【感想・ネタバレ】時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」のレビュー

あらすじ

科学が捉えた「時間の本質」――時間は過去から未来へ流れて《いない》!?

時間の正体は、宇宙の起源につながっている。
時間とは何か? 時は本当に過去から未来へ流れているのか? 「時間が経つ」とはどういう現象なのか?
先人たちが思弁を巡らせてきた疑問の扉を、いま、物理学はついに開きつつある。
相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学を見渡し、科学の視座から時間の正体に迫る。

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【本書「はじめに」より】
「時間が経つ」あるいは「時が流れる」とは、どういうことだろうか?
目の前に置かれた時計を見つめている自分を想像していただきたい。時計の針が、3時ちょうどを指しているのを見たとしよう。そのままじっと時計を見つめていると、秒針がゆっくりと一周し、長針がわずかに進んで、3時1分を指すのが見える。さらに見つめ続けると、やがて針は3時2分を、続いて3時3分を指す。
時計を見ている人にとって、針がある時刻を指すのを目にする場合、その時刻だけがリアルな瞬間だと感じられる。針が3時2分を指しているならば、3時1分を指す光景は過去の記憶であり、3時3分を指すことは未来の予測である。どちらも、3時2分を示す時計を目の当たりにしている「いま」のようなリアリティは感じられない。時計を見つめ続けると、時計の針は、しだいに、その後の時刻へと動いていく。この状況を素朴に解釈すると、眼前の時計が示す「いま」の時刻が、後へ後へと移動していくことを表すようにも思われる。
さて、ここで考えていただきたい。こうした「時の流れ」は、意識の外にある物理世界においても、客観的な出来事として起きているのだろうか? 言い換えれば、「時の流れ」は物理現象なのか――という問題である。

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【主な内容】
■はじめに――時の流れとは
《第I部 現在のない世界》
■第1章 時間はどこにあるのか
■第2章 過去・現在・未来の区分は確実か
■第3章 ウラシマ効果とは何か
《第II部 時間の謎を解明する》
■第4章 時間はなぜ向きを持つか
■第5章 「未来」は決定されているのか
■第6章 タイムパラドクスは起きるか
■第7章 時間はなぜ流れる(ように感じられる)のか

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Posted by ブクログ

すべてを理解するのは私の脳では不可能だが、わからないなりに世の中の新たな視点を手に入れることができた貴重な経験だった。

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2024年01月02日

Posted by ブクログ

とても難しい長所だった

やはり自分には量子論とかがすぐには理解できない
実際に感じるものと違う世界が実際はある

量子論が今現在の最先端の物理学
時間は無数に存在している

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2022年05月22日

Posted by ブクログ

ニュートン力学、特殊相対性理論、一般相対性理論、量子論の関係と、時空の意味。
素粒子から成る原子、分子、ビッグバンから成る宇宙の物理。
そして地球上で我々人類が見知っていた物質、更には生命の成り立ち。
最後に脳の反応から時間は我々が感じているものであったとは。
知らなかった事を総括的に説明して頂き、大変勉強になり、考えさせられる事が増えました。

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2022年04月15日

Posted by ブクログ

これまで、分かったつもりであった点が、この本でより深く理解できた。
例えば、時間軸を含む4次元世界では、時間も空間の如く広がりを持つと言う点は見聞きしてはいた。しかし、本書の「物体は時間方向に伸びた存在」という指摘や、ミンコフスキー幾何学の説明等々で、「時空」のイメージの解像度が増した。
(光速度不変より、ローレンツ普遍性の方が重要視されるのも、分かった気がするぞ!)
エントロピー減少の話も分かりやすかったし、量子論の「観測の有無に関係しない客観的量子論」と言う観点は、新鮮であり、腑に落ちるものでもあった。認知のフローから切り込む最終章も、得るものが大きかった。

落ち着いていながらも熱い文体も良かった。
著者の量子論の本も今後読んでみたい。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

