石川結貴のレビュー一覧
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2014年、17歳の少年が実の祖父母を殺害する事件が起きた。その後の裁判で、少年は11歳から学校に通ったことがなく、家族でホームレスとなり、居所を転々としていたことが明らかになる。
義務教育であるはずの小中学校で、突然、児童が学校に通わなくなり、住民票の住所からもいなくなってしまう。そんな「居所不明児童」という子どもが存在するのだ。
自らの力で存在を証明できない子どもたちが一番に頼るのは当然、家族。しかし、その家族が頼りにならないとき、学校、教育委員会、児童相談所、市町村、警察などが救いの手を差し伸べるのは当然。しかし、これら組織が連携していないことが最大の問題だ。 -
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ネタバレチェック項目14箇所。児童虐待っていったいなんだろう、なぜ子どもたちは無残に殺されつづけ、なぜ救いの手は一向に差し伸べられないのであろうか、我が子を傷つけ、放置し、平然と見殺しにする親の心に、いったい何が起きているのだろうか。ここ数年、児童虐待の急増は大きな社会問題となっている、反面その数が多すぎて、個別のケースは詳細もわからないまま消えてしまう、世間の耳目を集めることもなく、報じられた翌日には忘れられるような児童虐待事件のほうが圧倒的だ、けれどそこには、「子どもが死んだ」という厳然とした事実がある。子どもの命ってそんなものなのか、と思うとやりきれなかった、私は懲役六年でも「軽い」と感じたが、
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目次がいい感じだったので購入したが、予想以上の良書だった。
「はじめに」で一般的な「加害者批判」「児相批判」「公務員批判」を想起させているが、その後の展開でそれを覆していくだけでなく、報道では伝わらない非常に細かい、だけど重要な問題点にも的確に言及している。
特に重要なのは、「虐待の連鎖」という言説について。つまり、虐待によって子どもが大きな影響を受けて、それが巡り巡って次世代への虐待に繋がることはあるかもしれないが、だからといって虐待された過去=子ども虐待リスクではないという、微妙な違い。
また構成の話に戻ると、本来子どもを守らなければならないとされている人々(ここでは、「母親」、 -
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スマホは手軽であること、身体感覚とマッチすること、感覚への刺激が得られやすいことから、依存症になりやすい。
依存症の種類には、①オンラインゲーム依存 ②きずな依存、③コンテンツ依存 ④ギャンブル依存 等の類型がある。
スマホもソシャゲ業者も営利企業であり、顧客を中毒化させ、利益を得たいというインセンティブが否応なしに働く。無防備な子供達が易々とその餌食になってしまうのは、ある種企業側の思惑通りのことである。(なお、依存症になるのは子供に限った話ではなく、成人・高齢者等全世代共通である)
子供にとってスマホはインフラであり、もはやそれを手放すことは困難であるが、適切な距離感を保てるよう、大人が様 -
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ネタバレ毒親を介護している当事者のリアルを忠実に表しながら、心理状態や構造を明確にしている作品。
特に毒親(加害者)が実は前の世代においては被害者であるのが興味深い。
被虐待経験が加虐に転じるのは、
・体罰に対して肯定的
実際に体罰によってしつけられているため、自分がいざ子育てする際しつけるには体罰が必要であると考えてしまう。
・常に思考パターンが被害認知
幼少から被虐に生きたことで、大人になって子育てする側に回っても、「子どもから被害を受ける(生意気に口答えして親をバカにしている、泣いて親を意のままにしようとするなんてずる賢い)」というように認知が被害的に偏ってしまう。
・自分の欲求を満たすことへ -
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ネタバレライターの石川結貴氏による独居の父親の看取りの過程を描くドキュメンタリー。介護拒否、病院拒否、自立心旺盛、そんな父親を遠方の娘がイライラ・ハラハラしながら面倒を見る様子が綴られます。
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作品を語るにおいて、なんというか、内容の良しあしを言うのではなく、石川(筆者)家はこういう家なのだなあ、とそのまま受け止めるべき、と感じました。
高齢者を自宅で看取ったという事例としては非常に貴重であると思います。
