尹雄大のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人と滑らかに会話できた方が危険なのではないか、なぜなら、滑らかに話せるということは自分が勝手に作り上げたストーリーに沿って話してるからなのではないか。日常会話に意味なんて求めてはいないけど、会話自体が目的の場合には、相手との関係性を深めたい、自分以外の考えを知りたいといった意味が伴うと思う。つながりたいから会話する。この本を読んで、その会話が、排他的で独りよがりだったと思い知らされた。ハウツー本ではないので実践に移すことは難しいのだが、ただ読む前と後では気づきや視点が増えたので、受け入れられない事態にあっても排他的になる際の抑止力になったと思う。考えは人それぞれであるべきだし、必ずしも分かち合
-
Posted by ブクログ
著者が考える、「男性性(男とはこうあるべきみたいな考え方)」ってこうやって形成されてしまったんじゃないか。という考察には自分にも思い当たるふしが多すぎてクラクラする。気づいてない振りをしてきた、誤ったというかズレた価値観の上に自分自身を構築してしまったという事実。また、おそらく大多数の男性が同じように間違った男らしさをインプットされて社会を作ってきてしまったということを突きつけられ絶望する。
多くの男性がこの本に書かれている事に気付き変化して欲しいと思う。
また、女性も読んで男性の暴力性みたいなものの根っこを知る事で、自身の身を守ることに役立ててほしいと思います。まあ、男性のダメさ加減に呆れて -
Posted by ブクログ
読むのにめちゃくちゃ時間がかかった。痛くって。
感想を書こうとすれば、引用しようとすれば、いろんな観点がありすぎて膨大な量になりそうだ。
語り口が厳しく痛い。でもそれは、著者自身が自らを断罪していて、血を流しているからのようにみえる。
序盤の語彙の強い社会への糾弾に怒りを一緒に募らせ、途中著者の歴史に置いてけぼりにされながらも、後半、厳しくも自省し未来を向く著者と苦しいながらも前を向く。なんとも私的な随筆。
男社会、男性性とは言うけれど、女性だからそれを持たないわけではなく、私も社会で働きながら、尊大さを発動させ、論理で丸めようとして、人の自由を奪うことで自由を獲得した気になると言う男性 -
Posted by ブクログ
「男社会」と書かれているので、男性側の話であることはもちろんなのだが、これは女性も関係する話だなと。そもそも女と男がいるから、男社会も女社会も存在するので、男社会に女が一切関与してないなんてことない。また、男性性というのは身体的な性のことではなく、気持ちの性のことなので、女性にも大いに関係する。というより本書を読んでいると、女性のなかの男性性も無視できない問題だなと感じた。わたし自身も含めて、強くあろう、立派であろう、弱さや脆さは見せられないと強く思い込んでいるのは、本書の視点でいえば“男性性”だ。その視点が自身のなかに存在する限り、わたしは弱いと見える人を攻撃し、差別し続けるだろう。その傾向
-
Posted by ブクログ
インタビュアーである著者が自身が行ったインタビューを通して自身の聞くこと話すことからどのようにインタビューについて向き合っているかを書いた一冊。
映画監督、大学教授、研究者、作家とさまざまなジャンルの方とのインタビューを通して自身がどのように話を捉えていたのかという深層がわかり興味深く読みました。
自分の主観を除いて話を聞くことを徹底している著者が、役者の演技からキャラクターがどう演じられるかや言葉にできないことの声を聞くためにただ聞くという姿勢で臨むこと、認知症患者のケアのひとつのユマニチュードから通してみる「見る・話す・触れる・立つ」ということと距離感の考え方、自殺志願者の声からありのま -
Posted by ブクログ
“社会性のなさだけを取り上げられ、自分を全否定されると、それがもたらすのは萎縮しかない。自分という存在と他者という存在。関わり方は人それぞれなはずだ。けれども、定型の発達が期待されている中では「人それぞれ」という多様性の尊重は、スローガンほどには許されていない。人それぞれが可能になるには、冗長さが、時間の遅延が欠かせない。”(p.9)
“人は頭だけで考えると上気してしまう。それでもあれこれと際限なく考えられはする。そこで注目したいのは、「胸襟を開く」とか「open my heart」あるいは「腑に落ちる」「my gut feeling」という表現がある通り、人には頭ではなく胸や腹の理解があ