ニュートン力学では時間も空間も研究対象ではなく(と言い切ると語弊があるか)、天与の目盛りとして背景にある。
ローレンツ対称性がマクスウェル方程式に見出されて相対論から時空の相対性が確立されると、時間も空間も観測系の運動状態に応じて相対的なものとなり、本書のテーマで言えば時間など物理的には存在しないこととなった。
時間が流れるように感じられるのは人間の知覚と脳内情報整理の結果でしかない。
というようなことを飄々と解説しているわけだが、類書よりも面白かった。学者としての防御姿勢を過剰には取らずに言い切る書き方のためだと思うが、これが本書の真骨頂。
また、ニュートン力学では過去も未来も計算できるが、量子論で粒子が揺らぐ結果として決定論的には計算できないとの指摘もあり、言われてみればなるほどその通りだが改めて蒙を啓いて頂いた。
類書にない踏み込みのある名著だと思う。

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2021年03月10日

Posted by ブクログ

物理学的には時間の流れは存在しない。
前著の「宇宙に終わりはあるのか」がとても面白かったので読んでみたが、こちらも刺激的で好奇心をくすぐる一冊でした。
第Ⅰ部の相対論、ウラシマ効果などはある程度理解できたが、第Ⅱ部初めの「時間はなぜ向きを持つのか」については難しかった。秩序あるビッグバンとエントロピー増大の法則を元に説明されているがなんとなく腑に落ちず。
最終章も脳は無意識の行動を後から整理しているに過ぎないという話は聞いたことがあったが、構造的な処理速度の問題から時間が流れているように感じられているというのは興味深い。感じられない過去未来も現に存在していることを意識して生きてみるのも面白いかも。

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2021年01月21日

Posted by ブクログ

時間とはなにか?を論じるためには宇宙の始まりについて考えなくてはいけないの、わくわくしません?

時間がないないと普段言っているけど結局なんなんだろう、と思って手にしたこの本。高校物理と医学を少しかじったくらいで、なんとかついて……いけ……はないですが振り落とされはせず、楽しく読めました。
わからないところも勿論ありますが、出来る限りやさしく書こうとしていただけてるのが伝わります。

物理から地学、数学、化学、はては脳神経学まで、学際的な本を読むとやっぱりわくわくがとまりません。

読み終わったら「今まで考えていた時間なんて存在しなかった…?」というような不思議な感覚に陥ります。

結局時間は私が今まで考えていたような絶対的なものではなく、物理変数のひとつであるということ、そしてフィルム映画のようにコマ切れに瞬間が積み重なっているのではなく、広がりのあるものであること(空間のように)。新しい概念をいっぱい手に取ることができました。ありがとうございます。

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2020年12月28日

Posted by ブクログ

哲学的な時間論を交えず、諸科学を横断して「時間とはなにか?」の問いかけに答えを求めていく。後半、ヒューム的な「現在」に近づきつつ「ヒュームとはやや異なる現在」が解説されているあたりはおもしろい。

「時間」という主観的な存在を「科学」というなによりも客観性が求められる分野で語ることの楽しさあふれる一冊でした。

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2020年08月31日

Posted by ブクログ

我々が時間が流れるように感じるのは「錯覚」.時間は空間同様に複数あるし,空間と不可分.どこかで聞いたような話であるが,より明確に説明されている.

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2020年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イメージするのが難しい部分もあったが、物理学だけの切り口だけでなく、脳の働きから人間の時間の感じ方を論じていることが面白い。
脳の働きについては、「進化しすぎた脳」でも近い話が載っていたと思う。

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2023年08月08日

Posted by ブクログ

3回読んだけど理解できないことばかり。
ブルーバックスだよね。まぁだからといってこれ以下のレベルまで落とせないのかもしれない。
頭悪いのに評価してごめんなさい。

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2022年07月03日

Posted by ブクログ

ひさびさに読んだブルーバックス。時間の概念を相対性理論、量子論、宇宙論、脳科学など分野横断しながら説明することを試みる本。時間に方向性があるのはビッグバンがエントロピーの低い秩序立った状態から始まったからという点と、人間の時間感覚や記憶認識は光や素粒子反応など多くの物理過程に対して人間の神経反応の処理速度が遅すぎることにあるという点は特に印象的。その他、タイムリープやタイムパラドックス、世界線、量子ワープなどSFネタの背景にも多く触れられてて楽しかった。

