石川結貴のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ昔は家で死ぬのが当たり前だった(と思う)けど、今は家で死ぬのが大変なことがわかった。
介護やケアの問題はもちろんだが、終末期から臨終までの話があまりにも知られていないと思った。「枯れるように静かに逝った」という話をよく聞くが、そんな話ではなかった。特に死に際、本人は壮絶に苦しむ。その様子を家族は見ていられないと書かれていた。ここで救急車を呼ぶと病院で看取ることになる。救急車を呼ばずに耐えられるか。耐えたとしてトラウマにならないか。
亡くなった後も大変だ。死体を運び出す問題がある。例えばマンションだった場合はエレベータを使えるのか(充分な広さがあるか、苦情がこないか)。一軒家でも同様の問題がおき -
Posted by ブクログ
題名の通り ジャーナリストの著者が 仕事を持ちながらの遠距離介護、看護のリアルな三年間を自分自身の経験を元に書いた作品である。
「親を看取ると言うこと」
「家で死ぬと言うこと 」
綺麗事では済まない三年間だった。
親も子も予想外の事柄に振り回される三年間だった。
親にとっても子にとっても 全てが初めのこと。
介護保険や医療のことも その場になって見ないとよくわからない。文字通り手探り状態。
ジャーナリストらしい視点から 介護、看護
介護保険、医者の立場、患者の立場、子の立場、
親の気持、子の気持、経済問題などなど 今現在の視点から問題提起を。
とても考えさせられる本だった。
こ -
Posted by ブクログ
病院のベッドで見ず知らずの医者や看護師に囲まれ、身体中にチューブを刺されて、死ぬなんてゴメンだ。死ぬなら住み慣れた我が家の畳の上で死にたい。
そんな一人暮らしの父の願いを叶えるため、介護問題に詳しいジャーナリストである著者は、父親の在宅介護と死を看取る決心をする。医師や介護士、隣人、家族の助けを得ながら、自分の生活とを両立させての介護。そのドキュメントはドラマや小説のような美しい感動のストーリーではない。
排泄物の処理、入浴や着替えの補助、様々な介護保険申請。介護する側の介護が必要と思えるほどの、多くのミッション。在宅介護というのは、介護者の人生を犠牲にしている。
これら著者の経験は今の -
Posted by ブクログ
大屋壮一賞の候補となったとのことで手に取ってみた。
著者のデビュー直後の本は何冊か読んだことがあったが、描写にいささかの違和感があり、しばらく読んでいなかった(プロに対して不遜ですが)。
タイトルから受ける「在宅死」って、あまりにも知らなかった。テレビや映画で描かれる、ほんわりとした穏やかなものだと思っていたけれど、そうではないという事実。かなり衝撃で読み進めるのがつらかったし、親を重ねてしまって読むのをやめようかと何度も思った。ただ単に在宅で看取ることのむずかしさってことでなく、父と娘との関係、子どもの頃の記憶とか、お兄さんのことなども描かれていて胸に来た。
最後は本当に声出して泣けた。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ3作続けて終末期医療や看取りがテーマのものを読んだ。(小説2、ノンフィクション1)自分自身の自宅での親の介護と看取りの経験を、今でも折にふれ何度も何度も思い返してあれでよかったのかと自問自答している。つまり死に方を見せてくれた親には感謝と尊敬しかないが介護していた自分の未熟さや傲慢さを自覚しているのでいまだに思い出として落とし込めていないから、このような本を読んでみたくなるのだと思う。この石川さんの本は本当にリアルで経験したものなら深くうなづけることばかりだった。あとがきで「亡くなった人は生きている人の中で生き続ける」とあった、よく言われることなのだがこうして書かれたものを目にすると持つべき思
-
Posted by ブクログ
一人暮らしの父親を遠距離で自宅(実家)で看取った3年の筆者の記録。
大腿骨骨折からはじまった看取りの経緯が、病院やケアマネ他関わる周囲の人々とのやりとり、それに対する父当人の反応、自分の気持ちなどが綴られる。
単にこんなことが起こり大変だったというのではなく、死ぬということの意味、体が衰えていき死に至る過程をどこで過ごすかにより受け取れるメリットデメリットなどが率直に綴られている。
まだ元気だが自宅で死にたい90オーバーの父を持つ自分にとって人事とは全く思えず、涙がとまらなかった。
そして、両親のことだけでなく、自分自身もどういう最期になるのが望ましいのか考えさせられる。
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレサクサク読み進められた。ただ、虐待を巡る事実を生々しく取材を通して描いているのでぐっと苦しくなってしまう方はいるかもしれない。
面白いなぁと感じたのは加害者(虐待した本人)から焦点を当てていくこと。筆者が加害者の裁判から児童虐待について触れていくのが興味深い。(被害者主体の話は1番最後に少しある程度だ)
取材を進めていく様が、私の偏った知識や経験からするとパズルのピースをはめて行くような感覚を覚えた。私や周囲の友人たちは圧倒的に被害者で助けられることなく大人になった。
その視点からだと大人に対する憎しみばかりが先走りがちだ。それを最後に持ってきたことで私は冷静に読み進めることが出来た。