伊勢崎賢治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「ウクライナ戦争をどう終わらせるか?」というテーマで専門家がそれぞれエッセイを寄稿、討論した記録。「自衛隊を生かす会」事務局による「はじめに」は2023年11月の日付となっているが、10月7日以降のイスラエルのジェノサイドも急遽話題に取り入れられている。
全体的なトーンが「日本人は戦争のリアルを知らない」という問題意識に貫かれていて、それは確かにそうなのだけれど――林吉永が強調するように、自衛隊が想定する「専守防衛」とは「本土決戦」に他ならず、伊勢崎賢治が主張するように、現在も日本は朝鮮戦争が作った軍事的な枠組みの中にある――、柳澤以外の「専門家」の軍事主義的な発想が気になってしまった。 -
Posted by ブクログ
アフガニスタンのタリバンにNATO20万、アフガン軍30万+同数武装警察でも敗戦
北朝鮮2500万人を平定するには50~70万人の兵力が必要
ウクライナ4000万人には80万人以上の兵力 徴兵ではロシア国民の反対
クリミアと東部2州でウクライナを内陸国化を目的
ソ連時代の移住政策でロシア人が居住 ユーゴスラビアのセルビア人と同じ
新しい国際秩序
国連は大国のシステム
民主主義と専制主義という対立軸ではない解決
ロシアの非友好国47=世界のGPDの70% と 中国15% の対決 ロシアは2%
二項対立を正当化する欧米のイデオロギー
緩衝最前線非武装化 や 緩衝国同士の連合
ア -
Posted by ブクログ
著者の主張は、対米追随しか戦略のない本邦が集団的自衛権により軍事力の適用範囲を広げると、本邦の安全保障に直接関係のない戦闘に巻き込まれむしろ有害だ、といういわゆる護憲派からも良く出る議論だが、主体性のない戦略が安全保障に有害であるのは、本書での著者の議論でも明らかなように個別的自衛権に限定したところで同じだろう。
そもそも日米安保自体が集団的自衛権を前提としていると思うが、著者の主張のように解釈次第で個別的自衛権でカバーされているのだとしても、事案ごとに解釈しつつ対応するのは胡乱であり、集団的自衛権を容認することにより即応性を高めておきたい、というのが国防を預かる側の立場なのだと思う。
問 -
Posted by ブクログ
『集団的自衛権』をわかりやすく解説してくれる本。
こっちの方面はモノシラズな自分でも、つっかえずに読むことができました。
内容は、多分、初歩の初歩。
集団的自衛権と、個別的自衛権の違いとか。国連の集団的自衛権と、安倍政権の打ち出す集団的自衛権の違いとか。
とはいえ、序章でさえわかんないところがあったので、国連についてwikiを開かなければなりませんでした。一般常識の欠如がこういうところで露呈する。
現政権の方針に対して、著者の反対ポイントは実に明確。でも、それを読者に押しつけてこないスタイルがありがたかった。
モノを知らない人間でも知らないなりに、著者の意見に対して「そこは納 -
Posted by ブクログ
ひと言で言えば、理解が追いつかなかった。地政学的なリスクに対する武力の有用性と、平和主義的な非武装の理想という相反する考えがすっきり整理できないここ最近。おそらく本書ではそのあたりのことを問題提起している。
そもそも紛争も戦争も明らかな悪はなく、グレーの濃さであり、見る方向から濃さは異なる。紛争が悪、平和が善、その間には明確な境があるというのは間違いである。平和という言葉の定義の曖昧さもそれを示しているように思う。
だからこそ、紛争と平和が対立にあるのではなく、直線上にあると捉える。そして、ますます複雑化する国際情勢において、日本もNGOもどんな役割とボジションを担うか明らかにせねばならな -
Posted by ブクログ
この本で印象深いのは、武装解除の実際の経験による生々しさと、筆者の生い立ちとその生き方の力強さだ。
僕自身は政治には興味が無い。というか、どちらかというと苦手故に避けてきたとも言える。この本を手にしたのもたまたまである。しかし、感銘を受けた。平和ボケなどと言われるが、自分自身まさにそこに陥っている。今まで何度命をかけない上辺だけの命懸けの約束をしただろうか。本当に恥ずかしい。
筆者の生い立ちや、都度の決断、そしてその後のキャリアは自分には全く想像出来ないものだ。そういう生き方もあるのだと思った。語り口はとても整然としているが、穏やかではきっと無かったはずだ。しかし、何度も、何度も極限に置かれた