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2021年07月25日

Posted by ブクログ

“時間”について、物理的な概念や人が認知するものを解説している。本書を読むと、時間は宇宙で一様に流れていないことや、時間も空間のように拡がりを持つことなど、時間に対する認識が変わる。「時間が流れる」という認識があるのは、意識が影響しているようで、著者は脳の仕組みから時間の流れについて解説している。カバーする範囲は想像以上に広く、本当に理解するには、この1冊だけでは無理だが、考え直すきっかけくらいにはなると思う。一般に向けて解説しているので数式は一切出てこない。その分、図で感覚的に理解させようと努力されているのだが、まだ難しい。もっと図を入れてほしかった。著者の他の本を読んで、もっと理解を深めたいと思う。

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2021年07月04日

Posted by ブクログ

ものすごく楽しく、面白かった

普段、ノンフィクションを読まないし理系は苦手な自分でも楽しめた

読んでからも、謎は残って、あれこれ時間について考えたのも楽しい時間。

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2021年07月02日

Posted by ブクログ

素粒子の専門家による時間の話。過去は過ぎ去ったもの、未来はまだ見ぬもの、現在だけが存在しその瞬間はすべての場所で同一時刻というのは、ニュートン力学の世界の話であって、現代物理学では、時間はすべての場所毎で異なるものと理解されている。Blue Backsらしく論理的にかつ明快に、時間について説明している。もちろんすべてが理解できたわけではないが、勉強になった。

「(5台の原子時計による実験)5台の時計のどれもが、標高が低いほどゆっくりと、高くなるにつれて早く進んだ。セシウム原子から放出される電磁波の振動回数で言うと、小金井本部に対する変化の割合は、おおたかどや山送信所で100兆分の8、はがね山送信所で100兆分の13だった」p22
「かつては太陽の動きを利用した日時計や、振り子の等時性を使った振り子時計を使っていた。だが、近代以降に利用される正確な時計の大半は、金属製バネの振動を利用した機械式時計も含めると、原子スケールで起きる周期的な振動現象を利用している」p38
「媒質中を伝わる光の速度は、真空中に比べてn分の1に低下する(電磁気学の法則によって、屈折率は必ず1より大きくなる)。例えば、水の屈折率は1.333であり、水中では、光は真空中の4分の3の速度で進む」p41
「「未来」はまだ実現されず「過去」はすでに過ぎ去ったのだから、どちらもリアルではなく、ただ「現在」だけがリアルだ。こうした常識的な見方を支持する物理学的な根拠はない。相対性原理が成り立つならば、「同じ時刻」を一つに決められず、したがって「現在」という「それだけがリアルな瞬間」が実在することはない。過去・現在・未来という区分は、物理的に無意味である。「ここ」以外にさまざまな場所が存在するのと同じように、「いま」以外にもさまざまな時刻がリアルに存在する」p50
「素粒子論によると、光以外にも、時間と空間の界面に沿って進み、速度が1(ないし1に極めて近い値)になる素粒子がいくつかある。ただし、その大部分は、原子スケールよりも遥かに短い距離しか進めないので、実際に観測するのは難しい。例外的に長距離を進むことができるのは、光以外には、ニュートリノだけである」p102
「大マゼラン雲は、地球から16万光年の距離にある。16万年前にここで生じた超新星爆発で、さまざまの放射や物質が放出されたが、そのうち地球に到達できたのは、光とニュートリノだけである。観測結果によれば、爆発によって放出された光とニュートリノは、宇宙空間を16万年にわたって飛び続けた後、どちらも1987年2月23日に地球に到達した。最初に観測に掛かった光とニュートリノの到達時間差は、わずか3時間しかない。ニュートリノは、16万年もの間、ほとんど光と並んできたことを意味する」p103
「互いに運動するアリスとボブが、手元に時計を持っていることを考えよう。このとき、アリスとボブの時間軸は互いに傾いているので、斜めになった2つの物差しと同じように、相手の時計の進み方が自分の時計と異なるように観測される。これが「動く時計は遅れる」という現象である。この遅れは、互いに斜めになった物差しのケースと同様に、あくまで見かけのものであり、現実に時間の尺度が変化したわけではない。アリスからするとボブの時計が遅れるのだが、ボブの目にはアリスの時計が遅れるように見える。実際には、どちらの時計も同じように時を刻んでおり、天体近くで重力作用を受ける時計のように、現実に遅れるわけではない」p106
「空間内部での回り道は、直線ルートに比べて必ず道のりが長くなるのに対して、時間と空間を併せた世界では、回り道をした方が経過時間が短くなる。これは、ミンコフスキーの幾何学では、長さを定義するのに時間部分と空間部分の差を取るせいである。空間で遠回りをすると、道のりはかえって短くなる」p109
「宇宙背景放射は、1964年に衛星通信用に地上に設置されたアンテナで初めて観測された。宇宙からの背景放射は、温度がほぼ零下270℃(零下273.15℃を零度とする絶対温度で表すと、2.725度)の物体の放射と等しい。この温度が場所によってわずかに異なっており、その揺らぎが10万分の1程度であることを明らかにした(2006年ノーベル物理学賞受賞)」p124
「揺らぎがわずか10万分の1しかなかった点こそが重大である。10万分の1の揺らぎとは、どんなものなのか。容器に、小麦粉を10㎝の厚さに敷き詰める場合を考えよう。小麦粉粒子の大きさは数十分の1㎜なので、場所による厚さの違いが10万分の1とは、小麦粉1粒の何十分の1かのデコボコしかないことを意味し、見た目には完璧なまでに平坦な状態である。同じ厚さの金属ならば、表面に髪の毛一筋(0.05~0.08㎜)ほどの傷もなく、鏡のように光を反射するだろう」p125
「(時間の方向性)「なぜ過去から未来へという方向性があるのか」という謎に対しては、「宇宙の始まりが整然としたビッグバンだったため、この完璧な状態が崩れていくという形で、時間の方向性が生まれた」と答えることができる」p126
「ビッグバンが整然としておらず、エネルギーの揺らぎが大きいと、宇宙空間のあちこちに巨大なブラックホールが形成されてしまう」p129
「気体では分子同士の接触が稀となり、固体では動けないため、いずれも化学反応が進まない。熱の流入に応じて化学反応が進行するためには、分子が液体の中を動き回れなければならない」p138
「地球は、太陽光線を浴びる地表でエントロピーの減少を実現し、生命にあふれた惑星になれたのである」p140
「惑星上で活動する生物の姿だけを見ると、宇宙とは無縁の時を刻んでいるように感じられよう。しかし、実際には、生化学反応は太陽からの光の流れに駆動されて進行する。あらゆる出来事が、ビッグバンの整然とした状態が崩れていく過程の一部であり、「ビッグバンから遠ざかる向き」に進行する不可逆変化なのである」p141
「ヒットを打った後のインタビューでは、球種を見極めてからバットを振る決断をしたと答えることがあるが、これは、生理学的にありえない。目で見てから体を動かすまでの反応時間を考慮すると、球種がわかるほどボールが進んでからでは、バットをボールに当てることは不可能である。バットを振る意思決定が行われるのは、投手の手からボールが離れた直後(あるいは直前)のはずである」p203
「人間の頭の回転は、多くの基礎物理過程に比べて、極めて遅いと考えた方がよい」p208

