橋本福夫のレビュー一覧

  • クリスマス・プディングの冒険

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     クリスマスプディングの冒険
     クリスティの短編集。冒頭挨拶でクリスティがクリスマスについて述べているが、やはりイギリスのクリスマスは特別な様だ。クリスティがこの作品集を読者へのクリスマスプレゼントとして発表してくれた事に感謝を持ちながらも、8月末という全くの季節外れに目を通している罪悪感を踏まえて(全く風流でないなあ)感想を書く。

    クリスマスプディングの冒険
    表題作。探偵役はポアロ。とある皇太子が若さ故に犯したトラブル。家系に伝わるルビーの盗難事件。持ち出した謎の女。とある一族の屋敷で昔から行われているイギリスの古き良きクリスマスパーティに彼女達も参加すると聴き、乗り気では無いながら渋々了

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    2023年09月02日
  • 鳩のなかの猫

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    名門女子校で女性教師が殺害される。いかにもサスペンス、ミステリーに向いた設定。タイトル「鳩のなかの猫」とは言い得て妙。肝心の名探偵ポアロは中盤まで中々出てこないが、終盤の謎解きはあっぱれ。

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    2023年08月25日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ネタバレ

    ダイキリ、ハイ=エチール=デキシル=バーボ=キンデロリテート
    カルモー
    コーヒー、ヒ素
    枯草熱の吸入器、シアン化物(青酸)
    睡眠薬

    p32
    書斎の死体

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    2023年07月30日
  • 鳩のなかの猫

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    アガサ・クリスティの小説の中でも異質な女学校が舞台となった作品です。さらに謀略のにおいが冒頭からしています。職員も含めて女しかいない学校、しかもそこで次々と起こる殺人事件の背後には、どうやら某中東国の財宝がからんでいるのではないか、ということで、この設定だけで十分読むのにそそられました。本書は登場人物もなかなか個性的でいいです。先生陣、生徒たち、そして母親と基本的に女性しか登場しませんが(ポワロもかなり後半での登場)、それぞれが全然違う個性を持っているので、頭の中で整理しやすかったです。あいかわらず難しい犯人探しやその動機など、アガサ・クリスティの切れ味鋭い筋書き作りは健在です。連続殺人事件が

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    2023年04月24日
  • 鏡は横にひび割れて

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    鎌倉殿の13人のラストシーンが、恐らくこの作品から影響を受けていると話を聞いて購入。

    ミスマープルは全く知らなかったけれど、とてもキュートなお婆さまで大好きになった。
    事件の本筋だけでなく、ミスマープルの日常が描かれているのが女性作家感あるなと思った。
    主人公はマープルだけど、現場には赴かないしあちこちから聞こえてくる噂話を聞いたり、自分で聞いてきたりして謎を解くのが面白いし、マープル以外の視点の話が多いのが面白かった。

    ラストは、私が鎌倉殿で最高に響いた要素がありまくっていて大興奮。
    愛と死が本当にいい。
    解決シーンはほんの数ページで、一気に全てが解ける感じが気持ちよかった。そして誰もい

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    2023年03月05日
  • 鏡は横にひび割れて

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    どの人物も犯人っぽくて怪しい。証言を追うごとに謎は深まるばかり。しかし、真相は…物悲しい動機と結末に苦しくなった。マープルの年寄り扱いされるさまが、おかしくホッとさせられる。クリスティー作品の面白さにはまりそう。

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    2022年10月27日
  • 鳩のなかの猫

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    「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『鳩のなかの猫(原題:Cat Among the Pigeons)』を読みました。

