清水俊二のレビュー一覧

  • プレイバック

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    レイモンド・チャンドラー『プレイバック』 (創元推理文庫)清水俊二訳から2024年、表紙も新たにアメリカの画家エドワード・ホッパー作品、田口俊樹訳で出版されている。残念ながら読んだのは1977年発行本になる。因みに『ロング・グッドバイ』は 2010年の村上春樹訳で読んでいるのだが...印象が薄く覚えが悪い。1976年には『長いお別れ』で清水俊二訳、更に2022年にホッパー表紙の 田口俊樹訳で発行、機会があれば読み比べをしてみたい。

    『プレイバック』の私立探偵フィリップ・マーロウは相変わらず格好いい。薄汚れたコロンボ刑事やフケまみれの金田一耕助とは違い、いちいち立ち振る舞いが格好いいのだ。決め

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    2025年11月22日
  • 高い窓

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    ネタバレ

     金持ちの依頼人を訪れるところから始まる前半部の展開は、まさしくハードボイルドの典型だな。だけど、マールではなくてマードック夫人が夫を窓から突き落としていたという、なかなか悲惨なラストが用意されているにも関わらず、一度は解決したかに見えた事件の真相をマーロウが暴くことになる「大いなる眠り」や、煩雑に見えた展開が最後に見事に収束する「さらば愛しき女よ」ほどの完成度には達していない。よく書けた詩をなくしたうんぬんのところはちょっとよかったし、駄作というわけじゃないけどね。そういえばいい女も今回は出てこなかったな。
     コインを盗んだ理由が偽造のためというのは思いつかなかったけど、それにしてもパレルモ

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    2025年08月17日
  • 長いお別れ

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    やっと、やっと読み終わった。ハードボイルドの中でもバリカタなのでは?と思うくらい、、文の癖が強く、人物の読み分けが難しく時間がかかった。こういう類のミステリ小説を読むのはある種筋トレに近い気がする。
    バーでギムレットを飲み、カクテル言葉が長いお別れだと知り、その由来は小説に紐付き、、という軽い気持ちで読み始めて、なかなか軽く終われるものではなかった
    もはや私がギムレットには早すぎた

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    2025年01月26日
  • 長いお別れ

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    当方、レイモンドチャンドラー、マーロウのシリーズを読むのは初めてです。

    かの有名なプリンのマーロウ。ずっと気になっていましたがこの物語があることは知りませんでした。
    丁度そのころ、上司とバーに行った時、マティーニを飲んで、キザなセリフを言われ(何かは忘れた)レイモンドチャンドラーの本を紹介された。

    事前情報なしで読みました。ハードボイルドと言われるように、服装、情景、一つ一つの行動の表現方法が独特。
    読みにくいと言われればそうだし、想像力を掻き立てられると言えばそうかも。
    評価は⭐︎3ですが、マーロウの性格がよくわかる作品でした。

    また美味しいプリンをよろしくお願いします

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    2024年09月05日
  • 長いお別れ

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    そういえば読んでいない、……と思う名作シリーズ。

    言わずと知れたハードボイルド!
    かたゆで卵!

    想像していたよりも読みやすく、想像していたよりも推理小説していた。

    独特の文体で、しかも一癖ある描写が妙。
    それにしても描写がちとウザイかな。一人一人の服装なんかは特に興味ないので、最初はおもしろく読めていてもだんだん冗長に感じて来る。

    セリフ回しなどもストレートなものはなく、それが気に入る人は心酔するだろうし、気に入らなければくどいだけに感じるだろう。

    入り込めれば、まあ、おもしろく読めた。


    な~がいあ~い~だ~♪
    ま~たせて(読まずに)ご~めんね~♪

    なぜか読み始めるときはKir

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    2024年05月07日
  • 湖中の女

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    裏で糸を引く意味だと考えても、「湖中の女」が確かに中心人物だと言えると思った。

    また、マーロウの「私」視点で書かれてはいるが、地の文からマーロウが考えていることがわかるわけではなく、マーロウが見たものやしたことしかわからないし、そのほかに書かれていることもマーロウとその相手の会話文であるため、読者にわかることはマーロウの隣でマーロウの言動を眺めている場合と同じである。マーロウが気づかないことには読者も気づけないし、マーロウにしかわからないことは読者が知ることはできない。

    主観というのは、自分にだけ都合が良いものだということがよくわかる物語である。客観とは、それこそマーロウの顧客がマーロウか

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    2024年02月24日
  • プレイバック

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    「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『プレイバック(原題:Playback)』を読みました。

    『チャンドラー短編全集3 待っている』、『さらば愛しき女よ』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。

    -----story-------------
    女の尾行を依頼された「マーロウ」は、ロサンジェルス駅に着いた列車の中にその女の姿を見つけた。
    だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交すや女の態度は一変した。
    明らかに女は脅迫されているらしい。
    男は影のように女について回った… そして二人を追う「マーロウ」を待つ一つの死とは?