まず、石川家のおじいちゃん、非常に独立心旺盛です。88歳にして近くの畑で農作業をしたり、毎日公営温泉に行って地域の人とおしゃべりをしたり。
で、このおじいちゃん、かなり頑固みたいです。 -
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身につまされて一気に読んだ。こんなに克明に読みやすく書かれた親の介護(最期)の本は読んだことがなかったので、とても勉強になった。
自分の思い通り、娘に見守られながら自宅で最後を迎えられたお父様はお幸せだったと思う。
それとは反対に、完全に矛盾しているのだが、両親が施設に入っていて、思っていたより制約があり(コロナのせいでもある)かわいそう、申し訳ないといつも思っているのだが、それはそれでまあ良かったのではないかとなんとなく思えた。
子供がいる場合は、助けが必要になった時、その親の暮らしはその子供による、と周囲を見ていても思う。
何歳まで生きるのか、どんな病気で死ぬのか、突然に死ぬのか、わからな -
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もし親の看取りについて考えている方がいたら、ぜひこの本を読んでみてほしい。
住み慣れた家で最期を迎えることを、理想の死の形として扱われることが多いけれど、
映画や小説の様にそんなに上手くいくものではないだろう。
それなりの財産があり、訪問介護や在宅医療の専門医の豊富な都市部に住み、付き添える家族が身近にいる。
もしそれだけの好条件が揃ったとしても、痛みや苦しさに襲われている大切な人を24時間見守り続けなくてはならない恐怖は相当のものだ。
政府のうたう在宅医療の理想とはかけ離れた現実を前に、ジャーナリストである作者は途方に暮れてしまう。
冷静に現在の介護制度の盲点を指摘しつつも大切な父との別れの -
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こんな目を引くタイトルあるか?
『歴史の本棚』の紹介から興味を持って読む。
こんな読んでて辛い本ある?
本書の2/3ほどを占める、親にいじめられた幼少期、介護する立場になってもワガママな老いた親に苦しめられ続けるエピソードは読んでいられず、胸糞悪さ全開である。
「一度くらい感謝の言葉がほしい」という気持ちで隘路に陥る。
最後に解決策編が少しだけあり、全体の暗澹たる内容に一筋の光を差すが、まだまだいやな後味が残る。
認知症の話のはずが、対人関係一般にも使えそうな法則があったのでメモしておく。
【認知症の九大法則】
1記憶障害に関する法則
→現在から過去にかけて忘れる
2症状の出現強度に関す -
Posted by ブクログ
いろいろな例を知ることができたし、毒親介護に取り組む際のアドバイスも役立ちそうで、よかった。
第4章以降が興味深かった。
P191
健康的なあきらめについて。
「親との関係性を突き詰めて考えるのではなく、いい意味での、健康的なあきらめも大事です。親はもうおいている、今さら仕方ない、そんなふうにできる範囲で受容してみると、また違った向き合い方もできるはずです。」
P201
「毒親」と向き合う子ども側に苦悩があることは当然だが、一方で親の「老い」に関しては客観的な視点も必要だろう。親の問題のすべてを「毒」だと片づけるのではなく、心身の不調や加齢がもたらす問題と捉えることがあってもいいはずだ。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ教員として、GIGAスクール構想が進められ、公立学校に携帯電話の持ち込みが許可できる裁量権が自治体に与えられるなど、子どもを取り巻くスマホ事情を知りたいと思い、購入。自分自身、中3でスマホを持ったが、今は小学生でも持っているし、フォートナイトなどのオンラインゲームは普通に帰宅後に友だちと時間を合わせてやっている状況である。
しかし、本書にもあるが、フォートナイトは対象年齢が17歳以上である。そうした事実を知っている大人はどれだけいるのだろうか。恥ずかしながら自分も知らなかった。
まずは、知り、そして子どもの声に耳を傾けてスマホルールをともにつくりあげていかなければ、ますます子どもの健全な -
Posted by ブクログ
スマホ利用に対する警鐘は以前から頻繁になされており、こういった類の本は珍しいものではないが、いわゆる「デジタルネイティブ」ではない親世代にもわかるように実際の被害・対処法がまとめられていたため、大変読みやすかった。
例えば、ご自身の子がいつまでもスマホを触ってしまうときに皆さんはどういう声掛けをするだろうか?
一度、この問いに真剣に向き合ってからこの本を一読していただくと、大変有用なものを得られると考える。
子供のスマホ依存に限らず、リーダーシップやマネジメント、恋愛関係など、人生における人間関係の悩み事は数多く存在するが、そこにはやはり共通項がある。
「相手と対話すること」だ。
この因数