橋本福夫のレビュー一覧

  • 鏡は横にひび割れて

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    ホワイダニットものとしては上位に入るぐらい好きだ。
    悲劇的で泣きそうにはなるけど。
    ホント記憶を抹消して読みたかった、とつくづく思う。
    この意外性のある動機に純粋に驚かされたかったな。
    周囲の人間の話から徐々に事件の輪郭が浮かび上がる。
    その過程がめちゃくちゃ面白いんだよねえ。

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    2025年04月19日
  • 鏡は横にひび割れて

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    たぶん初アガサ・クリスティ。
    どう着地するのか最後までわからず、おもしろかった。
    感想を一言で言うと、現実的!
    トリックが理解しやすく簡単で真似できそう。(しないけど)
    動機も起こりうるだろう大変納得のいくものだった。
    ミステリーと言えば、これまで頭脳派の犯人or探偵役で構成される別世界のフィクションという認識だったのが、他人事ではない身近なミステリーとして読めてとても新鮮だった。
    あとは、セリフの後にいちいち続く、「〜と、◯◯が言った。」がめっちゃ多くて気になった。

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    2025年03月17日
  • 鏡は横にひび割れて

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    1962年の作品。
    ミス・マープルシリーズ長編8作品目。


    ミス・マープルの暮らすイギリスの田舎街、セントメアリミードにも近代化の波が押し寄せ、新興住宅地には若い家族連れや夫婦が越してきて住むようになった。マープルの友人のバントリー夫人は、かつて住んでいたゴシントンホールを女優のマリーナ・グレッグに売却した。
    マリーナ・グレッグと夫のジェイソン・ラッドは村の人々や映画関係の人々をゲストに呼んで、ゴシントンホールでチャリティーパーティーを開いた。そのパーティーの最中、新興住宅地に住むバドコック夫人が突然倒れ、死亡してしまう。このバドコック夫人には、ミス・マープルが散歩中に倒れたときに大変親切にしてもらったことがあったのだった。
    事件の捜査には、主任警部となったクラドック警部があたるが、バドコック夫人の死因が酒に含まれた精神安定剤の過剰接種であること、マリーナと間違えて殺された可能性があることを突き止める。



    大好きなクラドック警部が大活躍のお話です。
    が、、「書斎の死体」から何十年も経ち、セントメアリミードにも近代化の波が…。1962年という時代背景をよく表していますね。日本では高度成長期。
    バントリー夫人が未亡人になっていたり、時の流れを感じセンチメンタルになります…。でもイケメンクラドック警部がまだ独身なことがちょっと嬉しいw
    暗い話ではありますが、クラドック警部がおばさん助けてくださいとミス・マープルに甘えまくり(この甘え上手!)マープルとクラドック警部の心温まる関係にほっこりします。
    また、犯人と思しき怪しい人物に次々ミスリードされそうになります。

    殺された女性は大変親切なのだが、いろんなことに首をつっこみたがり、周りがどう思うか考えもしない女性…アガサクリスティの別の作品で、「春をして君を離れ」という作品の主人公の女性を思い浮かべてしまいました。もしかしたらアガサクリスティが自分のある一面を写した人物像なのかな?想像を膨らませてしまいました。

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    2025年03月14日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ネタバレ

    アガサクリスティのマープルもの。殺人がどうやって起こされたか、その理由は何か。一つ目の殺人から起こるその後の展開の意味づけとは何か。被害者となった人は取り違えで殺害された。それを最初に誰が言い、そしてその後の展開にどう影響するか。逆にそれが虚言だとしたらなぜそのような虚言を言う必要があったのか。一つ目の殺人が話の根幹であるが、ただその殺人の犯人は自然と浮かびやすい。だからこそのどうして殺したのかの動機、話の展開の中で散りばめられている人物描写、家族観、愛情、色々なものが結びついて動機が明らかになるとき、犯人には明確な殺意があること、被害者にも殺される要因があることがわかる。
    心の歪みに踊らされているのわからなくなる、その人の愛情や思いを辿りながら読み進めるとより感情移入がわかると思う。