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2020年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半は相対性理論の説明。光りは時間と空間の界面を走るのでそれ以上の速度はありえないという説明はなるほどとおもうのだけど、グラフの図が無いとわからんかったかもしれない。

時間は空間のように広がっていて、過去も、未来も現在もない。それは脳の錯覚であるということ。

で後半は、量子論と脳科学にまで話がすすんでいく面白かった。

いろいろと創作のネタになると思う。

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2020年09月26日

KKN

購入済み

もう一度読みたい本

最初の5章は時間をテーマした本なら絶対カバーされるテーマ。他の本でも知ることが出来る。面白かったのは第6章の「タイムパラドックスはおきるか」。もう一度読んで深く考え、そして理解したい。第7章の内容(時間は何故流れるように感じられるのか)が取り上げられたのは意外だった。時間に関する本を色々読んでいるが、このテーマをカバーした本は初めて。新鮮だった。
時間をテーマにしている他のブルーバックスを読んでからもう一度読みたい本。

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

時間は過去から未來へ流れない。
時間と空間の関係。
脳が人間の記憶を捏造している。
親殺しのタイムパラドックス

時間という目に見えない世界。ひとの⏱️の感覚が秒に対して時間は無限に広がる。正直、本の内容を最後まで理解しきれなかったですが、宇宙から見たら、ひとの悩みや些事なんてないようなものだと実感。アインシュタインの相対性理論は何も分かりませんが、物理の原則を越えた時間の流れの尻尾を人類はいつかつかめるのかな。

