吉田伸夫のレビュー一覧

  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

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    悠久の宇宙の流れを感じさせる良書。現在分かっていること、分かってないことを明確にして、どの仮説を前提として話を進めているか分かりやすい。難しいことは読み飛ばしても雰囲気でなんとなく分かる。高校卒業程度の物理学が分かってるなら読み飛ばさずに理解できるだろう。X粒子のくだりは再読を要したが、おそらく冗長な文書がうまく頭に入らなかったためと思われる。その辺りを差し引いても、内容の背景である研究者たちの温度感まで伝わってくる正直感は評価できる。""

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    2019年01月19日
  • 明解量子宇宙論入門

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    Ⅰ~Ⅱ部では、いわゆる教科書では省かれている、方程式の成り立ちや物理的解釈の変遷、当時の背景などが詳しく書かれ、なるほどの連続である。
    Ⅲ~Ⅳ部では、最新物理理論のオンパレードで厳密性を損なわない範囲で数式を用いて説明される。単純に好奇心がそそられる。

    全体的には学部3,4年生から大学院生向けの内容か。

    この分野は手詰まりなのが、よく分かってしまい、一瞬、物理を学ぶモチベーションが下がったが、よくよく考えてみると、だからこそ、これだけの多様な考え方、アプローチが生まれている、その創造性を感じるために学ぼうと思えた。

    ・アインシュタインの宇宙項の導入
    ・共動座標、フリードマン方程式(福江の

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    2018年12月15日
  • 明解量子重力理論入門

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    相対論、量子論の知識が前提。

    学部上級生か院生向け。

    概論といってもがっちり数式。

    ただ議論は分かりやすい。

    この分野がまだまだ未発達なのが、よく分かった。

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    2018年09月07日
  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

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    わかりやすい宇宙の歴史10の100乗年。
    ビッグバンで、エネルギーの場から素粒子が誕生し、結合し元素が生まれる。
    宇宙が膨張していく中で温度が下がり38万年後くらいに3000度隣、電子と陽子が結合し、水素原子になる(宇宙の晴れ上がり)。その後最初の恒星が形成され、超新星により、恒星内部の核融合により形成された水素やヘリウムより重い原子が宇宙空間に拡散され、第二世代の恒星の材料となり、現在の太陽系のようなものと人類が138億年後に誕生することとなる。これ以降は、140億年後には太陽の膨張で地球がハビタブルゾーンから外れ、数百億年後には銀河系がアンドロメダ銀河と合体し、星形成率もだいぶ落ちてくる。

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    2017年04月30日
  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

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    宇宙の始まりに関する本は読んだことはあるがこれだけ未来に紙幅を割いた本は初めて。人や生命が滅びても宇宙は何となく続いているのだろうと思っていたが、遂には物質ひいては素粒子まで消滅するとは想像だにしていなかった。
    主論ではないが常々疑問に思っていた水がないと生命が存在しないという説も、生命維持の観点からではなく複雑な構成をもつ原子が自然に生成される(化学進化する)可能性が低いということがわかりようやく得心がいった。
    その他、地球が灼熱地獄と化すには10数億年しかないんじゃ弥勒菩薩も間に合わないじゃんとか、この宇宙の外は2次元世界にとっての3次元世界のようにわかりようがないなら、突然この宇宙が外的

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    2017年04月15日
  • 素粒子論はなぜわかりにくいのか

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    素粒子が「粒子」であるかのように語る「やさしい解説」では,素粒子論の本当の姿は分からない。素粒子の概要をつかむには,どうしても場の理論の考え方が必要だ。本書は,数式をほとんど使わずに,素粒子論を支配する場の考え方を丁寧に説いてくれる。素粒子は,実態を伴った粒子などではなく,場に現れるエネルギーの集中した波動であり,あたかもそれが粒子であるかのように振る舞っているのだ。そう,モニターに写るブロック崩しのボールのように。
    摂動法や繰り込みについても誤解を正してくれる。摂動法については,探査機のスイングバイを例に分かりやすく解説。ファインマンダイヤグラムに現れる仮想粒子,仮想反粒子は飽くまでも計算の

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    2015年03月07日
  • 素粒子論はなぜわかりにくいのか

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    場の理論からするといわゆる粒子はなく、粒子的なものがあるだけである!

