尹雄大のレビュー一覧

  • ガラスと雪のように言葉が溶ける 在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡

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    言葉を通して、言葉にならないこと、語り得ないことについて語られているような、尹さんとイリナさんの往復書簡。

    静かな悲しみが胸の奥に積もってゆく感じがしました。
    良い悪いではなく、確かにそこにあること。
    断じることで終わりにしようとするのではなく、胸の奥に携え、その感覚とともに生きてゆくこと。

    母国語を、子どもに伝えずに生きてゆくということ。

    深い悲しみが、苦しみが、伝わってくるようでした。

    イリナさんの書籍を読んでみたくなりました。

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    2025年10月07日
  • 句点。に気をつけろ~「自分の言葉」を見失ったあなたへ~

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    ひぃーー、わかりみが深すぎる
    って感じの本でした。

    卑屈な自分を相手に認めさせるという、巧みなプライドの保ち方の取引を相手に強いている。

    ↑の部分がめちゃくちゃわかる
    こんな自分でに辟易していたけれど、どういう状況?っていうのがわかっていなかった。
    自分を客観視してここまで言語化できるのすごい。
    いま、私に必要な本だと思う。

    だけども、やっぱり自分に正直に感覚に従うって、とってもイマドキじゃない。
    だって、ビジネスの場に身を置いていると、金太郎飴みたいにみんな均一な人間の方が圧倒的に効率がいいと思ってしまう。なんなら、今の組織では、そうじゃない人は要らないってスタンス
    だから、変化する勇

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    2024年08月20日
  • 句点。に気をつけろ~「自分の言葉」を見失ったあなたへ~

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    Xで感想を投稿している人を見つけて、ライターとして、なにかヒントになるものはないかなと手に取った。

    辻褄は合わなくていいこと、自分の中にあるかたちを言葉にできなくてもそれでいいこと。自己肯定感は高めるものではなく、ただ自分を見つめて自分が自分であること。わたしの仕事の一端は人に向き合って言葉を受け取り、それをうまくまとめて伝えるものだけど、仕事に向き合ううえで、とても大切な余白を感じた。

    難解な部分も多かった。通読したいま、読み返して理解を深めることはできるかもしれないけど、またこの本を開いた時に新鮮な気持ちで向き合うためにとっておきたい。

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    2024年07月09日
  • 句点。に気をつけろ~「自分の言葉」を見失ったあなたへ~

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    うまく話せたりしなくても大丈夫。そうやってどもってしまう自分も、がんばって言葉を引き出そうとしてる相手も、待つことが大切。自分自身をありのままに受け止めて見つめていくこと。

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    2024年04月26日
  • 聞くこと、話すこと。~人が本当のことを口にするとき

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    ネタバレ

     今流行りの「傾聴」の手法に対して、「それは本当に相手の話を聞いていることになるのか?」と疑問をなげかけるところがとても良かった。相手の話を自分の言葉で「まとめてあげる」ことは、本当に相手の言葉を聞いていることになるのか?
     そして沖縄の少女の話では、トラウマを抱えた相手は「語るべき言葉をもっていない」という内容もとても素晴らしく、心に留めておくべきと感じた。

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    2024年01月12日
  • さよなら、男社会

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    男性が「感じる」ことを拒否していることに気づかないと解決しないジェンダーの問題を深く書いてくださっているので、ここまで言語化してくれてありがたい気持ちです。

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    2023年10月20日
  • 聞くこと、話すこと。~人が本当のことを口にするとき

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    経験を積んで、ようやく自分の思いに近いものを言葉に変換できるようになってきたと思っていた。言葉で理解できる、されることはある種の欲求であり、快感だと思うようになってきた。
    その思考を180度ひっくり返されたのが本書。

    言葉で理解しよう、理解できると思うほどそれは信頼から遠のく。自分自身も未知や可能性を失っていっている。

    言葉は意味を伝達するためにあるというところから一歩引いて、言葉で言い表せない感覚を思いだしたとき、相手の心模様をより深く感じとれる。
    それは自分自身をも尊重し肯定できることにつながっていく。

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    2023年09月22日
  • 親指が行方不明

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    心からの声、勝手に動く身体、痛みを伴う出来事の数々に読んでいてざわざわしてきたのですが、読み進めていくにつれて明かされていく「層」の存在に最後は深く納得しました。

    前半部分ではまったく想像し得なかった着地点で、心の震えを感じています。
    身体は多層的であること。
    自分の身体の層に宿る他者の存在に気づくこと。

    著者の他の本も読んでみたくなりました。

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    2023年07月12日
  • 異聞風土記

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    著者のお名前、読み方は、ゆん・うんで氏、ライター、インタビュアーとのこと。
    表紙が素敵すぎ、タイトルにも惹かれ拝読。

    親と祖父母世代が大変な、本当に大変なご苦労をされた在日の方で、その当時の暮らしぶりら京都での特殊なコミュニティとの関わり、お婆さまの特異な生き様が壮絶で読んでいる方もショックであり、淡々としかしその当事者としてのどうしようもないありようが描かれている。
    そのほかの時代(筆者のご年齢、そのときどき)の、土地の描写もとても丁寧で内在的洞察に富み、一読の価値あり。繰り返し読めば毎回違う気づきがあるだろう。

    風景の変貌、喪失。記憶の源泉がたたれるものがこれほどつらいとは。という気持

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    2023年01月03日
  • さよなら、男社会

