盛口満のレビュー一覧
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ゲッチョ先生の本は生物(植物、菌類、昆虫、動物など)ばかりだったので(多分。私が読んだ・見たところでは)、理科の先生だと知っていても「化学」は意外な感じがした。
が、読んでみると、さすがゲッチョ先生、化学でも切り口が面白い。
沖縄の夜間中学で「おばあ」たちに化学を教えた体験から書かれた本で、おばあたちは正式に化学を学んだことは今までなかったわけだが、アメリカ統治時代を生き抜いてきた人たちだから、人生経験、生活体験が豊富で、ゲッチョ先生の問いかけに具体的な反応をしてくれるのがいい。ある意味、おばあたちも先生なのである。おばあたちの経験にゲッチョ先生が化学的裏付けをしてくれる。
『ロウソクの科学』に書かれていたような実験もあり、『ロウソクの科学』より読みやすい。
ゲッチョ先生がいい先生だな、と思うのは、謙虚であること(おばあたちの経験を敬意をもって聞いている様子がわかる)、とにかく生活に根差していること。理科の授業が面白くないのは、「これ勉強して何の役に立つの・何の意味があるの」と思うから。二酸化マンガンに過酸化水素水をかけて水上置換で酸素を取り出すことに何の意味があるのかが全くわからなかった。
ゲッチョ先生の授業は、化学がどのように生活の中で生きているかをきちんと教えてくれる。
「濁っている」もの(例えば水溶き片栗粉)と「溶けている」もの(例えば砂糖水)と「濁ったままでいる」もの(例えば牛乳)はどう違うのか初めて知った。
あとこの世には「金属」と「非金属」と「金属と非金属がくっついたもの」でできている、とか金属の3大性質は「みがくと光る」「電気を通す」「たたくと延びる」である、とか、すっきりしてわかりやすい。私の人生でこんなにすっきりと教えてくれた理科の先生はいなかった。単に運が悪かったのか?いや、やっぱり、教え方が下手な先生が多いんだと思う。だから理科が嫌いになる子どもが多い。
小学校高学年以上の児童生徒に読んでほしいが、化学を教える先生にもぜひ読んでほしい。学習指導要領とか縛りはいろいろあると思うけど、魅力のある授業をしてほしい。私も子どもの頃にゲッチョ先生に教えてらってたら、人生変わったかもしれないな。 -
Posted by ブクログ
ゲッチョ先生の本はどれも面白いので生物好きにはおすすめ。今回はポプラ社から出ているので、数年で買えなくなることもないだろう。
ゲッチョ先生は絵がプロ並なので、いつも表紙も自分で描いているが、この本は珍しく別の人(藤原徹司)。表紙に人間がいるのが新鮮。ゲッチョ先生と仲間たちが描かれており、知っている人が見れば誰だか分かるだろう。
内容は読みやすいものの、いきなりジャンプする蛆から始まるので、ハードルは高い。虫ぎらいの人にはかなりキツイかも。さらに内容は虫を採ってきて食べるという方向で進む。ゴキブリも詳しく書いてある。
『野菜探検記』や『ネコジャラシのポップコーン』でも野菜の原種や様々な植物を食べまくっていたゲッチョ先生が、今回は身近な虫をたべまくる。(芋虫タイプより甲虫の成虫が多い。)
美味しい虫はエビのような味と書いてあるものが多く、外骨格を持つ生き物なんだから味も似ているんだなあ、と思う。エビが大好きな人は虫も食べてみるといいかも。
私は虫は好きだけど、きちんと調理されたもの以外は食べたくない。が、どんな味かは興味があるので、とても面白く読んだ。
ゲッチョ先生にいろいろ教えてくれる(ゲッチョ先生だってかなりの知識を持っているのに)「虫屋」のスギモト君がいい味出している。研究者でない虫を捕まえる仕事ってあるんだね。スギモト君の書いたものも読んでみたい。虫好きの子どもたちに希望を与えると思う。
パクチーが苦手な人はカメムシの臭いって言うけど、「タイではカメムシのにおいが好まれていて、人工合成されたニオイのエキスが、バニラエッセンスのように売られている。」(P70)とあるので、あながち間違ってもいないのかも。
昨年国立科学博物館の昆虫展で白い羽にニコニコマークの顔みたいな模様があって「ニコニコゴキブリ」と紹介されていたゴキブリの標本があったのだけど、そのゴキブリについては書いてなかった。あれはどこにいるゴキブリなんだろう。 -
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「ほぼ日」で紹介されていて読みたいと思った本。
すごくおもしろかったです。
著者が沖縄の夜間中学校で実際におこなった理科の授業を文字に起こしたもので、この時の生徒の多くは戦争で学校に行けなかったおばあさんたち。
