清水俊二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ハードボイルドの巨匠、レイモンド・チャンドラーの遺作。
この世の中は大体気に入らないことばかりだけど、自分の生き方にはつくづく嫌気が差すけど、それでもなんとか生きていくんだっていう、不条理で、でも不思議と前向きなんじゃないかと思う本。
最後の場面、主人公が絞り出す、
「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」
"If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.&qu -
Posted by ブクログ
面白かった。フィリップ・マーロウシリーズの最後の作品、というかチャンドラーさんの遺作らしい。
依頼主もわからぬままに、ある女性の尾行をすることになったマーロウが…みたいな話。
チャンドラーさんの本って、殺人事件が起こって、それをマーロウが解決していくっていう形なんだけど、極端な話、犯人なんかどうでもよくて、マーロウがどういうふうに様々な局面に向き合うのかが一番面白いと思う。
一番の謎はマーロウは一体何を考えているのか、ってことな気がするし。
この本で一番びっくりしたのは、紳士な警官が出てきたこと!
他のマーロウシリーズでは、警棒で事件を解決とか、タフぶり過ぎているとか、悲しいくらい頼りに -
Posted by ブクログ
面白かった。
これも再読だけど、いいのか悪いのか結構筋を忘れていたのでドキドキしながら読めた。
前科者の大鹿マロイが昔の恋人を探すなかで殺人事件を起こしてしまう。それ追っていくマーロウだったが…みたいな感じ。
主人公のマーロウが逆境に立たされた時にでるセリフが面白かった。
大鹿のマロイと一緒にいる時とか、刑事といっしょにいる時とか、要するに自分より腕力とか権力とかが上の相手といる時ほどユーモアが輝いている気がする。感想を書こうと振り返ってみて、好きな場面が冒頭でのマロイの酒場襲撃に出くわす場面と、ランドールやヘミングウェイと話してる場面なことに気がついてそう思った。