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    2025年02月24日
  • 鏡は横にひび割れて

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    アガサクリスティのミス・マープルシリーズ。
    マープルの友人のバントリー夫人が以前住んでいたゴシントンホールという屋敷にアメリカの大女優、マリーナ・グレッグとその夫が引っ越してくる。そこで盛大なパーティーが開かれるが、招待客の女性が毒入りの飲み物を飲んで死亡するという事件が起きる。

    ミスマープルは、周りの人から話を聞いた情報だけで事件を解決してしまう、まさに安楽椅子探偵。普段は穏やかなおばあちゃんなのに、謎を前にしたらワクワクしちゃう好奇心旺盛なところがなんともチャーミングでした。
    犯人が誰か、というのもそうですが、この作品の一番の見どころは何といっても殺人の動機。すごく納得のいく理由だと思った。そこからするすると謎が解けていく快感がたまらない、最高のホワイダニット小説でした。
    やっぱりアガサクリスティは面白くて読みやすい。
    ミスマープル物も色々読みたいな。

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    2025年02月19日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    一冊でポアロとミス・マープルの話が読めて嬉しい短篇集。
    作者が“クリスマスのご馳走の本”と称するだけあって、満足度もかなり高い。
    相変わらず面白いなあ。
    ホント読むだけで楽しい気分になる。
    どの話も良いけど、『スペイン櫃の秘密』では予想外の方向に話が転がっていくので思わず唸ってしまう。
    ポアロの脳内の犯人像と目の前の人物がピタッと重なった瞬間が、最高に面白いんよね。

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    2024年12月27日
  • 鳩のなかの猫

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    どちらかといえばサスペンスタッチの印象。
    犯人が全く予想できないが、しっかり伏線は張られていて演出のうまさは流石。

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    2024年07月13日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ネタバレ

    クリスティーの話ってタイトルがほんとに素敵
    これもお気に入りのタイトルのひとつ
    子供が犯人では無いか?!と思ったけれど、始めに戻った時、鳥肌!
    悲しいけれど終わり方がとても良かった、、!

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    2024年07月03日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ラスト20ページ、短い謎解きで淡々と終わるのに内容は怒涛。静かな終わり方が、悲しい話だったな......。という気持ちをじわじわと広げているような気がした。

    「人生がまるで一方交通の道路みたいなのよ——自分がその道をあるいてゆくだけ。そういう人にとっては、他人は——そうねえ——部屋の壁紙程度にしか思えないのよ」
    というマープルの言葉がやけに印象に残った。

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    2024年08月18日
  • 鳩のなかの猫

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    ネタバレ

    これまでの作品の中で、トップクラスに犯人の目星がつかず、思考を巡らされた作品だった。
    怪しいと思われる人が殺されたり、白と思われている人が実は怪しい人のうちの1人だったりと、面白い論理の展開だった。

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    2024年03月11日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    ネタバレ

    クリスマスにクリスティを!ということで読んだ。
    表題作は古き良きイギリスのクリスマスを描いているそう。クリスマス・プディングを食べてみたい!作中で「エックス脚」という言葉が出てきたのが意外で驚いた。
    全体的に面白い短編集だったが、一つだけマープル。似たタイトルの作品がポアロにもあったような。
    あと、有能な秘書のミス・レモンが面白かった。
    解説が川原泉でびっくり!

