石川結貴のレビュー一覧

  • 誰か助けて 止まらない児童虐待

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    二児の親として、読んでいて暗澹とした気分になった。もちろん児童相談所の中には使命感をもって仕事されている方も多いのだろうが、本書にもあったように、一地方公務員という立場や仕組みに限界がある。児童虐待は明らかな犯罪なのだから、対応する人は警察と同じ権限を持ち、児童心理学にも精通した専門職として名誉と重責に相応しい処遇を与えるべきだ。人の良心に依存したシステムはいつか破綻する。

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    2015年08月03日
  • ルポ 居所不明児童 ――消えた子どもたち

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    2014年、17歳の少年が実の祖父母を殺害する事件が起きた。その後の裁判で、少年は11歳から学校に通ったことがなく、家族でホームレスとなり、居所を転々としていたことが明らかになる。

    義務教育であるはずの小中学校で、突然、児童が学校に通わなくなり、住民票の住所からもいなくなってしまう。そんな「居所不明児童」という子どもが存在するのだ。

    自らの力で存在を証明できない子どもたちが一番に頼るのは当然、家族。しかし、その家族が頼りにならないとき、学校、教育委員会、児童相談所、市町村、警察などが救いの手を差し伸べるのは当然。しかし、これら組織が連携していないことが最大の問題だ。

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    2015年06月17日
  • 誰か助けて 止まらない児童虐待

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    ネタバレ

    チェック項目14箇所。児童虐待っていったいなんだろう、なぜ子どもたちは無残に殺されつづけ、なぜ救いの手は一向に差し伸べられないのであろうか、我が子を傷つけ、放置し、平然と見殺しにする親の心に、いったい何が起きているのだろうか。ここ数年、児童虐待の急増は大きな社会問題となっている、反面その数が多すぎて、個別のケースは詳細もわからないまま消えてしまう、世間の耳目を集めることもなく、報じられた翌日には忘れられるような児童虐待事件のほうが圧倒的だ、けれどそこには、「子どもが死んだ」という厳然とした事実がある。子どもの命ってそんなものなのか、と思うとやりきれなかった、私は懲役六年でも「軽い」と感じたが、

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    2013年11月02日
  • 誰か助けて 止まらない児童虐待

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    目次がいい感じだったので購入したが、予想以上の良書だった。

    「はじめに」で一般的な「加害者批判」「児相批判」「公務員批判」を想起させているが、その後の展開でそれを覆していくだけでなく、報道では伝わらない非常に細かい、だけど重要な問題点にも的確に言及している。
    特に重要なのは、「虐待の連鎖」という言説について。つまり、虐待によって子どもが大きな影響を受けて、それが巡り巡って次世代への虐待に繋がることはあるかもしれないが、だからといって虐待された過去=子ども虐待リスクではないという、微妙な違い。

    また構成の話に戻ると、本来子どもを守らなければならないとされている人々(ここでは、「母親」、

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    2012年02月05日
  • スマホ廃人

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    スマホは手軽であること、身体感覚とマッチすること、感覚への刺激が得られやすいことから、依存症になりやすい。
    依存症の種類には、①オンラインゲーム依存 ②きずな依存、③コンテンツ依存 ④ギャンブル依存 等の類型がある。
    スマホもソシャゲ業者も営利企業であり、顧客を中毒化させ、利益を得たいというインセンティブが否応なしに働く。無防備な子供達が易々とその餌食になってしまうのは、ある種企業側の思惑通りのことである。(なお、依存症になるのは子供に限った話ではなく、成人・高齢者等全世代共通である)
    子供にとってスマホはインフラであり、もはやそれを手放すことは困難であるが、適切な距離感を保てるよう、大人が様

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    2025年10月14日
  • 家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで

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    衝撃を受けた。父娘という関係でのエッセイ。キレイごとなし真実のみが描かれていた。ピンピンコロリは多分難しい。共感できることが多すぎて最期の文章では涙が止まらなかった。

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    2025年06月16日
  • ルポ 居所不明児童 ――消えた子どもたち

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    かなり重く、苦しい一冊。ただ、こういう子たちがいることを、我々教師は忘れてはならないと思うし、知っているのと知らないのとでは、大いに違う。
    親子ってなんだろう。そう考えさせられる。

