あらすじ
あなたと私の「違い」を丁寧に話したい。
「わかりやすく話そう」を突き詰めた結果、
僕たちの会話はただの情報のやりとりに陥っていないだろうか。
上間陽子氏に、坂口恭平氏に、濱口竜介氏に、
人が本当のことを口にする瞬間について聞いて考えたこと。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今流行りの「傾聴」の手法に対して、「それは本当に相手の話を聞いていることになるのか?」と疑問をなげかけるところがとても良かった。相手の話を自分の言葉で「まとめてあげる」ことは、本当に相手の言葉を聞いていることになるのか?
そして沖縄の少女の話では、トラウマを抱えた相手は「語るべき言葉をもっていない」という内容もとても素晴らしく、心に留めておくべきと感じた。
Posted by ブクログ
経験を積んで、ようやく自分の思いに近いものを言葉に変換できるようになってきたと思っていた。言葉で理解できる、されることはある種の欲求であり、快感だと思うようになってきた。
その思考を180度ひっくり返されたのが本書。
言葉で理解しよう、理解できると思うほどそれは信頼から遠のく。自分自身も未知や可能性を失っていっている。
言葉は意味を伝達するためにあるというところから一歩引いて、言葉で言い表せない感覚を思いだしたとき、相手の心模様をより深く感じとれる。
それは自分自身をも尊重し肯定できることにつながっていく。
Posted by ブクログ
映画などの演技に関わる人、沖縄で性暴力に対することに関わる人、ユマニチュードという介護をする人、自殺者を減らすため個人で活動している人らや一般の人とのインタビューセッションで感じたり考えたりされたこととその考察
一般的なノウハウ系の自己啓発本でない。コミュニケーション?についてかなり深掘りされていて、なかなか読み辛く、味わい深い内容である。またじっくりと読み返して自分の考えも深めてみたい。
Posted by ブクログ
聞くことと話すことが人間にとってどれだけ大事なものかがわかった。
特に後半に出てくる感情移入と投影の違い、は実際にたくさんの場面であるなぁと感じた。自分がうまく聞くことができた時は感情移入ができている。自己投影は話題のすり替えにつながる。
その人の話をその人の話として聞く。簡単なようで難しい。
Posted by ブクログ
今まで自分の頭で考えて言葉を出していたつもりだったのに、それは周りに適応した言葉だったかもしれない、誰かが言っていた言葉かもしれないと考えてしまいました。
Posted by ブクログ
インタビュアーである著者が自身が行ったインタビューを通して自身の聞くこと話すことからどのようにインタビューについて向き合っているかを書いた一冊。
映画監督、大学教授、研究者、作家とさまざまなジャンルの方とのインタビューを通して自身がどのように話を捉えていたのかという深層がわかり興味深く読みました。
自分の主観を除いて話を聞くことを徹底している著者が、役者の演技からキャラクターがどう演じられるかや言葉にできないことの声を聞くためにただ聞くという姿勢で臨むこと、認知症患者のケアのひとつのユマニチュードから通してみる「見る・話す・触れる・立つ」ということと距離感の考え方、自殺志願者の声からありのままの行動を感じ見えてくるものといったものを扱う相手に対してどのように向き合っていったのかを本書で感じることができました。
読む人によって様々な解釈が生まれると感じた本書を読んで相手の話を聞くときに自分を形成するものを徹底的に知ることで相手の話を聞く姿勢を作れる。そして、自分の主観を除いてただ話を聞くことが相手の話を聞くということでありそこから相手の真理が見えてくるだろうと感じた一冊でした。