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    2024年01月08日
  • 鳩のなかの猫

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    物語は壮大に二つのパートにわかれている。
     一つは革命が起きた中東の地ラマット。国王であるアリは信頼出来る友人のボブと国からの脱出を目論見ながら、王家に伝わる宝石をボブに託す。ボブは人知れず宝石を国外に持ち出す算段をつけて行動する。その後、革命に巻き込まれて彼らは命を落とすが、肝心の宝石は行方知れずのまま。
     一つはロンドン郊外にある名門女子校メドウバンク校。バルストロードは一代でメドウバンク校を立ち上げたやり手の校長。学校は倍率も高く王族等も通う。特徴的な教員が在籍しており、優秀な人達が多い。
     今作はこの二つの側面が合わさって、サスペンスミステリーの様相を持つ。謎解きの中心はメドウバンク校での事件であり、ラマット国の革命はバックボーン的なイメージだが、彼の国から持ち出された宝石がとある理由からメドウバンク校に持ち込まれていると考えられる事が事件が発展する要因になる。
     警部のケルシーやスパイのアダムも魅力的ではあるが、最大に貢献したのはジュリアという女学生であり、彼女が「マギンティ夫人は死んだ」に出てくるサマーヘイズ夫人の姪っ子でポアロの噂を聞いており、学校を抜け出して彼に相談にきた事、更には今までの事件からとある事実を推測し確信に触れている部分は優秀で、彼女がポアロに相談しなければ間違い無く事件は解決しなかっただろう。
     人物として、校長であるオノリア・バロストロードはとても優秀な人物で、考え方や人の導き方、生き方がとても立派で、外国人として対面してきたポアロにも偏見などを持たずに相対している。また、元諜報部員のサットクリフ婦人も個性があり、彼女を捕まえれば事件は難なく解決だった訳だが、旅をしており終盤まで警察も協力要請出来なかった。メドウバンクはこの後とても難しい試練を進むが、バロストロード校長をはじめ困難に立ち向かう人物が魅力的に描写されていてきっと上手く立ち直るだろうと予測できる。
     事件を整理した上で犯人は学校に潜入しており、必ず誰かに化けているはずで、ポアロは捜査として先生方の親まで調べ上げ捜査をする。ポアロ自体登場は終盤になるが必要な部分を効果的に調査し事件を真相へと導く。また、犯人判明した後もとある理由で読者は驚かさるわけだが、流石はクリスティ、一筋縄ではいかない仕掛けだ。物語の結び方も好きで、そういう結末もいいなあと感じた。国王が海外に持ち出そうと策略した巨額な宝石を巡るサスペンスミステリーだ。

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    2023年11月29日
  • クリスマス・プディングの冒険

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     クリスマスプディングの冒険
     クリスティの短編集。冒頭挨拶でクリスティがクリスマスについて述べているが、やはりイギリスのクリスマスは特別な様だ。クリスティがこの作品集を読者へのクリスマスプレゼントとして発表してくれた事に感謝を持ちながらも、8月末という全くの季節外れに目を通している罪悪感を踏まえて(全く風流でないなあ)感想を書く。

