棄した。
男児が発見されるまで8年。その間のどこかで救いの手を差し伸べる
機会はなかったのか。
この事件は勿論、本書ではかなり衝撃的なケースを取り上げている。
詠めば「ああ、あの事件か」と思い出すものばかりだ。
地域から、学校から、忽然と姿を消した子供たちがいる。そんな子供
たちが発見されるのは -
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家庭・教育問題、児童虐待、などをテーマに
綿密で豊富な取材実績を誇るジャーナリスト、石川結貴さんの新刊です。
sashaさんが既に素敵なレポを書かれています。
居るはずなのに学校にも来ないし、
住民票にある住所にも住んでいないという、
居所不明児童について、実際に起こった事件を追い、
複雑な家庭事情や社会の落とし穴が鮮明に見えてくる作品でした。
この作品で取り上げられている事件は、全て現実に起こった事件です。
親しか頼るものがない幼い子どもたちは、
どんなに親から冷たい仕打ちをされても耐えるしかなく、
その結果行き着くところは、「死」でした。
周りの人たちや行政機関の人々が
居るはずなの -
Posted by ブクログ
プライバシーや人権への配慮が叫ばれる社会で,声を上げることのできない子供たちをどう発見し助け出すのか。行政介入の難しさがもどかしい。
中心として描かれる少年のケースが印象に残る。貧困の中,実母とその愛人に支配され,小学校にも通えなくなり,野宿を含め居所を転々とした少年。産まれた赤ん坊の世話や金策を押し付けられ,果てに母親の教唆によって金のために祖父母を殺害してしまう。こんな悲劇に至る前に,劣悪な環境から解放してあげられていれば…と思わざるを得ない。
課題は地域を越えた学校,児相,警察の連携。特に学齢の子供がほぼ必ず通う小中学校段階で家庭状況をしっかり把握し追跡することが最も効果的だと思うのだが -
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約2万4000人。
これは、1961年から2014年までの54年分の居所不明者の累計数である。ちなみに2014年の居所不明者数は383人である。この人数をどう捉えるかは人によって異なるだろうが、決して少ないとはいえない。またこの統計上の数字には計上されていない事例も数多くあるものと思われる。本書に登場する亮太(仮名)も統計には出てこない居所不明者の一人だった。
亮太は幼い頃に母と父が離婚し、その後は母と共に各地を転々とする生活をおくる。母の愛人と一緒に暮らしたり、母とその恋人とラブホテルで一夜を過ごすような生活をおくることになる。そんな彼は十七歳の時に強盗殺人の罪を犯している。実母から祖父 -
- カート
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試し読み
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たいていの人が、最期は自宅で迎えたいと希望します。私の父もそうでしたねぇ…だけど、入院中にどんどん体調が悪くなって、自らやっぱり家に帰るのはやめたよと訴え、最期は病院で迎えました。なかなか、思い通りにはいかないものですよね…。もう、何年も前の話なんですけどね…。
でもこの作品の著者の石川結貴さんは、ご自身のお父様をの気持ちを最優先し、自宅で最期を看取られています。お父様が、転倒したり慢性腎不全の治療(人工透析)を拒んだり、身体機能が低下して排泄の失敗が多くなったり…最期には寝たきりになるんだけれど、そのすべてを受け入れて、看きれたのはやっぱり石川結貴さんだからってことだと感じましたね…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ〈全体の感想〉
スマホが人に与える影響について、あらゆる人を想定しているところがこの本の持ち味だ。赤ちゃんと母親の話から始まり、若い男の子や女の子、おじいちゃん、おばあちゃん、主婦、サラリーマン、就活生と非常に幅広い人を対象としている。
その一方でスマホ依存になってしまう原因についても科学的かつ論理的に述べられており、説得力がある。
〈面白かったところ〉
日本での普及率の高いチャット・通話サービスのLINEの開発時の話がはじめに書かれている。そこではLINEの有名な機能の一つである「既読」についての逸話が記されており、個人的に印象に残った。これは東日本大震災を受けて、すぐに返信ができな