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2020年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

素粒子論を専門とする理論物理学者による、「時間」に関する一般向けの論考。前半は主に(特殊)相対論の解説となります。ブルーバックスなので数式はなるべく使わずに、相対論を分かり易く説明してあります。その辺は読みやすくてともて良かった。でも相対論はあくまでも導入で、本書で著者の言いたいことは、どうも「時間は一方向に流れたりしない」と言うことのようです。時間を計る目盛は何らかの物理的な振動現象に過ぎない。空間軸上を自由に行き来できるのと同様に、時間軸上も本来自由に行き来できるということのようです。相対論的には時間の流れ方が観測者によって異なるのも理解できるし、ミンコフスキー空間のような理論的な扱い上で時間軸を空間座標軸と同等に扱うのは良いとしても、「時間が流れない」とはどういうことなのか。著者としては、「ビッグバン以降、宇宙のエントロピーが増大する方向に物事が進んでいる」だけであって、「時間なんて流れていない」ということのようです、多分。でも、その辺の著者の主張が良く分からなかった。エントロピーが増大する方向に物事が変化することを「時間が流れる」と言っても良いと思うので、トートロジー的な印象を受けたのだが、私が理解できてないだけなのかもしれない。
終盤ではさらに、著者の専門外の心理学、脳科学的な最新の研究結果からインスピレーションを受けた考察が論じられています。
「時間が(過去から未来へ一方向に)流れる」と感じるのも人間の錯覚にすぎない。人間の意識(脳)は必ずしも(時間軸に沿って)順番に起こった通りに現象を認識するのではなく、適当に順番を入れ替えたりという処理をしてから意識として感じている。その順番自体が、人間が時間の流れと思っているだけである、と。
人間の”意識”とか”心”は大脳皮質の脳神経がなす高次の抽象的な存在(システム?)なので、物質的、量子論的に論じることは不適切のように思われるが、著者はそうではないと論じている。たとえば水素分子は水素原子の集まりではなく、水素分子として量子論的な共鳴状態が存在するのであり、水素分子自身が独立して存在すると見なせる。ベンゼン分子は炭素原子6個の集まりでは無いのと同様。それを拡張していけば、人間の意識も一つの共鳴状態として独立した存在と見なすこともできるだろう、とのこと。南無~~。

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2020年03月23日

H

購入済み

面白いが・・・

面白いのですが、私の物理学の知識が低いのか、ところどころで付いてい行けない処がありました。ただ、その為に、内容が面白くないことはありません。少ない知識でも、これまでの常識的な時間の概念が誤っていたことは理解できます。良い本と思います。

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2020年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少し難しい話でしたが、物理学について学習できました。相対性理論なども少しずつ学習して理解できるようになりたいと思います。

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2023年06月27日

Posted by ブクログ

噛み砕いて書かれているとは思うのですが難しい。
ただ、“定説”とか“常識”などに対して疑問に思って調べてみたりすると面白い発見があるなと感じました。

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2022年08月07日

Posted by ブクログ

オーディオブックにて。
内容が難しくてあまり頭に入らなかった。タイムマシンとかタイムリープとかの話は想像しやすかった。

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2022年04月10日

Posted by ブクログ

時間の話はSFっぽい観念も含めて

気になってしまう。




標高差が時間の進み方に与える影響を調べた実験から始まって

「タイムパラドクス」「時間はなぜ流れる(ように感じる)のか」など

ワクワクする小見出しが並ぶ。




とはいえ、中身はそれなりに手ごわい感じではあるんですが、正直

なかなかきっちりついていくのは難しかったです。

時間が位置と比べて特権的なものではない、というところだけわかっておけば

一般人としては十分でしょうか。




逆に、詳しく知りたい人向けの短めのコラムも充実していて

だいぶ欲張りな新書になってると思います。




未来は決定されているのか、など

SFの設定にこだわりを持ちたい人はこのあたりのことは

目を通していてもいいかもしれないですね。




議論になっているところもそのまま提出されていることが多くて

探求心の強い方に応えてくれる内容ではないでしょうか。




時々ロマンティックな言い回しも出てきて、

そういうところもよいですね。




”相対性原理を認めるならば、「現在」だけがリアルなのではなく、「過去」も「未来」も同じようにリアルだと考えざるを得ない。「現在」という物理的に特別な瞬間など、もともと存在しないのである。(p.76)”