    クリスマスプディングの冒険
    表題作。探偵役はポアロ。とある皇太子が若さ故に犯したトラブル。家系に伝わるルビーの盗難事件。持ち出した謎の女。とある一族の屋敷で昔から行われているイギリスの古き良きクリスマスパーティに彼女達も参加すると聴き、乗り気では無いながら渋々了承し、ポアロも潜入捜査、一族と共にクリスマスパーティに参加する。
     イギリスのプディングの風習なども面白いし、探偵ポアロにイタズラを考える少年達や、その目論見を理解しながら反対に少年達を驚かす仕掛けをするポアロ。更にそこにルビーを取り返す段取りも盛り込んでおり、最後は見事な結末に至る。
     短編長編問わず完成度は抜群に感じたし雰囲気もトリックもいい。ポアロの活躍に最後までほっこりとする様なクリスマスプレゼントには間違いない傑作だ。
    スペイン櫃の秘密
    探偵役はポアロ。櫃のなかで見つかった刺殺体。逮捕されたのは友人のリッチ少佐。殺害されたクレイトン夫人との関係を疑われている人物。
    クレイトン夫人は魅力的な人物であり、男を虜にしてしまう。犯人はリッチ少佐か下男のバージェスしかいないが下男が殺人をする理由が浮かばず。調査のなかで、とあるきっかけから第三の可能性を見出し、真相に到達する。全てが女性に狂った人物の凶行だ。
    負け犬
     短編の為か、ありきたりな内容。殺人事件が起き一人逮捕されるが彼が犯人であるとは信じられない女性がおり遣いの女性がポアロの元に訪れる。ポアロは老嬢をたずね、彼女の直感により犯人を提示される。捜査を進めると色々なことが明るみになり、真相へ。途中、催眠術師等が登場したりあまり馴染めない。また、通常であれば犯人指摘後、二転三転あるはずだが、そのまま解決していく。ジョージの活躍が素晴らしい。
    二十四羽の黒つぐみ
     ポアロが友人のボニントン氏と食事中。その店に決まった曜日に必ずやってくる老人。ウェイトレスの話では数年来毎週火曜日と木曜日にやってくるが先週は月曜日にやってきたという。しかも注文する食事も普段と全く違うものを注文している。ポアロはその話を聞いただけで不審に思う。
     三週間後、老人が事故で死んだ事をきき、ポアロは不信感をもち事件を調べ始める。
     ポアロらしい観察、推理が冴えている作品。短編だがとても面白い物語だ。
    夢
     とある金持ちから不思議な依頼。毎日同じ時間に自身が拳銃で自殺してしまう夢を見るという。
    それ以外にも不思議な事が多くある依頼人を困惑気味に対応するポアロ。結局は何事もなく依頼は終了するが数日後、依頼人が本当に拳銃で死んだとポアロの元に連絡がくる。
     彼の家族と事実を紐解きながら、真実を解き明かす。この作品も短いがとても面白い作品だ。
    グリーンショウ氏の阿房宮
    現代では余りイメージ出来ない事だが、人の縁とは不思議なもので過去においては今作のような関わりもあったのだろうと推察する。
    とある老婦人の遺言書の証人になるレイモンド。家政婦が全財産を相続する手筈で、その代わり手当は支払わないという。不思議な人物に不思議な屋敷。レイモンドは家族にそんな話をするが、一方それを聞いていたマープルはひどく心配する。
     遺言書を巡る殺人事件と人物入れ替えトリック。クリスティの作品ではお約束ではあるが短編として読みやすい作品だ。

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    2023年09月02日
  • 鳩のなかの猫

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    名門女子校で女性教師が殺害される。いかにもサスペンス、ミステリーに向いた設定。タイトル「鳩のなかの猫」とは言い得て妙。肝心の名探偵ポアロは中盤まで中々出てこないが、終盤の謎解きはあっぱれ。

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    2023年08月25日
  • 鳩のなかの猫

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    アガサ・クリスティの小説の中でも異質な女学校が舞台となった作品です。さらに謀略のにおいが冒頭からしています。職員も含めて女しかいない学校、しかもそこで次々と起こる殺人事件の背後には、どうやら某中東国の財宝がからんでいるのではないか、ということで、この設定だけで十分読むのにそそられました。本書は登場人物もなかなか個性的でいいです。先生陣、生徒たち、そして母親と基本的に女性しか登場しませんが(ポワロもかなり後半での登場)、それぞれが全然違う個性を持っているので、頭の中で整理しやすかったです。あいかわらず難しい犯人探しやその動機など、アガサ・クリスティの切れ味鋭い筋書き作りは健在です。連続殺人事件が起こるにもかかわらず、かわいらしい女学生の活躍や謀略サスペンス的な要素が、本書をなんだか爽やかな物語にも仕立て上げています。凄惨で陰鬱な推理小説に飽きた方、そういうのが嫌いな方はぜひ本書を読んでみてください。

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    2023年04月24日
  • 鳩のなかの猫

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    「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『鳩のなかの猫(原題:Cat Among the Pigeons)』を読みました。

    「アガサ・クリスティ」作品は、10月に読んだ『愛国殺人』以来ですね。

    -----story-------------
    中東の王国で起きた革命騒ぎのさなか、莫大な価値をもつ宝石が消え失せた。
    一方、ロンドン郊外の名門女子校、メドウバンクにも事件の影が忍び寄る。
    新任の体育教師が何者かに射殺されたのだ。
    ふたつの謎めいた事件の関連は?
    女子学生の懇願を受けて、ついに名探偵「エルキュール・ポアロ」が事件解決に乗り出した。
    -----------------------


