あらすじ
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これは物理現象としての,人類の物語。
「人間とは何か」「我々はどこから来てどこに行くのか」――こうした問いに対し,本書は「人間は物理現象である」という立場から論を展開していく。人間の存在は,物理法則を超越した奇跡ではない。しかし,今ここに知性と意識を有する人間として生きていることは,無数の偶然が重なり合った結果として実現された,奇跡的な出来事なのである。
生命・知性・意識の3つの面から奇跡的な物理現象としての人類を語る,迫真のサイエンス読本。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この宇宙の中で、人がどう生まれてどう「意識」を持つに至ったか、について物理学ベースで論じる本。これも短い本で、200ページもなかった。面白いSFを読んだような読後感。冒頭のエントロピーの話がいちばん面白かった。最後の方の「意識」回りの話は正直ちょっと難しかった。量子力学さっぱり。あまり本の装丁の好みとかない方だけど、この本の装丁は割と好き。
第一部:生命の誕生、第二部:知性の獲得、第三部:意識の発生。
素粒子論が専門の物理学者である著者が、生命の誕生から意識の発生まで、その専門のフィールドからはみ出して謎解きを試みたチャレンジングな一冊。場の量子論を平易に解説しながら、その素粒子論で得られる物質への理解を知性・意識の謎に投影していくさまは読みごたえがある。この一冊で意識の謎が解けているわけではないけれど、これからこの問題に挑む人は素粒子論の教養が必須かもしれないと思わせる力がある。