小野田和子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
巨大宇宙SFってなんだ? と思っていたら、スペオペでした。あとがきではスペース・オペラを連呼しているんで、禁句と言うことはないと思うが、背表紙や帯の惹句には、どこにもスペオペとは書いてない。なんとなく不思議。
で、中身の方はニュー・スペース・オペラ以降の、アクションSFが主軸。一昔前のスペオペ・アンソロジーなら、もう少しB級感というか、やさぐれた感じを出してきたような気がするが、これはこれでいい。ただ、これはお約束なのか、どれほどとんがったSFガジェットをてんこ盛りにしていても、人情とか、家族関係なんかは今と変わっていない設定のお話がほとんど。多少の違和感はある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『第五の季節』の続編ということで。
続編というか、上・中・下の中巻といった感じ。
三部作にしてすべてヒューゴー賞というのがすごいけど、ヒューゴー賞ってファン投票なので、まあ客観性が欠如する時もあるのかもしれない。
★3にしたのは、『第五の季節』ほどの衝撃はなかったから。
この作品では物語はエッスンとナッスンの二人を主軸として語られる。前作では3つの物語が交差していったが、今作は2つだ。
前作ではその3つの物語が終盤で収束していき最後驚きの伏線の回収があったが、今回はそういったことはない。前回ほどでは、と思わせる理由はそのあたりが要因かな。
一つは、ホアがなぜ語り手として居続けるのかがわからない。少なくとも今作では解明されなかった。三作目で判明するのか、一作目でのラストの驚きがすべてなのか。
もし前者ならやっぱり一作品の上・中・下にすべきだったのではと思うし、後者なら、うーん、別作品なんだから変えた方が良かったような。あまり意味を感じない上、途中のホア失踪時には破綻しているし。
また一つは、前作では大きく感じた物語が、今作では少し必要以上に大仰な印象。SFというよりファンタジーになってしまった。
結局オベリスクが何なのか今ひとつわからない。ネットワークって何だろう。具体的な説明より抽象的な表現で物語が語られるので、なんだかもやもやが残る。初めからファンタジーを求めていれば問題ないのかもしれないけれど、私が求めているのはSFなのだ。
一年後、一応三作目も買って読むとは思うが、この分だとがっかりしそうな気がしなくもない。
せっかく出会ったと思ったんだけどなー。
作者が女性と知って、すごい! と最初は思ったが(多くの優れたSFは男性によって生み出されている。残念なことに)、ファンタジー要素をより感じる今は納得。
そうだ、これは女性的な作品だ。
ヒューゴー賞に疑問を抱くことになった初めての例。 -
Posted by ブクログ
SF好きな方なら、ティプトリーについて今さら説明するまでもないと思います。
そんなティプトリーの中でも、飛び抜けてストレートな作品が集められた短編集だと思います。ティプトリーの作品には様々な暗喩が込められていることが多いですが、この短編集に納められた作品はどれもこれも「言いたいことがすぐわかる」ある意味シンプルな、その分グサグサ来る鋭さを持っています。
鴨的に印象に残ったのは、「ヤンキー・ドゥードゥル」「もどれ、過去へもどれ」「地球は蛇のごとくあらたに」の3編。
特に「もどれ、過去へもどれ」「地球は蛇のごとくあらたに」はどちらも「痛い」女の話で、ここまで痛い女性像を描けるのはティプトリーならでは。どちらの話も、後味が悪いんですよねー。この後味の悪さを楽しめるようになったら、SF上級者の仲間入りかもヽ( ´ー`)ノ