この後、「持続的に存在する」という用法が批判されているときに、ベルクソンを思い出すけれども、彼は意識について持続を用いたのであって、物質が持続しているわけではないので、彼の主張は維持できそう。




そして、実際、本書の時間の流れも意識にかかわってくる。




”人間にとって日常的な大きさとは、空間が1メートル程度なのに対して、時間は1秒程度である。人間の時間のスケールは、物理的に自然な単位の数億倍である。

 日常的に使われる時間の単位が空間に比べて桁外れに長いのは、それだけ脳の働きがゆっくりしていることを意味する。(p.208)”




光が自然現象の基本だとしたら、という話ではあるけれど、

光が速いというよりも脳が遅い、というのも面白い。

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2022年02月12日

Posted by ブクログ

時間がどこから来て、なぜ流れるのかなんて普通の人には当たり前過ぎて考えたことも無かった。理系の方々はそのような事を、量子論やら微分方程式やらエントロピーやらを用いて解き明かそうとして、なんかもう本当にご苦労様です。

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2021年12月28日

Posted by ブクログ

すごく難しいことをなるべく簡単に説明しようとしてくれているけど、やはり難しい。
若干持論ぽいところがあるのだが、定説としてとらえてよいのだろうか。

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

ウラシマ効果、世界線。タイムトラベルものでよく出てくる単語がここにも登場し、門外漢でもそれなりにわかるよう解説されている。
ミンコフスキー、エントロピー、量子論。時間というものを理解するために必要な前提知識、素養は莫大な量であることが伺いしれる。
本書は極力わかるように、と腐心したあとがみてとれるが、それでも難解だった。

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2020年08月03日

Posted by ブクログ

読んでるときは理解できるけど、読み終わってからなんだかよくわからんってなった。その原因を考えたけど①ほんとは理解できてなかった、②直感に反することを抽象的な議論で進めてる、③そもそも難しく相対論や量子論を未習だとこうなる、の三つが寄与してるんだろうなあという感じだと思う。出直します。

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2020年06月07日

Posted by ブクログ

相対論の基礎の復習になった。ただ、ビッグバンがあるので一方向に流れているように見える、の件がよく理解できなかった。読み直さないといけないと思う。

終章は人間の認識の仕方に言及しており、残念ながらこれも理解はできてはいないが、そこから攻めるか、という印象を持って、面白かった。

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2020年05月10日

Posted by ブクログ

当方の無能力はひとまず差し置くとして、少々惜しい内容かと。
インフレーション理論からの時間の考え方など、おっ、なるほどーと思わせるものが多々あるのにそれを上手く「読ませる」内容に消化・昇華できていない感あり。まざ、専門家からすれば、この程度は当然なんでしょうが、書きよう・読ませようは一杯あるよなぁ、と思わざるを得ず。返す返す惜しい。

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2020年04月29日

Posted by ブクログ

ウラシマ効果やタイムパラドックスの原理等について、数式は使わず読み物として説明していますが…まぁ難しいですねw

わたしの期待が SF 寄りだったせいもあるのか、ワクワク感なども少し中途半端な感じでした。

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2020年04月12日

Posted by ブクログ

難しかった。現代物理学の基本である場の量子論はニュートンなどの古典的な原子論とは違うロジックで物理現象を記述しようとする。時間は空間と一体となって時空となり、場所によって時間の進み方は違う。時間とは何なのかを場の量子論を元に簡易に説明してくれるのだが、中々頭には残らない。頑張って想像しようとするが難しい。ただ、物理学者達のそうした日々の努力の結果、色々な基本的な物理原則が解明されてきているというか、様々な方法で問題に解を与えようと試みている事は良く分かった。分からないけどたまにはこうした本を読み、分かろうと努力してみるか。ビックバンの前?直後は整然とした空間でだからこそ時間に方向性が生まれるとか分からないけど面白い。

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2020年03月18日

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