    1959年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第28作目の作品、、、

    タイトルの『鳩のなかの猫』は、女学生(鳩)達の園である学園に殺人者(猫)が紛れ込んでいるという意のようです。

    また、中東ラマット国での革命の描写は、「アガサ・クリスティ」が夫とともに、毎年のように遺跡の発掘作業に赴いていたイラクにおいて、1958年に発生した(王政が廃止され、共和制へ移行)がモチーフになっているらしいです。


     ■プロローグ・夏季学期
     ■1. ラマット国の革命
     ■2. バルコニイの女
     ■3. ロビンスン氏登場
     ■4. 旅行者帰る
     ■5. メドウバンク校からの手紙
     ■6. 最初の頃
     ■7. 風向き
     ■8. 殺人
     ■9. 鳩の群のなかの猫
     ■10. 奇想天外な話
     ■11. 会談
     ■12. 古いランプと新しいランプとの交換
     ■13. 破局
     ■14. ミス・チャドウィック眠られぬ夜を過す
     ■15. 殺人事件は繰返す
     ■16. 室内競技場の謎
     ■17. アラディンの洞窟
     ■18. 協議
     ■19. 協議のつづき
     ■20. 雑談
     ■21. 手がかりの整理
     ■22. アナトーリアでのできごと
     ■23. 大詰め
     ■24. ポアロの説明
     ■25. 遺贈


    ロンドン郊外の名門女子校メドウバンクを舞台に、室内競技場で連続して発生する女性教師の殺人事件、、、

    ラマット国の国王の従妹である「シャイスタ王女」の転入、ラマット国から持ち出された莫大な価値を持つ宝石の謎、引退を考えている「バルストロード校長」の後継者に関する悩み、女生徒「ジェニファ・サットクリフ」のテニスラケットを母親から預かったと偽って新品と交換してくれた謎の女性… 等々の伏線が、利発な少女「ジュリア・アップジョン」の機転と、「エルキュール・ポアロ」の灰色の脳細胞によって解き明かされる展開。