    素粒子、とくに量子色力学を卒論で私が20年以上前に取り上げたときには、このような本はなく、ただひたすら数式を展開している感じだった。

    本書はいろいろな意味で目から鱗である。

    超弦理論について盲信を戒めたり、繰り込み論は無限大から無限大を引いて、有限値を取り出すモノではないとか、ニュートリノに質量があるように理論を拡張するのはたいしたことないとか、ファインマン図の無思慮な使用とか、冷や水をかける場面が多々ある。

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    2014年08月04日
  • 素粒子論はなぜわかりにくいのか

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    場の量子論のイメージが持てるようになる優れ本

    なぜわかりにくいのか → 現代物理の基礎となっている「場」を説明していないから。
    ・していないというより、今までできる人が居なかったというのが正しいと思う。
    ・著者は、これに成功した初めての人だと思う。(経路積分による量子化手法で)
    ・原子論的な世界観から、場という世界観に大きく転換があった・・・というのを初めて認識した。これが、私にとってはこの本での一番の驚きであった。頭の中が、「原子と場の二元論で足踏み」と、正にその状態であった。この歳になって、自然観が覆されるとは、すごい快感だった。

    場とその量子論のイメージ(バネ)を基に、次のことをわか

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    2014年07月21日
  • 素粒子論はなぜわかりにくいのか

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    一般科学書は科学者の名前が羅列されているだけなことが多いが、この本は違う。
    素粒子論が分かり難い部分である、場の量子論の初等的解説本。計算ができる粒子の量子力学より、直観的には場の量子論の方がわかりやすい。計算はできないがw
    教科書の副読本としてピッタリだと思う。

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    2014年04月12日
  • 明解量子宇宙論入門

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     高度な数学の知識を必要とするものの、今分かっていることがほぼすべて網羅されていて読み応えがあった。マルチバース、人間原理、宇宙定数、多世界解釈といった内容の検証だけでなく議論の必要性の有無が議論されているような分野についての言及もなされており量子宇宙論全体を俯瞰するのに最適な内容となっていた。図はほとんどなく(といっても図示することが困難な事象ばかりなので仕方がないが)、数式だけで議論が進んでいるためとっつきにくいところもあるが、数式を飛ばしてもおおよそ内容が分かるように書かれているため、宇宙論の読み物をいくらか読んでいればついていけるだろう。

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    2013年07月06日
  • この世界を科学で眺めたら ―― 真理に近づくための必須エッセイ25

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    エッセイ集で読みやすい。特に“9999回の見過ごし”や“月に魅せられてもいい3つの謎”が、個人的に興味深く読めた。

    中高生くらいの子らが読んでも難しくないだろうし、科学に興味を持ってもらうに良い本だと思う。

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    2025年05月31日
  • この世界を科学で眺めたら ―― 真理に近づくための必須エッセイ25

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    ちょいクセはあるけれど読みやすい科学エッセイ
    分野としては物理だけど、読んで面白かったのは数学、虚数と複素数の話はかなりわかりやすい。
    最新科学にも流行り廃りがあることを明け透けに紹介している。参考図書が自著ばかりなのは、ちょっと笑った。

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    2025年04月17日
  • 量子で読み解く生命・宇宙・時間

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    「量子は波である」

    というわけで、ここで量子論ですよ
    まぁ、ぶっちゃけいいとこ7割くらいしか理解できてないんだけど面白い
    物理学面白い
    そして、アインシュタインとかシュレディンガーとかハイゼンベルクとかヨルダンとかの天才たちの脳ってマジどうなってんのかな?って思うよね

