はたこうしろうのレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
すごく、すごく良い絵本!
はたこうしろうさんの絵が本当に良い!
ゆかちゃんの一つ一つの表情が輝いて眩しくて、
「わたしのうみ」に魚がいたと気付いた時の顔に脱帽!
そして、くじらを見るゆかちゃんと両親の表情はここでしか描けない最高の時間が描かれている!
そこからの最後のページのへたさんとゆかちゃんの顔に感服◎
土の道は嫌だなと大人心に思ってしまうけれど、土はとても大切な場所だと改めて思わせてくれる絵本。
これから大きくなるゆかちゃんにとってこの場所で過ごした時間、へたさんとの時間は一生の宝物になるだろうことがとても伝わる一冊。
素晴らしい絵本にまた出会えたことに感謝します◎ -
-
-
Posted by ブクログ
先天性の脳疾患のため、入退院を繰り返す前田海音ちゃん、小学3年生が主人公の絵本…。入院すると、たて約2メートル、はばは約1メートルのベッドの上が海音ちゃんの生活のすべてになる…。家族に負担をかけているのもわかっているけれど、どうして自分だけが病気で孤独に耐えなければならないのか…。でもそれを口にしても仕方がないから…ただひたすら我慢…そんな中、ふとしたことがきっかけで海音ちゃんの気持ちに変化が生じる…。
病気に苦しんでいるのは自分一人きりではない…今の自分だから、自分以外の病気で苦しんでいる子供達も、生きていることの素晴らしさには気づきにくいことを知っている…だから病気のことを自分の胸の内に -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ辛い検査を受けてももっと辛い検査をしている子のことを思って泣けないという著者。それを、読んでる側の大人が泣いちゃいかんと思いつつやはり涙が出てしまいます。
著者が小学三年生であることにまず単純に驚きます。どれほど辛くて悲しくていろんなものを諦めてきていても、自分のために様々なことを我慢したり一生懸命してくれたりする家族を思い、時に口から出そうになる恨みや願いを飲み込んでいるというその精神がとんでもなく成熟していることに。
それまでになるほど海音さんは孤独の中で何度も何度も自分の有り様について考えてきたのだろうとお察しします。ほんの九歳の子がこれ程のことを考える苦しみを思うと、…もう言葉もなく -
Posted by ブクログ
文章は、書いた当時小学校3年生(現在はもうすぐ6年生かな)の、持病で3歳の頃から入退院や通院を繰り返す北海道の女の子。
いろいろな気持ちが綴られている。
いろいろなことを我慢して、家族の負担やもっと重い病気の子を思えば我慢してることを言うことすら我慢して。
病院のベッドのテーブルの下をふと覗いたところ。
涙が堪えきれなかった。
「二平方メートルの世界でまた、わたしらしく生きていく。オーバーテーブルにではなく、心に言葉をきざみこむ。それがだれかに届くかもしれないから。」
届いたよ、ありがとう。
あきらめなければならないことがあっても、不自由なことがあっても、自分らしく生きていくことはできるよね。 -