    登場人物が多く、序盤はちょっともどかしい展開でしたが、それぞれの人物像や事件の背景を理解するためには必要な内容なんでしょうね、、、

    後半の329ページになって、ようやく「エルキュール・ポアロ」が登場… その後は、小気味よい展開で一気に事件が解決に向かいます。


    女性教師が三人殺されるのですが… 同一犯が同一の目的・動機で行った犯行と思い込んでしまうところが、真相をミスリードしてしまう展開になっていましたね。


    そして、校長秘書「アン・シャプランド」の正体を知っていた「ジュリア・アップジョン」の母親、、、

    「バルストロード校長」が序盤の「アップジョン夫人」の言葉を聴き逃していなければ… という伏線の配置の仕方も、巧いなぁ と感じました。



    以下、主な登場人物です。

    「オノリア・バルストロード」
     メドウバンク校の校長

    「エリナー・ヴァンシッタート」
     ドイツ語・歴史の教師

    「チャドウィック(チャディ)」
     数学教師

    「アイリーン・リッチ」
     英語と地理の教師

    「アンジェール・ブランシュ」
     仏語教師

    「グレイス・スプリンガー」
     体操教師

    「エルスペス・ジョンスン」
     舎監

    「アン・シャプランド」
     校長秘書

    「アダム・グッドマン」
     園丁

    「ジェニファ・サットクリフ」
     メドウバンク校生徒

    「シャイスタ」
     メドウバンク校生徒。王女

    「ジュリア・アップジョン」
     メドウバンク校生徒

    「ジョアン・サットクリフ」
     ジェニファの母親

    「ボッブ・ローリンスン」
     ジョウンの弟。ラマット国王のパイロット

    「アリー・ユースフ」
     ラマット国の国王

    「ロビンスン」
     謎の人物

    「パイクアウェイ」
     陸軍大佐。特捜部主任。

    「ケルシー」
     ハースト・セント・サイプリアン署捜査課警部

    「エルキュール・ポアロ」
     私立探偵

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    2022年07月22日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    短篇集
    ポアロ5、マープル1
    イギリスの料理やお菓子の名前がいろいろと出てくる。先日購入した『イギリスのお菓子とごちそう』を眺めながら楽しんだ。
    印象に残ったのは「スペイン櫃の秘密」でポアロが有能な秘書ミス・レモンと話すたびにここにヘイスティングズがいたらな、と思うシーン。読んでる私も同感!
    「夢」p.357「行きとどいた執事はノックなどしないもの」に驚き。そうなのか。知らなかった。ダウントンアビーでもそうだったかな。見直してみたい。
    全体的に楽しめたけれど、登場人物の名前を覚えられないので、短篇集の場合に人物一覧がないのがつらかった。

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    2021年06月06日
  • 複数の時計

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    ポアロじゃない2人の人物の視点で話が進められていく。
    でも最後はやっぱりポアロがさらっと事件を解明していくのがさすが!
    今回もポアロの自惚れ具合にクスッとした。

    今回の語り手の一人が殺人犯とは別に、ある人物を探していた。
    最後にそれも明るみに出るけど、予想外の人物で驚いた。
    さらにその人は他の人とも縁ある人だったり…
    最後の最後にビックリさせられた。

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    2020年12月06日
  • 鳩のなかの猫

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    名門女子校で起こった教師3人の殺人事件と生徒の誘拐事件。
    中東の国王の自家用機墜落事故に伴って紛失した宝石の行方を動機に絡めて、面白い展開を見せ、ミステリーの物語としての膨らませ方はすばらしい。特に面白いと感じたのは、アラジンの「古いランプと新しいランプの交換」になぞらえたラケットの交換。ジュリアの母親が学期はじめに見かけた意外な人物「鳩のなかの猫」の正体を、母親がトルコにバス旅行に行っていることにして、不明のままストーリーを進めていくところも巧い。
    一方、真相はやや拍子抜け。誘拐事件の真相にひねりがあるものの、殺人事件の真相には意外性に欠け、禁じ手ではないが、それに近いもの。現実的には起こりえることだし、それによって犯人が隠蔽されてはいるが、物足りなさを感じた。

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    2019年04月29日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    短編集。ポアロとミス・マープルが一度に読める。
    ・クリスマス・プディングの冒険・・・ポアロ
    ・スペイン櫃の秘密・・・ポアロ
    ・負け犬・・・ポアロ
    ・二十四羽の黒つぐみ・・・ポアロ
    ・夢・・・ポアロ
    ・グリーンショウ氏の阿房宮・・・ミス・マープル

    中でも美味しそうなものの描かれた話に惹かれる。
    ・クリスマス・プディングの冒険
    王子が結婚を前に、家宝のルビーを遊び相手の女性に試しに付けさせてとねだられ、そのまま持ち逃げされる情けない事件。宝石の出る話は想像して華やかな気持ちになる。ましてや、リフォームした宝石商はカルティエ、どんなデザインだろうかとストーリーと関係ないところで、しばし脱線して夢想。
    イギリスのクリスマス風景が描写され、美味しそうなご馳走が目に浮かぶ。

    ・二十四羽の黒つぐみ
    毎週同じ曜日に来て同じ料理を食べるという常連客が、ある日別の行動を取り、それにポアロが興味を持つというのが面白い。この話も美味しそうなメニューが並んで、もっぱらその料理に心が動いた。七面鳥の栗の実詰め、キドニープディング、黒苺のタルト、どんな様子で、どんな味なんだろうと気になる。

    ・グリーンショウ氏の阿房宮・・・ミス・マープル
    ミス・マープルは読んだことがなかったので、レイモンド・ウェストがマープルの甥というのも知らず、始めの内、いつどこでどうマープルは登場するのかな?と思いながら読んでいた。なかなか大がかりなトリック。折角の仕事を失ったルーの今後が気になるところ。

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    2017年12月30日