    「アガサ・クリスティ」作品は、10月に読んだ『愛国殺人』以来ですね。

    -----story-------------
    中東の王国で起きた革命騒ぎのさなか、莫大な価値をもつ宝石が消え失せた。
    一方、ロンドン郊外の名門女子校、メドウバンクにも事件の影が忍び寄る。
    新任の体育教師が何者かに射殺されたのだ。
    ふたつの謎めいた事件の関連は?
    女子学生の懇願を受けて、ついに名探偵「エルキュール・ポアロ」が事件解決に乗り出した。
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    2022年07月22日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    短篇集
    ポアロ5、マープル1
    イギリスの料理やお菓子の名前がいろいろと出てくる。先日購入した『イギリスのお菓子とごちそう』を眺めながら楽しんだ。
    印象に残ったのは「スペイン櫃の秘密」でポアロが有能な秘書ミス・レモンと話すたびにここにヘイスティングズがいたらな、と思うシーン。読んでる私も同感!
    「夢」p.357「行きとどいた執事はノックなどしないもの」に驚き。そうなのか。知らなかった。ダウントンアビーでもそうだったかな。見直してみたい。
    全体的に楽しめたけれど、登場人物の名前を覚えられないので、短篇集の場合に人物一覧がないのがつらかった。

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    2021年06月06日
  • 複数の時計

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    ポアロじゃない2人の人物の視点で話が進められていく。
    でも最後はやっぱりポアロがさらっと事件を解明していくのがさすが!
    今回もポアロの自惚れ具合にクスッとした。

    今回の語り手の一人が殺人犯とは別に、ある人物を探していた。
    最後にそれも明るみに出るけど、予想外の人物で驚いた。
    さらにその人は他の人とも縁ある人だったり…
    最後の最後にビックリさせられた。

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    2020年12月06日
  • 鳩のなかの猫

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    名門女子校で起こった教師3人の殺人事件と生徒の誘拐事件。
    中東の国王の自家用機墜落事故に伴って紛失した宝石の行方を動機に絡めて、面白い展開を見せ、ミステリーの物語としての膨らませ方はすばらしい。特に面白いと感じたのは、アラジンの「古いランプと新しいランプの交換」になぞらえたラケットの交換。ジュリアの母親が学期はじめに見かけた意外な人物「鳩のなかの猫」の正体を、母親がトルコにバス旅行に行っていることにして、不明のままストーリーを進めていくところも巧い。
    一方、真相はやや拍子抜け。誘拐事件の真相にひねりがあるものの、殺人事件の真相には意外性に欠け、禁じ手ではないが、それに近いもの。現実的には起こり

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    2019年04月25日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    短編集。ポアロとミス・マープルが一度に読める。
    ・クリスマス・プディングの冒険・・・ポアロ
    ・スペイン櫃の秘密・・・ポアロ
    ・負け犬・・・ポアロ
    ・二十四羽の黒つぐみ・・・ポアロ
    ・夢・・・ポアロ
    ・グリーンショウ氏の阿房宮・・・ミス・マープル

    中でも美味しそうなものの描かれた話に惹かれる。
    ・クリスマス・プディングの冒険
    王子が結婚を前に、家宝のルビーを遊び相手の女性に試しに付けさせてとねだられ、そのまま持ち逃げされる情けない事件。宝石の出る話は想像して華やかな気持ちになる。ましてや、リフォームした宝石商はカルティエ、どんなデザインだろうかとストーリーと関係ないところで、しばし脱線して夢想

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    2017年12月30日
  • 鳩のなかの猫

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    中東で殺害された皇子と専属パイロット、行方不明になった皇子の宝石。
    イギリスのとある女学校で起こった3つの殺人事件。
    女学校を抜け出してきた少女に事件の解決を依頼され、エルキュール・ポアロが動き出す。

    -------
    中々ポアロが出て来なかったけど、面白かった。
    宝石の在り処は途中で直ぐに分かったけど、犯人はちょっと意外だったかな。
    途中まで違う人が犯人だと思ってた笑
    ビックリとか凄くて興奮、と言うほどでもないけど、面白い作品だと思う。

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    2015年05月20日
  • 複数の時計

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    ポアロシリーズ久しぶりだぁ。
    でも、あんまりポアロ出てこなかった。。。の割に、面白かった。
    最初読んでたときは犯人を予想出来てたんだけど、いろんな人が次々に出てくるもんだから、頭の中こんがらがったよ。
    ほんと、ポアロの言うように真相は単純だったわけですね。
    しかし、その犯人とは別に衝撃的な真実も最後にわかってびっくりしました。あれは予期せぬことだった。
    盲目のペブマーシュさんの毅然とした態度、素敵です。
    もっと、彼女を登場させてもらいたかった。
    したら、もっと感慨深いものになったのに。。。ざーんねん。