その日の授業のトピックに導かれて、連想ゲームのように生徒たちから飛び出す昔話がびっくりするくらいおもしろい。ただの「化学についての読み物」というだけじゃない、不思議な魅力にあふれた本です。
本のテーマはあくまでも「化学」だから、生徒たち一人一人の顔までは詳しく見えてこないのですが、それでいて、ときどき、戦争による大混乱の沖縄で懸命に生きている人々の姿がふっと目に浮かびます。
え?っと思っても、話はすぐまた授業に戻って化学のお話。
まるで魔法の力でほんの一瞬だけ過去に時間を遡り、チラっと昔をのぞいたらすぐまた戻る、ということを繰り返しているような、そんな本でした。
「自分は学校に通いたいと思って60年待ちかねていました。ようやく、私が通える学校ができました」という言葉に見られるような、いくつになっても学びたいという姿にはとても心動かされます。でもこの本を読んでいると、それ以上に、彼らが生きてきた長い道のり自体に自然な尊敬の気持ちを抱いてしまいました。 -
Posted by ブクログ
現代人の生活の中で、身近な自然って何だろう。
本書では、それを次のようにいう。
里山、というのは、まあ当然として。
道端や公園、街頭、スーパー、そして家の中!
現代の都市でさえ、目を凝らせばそこにいろいろな植物、昆虫、動物が見られるし、気をつけてみることで、世界の見方も変わってくる。
本書のメッセージは、そのあたりにある。
紙魚は、本読みである私にとって、字面ではなじみ深い虫。
で、どんなものか、恥ずかしながら今まで知らなかった。
本書を見て、ああああ!これかあ!!と思った。
うん、見たことある。
ああ、うちにも居たんだあ_| ̄|○
雑草と小品作物の関係の話も面白かった。
人間に有用なとくちょうのある作物は、森や林や野原から耕地へ移される。
耕地では作物以外の植物は排除されるが、その中で根が残る、気づいた時には種が散布されているなどの、「厄介な」特徴をもったものが生き残る。
それが「雑草」なのだと。
家の中は乾燥が強くて、虫にも植物にも生きやすい環境ではない、という話にも、ふうむ、と思う。 -
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タイトルと内容が、かみ合っていないなあという印象。
食料用にと輸入されたアフリカマイマイなどの話や、戦前戦中戦後にカタツムリが食べられていたことなどが扱われているのだが、主たる内容はどちらかというと民俗学的な内容なので、『美味いのか?』という問いかけとかみ合っていなかったと思う。とはいえ、サブタイトルに『人とカタツムリの関係史』とあるので、こちらの方がしっくりとする。
取り上げられているカタツムリについても沖縄を中心として話が展開するため、偏りを感じてしまった。
オーディブルで聴覚した『歌うカタツムリ』について取り上げていて、なんか知己に思わず出会ったみたいで面白かった。 -
Posted by ブクログ
石垣島の書店で旅行最終日に購入。
もう少し早く読んでおけば、旅行中に見える景色も変わったものになっていたかも知れない。
生き物を、それも普段沖縄以外に住む人間には馴染みの無い生き物について紹介する以上、耳慣れない名詞が多数登場することは避けようがないが、イラストを多用しつつなるべく読み手が読みやすいように工夫されているように感じた。
欲を言えばカラーだとより分かりやすかっただろうが、図鑑ではない以上それは高望みがすぎるというものだろう。
なお、本書は、沖縄に住むおじさんが、東京で暮らしている姉弟に島々の自然を紹介するという形態をとっているもののその試みが成功しているかは疑問。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
鳥の骨格標本を子どもたちに見せても、恐竜を連想することはなかった。
でも、鳥たちは恐竜そのものだという学説まであるのは、なぜだろう?
著者がライフワークとする「骨の学校」を通して、鳥たちと恐竜との接点を探ってみると、身近なフライドチキンにも進化の謎が見え隠れし、鳥たちの多様な生き様が見えてきた。
恐竜と鳥との比較ばかりではなく、生き物が持つ“れきし”と“くらし”の進化論をひもとく。
[ 目次 ]
第1章 チキンの骨に恐竜を探す
第2章 ダチョウの骨はおもしろい
第3章 フライドチキンの骨探検
第4章 耳と目の骨に見る歴史
第5章 鳥の分類を考える
第6章 走る鳥たちの骨
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]