吉田伸夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
時間の話はSFっぽい観念も含めて
気になってしまう。
標高差が時間の進み方に与える影響を調べた実験から始まって
「タイムパラドクス」「時間はなぜ流れる(ように感じる)のか」など
ワクワクする小見出しが並ぶ。
とはいえ、中身はそれなりに手ごわい感じではあるんですが、正直
なかなかきっちりついていくのは難しかったです。
時間が位置と比べて特権的なものではない、というところだけわかっておけば
一般人としては十分でしょうか。
逆に、詳しく知りたい人向けの短めのコラムも充実していて
だいぶ欲張りな新書になってると思います。
未来は決定されているのか、など
SFの設定にこだわりを持ちたい人はこのあたりのことは
目を通していてもいいかもしれないですね。
議論になっているところもそのまま提出されていることが多くて
探求心の強い方に応えてくれる内容ではないでしょうか。
時々ロマンティックな言い回しも出てきて、
そういうところもよいですね。
”相対性原理を認めるならば、「現在」だけがリアルなのではなく、「過去」も「未来」も同じようにリアルだと考えざるを得ない。「現在」という物理的に特別な瞬間など、もともと存在しないのである。(p.76)”
この後、「持続的に存在する」という用法が批判されているときに、ベルクソンを思い出すけれども、彼は意識について持続を用いたのであって、物質が持続しているわけではないので、彼の主張は維持できそう。
そして、実際、本書の時間の流れも意識にかかわってくる。
”人間にとって日常的な大きさとは、空間が1メートル程度なのに対して、時間は1秒程度である。人間の時間のスケールは、物理的に自然な単位の数億倍である。
日常的に使われる時間の単位が空間に比べて桁外れに長いのは、それだけ脳の働きがゆっくりしていることを意味する。(p.208)”
光が自然現象の基本だとしたら、という話ではあるけれど、
光が速いというよりも脳が遅い、というのも面白い。 -
Posted by ブクログ
宇宙は誕生して約140億年と言われています。140億年を1年に置き換え、宇宙誕生の瞬間を1月1日午前0時とすると、人類の誕生は12月31日午後11時52分ごろになるという喩えを耳にしたことがある方もおられるでしょう。それだけでも宇宙スケールの時間の大きさに驚きますが、現在の宇宙論では宇宙の寿命がある程度推定されており、それは10の100乗(”0”が100個並ぶほど大きな数)年と見積もることができ、これをまた1年に置き換えると、誕生後約140億年の今は1月1日午前0時0分0.000…4(”0”が77個並ぶほど小さい数)秒だというのです。
本書は宇宙誕生から寿命を終えるまで、宇宙がどのような姿を見せるのかを時間の経過を追って解説しています。それによると、銀河や星雲、恒星が煌びやかに彩る今の変化に富む宇宙は寿命を通じてほんの限られた一時期にしか存在せず、それ以外はもっと一様で変化に乏しい姿だという事です。
永い宇宙の寿命のなかで限られた瞬間に人間が生きているという事ですね。人間の存在の儚さを再認識できる本です。