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    2015年03月15日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    100ページから50ページの短編6篇(ポアロ5篇、ミス・マープル1篇)が収めてある。探偵小説や推理小説にありがちなスリリングな展開やハラハラする感情からは少し遠い小説である。本書はクリスティーの特質か、劇的要素を抑えて、事件が淡々と進んでゆく。しかし、この小説の面白いところは、事件に隠された「なぜ」が巧妙に筋だてられ読者に少しずつ開示されてゆくところだと思う。論理的な構成に、なぜ、なぜ、の気持ちを持ち続けたまま読んでゆき、思いがけない謎解きと結末を迎える。そこが面白い。

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    2013年12月05日
  • 鳩のなかの猫

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    ポワロ作品

    【ストーリー】
    あるアラブ国家でクーデターが発生した。その事態を予期していた若き領主は、代々受け継がれた宝石を友人に託し、やがて秘密の手段で国外へと持ち出される。
    それから6週間後。上流階級の子女を多く集め、領主の友人の妹も通う女学院で、新任の体育教師が射殺体で発見される。

    【解説】
    国家の動乱と女学院での殺人。犯人像や動機は序盤から暗示され、該当者も徐々に絞られてくるが、終盤意外な流れになり、飽きさせない展開だった。

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    2013年08月12日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    第7回福岡翻訳ミステリー読書会の課題本(課題作は、表題の短編のみ)。

    読書会が終わってから、詳しい感想を書く予定。

    ***

    読書会終了! いやはや、今回もツッコミどころ満載で(笑)とても楽しい読書会でした。

    クリスティーということで、代表作はほとんど読んでる~という人からこれが初めて、という人まで、読者層は割りとまちまち。
    私もクリスティを読むのはこれが4冊目だったので、先輩方のお話をふむふむと参考にさせてもらうなど。。

    さて、そんな楽しい会話の中で出たのは、以下のようなこと。
    ・クリスマス・プティングってそもそもどんなお菓子?
    ・クリスティはこの短編では、あまりミステリーを書く気

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    2012年11月20日
  • 複数の時計

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    1963年というクリスティにしては晩年に近い作品。
    ポワロ物だが登場は後半。

    ドラマを見たら原作と違うようだったので、再読。
    そう探偵役というか語り手がコリン・ラムだったよね。
    レイス大佐の息子の人格に疑いがかかるような改変でした。不自然に思えた部分はほぼ改変。まあさらっと見ればいいんだけど。

    高齢で盲目の女性ペブマーシュさんの所へ、秘書斡旋会社から派遣された若い女性シェイラ・ウェッブ。
    名指しでの依頼で、入って待っているように言われた部屋には、時計がやけにいくつも置いてあった。
    そして、ソファの陰には男性の死体が!
    悲鳴をあげて飛び出してきたシェイラを受け止めた若い男性コリンは、ある仕事

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    2012年03月03日
  • 複数の時計

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    面白い!(^^)
    ポアロが動かないで解決しちゃってかっこいい!すごい!
    ラム氏も助手むいてるなぁ(^p^)

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    2010年05月27日
  • 鳩のなかの猫

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    アガサ・クリスティー

    この表紙から、女子高の少女が首吊り自殺をしたのかと思いましたが、
    そういうお話ではなく。

    中東のラマット王国末裔の残した宝石と、イギリスの名門女子高での事件。
    教師達、様々な思惑。
    ドキドキ感はないもののなかなかおもしろいのです。

    ポワロの登場が少ない分、
    読者も犯人探しを出来るように様々な複線が潜んでいます。
    例えば、第一人称が実は犯人だったりするような
    そういう手法を使っているクリスティの他作品とは
    また違う楽しみ方が出来ます。

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    2010年01月08日
  • 複数の時計

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    訳がちょっと不自然だったりしてひっかかるが、しくみとしては面白い筋書き。
    ポアロがけむたい老人扱いされてるのがおもしろい。
    ヒロインはいつも通りでクリスティーって感じの扱いです。

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    2009年12月05日