盛口満のレビュー一覧
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ゲッチョ先生の本は生物(植物、菌類、昆虫、動物など)ばかりだったので(多分。私が読んだ・見たところでは)、理科の先生だと知っていても「化学」は意外な感じがした。
が、読んでみると、さすがゲッチョ先生、化学でも切り口が面白い。
沖縄の夜間中学で「おばあ」たちに化学を教えた体験から書かれた本で、おばあたちは正式に化学を学んだことは今までなかったわけだが、アメリカ統治時代を生き抜いてきた人たちだから、人生経験、生活体験が豊富で、ゲッチョ先生の問いかけに具体的な反応をしてくれるのがいい。ある意味、おばあたちも先生なのである。おばあたちの経験にゲッチョ先生が化学的裏付けをしてくれる。
『ロウソクの科学』 -
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ゲッチョ先生の本はどれも面白いので生物好きにはおすすめ。今回はポプラ社から出ているので、数年で買えなくなることもないだろう。
ゲッチョ先生は絵がプロ並なので、いつも表紙も自分で描いているが、この本は珍しく別の人(藤原徹司)。表紙に人間がいるのが新鮮。ゲッチョ先生と仲間たちが描かれており、知っている人が見れば誰だか分かるだろう。
内容は読みやすいものの、いきなりジャンプする蛆から始まるので、ハードルは高い。虫ぎらいの人にはかなりキツイかも。さらに内容は虫を採ってきて食べるという方向で進む。ゴキブリも詳しく書いてある。
『野菜探検記』や『ネコジャラシのポップコーン』でも野菜の原種や様々な植物を食べ -
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「ほぼ日」で紹介されていて読みたいと思った本。
すごくおもしろかったです。
著者が沖縄の夜間中学校で実際におこなった理科の授業を文字に起こしたもので、この時の生徒の多くは戦争で学校に行けなかったおばあさんたち。
その日の授業のトピックに導かれて、連想ゲームのように生徒たちから飛び出す昔話がびっくりするくらいおもしろい。ただの「化学についての読み物」というだけじゃない、不思議な魅力にあふれた本です。
本のテーマはあくまでも「化学」だから、生徒たち一人一人の顔までは詳しく見えてこないのですが、それでいて、ときどき、戦争による大混乱の沖縄で懸命に生きている人々の姿がふっと目に浮かびます。
え?っ -
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現代人の生活の中で、身近な自然って何だろう。
本書では、それを次のようにいう。
里山、というのは、まあ当然として。
道端や公園、街頭、スーパー、そして家の中!
現代の都市でさえ、目を凝らせばそこにいろいろな植物、昆虫、動物が見られるし、気をつけてみることで、世界の見方も変わってくる。
本書のメッセージは、そのあたりにある。
紙魚は、本読みである私にとって、字面ではなじみ深い虫。
で、どんなものか、恥ずかしながら今まで知らなかった。
本書を見て、ああああ!これかあ!!と思った。
うん、見たことある。
ああ、うちにも居たんだあ_| ̄|○
雑草と小品作物の関係の話も面白かった。
人間に有用なとく -
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タイトルと内容が、かみ合っていないなあという印象。
食料用にと輸入されたアフリカマイマイなどの話や、戦前戦中戦後にカタツムリが食べられていたことなどが扱われているのだが、主たる内容はどちらかというと民俗学的な内容なので、『美味いのか?』という問いかけとかみ合っていなかったと思う。とはいえ、サブタイトルに『人とカタツムリの関係史』とあるので、こちらの方がしっくりとする。
取り上げられているカタツムリについても沖縄を中心として話が展開するため、偏りを感じてしまった。
オーディブルで聴覚した『歌うカタツムリ』について取り上げていて、なんか知己に思わず出会ったみたいで面白かった。 -
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石垣島の書店で旅行最終日に購入。
もう少し早く読んでおけば、旅行中に見える景色も変わったものになっていたかも知れない。
生き物を、それも普段沖縄以外に住む人間には馴染みの無い生き物について紹介する以上、耳慣れない名詞が多数登場することは避けようがないが、イラストを多用しつつなるべく読み手が読みやすいように工夫されているように感じた。
欲を言えばカラーだとより分かりやすかっただろうが、図鑑ではない以上それは高望みがすぎるというものだろう。
なお、本書は、沖縄に住むおじさんが、東京で暮らしている姉弟に島々の自然を紹介するという形態をとっているもののその試みが成功しているかは疑問。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
鳥の骨格標本を子どもたちに見せても、恐竜を連想することはなかった。
でも、鳥たちは恐竜そのものだという学説まであるのは、なぜだろう?
著者がライフワークとする「骨の学校」を通して、鳥たちと恐竜との接点を探ってみると、身近なフライドチキンにも進化の謎が見え隠れし、鳥たちの多様な生き様が見えてきた。
恐竜と鳥との比較ばかりではなく、生き物が持つ“れきし”と“くらし”の進化論をひもとく。
[ 目次 ]
第1章 チキンの骨に恐竜を探す
第2章 ダチョウの骨はおもしろい
第3章 フライドチキンの骨探検
第4章 耳と目の骨に見る歴史
第5章 鳥の分類を考える
第6章 走る鳥たちの骨
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