吉田伸夫のレビュー一覧

  • 量子で読み解く生命・宇宙・時間

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     量子論とは何か、というのを平易に解説してくれる本。

     実験で計測しようとすると結果に影響が出てしまう、という有名なロジックや、シュレーディンガーの猫、量子が離れた場所にあってもお互い影響する(ように見える)など本当はこうなんです、とすいすいと解説してくれる。

     物理学の各理論の関係や研究者の力関係、ノーベル賞の受賞順まで、「そうなのか」と腹落ちしていく。物理は高校の時にひどい目にあったが、人生の後半に差し掛かってきて、このような解説本、入門本をよく読むようになった。

     このような層のニーズがある(科学そのものは不案内だが、どんなものか知りたい)のは30-40年前には思いもよらなかったこ

    0
    2025年09月20日
  • 量子で読み解く生命・宇宙・時間

    Posted by ブクログ

    吉田伸夫氏の『光の場、電子の海』を読んで、よくわからないながらも、吉田氏が言うことを信用する気になった。
    本書は小冊子であるが、『光の場、電子の海』と同様に難しそうだ。
    先ず、「帯」や「カバー」に書いてある、出版社の宣伝文句宣伝を読んでみる。

    <たった一つの事実で全て解決する。
    量子の世界の4大謎
    1.歴史は分岐し、パラレルワールドが存在するのではないか?――多世界解釈
    2.「人が見る」という行為は、現実世界に物理的作用を与えるのではないか?――観測問題
    3.量子には一瞬で空間を超えて情報が伝わるテレパシーのような力があるのではないか?――量子もつれ
    4.生と死、二つの状態が重なった猫を作る

    0
    2025年09月12日
  • この世界を科学で眺めたら ―― 真理に近づくための必須エッセイ25

    Posted by ブクログ

    おもしろかった!冒頭の "ビッグバン(大きなバーン)" という記述で、この本ががんばって柔らかく書こうとしているのが伝わってほほえましい。量子力学と重力と水の説明はわかりやすくて正しい科学へ導いてくれる。理論で説明できないからオカルトが嫌いといいつつ、結構世界は偶然で形作られていることもわかる。それにしても量子力学ほんとに興味深いなあ

    0
    2025年06月15日
  • 人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記

    Posted by ブクログ

    この宇宙の中で、人がどう生まれてどう「意識」を持つに至ったか、について物理学ベースで論じる本。これも短い本で、200ページもなかった。面白いSFを読んだような読後感。冒頭のエントロピーの話がいちばん面白かった。最後の方の「意識」回りの話は正直ちょっと難しかった。量子力学さっぱり。あまり本の装丁の好みとかない方だけど、この本の装丁は割と好き。

    0
    2025年01月01日
  • マンガ+図解でよくわかる 最速最短! 量子論

    Posted by ブクログ

    自分が高校で習ってきたことと物理学全体(これが全体像とは思わないが)との関係がわかり賦活できるようになる良書。高校の物理学教師はこういった視点も生徒に教えてほしい。

    0
    2023年08月10日
  • マンガ+図解でよくわかる 最速最短! 量子論

    Posted by ブクログ

    ほぼ数式なしで物理の魅力を伝えてくれる良書。
    高校のときはひとつひとつの式の導出でつまづいてしまって、この辺りから物理が苦手になってしまったが大きな歴史の流れを見ると「そうだったのか!」と今更分かって感動。
    毎年ノーベル物理学賞を楽しみにしている人たちの気持ちが初めて分かった気がする。

    0
    2023年03月14日
  • 量子で読み解く生命・宇宙・時間

    購入済み

    量子力学へのアプローチ史

    量子力学へのアプローチ史を通じて読者に考察を促していく。
    先人とともに、宇宙の深淵を覗き見ていく喜びを味わえる。

    #深い #タメになる

    0
    2023年02月18日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    とても難しい著書だった

    やはり自分は量子論などをすぐには理解できない
    実際に感じるものと違う世界が実際にはある

    量子論が今現在の最先端の物理学
    時間は無数に存在している

    0
    2022年05月22日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    ニュートン力学、特殊相対性理論、一般相対性理論、量子論の関係と、時空の意味。
    素粒子から成る原子、分子、ビッグバンから成る宇宙の物理。
    そして地球上で我々人類が見知っていた物質、更には生命の成り立ち。
    最後に脳の反応から時間は我々が感じているものであったとは。
    知らなかった事を総括的に説明して頂き、大変勉強になり、考えさせられる事が増えました。

    0
    2022年04月15日
  • 宇宙を統べる方程式 高校数学からの宇宙論入門

    Posted by ブクログ

    数式も使われているが、なぜそう考えるのかが文章できちんと記述されている。その意味では、中級者の副読本としても優れている。

    宇宙論界隈の歴史と現状も赤裸々に書かれており、吉田さんの本は毎度、ハズレがない。そして、構成が独創的なことに舌を巻く。

    0
    2022年01月21日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    これまで、分かったつもりであった点が、この本でより深く理解できた。
    例えば、時間軸を含む4次元世界では、時間も空間の如く広がりを持つと言う点は見聞きしてはいた。しかし、本書の「物体は時間方向に伸びた存在」という指摘や、ミンコフスキー幾何学の説明等々で、「時空」のイメージの解像度が増した。
    (光速度不変より、ローレンツ普遍性の方が重要視されるのも、分かった気がするぞ!)
    エントロピー減少の話も分かりやすかったし、量子論の「観測の有無に関係しない客観的量子論」と言う観点は、新鮮であり、腑に落ちるものでもあった。認知のフローから切り込む最終章も、得るものが大きかった。