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    日本で生まれた男性が、どのようにして男性性を身につけたのかという「参与観察」。
    聞こえてくる声や暗黙のルール、それらに縛られていく筆者。
    韓国ルーツという出自も影響しているかもしれないが
    丁寧に観察していると、男性は想像以上に『男らしさ』を強いられているのだと分かる。

    読みやすいだけに批判的に読まないとね。

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    2022年08月27日
  • さよなら、男社会

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    生きてる中で感じてきたモヤモヤを全て言葉にして表現されたような感覚だった。このモヤモヤの正体を文章にするとこんな感じか、これこそ感じていた違和感や苛立ちの正体だと。

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    2022年04月07日
  • さよなら、男社会

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    とてもスッキリした理屈。男性が女性を差別する根源を丁寧に掘り起こしていて、本当に納得。
    ただ原因がそこにあるとすると、男性が自ら気付き解き放たないと。解決までの道のりは遠いなぁ。
    でも女性が、もしくは気付いた一部の男性が『教えてあげて』得られる平等な社会じゃあ本物じゃないしなぁ。

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    2021年12月03日
  • さよなら、男社会

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    これ、すごくいい本。どうやって男性が男性になるのか、男性の洗礼も書いてあるし、そこから脱却することも書いてある。第4章からは読んでいて自分の中にあるミソジニーと向き合うことになるので私は辛かった。内省。

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    2021年04月01日
  • さよなら、男社会

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    「話が通じる」という安心感があった。
    息子たちを育てていくうえで覚えておきたいこと、大事にしたいことがたくさん書いてあった。夫には今さら期待しない。これからの時代を生きる人には伝えていかなきゃと思った。

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    "感覚的だと言われる話し方は「時系列に置き直して順序よく話すには膨大すぎて、端的にストーリーとして語ることができないくらいの感情と感覚がそこにある」ことを示唆しているのだと僕は理解している。そして結論が見えないと言われがちな「まとまらない話」というのは、散漫ではなく、「わかりやすい解釈を通じて話すことができ

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    2020年12月30日
  • 体の知性を取り戻す

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    尊敬できる人と仕事できるのが嬉しくて、ついその方のために、承認されるように頑張ろうと力が入ったとき、このスタンスでいいのかな?という違和感があった。それって、他人に自分を受け渡すのと同じことでは?という疑問がわいたのだった。その日にたまたま開いたこの本で、私の感じた疑問と同じことが書いてあって驚いた!何事も、力をも入れずして天地を動かす、を大事にしたい。

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    2020年11月07日
  • 体の知性を取り戻す

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    超面白い! こういう本を読みたかった。
    身体論から、現代人が縛られている「何か」について解き明かす。体の「知性」ということになるのだが。

    2016.11.29.

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    2016年11月29日
  • 体の知性を取り戻す

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    著者はフリーのライターですが、十代で陽明学の「知行合一」の考え
    方に出会って以来、心と体の一致を探ろうと、キックボクシングや武
    道を開始。その探求の中で出会ったのが武術、とりわけ韓氏意挙とい
    う「究極の武術」でした。本書は、そんな究極の武術にまで辿り着い
    た著者が、自らの心と体の探求遍歴の中で学んできたことをまとめた
    ものですが、これが衝撃的に面白い。新書ですが、生きることの概念
    を変えてくれるくらい、刺激と気づきに満ちた一冊です。

    著者が繰り返し述べるのは、いかに我々の体が社会化されているかと
    いうことです。小さい頃から「前へならえ!」と命令され、他人と同
    じように、きちんと生きることを教

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    2015年12月26日
  • 「要するに」って言わないで──本当の自分の思いに気づくとラクになる

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    セルフケアっていうととにかくメンタルって感じだけど、そうじゃなくてどこまでも身体なのだという点が面白かった。心が塞いだり圧迫されたそのとき、「でもここに立っている/歩ける/〇〇はちゃんと動く」じゃないかと。歪みを治すことではなく、傷んだ心身で生き延びてきたことを認め、受け入れること(不全はあれど、動く場所もある。異常の中の正常)についてずっとずっと語られている。

    身体感覚と感情を切り離すことって今まで考えたことなかったし、正直それが具体的にどういうことか分からないけど、でもまあ分かるまで待つかという気分にはなっている

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    2025年12月04日
  • ガラスと雪のように言葉が溶ける 在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡

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    ネタバレ

    大阪の本屋さん、toi booksで購入。
    著者のお二人とも、今回初めて読んだ。
    カバーのイラストが可愛らしく、重い読み口では無さそう、と勝手に思っていたが、想像とは違って何か酔いが覚めていくような、自分が目をそらしてやりすごしていることを正視させられるような、それでいて、重い、のではなく、穏やかで落ち着いた世界に入り込む読書だった。

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    2025年12月08日
  • 聞くこと、話すこと。~人が本当のことを口にするとき

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    映画などの演技に関わる人、沖縄で性暴力に対することに関わる人、ユマニチュードという介護をする人、自殺者を減らすため個人で活動している人らや一般の人とのインタビューセッションで感じたり考えたりされたこととその考察

    一般的なノウハウ系の自己啓発本でない。コミュニケーション?についてかなり深掘りされていて、なかなか読み辛く、味わい深い内容である。またじっくりと読み返して自分の考えも深めてみたい。

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    2025年02月10日