伊勢崎賢治のレビュー一覧

  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    痛快!一人称で語る国際貢献論。現場で実際に関わった者の言葉には説得力があり、皮肉も効いている。すっかりハマった。とりわけ自己紹介的序章は読書欲をそそる。「本来、国際協力の世界では、金を出す者が一番偉いのだ。
    それも、『お前の戦争に金だけは恵んでやるから、これだけはするな。それが守れない限り金はやらない』という姿勢を貫く時、金を出す者が一番強いのだ。」(p.216) 脆弱な日本のジャーナリズムを嗤う意味でも改憲派・護憲派問わず必読。

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    2009年10月04日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    「人間はなぜ戦争をやめられないか」と同じような興味を持って読んだ。
    戦争の前線の視点で書かれているので、そんじょそこらの戦争論・理想論とは緊迫感が全然違う。
    行動に出なければ、他人が着いてこないのは分かる。口先だけではダメ。しかし、譲れないしっかりした精神を持って接すればお互いに理解できるのではなかろうか。子供の教育は大事である。そのベースとして、やはり、日本は憲法9条を守るべき。

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    2009年10月04日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    武装解除を生業にする方

    ハードな交渉もミッションとして取り組む
    こういう世界もあって、世界の平和に寄与しているんだなと思った

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    2024年11月20日
  • 非戦の安全保障論 ウクライナ戦争以後の日本の戦略

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    そこまで言うほど国際秩序に関しては危機感を抱いていないというか、だってロシアに引き続いて主権国家に軍事侵攻した主権国家は出てないよね?っていう。アメリカのイラク侵攻と変わらんではと。だからそんなに皆さんが今までの自分の研究を卑下することはないよと。
    自由と民主主義側と専制側みたいな分け方が失敗ということや安保理の解体的な変革が必要なのは同感。日本の「法の空白」としての上官責任でなく個人の責任しか問わないことや国外犯規定は憲法云々の前にすぐ取り組むべき重要な指摘だと思う。緩衝国家同士のコアリションも魅力的な話。

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    2024年03月03日
  • 非戦の安全保障論 ウクライナ戦争以後の日本の戦略

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    対談形式の緩い本だが、各識者の主張が特に一致しているわけではないというのもあって、色々な意見が読めて勉強になった。

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    2022年12月05日
  • 脱属国論

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    ネタバレ

    田原総一朗・井上達夫・伊勢崎賢治
    鼎談という形で憲法改正がなぜ必要かを明らかにする。
    まず、本書の立場。
    ーーー9条は全面的に日本の戦力保持を禁止しており、
    そのため自衛隊は軍隊ではないことになっている。
    それゆえ、自衛隊が当然備えているべき法的整備がされていない。
    自衛隊の戦闘行為を支える法律・自衛隊を正しく律する法律両方が不備であり、国際的に見ると違法な集団である。
    現行では、自衛隊の戦力行使は自衛官の自己責任になってしまう。
    だから、日本は全然使えない戦力を持つ軍事大国である。
    このような、いびつな事態を正すため9条は削除か改正しなくてはいけない。
    だいたい こんなところか。正確な記述で

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    2021年02月18日
  • 日本人は人を殺しに行くのか

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    実際に世界各地で紛争地帯へ行き、武力解除などに貢献した著者が、日本の集団的自衛権に関して物申す一冊。

    実体験があるので、集団的自衛権や国境紛争について卓越した意見を持っており、非常に勉強になった。

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    2017年05月17日
  • 日本人は人を殺しに行くのか

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     政治が分からない…とよく思う。それは政治の本質「決めにくいことを決める」ことに由来するのかもしれない。誰が言っていることも、もっともに聞こえる。真実は1つでも、立ち位置が変われば見えるものも変わる。
     安保法案もそう。著者の指摘するとおり、集団的自衛権を認めなくても非常事態への対応はできるのかもしれない。その一方で、安保法案が通ったことで韓国や中国に対して外交的な交渉力が上がったようにも見える(認識が間違っているのかもしれないが)。
     判断が難しい問題の中で、著者の指摘がもっともだなと感じた点が2つある。
     1つはテロ対策。国家対国家の紛争は個別的自衛権、集団的自衛権、国連的措置という「力」

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    2015年12月19日
  • 日本人は人を殺しに行くのか

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     2015年9月17日。本日まさに安保法案が採決されようとしている。国会議事堂の前では4万5千人もの人がプラカードやペンライトを手に強行採決反対のデモを行なっている。こんなにも国民の理解が得られていないのに、この集団的自衛権行使を含む戦争参加の法案が通ってしまうのだろうか。
     著者の伊勢崎氏は国連職員として世界各地の紛争地で、武装解除や紛争処理の任務にあたってきた実務者なので、その主張には説得力がある。
     もともと日本は個別的自衛権と国連決議を伴う国連平和維持軍(PKO)参加の権利は持っていて、自国を守るにはそれで充分なのだ。憲法9条に縛られている日本。しかしその9条が日本の盾となり槍にもなっ

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    2015年09月17日
  • 日本人は人を殺しに行くのか

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    粛々と忍び寄る相手に、
    どう向き合えばいいのか。
    みんな、戦いたい?と、聞きたい。
    防衛費が嵩めば、
    どこかを削らないといけないよ。
    武器を作って、
    世界中に売って儲けますか。
    対テロって名目で。
    持てば、使いたくなるよ。
    アメリカが原子爆弾を使ったように。
    戦争を終わらせるためには
    仕方がなかった、という名目で。