    正統派ハードボイルドの伝統を築いた「レイモンド・チャンド

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    2022年10月10日
  • さらば愛しき女よ

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    「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『さらば愛しき女よ(原題:Farewell, My Lovely)』を読みました。

    『チャンドラー短編全集3 待っている』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。

    -----story-------------
    前科者「大鹿マロイ」は、出所したその足で以前別れた女を捜し始めたが、またもや殺人を犯してしまった。
    たまたま居合せた私立探偵「マーロウ」は、警察に調べられる。
    その後、「マーロウ」は、高価な首飾りをギャングから買い戻すための護衛を依頼されるが、自らの不手際で依頼人を死なせてしまう。
    苦境に立った彼を待っていたものは……。
    全篇に流

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    2022年10月10日
  • プレイバック

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    人生やり直しも楽しみ(プレイバック)
    街の権力者は法でも金と権力で何とでもなると思い上がる。だが、違った街での自由気ままな発言と行動は許されない。よく政治社会に居る「思い上がり」は権力を振り翳し、街ぐるみで自分の思った通りに動かすが、現実に「長いものには巻かれろ」の如く、言われるままの地位を持った輩でさえも多いのは寂しい限りだ。真実は虚意の世の中に潜んでいる、と言うことだ。
    「優しくなれ、さすれば生きていると言う証が見つかる」そんなミステリー小説。

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    2022年06月13日
  • 長いお別れ

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    ネタバレ

    ハードボイルド小説の形を作った名作。個人的にはそれほど面白いとは思えなかったが、台詞は洒落ていて格好いい。
    有名な「ギムレットにはまだ早すぎるね」という言葉がどんな使われ方をしているのな理解できたので良かった。この台詞もやはり洒落ている。

    マーロウは探偵なので、探偵小説でもあるのかもしれないが、トリックや動機、犯人もそれほど凝っている感はなかった。
    やはりクールさ渋さを感じたい人向けだろう。

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    2021年04月03日
  • 湖中の女

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    チャンドラーは評論を含め全て読んでるはずなのにこの作品は印象が薄い。
    初期に傑作を沢山読んだせいかもしれない。

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    2020年11月10日
  • 長いお別れ

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    何度も咀嚼して読むことで味が出そうな小説。ただストーリーを追うだけで読み進めた自分には途中間延びしたところがあったりでテンポが悪く感じる。
    物語のキーマンであるテリーとの友情が唐突な気がしたり、何故にリンダローリングと寝ることになるのか、その夫である医師は曲者だけど話の筋にはほぼ関わらないひとだったりと納得出来ないところがあるが再読で納得できるのかも。
    タイトルはテリーとのお別れがしばらく経ってもう一度訪れるから、と解釈していいのかな。であれば最後まで読まないと合点できないタイトルで好きです。

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    2020年09月20日
  • 長いお別れ

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    ハードボイルド、むずっっ!!!
    「なんか、オシャレ…?」
    「なんか、カッコイイ…?」
    みたいな感想しかもてず…わたしがお子ちゃまだからかな?
    昔から男性が「カッコイイ」と思うものにカッコ良さを見い出せない人間なので、
    趣味じゃないってだけかもしれないけど…
    あとは、村上春樹訳で読むべきだったな。
    私が生まれる10年前に訳されたものだからか
    言葉遣いに違和感が…

    ただ、ミステリーとしては「やられた…!」感がありました。

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    2020年01月03日
  • さらば愛しき女よ

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    (108)比喩の訳わからなさにイヤにならなければ面白く読める。メガネさんに鍛えられていれば大丈夫。中国茶のように云々。

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    2018年12月14日
  • 湖中の女

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    読んでいる最中、何度も中断が入ったため、いまひとつ話に熱中できなかった。決してつまらない話ではなかったのだが...。やはり一気に読まなければいけないと思った。

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    2018年10月15日
  • プレイバック

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    ネタバレ

    私立探偵フィリップ・マーロウの七作目。

    違和感。
    マーロウはこんな男だったのか?

    尾行した女について行った街だからなのか。
    突然のヘリコプターの登場も、
    最後のプロポーズも違和感しかない。

    あの、有名なセリフを確認できたのは良かった。

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    2018年02月03日
  • 緊急の場合は

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    クライトンの初期の探偵小説。普通、探偵小説は読まないことにしているけど、まずまずですかね。しかし、さすがのクライトンも若すぎて荒削りな感じがするし、どこかで読んだようなというか、誰か他の人が書いても、同じような物になりそうな気がする作品です。

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    2017年11月16日
  • プレイバック

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    ミステリで最も印象的な文章は何?と訊かれた時に、真っ先に思いついたのはこの台詞、

    「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている価値がない」

    だった。フィリップ・マーロウの代名詞とも云えるこの台詞が出てくるのはチャンドラー最後の長編である本作なのだ。

    マーロウは馴染みのない弁護士からある女性の尾行を頼まれる。弁護士が指示した駅に行くと確かにそこには女がいた。その女は男と会話したり、コーヒーを飲んだり、暇を潰していたが、やがて動き出した。付いた場所はサンディエゴのホテル。マーロウは彼女の部屋の隣に部屋を取り、盗聴する。やがて駅で話していた男が現れ、その女性

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    2017年06月04日
  • 湖中の女

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    フィリップ・マーロウは4作目の本作で初めてロスを離れる。化粧品会社の社長から頼まれた妻の失踪事件を追って、彼の別荘があるロス近郊の湖のある山岳地帯の村に入り込む。そこの湖から女性の死体が上がる。その女性こそが社長の妻だろうと思われたが、別の女性の死体だったことが解る。そしてマーロウは別の事件に巻き込まれ、命を狙われる。

    本書のテーマは卑しき街を行く騎士を、閉鎖的な村に放り込んだらどのように活躍するだろうかというところにある。しかもその村は悪徳警官が牛耳る村であり、法律は適用されず、警官自体が法律という無法地帯。つまり本書は以前にも増してハメット作品の色合いが濃い。
    この閉鎖的な村で関係者を渡

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    2017年05月25日
  • さらば愛しき女よ

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    ネタバレ

     これぞハードボイルド!黒人街のバー、謎の依頼人に謎の女、富豪、宝石泥棒、賭博の停泊船…あんまりミステリーを読んでなかったわたしでも、「ミステリーっぽいーー!」ってなる要素がそこかしらに散っている。
     マロイが切ない。なんとも言えぬ哀切な感情が胸に残る。

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    2017年01月14日