雨海弘美のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
設定世界が、また凄い。
果てしなく続く砂漠は、まるで大海原。
「砂漠」に潜って遺跡を発掘するダイバーの様子は、海洋冒険ドラマのようにスリル満点。
また、「砂」であることから生じる“じわじわ”とした状態が「海」とは違った独特の緊張感を生み出す。
砂で覆われたデストピア世界、そこはかつてコロラド州の町があった場所。
生産力は失われ、生活に必要な物資を砂に埋もれた過去の文明から手繰り寄せる。
いくら掻き出してもまた埋もれていく生活の閉塞感。
未来が変わらないということ。
富裕からの転落、父の突然の失踪、ばらばらになっていく主人公たちの家族が、謎の巨大遺跡「ダンパー」の発見とともに起こった出来 -
Posted by ブクログ
知的な黒人作家が皮肉で書いた「黒人らしい」ステレオタイプ小説が超ヒット。偽りの成功に揺らぐ一方、家族問題等で実人生が崩壊してゆく悲喜劇。
何より皮肉なのは、文壇の傲慢さを批判した本作が、NYタイムズ「21世紀の100冊」に選ばれたことですね。
「本当に書きたい小説のアイデア」「偽りの姿がどんどん取り返しつかなくなっていくさま」「家族のリアルな悲哀」「あの頃の家族の姿(いま思えば実態は…)」などなど。時系列や描写がさまざま入り組むのに、不思議にすんなり読めるのは構成の妙でした。
権威の偽善を撃つブラックジョーク的「作中小説」が、実際に100Pに渡って展開されるのもスゴかった。
「権威を笑う小 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルがいいですね。
なんだか惹かれるタイトルです。
私はアメリカにも、韓国にも何の縁もありませんが、読みながら、Hマートで亡き母親を思い出して呆然としてしまったし、ユージーンの森の中で、母親との関係に息がつまったし、ソウルで祖母や叔母たちとの暮らしにワクワクしました。読みながら私はミシェル・ザウナーになっていました。
著者の中の半分の韓国人としての部分が、残りの半分であるはずのアメリカで、母国を懐かしむような郷愁を感じるとはこういうことなのか。母を亡くすというのはこういうことなのか。
読み始めは、なんというか、とりとめもなく、心の底から溢れ出てくる思い出や母親への想いをたらたらと書き綴 -
-
-
-
-