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    2025年06月13日
  • 毒親介護

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    ネタバレ

    毒親を介護している当事者のリアルを忠実に表しながら、心理状態や構造を明確にしている作品。

    特に毒親(加害者)が実は前の世代においては被害者であるのが興味深い。
    被虐待経験が加虐に転じるのは、
    ・体罰に対して肯定的
    実際に体罰によってしつけられているため、自分がいざ子育てする際しつけるには体罰が必要であると考えてしまう。
    ・常に思考パターンが被害認知
    幼少から被虐に生きたことで、大人になって子育てする側に回っても、「子どもから被害を受ける(生意気に口答えして親をバカにしている、泣いて親を意のままにしようとするなんてずる賢い)」というように認知が被害的に偏ってしまう。
    ・自分の欲求を満たすことへ

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    2025年04月06日
  • 家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで

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    ネタバレ

    ライターの石川結貴氏による独居の父親の看取りの過程を描くドキュメンタリー。介護拒否、病院拒否、自立心旺盛、そんな父親を遠方の娘がイライラ・ハラハラしながら面倒を見る様子が綴られます。

    ・・・
    作品を語るにおいて、なんというか、内容の良しあしを言うのではなく、石川(筆者)家はこういう家なのだなあ、とそのまま受け止めるべき、と感じました。

    高齢者を自宅で看取ったという事例としては非常に貴重であると思います。

    まず、石川家のおじいちゃん、非常に独立心旺盛です。88歳にして近くの畑で農作業をしたり、毎日公営温泉に行って地域の人とおしゃべりをしたり。

    で、このおじいちゃん、かなり頑固みたいです。

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    2025年03月28日
  • 毒親介護

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    ・ものすごく重い介護の話が詰まっている本。
    ・ただ、単に悲惨な話を並べるだけではなくて、綿密な取材に基づく知見がたくさん書いてある。なぜこうなったのか(当人と社会の状況)、これからの日本の高齢化社会はどうなるのか、どう対処するべきなのか、とか。
    ・自分はまだ親の介護が始まっていないけれど、自分の行く末を目の当たりにしているようで肝が冷えた。少しでも実家との関係性を改善しないと...。

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    2025年01月22日
  • 家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで

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    身につまされて一気に読んだ。こんなに克明に読みやすく書かれた親の介護(最期)の本は読んだことがなかったので、とても勉強になった。
    自分の思い通り、娘に見守られながら自宅で最後を迎えられたお父様はお幸せだったと思う。
    それとは反対に、完全に矛盾しているのだが、両親が施設に入っていて、思っていたより制約があり(コロナのせいでもある)かわいそう、申し訳ないといつも思っているのだが、それはそれでまあ良かったのではないかとなんとなく思えた。
    子供がいる場合は、助けが必要になった時、その親の暮らしはその子供による、と周囲を見ていても思う。
    何歳まで生きるのか、どんな病気で死ぬのか、突然に死ぬのか、わからな

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    2024年06月30日
  • 家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで

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    もし親の看取りについて考えている方がいたら、ぜひこの本を読んでみてほしい。
    住み慣れた家で最期を迎えることを、理想の死の形として扱われることが多いけれど、
    映画や小説の様にそんなに上手くいくものではないだろう。
    それなりの財産があり、訪問介護や在宅医療の専門医の豊富な都市部に住み、付き添える家族が身近にいる。
    もしそれだけの好条件が揃ったとしても、痛みや苦しさに襲われている大切な人を24時間見守り続けなくてはならない恐怖は相当のものだ。
    政府のうたう在宅医療の理想とはかけ離れた現実を前に、ジャーナリストである作者は途方に暮れてしまう。
    冷静に現在の介護制度の盲点を指摘しつつも大切な父との別れの

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    2024年06月25日
  • 毒親介護

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    毒親であるという事も一つのキーワードではあるのだが、中身は基本的に介護の話という印象。
    一番驚いたのはあとがきにかかれていた著者自身の体験だった。

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    2023年11月24日
  • 家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで

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    親に介護が必要になるかも、の、先の事として読んだけれどこれは親の事としても自分の事としても読んでおいた方が良い1冊です。現実を感じます。
    現状の医療制度の歯痒さや、ケアマネさん訪問看護の方達のありがたさ。今後益々人材が必要になるの日本の介護は持ち堪えられるのか????
    不安しかない。

