吉田伸夫のレビュー一覧
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前書きで「2ページで語る宇宙全史」、付録で年表と概観しやすい構成。
宇宙の終焉(ビッグバンから10の100乗年後、ビッグウィンパー)の時間スケールから見れば、138億年前のビッグバンは「ついさっきのこと」
以下、宇宙暦(ビッグバン以後の時間経過)を基準に
10分後、100万年まで、10億年まで、138億年まで(現在)、数百億年まで、1兆年まで、…10の100乗年以降と段階別に解説
■4章 宇宙歴10億年まで
近年の研究によると、第1世代の恒星は種族IとIIのいずれとも異なる性質を示し、種族IIIと呼ぶべきものべあることがわかってきた。種族IIの古い恒星にも微量ながらヘリウムより重い元素 -
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“時間”について、物理的な概念や人が認知するものを解説している。本書を読むと、時間は宇宙で一様に流れていないことや、時間も空間のように拡がりを持つことなど、時間に対する認識が変わる。「時間が流れる」という認識があるのは、意識が影響しているようで、著者は脳の仕組みから時間の流れについて解説している。カバーする範囲は想像以上に広く、本当に理解するには、この1冊だけでは無理だが、考え直すきっかけくらいにはなると思う。一般に向けて解説しているので数式は一切出てこない。その分、図で感覚的に理解させようと努力されているのだが、まだ難しい。もっと図を入れてほしかった。著者の他の本を読んで、もっと理解を深めた
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Posted by ブクログ
素粒子の専門家による時間の話。過去は過ぎ去ったもの、未来はまだ見ぬもの、現在だけが存在しその瞬間はすべての場所で同一時刻というのは、ニュートン力学の世界の話であって、現代物理学では、時間はすべての場所毎で異なるものと理解されている。Blue Backsらしく論理的にかつ明快に、時間について説明している。もちろんすべてが理解できたわけではないが、勉強になった。
「(5台の原子時計による実験)5台の時計のどれもが、標高が低いほどゆっくりと、高くなるにつれて早く進んだ。セシウム原子から放出される電磁波の振動回数で言うと、小金井本部に対する変化の割合は、おおたかどや山送信所で100兆分の8、はがね -
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もう一度読みたい本
最初の5章は時間をテーマした本なら絶対カバーされるテーマ。他の本でも知ることが出来る。面白かったのは第6章の「タイムパラドックスはおきるか」。もう一度読んで深く考え、そして理解したい。第7章の内容(時間は何故流れるように感じられるのか)が取り上げられたのは意外だった。時間に関する本を色々読んでいるが、このテーマをカバーした本は初めて。新鮮だった。
時間をテーマにしている他のブルーバックスを読んでからもう一度読みたい本。 -
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ネタバレ素粒子論を専門とする理論物理学者による、「時間」に関する一般向けの論考。前半は主に(特殊)相対論の解説となります。ブルーバックスなので数式はなるべく使わずに、相対論を分かり易く説明してあります。その辺は読みやすくてともて良かった。でも相対論はあくまでも導入で、本書で著者の言いたいことは、どうも「時間は一方向に流れたりしない」と言うことのようです。時間を計る目盛は何らかの物理的な振動現象に過ぎない。空間軸上を自由に行き来できるのと同様に、時間軸上も本来自由に行き来できるということのようです。相対論的には時間の流れ方が観測者によって異なるのも理解できるし、ミンコフスキー空間のような理論的な扱い上で
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購入済み
面白いが・・・
面白いのですが、私の物理学の知識が低いのか、ところどころで付いてい行けない処がありました。ただ、その為に、内容が面白くないことはありません。少ない知識でも、これまでの常識的な時間の概念が誤っていたことは理解できます。良い本と思います。
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Posted by ブクログ
量子論について、巷の「位置や運動量が確定しない」とか「粒子であると同時に波である」といった説明がその理解の害にすらなっているとして、よりわかりやすい説明を提示する、というのがこの本が行う試みである。著者に言わせれば、「常識的な立場から」量子論を理解しようとするものである。
その心として、まず次の二つのことが理解される必要がある。
・位置や運動量が確定しないのは、粒子の量子論で粒子と見なしたものが、実は、エネルギー量子という波であることに由来する
・粒子の量子論が、「場のリアルな波動によって引き起こされる現象を近似したもの」だと考えられる
つまり、粒子というものの理解を変えれば、何も不思議