橋本福夫のレビュー一覧
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マープルシリーズ長編8冊目。セント・メアリ・ミード村にも色々変化があり、シリーズを順番通りに読んでいるので時の流れを感じた。高齢になったマープルはほとんど家にいて、安楽椅子探偵っぽくなっている。捜査担当のクラドック警部、友人のバントリー夫人、ヘイドック医師とお馴染みのメンバーも登場してくれて嬉しい。あとマープルが若かったらクラドック警部とお似合いだっただろうなあとちょっと思った。
マープルは高齢とはいえ頭の良いしっかりした女性なんだけど、お年寄り扱いされることに複雑な感情を抱いているのは共感した。事件についても、トリック云々より人間心理のほうに重点を置いているのがクリスティらしくて良かった。 -
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クリスマスが近づいているので、クリスマス関連の小説が読みたくて、久々にアガサ・クリスティーを手にしました。ポアロのクリスマスと迷ったのですが、気分は短編でした。これには、最後、マープルも登場。嬉しいサプライズでした。
クリスマスプディングの冒険、24羽の黒つぐみが特に好きです。どうも、デビット・スーシェのポアロシリーズを見過ぎているせいか、原作よりもドラマの脚本の方が馴染み深くなっています。だけれど、やはり原作の良さもあるなぁと思って楽しく読みました。ドラマのポアロと原作のポアロは似ているけれど、ちょっと違います。原作の方がシニカルなイメージ。それもまた読んでいて楽しい。 -
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1962年の作品。
ミス・マープルシリーズ長編8作品目。
ミス・マープルの暮らすイギリスの田舎街、セントメアリミードにも近代化の波が押し寄せ、新興住宅地には若い家族連れや夫婦が越してきて住むようになった。マープルの友人のバントリー夫人は、かつて住んでいたゴシントンホールを女優のマリーナ・グレッグに売却した。
マリーナ・グレッグと夫のジェイソン・ラッドは村の人々や映画関係の人々をゲストに呼んで、ゴシントンホールでチャリティーパーティーを開いた。そのパーティーの最中、新興住宅地に住むバドコック夫人が突然倒れ、死亡してしまう。このバドコック夫人には、ミス・マープルが散歩中に倒れたときに大変親切に -
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ネタバレアガサクリスティのマープルもの。殺人がどうやって起こされたか、その理由は何か。一つ目の殺人から起こるその後の展開の意味づけとは何か。被害者となった人は取り違えで殺害された。それを最初に誰が言い、そしてその後の展開にどう影響するか。逆にそれが虚言だとしたらなぜそのような虚言を言う必要があったのか。一つ目の殺人が話の根幹であるが、ただその殺人の犯人は自然と浮かびやすい。だからこそのどうして殺したのかの動機、話の展開の中で散りばめられている人物描写、家族観、愛情、色々なものが結びついて動機が明らかになるとき、犯人には明確な殺意があること、被害者にも殺される要因があることがわかる。
心の歪みに踊らされ -
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アガサクリスティのミス・マープルシリーズ。
マープルの友人のバントリー夫人が以前住んでいたゴシントンホールという屋敷にアメリカの大女優、マリーナ・グレッグとその夫が引っ越してくる。そこで盛大なパーティーが開かれるが、招待客の女性が毒入りの飲み物を飲んで死亡するという事件が起きる。
ミスマープルは、周りの人から話を聞いた情報だけで事件を解決してしまう、まさに安楽椅子探偵。普段は穏やかなおばあちゃんなのに、謎を前にしたらワクワクしちゃう好奇心旺盛なところがなんともチャーミングでした。
犯人が誰か、というのもそうですが、この作品の一番の見どころは何といっても殺人の動機。すごく納得のいく理由だと思っ -
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物語は壮大に二つのパートにわかれている。
一つは革命が起きた中東の地ラマット。国王であるアリは信頼出来る友人のボブと国からの脱出を目論見ながら、王家に伝わる宝石をボブに託す。ボブは人知れず宝石を国外に持ち出す算段をつけて行動する。その後、革命に巻き込まれて彼らは命を落とすが、肝心の宝石は行方知れずのまま。
一つはロンドン郊外にある名門女子校メドウバンク校。バルストロードは一代でメドウバンク校を立ち上げたやり手の校長。学校は倍率も高く王族等も通う。特徴的な教員が在籍しており、優秀な人達が多い。
今作はこの二つの側面が合わさって、サスペンスミステリーの様相を持つ。謎解きの中心はメドウバンク校