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    2023年11月11日
  • 毒親介護

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    こんな目を引くタイトルあるか?
    『歴史の本棚』の紹介から興味を持って読む。

    こんな読んでて辛い本ある?
    本書の2/3ほどを占める、親にいじめられた幼少期、介護する立場になってもワガママな老いた親に苦しめられ続けるエピソードは読んでいられず、胸糞悪さ全開である。
    「一度くらい感謝の言葉がほしい」という気持ちで隘路に陥る。

    最後に解決策編が少しだけあり、全体の暗澹たる内容に一筋の光を差すが、まだまだいやな後味が残る。
    認知症の話のはずが、対人関係一般にも使えそうな法則があったのでメモしておく。

    【認知症の九大法則】
    1記憶障害に関する法則
    →現在から過去にかけて忘れる
    2症状の出現強度に関す

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    2022年11月11日
  • 毒親介護

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    いろいろな例を知ることができたし、毒親介護に取り組む際のアドバイスも役立ちそうで、よかった。
    第4章以降が興味深かった。
    P191
    健康的なあきらめについて。
    「親との関係性を突き詰めて考えるのではなく、いい意味での、健康的なあきらめも大事です。親はもうおいている、今さら仕方ない、そんなふうにできる範囲で受容してみると、また違った向き合い方もできるはずです。」

    P201
    「毒親」と向き合う子ども側に苦悩があることは当然だが、一方で親の「老い」に関しては客観的な視点も必要だろう。親の問題のすべてを「毒」だと片づけるのではなく、心身の不調や加齢がもたらす問題と捉えることがあってもいいはずだ。」

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    2022年05月24日
  • スマホ廃人

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    スマホによる対人関係の希薄さ、欲や怠惰など人間の虚しさを感じる書籍だった。
    スマホは便利な反面、これでいいのかと疑問に思う。5年前の書籍だが、今の状態はもっと深刻なのではないか。
    悪い面にフォーカスしているが、そういう現実があることを知れてよかった。

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    2022年05月11日
  • スマホ廃人

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    言い古されたスマホ「廃」への道。赤ちゃんから老人まで大変な状況だが、個人的にいちばんイヤで危機感覚えるのは「指導者たる大人」が耳も塞いで、ながら歩きしている事。社会で進む不寛容、閉塞感が「スマホネグレクト」の原因ではないが、相乗効果で悪化しているのは危惧すべきこと。暮らしの僅かなスキマ時間こそスマホで埋めず、思索や五感に充てられないのか?人間続けるなら。精神論では済まないが…。

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    2022年01月06日
  • スマホ危機 親子の克服術

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    ネタバレ

     教員として、GIGAスクール構想が進められ、公立学校に携帯電話の持ち込みが許可できる裁量権が自治体に与えられるなど、子どもを取り巻くスマホ事情を知りたいと思い、購入。自分自身、中3でスマホを持ったが、今は小学生でも持っているし、フォートナイトなどのオンラインゲームは普通に帰宅後に友だちと時間を合わせてやっている状況である。
     しかし、本書にもあるが、フォートナイトは対象年齢が17歳以上である。そうした事実を知っている大人はどれだけいるのだろうか。恥ずかしながら自分も知らなかった。
     まずは、知り、そして子どもの声に耳を傾けてスマホルールをともにつくりあげていかなければ、ますます子どもの健全な

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    2021年11月27日
  • スマホ危機 親子の克服術

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    スマホ利用に対する警鐘は以前から頻繁になされており、こういった類の本は珍しいものではないが、いわゆる「デジタルネイティブ」ではない親世代にもわかるように実際の被害・対処法がまとめられていたため、大変読みやすかった。

    例えば、ご自身の子がいつまでもスマホを触ってしまうときに皆さんはどういう声掛けをするだろうか?
    一度、この問いに真剣に向き合ってからこの本を一読していただくと、大変有用なものを得られると考える。

    子供のスマホ依存に限らず、リーダーシップやマネジメント、恋愛関係など、人生における人間関係の悩み事は数多く存在するが、そこにはやはり共通項がある。
    「相手と対話すること」だ。
    この因数

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    2021年09月17日