    落ち着いていながらも熱い文体

    0
    2021年06月13日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    ニュートン力学では時間も空間も研究対象ではなく(と言い切ると語弊があるか)、天与の目盛りとして背景にある。
    ローレンツ対称性がマクスウェル方程式に見出されて相対論から時空の相対性が確立されると、時間も空間も観測系の運動状態に応じて相対的なものとなり、本書のテーマで言えば時間など物理的には存在しないこととなった。
    時間が流れるように感じられるのは人間の知覚と脳内情報整理の結果でしかない。
    というようなことを飄々と解説しているわけだが、類書よりも面白かった。学者としての防御姿勢を過剰には取らずに言い切る書き方のためだと思うが、これが本書の真骨頂。
    また、ニュートン力学では過去も未来も計算できるが、

    0
    2021年03月10日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    物理学的には時間の流れは存在しない。
    前著の「宇宙に終わりはあるのか」がとても面白かったので読んでみたが、こちらも刺激的で好奇心をくすぐる一冊でした。
    第Ⅰ部の相対論、ウラシマ効果などはある程度理解できたが、第Ⅱ部初めの「時間はなぜ向きを持つのか」については難しかった。秩序あるビッグバンとエントロピー増大の法則を元に説明されているがなんとなく腑に落ちず。
    最終章も脳は無意識の行動を後から整理しているに過ぎないという話は聞いたことがあったが、構造的な処理速度の問題から時間が流れているように感じられているというのは興味深い。感じられない過去未来も現に存在していることを意識して生きてみるのも面白いか

    0
    2021年01月21日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    時間とはなにか?を論じるためには宇宙の始まりについて考えなくてはいけないの、わくわくしません?

    時間がないないと普段言っているけど結局なんなんだろう、と思って手にしたこの本。高校物理と医学を少しかじったくらいで、なんとかついて……いけ……はないですが振り落とされはせず、楽しく読めました。
    わからないところも勿論ありますが、出来る限りやさしく書こうとしていただけてるのが伝わります。

    物理から地学、数学、化学、はては脳神経学まで、学際的な本を読むとやっぱりわくわくがとまりません。

    読み終わったら「今まで考えていた時間なんて存在しなかった…?」というような不思議な感覚に陥ります。

    結局時間は

    0
    2020年12月28日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    哲学的な時間論を交えず、諸科学を横断して「時間とはなにか?」の問いかけに答えを求めていく。後半、ヒューム的な「現在」に近づきつつ「ヒュームとはやや異なる現在」が解説されているあたりはおもしろい。

    「時間」という主観的な存在を「科学」というなによりも客観性が求められる分野で語ることの楽しさあふれる一冊でした。

    0
    2020年08月31日
  • 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

    Posted by ブクログ

    我々が時間が流れるように感じるのは「錯覚」.時間は空間同様に複数あるし,空間と不可分.どこかで聞いたような話であるが,より明確に説明されている.

    0
    2020年07月26日
  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

    Posted by ブクログ

    やや高度な思考をいとわなければ、宇宙の始まりから終わりまで統一的な見方が得られる。天文学的スケールという言葉すら、陳腐に思えてしまうほど、大きな数を想定することを恐れなければ、物理学はこの宇宙ですら最初と最後まで推定してしまう。いかに人間中心の尺度が陳腐か。ワクワクを打ち消す科学の威力を思い知った。

    0
    2020年06月05日
  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    宇宙の始まりから終焉予想までを非常に分かりやすく説明した本。インフレーションの前の状態といのうが今まで良くわからなかったが、はじめてスッキリと分かった。以前、NHKスペシャルで宇宙の始まりのようなことをやっていたが、やはりブルーバックスの方が断然分かりやすい。場のエネルギーのちょっとした偏りから宇宙が始まり、その膨大なエネルギーが物質に変わっていくなど、想像もできない現象だが138億年という途方もない時間と、それよりはるかに広大な宇宙空間が存在していることを考えると人間の想像などは及ばないようなことが起きているのだろう。宇宙背景放射、対称性の破れ、宇宙の晴れ上がり、ダークエネルギー、ダークマタ

    0
    2020年04月24日
  • 宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで

    Posted by ブクログ

    相対性理論と量子力学と核融合が束になってかかって来るので、理解は出来ていないと思う。
    でも読んで楽しかったです。

    0
    2019年06月05日
  • 素粒子論はなぜわかりにくいのか

    Posted by ブクログ

    素粒子がなぜ突如として変化するのか、なぜ素粒子の交換が力を生むのかという点を、場の概念を用いることで理解しようという主張。素粒子はビリヤード球のような粒子ではなく、場の波動が量子論的な効果で粒子のように振る舞っているものである、ということを、固定バネと連結バネの例えを用いて説明してくれています。目からウロコでした。摂動法と繰り込みについても、今まで読んだ本にはあまり書いていなかった。吉田先生は超弦理論に懐疑的なスタンスですが、今まで読んだことのなかった意見だったので、なるほどと思いました。

    0
    2019年04月04日