    武装しないと生きていけないと
    思い込み、辛かった。
    人間って、そんな愚かな生き物なのかと。

    だから、このひとの本を読んで、
    少し安心したんだ。
    このひとは、傷みを知ってる。
    そして、いちばん難しく、いちばん尊い
    働きをしようと言ってる。
    簡単でないことくらいわかる。
    裏切りや憎

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    2015年08月27日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    ネタバレ

    紛争、戦争等暴力が存在するということに関して、あまりに理想論に傾いた非暴力の論理を振りかざしがちな日本のマスコミ、教育(の一部)への違和感を、実体験に基づきすっきりと表現してくれる作品。
    一方で、そのカウンターパートとしての政治のあり方、説明についても、あまりにその場しのぎの状況についても、苦言を呈している。
    この状況にあっては「憲法を現実に近づける作業にどこまで意味があるのか」と筆者は考える。
    「現在の政治状況、日本の外交能力、大本営化したジャーナリズムをはじめ日本全体としての『軍の平和利用能力』を観た場合、憲法特に第九条には、愚かな政治判断へのブレーキの機能を期待するしかないのではないか。

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    2015年05月30日
  • 日本人は人を殺しに行くのか

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    最も安上がりで効果的な国防方法は敵を作らないための素質を高め、他国の敵愾心を煽る全ての行動を慎むこと。世界の国際問題を解決するためのスタンスである人道主義を味方につけること。領土問題は、中国にも韓国にもロシアにも共通にソフトボーダー化対応が可能なこと。
    国際紛争を武力で解決しないと憲法で高らかに宣言している日本にそれができなかったら、もう平和構築という意味で、この世界に希望はない。今集団的自衛権を議論している場合ではない。
    自称紛争屋の九条を盾に活動してきた経験からの言葉。

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    2015年02月17日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    学者、研究者の頭でっかちな話ではなく、
    紛争の現場での経験を具体的に書いていて理解しやすい。
    自衛隊派遣をめぐる国会、マスコミでの議論などというものがいかに
    陳腐で無意味で無価値なものかがあらためて思い知らされる。
    9条を変えるなという主張の根拠に少しでも共感できたのは初めてだった。

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    2013年08月30日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    この本を読んで得たものとして一番最初に挙げられるのは、"必ずしも平和は正義によってもたらされるのではない"ということである。

    僕が平和構築に興味を持った理由のひとつは、紛争によって苦しんでいる一般の人々を、自分とは関係のない遠い国の出来事として関わることを放棄しては、決していけないことなのではないかという考えを持っていることである。これが一種の"正義感"であることは否定しないし、自分自身もそう信じているのだが、将来このような活動を行うとして、一体そこに自分自身の確固たる意思があるのかどうかを、もう一度考えなければならないと感じた。

    自分も単に垂れ流し

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    2012年04月19日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    帯がどうみてもヤクザっぽいんですが
    彼の人生自体もヤクザな人生送っております。

    ただ、とても愛と仁義に溢れてます。

    簡単に調停することのできない問題は様々。
    彼はそういう時、他の人はこうすることもあるだろうと言いながら、
    決してそれを自分の理由と秤にかけずあくまで原則を選ぶ。

    その人生に対する態度が紛争調停、武装解除の
    ギリギリの世界においてもいかんなく発揮されている。

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    2012年01月19日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    ネタバレ

    武装解除
    紛争を解決させる職業、『紛争屋』。その世界を垣間見ることのできる良書です。色々と考えさせる問題に対して紛争屋としての見解を訴えています。そこが日本の現戦略と乖離があり、一筋縄ではいかない「大人の事情」的な部分も山積していて、単純に面白みを味わうことができました。
    ただ、専門用語(DDRとか)が多いので読むのは大変でした(笑)

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    2011年09月07日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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     東ティモール、シエラレオネ、そしてアフガニスタン。これらの国での武装解除の経験談をまとめられた本です。やはり経験が一番というか、説得力が違いますね。ただ、この「説得力」は、太陽の日差しによってコートを脱ぐような優しいものではなく、暴風で体ごと吹っ飛ばされるような感じではありますが。

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    2009年10月04日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    何もしないでつべこべ云ってるもんじゃねえな!と身にしみて思う。
    最後の一文は、いろんなところで聞くが、これほど重みと実感に満ちたのははじめて聞いた。
    文章読みやすいし、おもしろい。おすすめです。ここ最近のベスト。

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    2009年10月04日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    正義よりも和平。凶悪な犯罪者、反逆者を恩赦すること。これも一つの方法なんだな。だけどこの様子をみた少年兵たちが、人をあれだけ殺しても町をいくつも焼き討ちにしても、許されるんだと誤解しないようにしなくてはいけない。平和までの道は難しいけど、そこで戦う日本人がいたんだ。

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    2009年10月04日
  • 武装解除 紛争屋が見た世界

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    紛争屋、といっても紛争を起こす方でなく紛争を収める方の仕事に従事していた著者による書。東チモールの暫定県知事を務めていた時の様子など、武装解除の現場の様子が生々しくレポートされている。地域紛争が止まない21世紀の戦場で「国際貢献」の実際はどのようなものかよくわかる良書。それだけに、結論には大いに疑問。憲法がいいように解釈されて自衛隊のイラク派兵につながったのであれば、護憲による現状維持は為政者による解釈改憲の余地を増やすだけなのでは?ゆるんみつつある平和憲法のネジを締め直すためにも、日本は国際貢献としてここまでやりますよ、と憲法で宣言した方が現実的な回答だと思うんですがねぇ。

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    2009年10月04日