    この人たちって基本、論理を突き詰めていくときって思考実験なのね
    思考実験ってのはまぁ要するに頭の中で実験を繰り返すことなんだけど
    想像力はんぱないわけ
    もう、とんでもない想像力を持ってる人たちなのよ
    頭ん中で電子が飛び交ってんのよ、いや電子は波だからぶわんぶわんしてるのか
    具体的にイメージが出来てるのよねミクロの世界が

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    2025年03月25日
  • 量子で読み解く生命・宇宙・時間

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    最近量子医療にご縁があり、シュレディンガーの猫ってやつ?と思い読んでみた。数学Ⅰで理系を卒業した身にはとても難しかった。でもシュレディンガーの猫の生きている状態と死んでいる状態の混在はありえない(当たり前だけれど)ことが明快に分かったのはうれしかった。世界の秩序は量子が作っていて、ごくごく身近な存在なんだと実感しつつ現象を解明しようとすると忽ち難解になる。人間の理解の範囲はごくわずかで、解明されていないことが身の回りに満ちてるんだと再認識した。わからないなりに読み進めたことで、テレパシーや並行世界、SF的だと感じていた気持ちはなくなり、地に足の着いた現象の研究と解明であることがわかり読んでよか

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    2024年08月07日
  • 量子で読み解く生命・宇宙・時間

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    量子で読み解く生命宇宙時間 吉田伸夫
    幻冬舎新書
    日本語なので読みやすいが
    結構詳しすぎて同じようなことの繰り返しで面倒臭い
    もう少しダンジェストで良いと思う

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    2024年07月09日
  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

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    138億年前の宇宙の始まりから「10の100乗年」後にやってくるかもしれない終焉までを最新科学に基づいて見渡す壮大な科学読物。「宇宙の始まり」を中心とした宇宙論の本は何冊か読んだことはありますが、「終焉」を記した本は初めて。なんと言っても1無量大数(10の68乗)という数詞を超えた世界に魅力を感じました。
    著者の吉田伸夫さんの専攻は量子論。宇宙の一生の後半以降は天体の歴史よりも物質の歴史となり、量子論から宇宙の終焉を描きます。

    宇宙の一生を概観すると
    数百億年後、銀河は老化(星形成率の減少)
    1兆年後、長寿命の恒星の死
    100兆年後、宇宙の第2の暗黒時代(第1の暗黒時代はビッグバンから100

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    2024年06月26日
  • マンガ+図解でよくわかる 最速最短! 相対性理論

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    確かに読みやすかった。文系の私でもまったく躓かなかった。
    …でも、「イメージが掴めた」だけかなあという感じ。もうちょい学問的な解説が欲しかったかな?もしくは、導入編としては良いと思うので「この次のステップ」にあたる本がシリーズで紹介されてたらいいかなと思う。

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    2024年05月05日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

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    ネタバレ

    イメージするのが難しい部分もあったが、物理学だけの切り口だけでなく、脳の働きから人間の時間の感じ方を論じていることが面白い。
    脳の働きについては、「進化しすぎた脳」でも近い話が載っていたと思う。

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    2023年08月08日
  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

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    星の誕生から消滅、そして物質への理解を含めてから宇宙論全体を論じる構成により、非現実的かつ天文学的な範囲の仮説が現実味を帯びて理解できる1冊でした。

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    2023年07月22日
  • 人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記

    購入済み

    第一部:生命の誕生、第二部:知性の獲得、第三部:意識の発生。
    素粒子論が専門の物理学者である著者が、生命の誕生から意識の発生まで、その専門のフィールドからはみ出して謎解きを試みたチャレンジングな一冊。場の量子論を平易に解説しながら、その素粒子論で得られる物質への理解を知性・意識の謎に投影していくさまは読みごたえがある。この一冊で意識の謎が解けているわけではないけれど、これからこの問題に挑む人は素粒子論の教養が必須かもしれないと思わせる力がある。

    #深い #アツい #タメになる

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    2023年07月10日