清水俊二のレビュー一覧

  • さらば愛しき女よ

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    本書はレイモンドチャンドラーによる長編小説の二作目である。『大いなる眠り』を書き上げ、一定の地位を築き上げた著者による次回作ということで、野心的であった処女作以上に気合が入っていたであろうチャンドラーは、敬愛するダシールハメットに再度頼りつつも、その影響下から脱却しようと試行錯誤していたであろう点が随所で伺える。

    まずフィリップマーロウの性格だ。前作において皮肉を交えつつも一定の静けさを保っていた彼は今作では本当によく喋る。しかもその発言の隅々にまで皮肉を張り巡らせている。必要以上に相手を煽り小馬鹿にするような発言が目立ち、口を開けば捻くれた言葉を吐くような次第でその本意がいまいちつかめない

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    2025年09月13日
  • 長いお別れ

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    本というものには読むタイミングが存在すると思う。
    同じ本でも、読む人間に合う年齢、季節がそれぞれの読者で違う気がしている。
    「長いお別れ」は、自宅にあったのでずっと昔に読んだことは確かだけど、全く内容を覚えていなかったので再読した。きっと以前に読んだ時はただ字を追っていただけで中身が入ってきていなかったのだと思う。読むタイミングが合っていなかったんだろうなぁ。
    ほかの方の感想を読んでも、歳を重ねて読んだらよく読めたと書いている方が多くいるようだった。

    今回再読して改めて、なんて渋くて面白い話なんだ…と思った。
    マーロウの男っぷりといい、脇キャラも個性的で良い。ハンサムでお洒落でどことなく危険

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    2024年08月04日
  • 長いお別れ

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    フィリップ・マーロウの魅力が最も際立つ名作。 どこかニヒリスティックな印象の漂う普段のマーロウとは裏腹に、思い入れのある友人を探すために奮闘する彼の姿には胸が熱くなった。

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    2024年07月30日
  • 長いお別れ

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    ボリューミーな物語とマーロウの格好良さ全開の一冊だった。
    あの名言の元ネタが本書とは…
    自分の無知が恥ずかしいと思った。
    春樹さんが翻訳した版も読んでみたいな~♪

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    2023年03月04日
  • 長いお別れ

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    翻訳本の中では、わたしの最も好きな本。

    レイモンドチャンドラーの魅力は、その個性的な登場人物と味わい深い会話。どのページから開いても独特な空気感を味わうことができ、何度読んでも飽きません。
    村上春樹訳も清水俊二訳好きですが、装丁は古くからある清水さんの方が好きです。
    物語終盤の「ギムレットには早すぎるね」が決め台詞。

    あいにくとギムレットの味がよくはわかりませんが、まあ、とりあえずやられちゃいますね。

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    2023年01月18日
  • 長いお別れ

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    ハードボイルド小説の金字塔的作品。初読は30年以上前ですが、何年か毎に定期的に読んでいる私の愛読書。男の友情の全てがここにあります。

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    2021年10月17日
  • 長いお別れ

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    私にとっての初チャンドラー作品だったが、
    渋い。深みが段違い。旨味も凄い。
    10代からの全ての世代が楽しめると思う。
    といっても、10代辺りの人にとっては、少し想像しづらい部分もあるかもしれないから、何度か読んだり、少し経ってから読み直しても良いかもしれない。

    内容について少し触れると、
    フィリップ・マーロウは、読む前は完璧な男のイメージがあったが、そうではなく、人間らしさも垣間見えて、その度にこちらから共感といった感情を掴んでくる。実に人を魅了してくる作風だと思う。

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    2021年10月01日
  • 長いお別れ

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    ちょっとした言い回しの一つ一つに痺れます。
    チャンドラーの本を読んだのはこれが初めてですが、他の作品も読みたくなりました。
    最後の一文まで渋みがあります。

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    2021年09月04日
  • 長いお別れ

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    私立探偵フィリップ・マーロウは友の無実を信じて事件の渦中に飛び込んで行く。
    「ギムレットにはまだ早すぎるね」
    かっこいいなぁ。おれ、酒好きじゃないけど、こういうハードボイルド作品は大好物。

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    2021年08月23日
  • 長いお別れ

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    映画「あの頃 君を追いかけた」日本版の主演山田裕貴くんが齋藤飛鳥ちゃんの帰省を駅のホームで心待ちにしているときに、読んでた本ということで気になって手に取ってみました、理由が突飛。だけど、知らなかっただけでいわゆるハードボイルドものの超名作だったのね。

    ハードボイルドってなんかキザで男臭い感じがして苦手意識あったけど、寧ろマーロウの何とも言えない皮肉屋なところとか、素直じゃないところとか、ダンディなところとかなんとも魅力的で一気に引き込まれました。漢の友情とは、上辺だけのなれあいんじゃないんだよ、じゃれあってなくても心で繋がっているんだベイベー、みたいな作品です。(個人的感想)

    一方、ミステ

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    2021年07月17日
  • 長いお別れ

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    清水訳にしてよかったと思います、言い回しは年代もあってか古く小難しいですが慣れたらそれすら味があります…。粋な台詞や皮肉がずっしり効いていて素晴らしいです。マーロウの乾いた面とたまに滲む色気のバランスが素敵でした。何より私はロジャーがどうしようもなく愛しく感じてしまいました。それゆえにもう歯痒く悔しく切ない。その彼の家での出来事を読んでいる時、西加奈子さんの窓の魚を読んだ時に感じた歪みとどことなく似たものを感じました。これぞハードボイルドな重厚さがあるのですぐまた読みたいとはなりませんが、すこし忘れた頃にでも手に取りたいくらい好きです。

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    2021年06月06日
  • 長いお別れ

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    大筋ではミステリだが
    主人公フィリップ・マーロウの「ハードボイルド」を描くに多いに筆費やされる
    ミステリに対し私立探偵というその立場は
    現在なら「警察ものミステリ」に入るだろう名(超)探偵でない職場ものであるものの
    「ハードボイルド」なので安易に仲間はいない
    君の瞳に乾杯するのも至極慎重
    そういうハードボイルドとはなんなのかといえば一般に「大人の男の格好付け」で
    格好良いと老若男女をできるだけ問わず言ってもらえるかが価値高低
    それは時代と文明とに関わりなく人間として普遍のものであるはずで
    というのはハードボイルドは臨機応変格好良い理想なのだから

    小説としてこれを描く手法は「青春小説」が好適

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    2018年12月08日
  • プレイバック

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    If I wasn't hard, I wouldn't be alive.If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.


    誰からも何も求めないかたくなな気持ち

    娘はこの本を「葉っぱの絵本」と呼んで、筆ペンでたくさんの絵を描いて、そして私の膝の上に乗って、「読んで」って何度も言ってくれました。

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    2018年10月22日
  • 長いお別れ

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    マーロウは、酒場でテリー・レノックスと知り合った。何度か一緒に酒を飲んだだけの仲にもかかわらず、殺されたテリーのために、マーロウは一銭にもならない調査を始める。友人への想いと真実を求めて。

    私立探偵フィリップ・マーロウ・シリーズ不朽の名作。男の友情を描いたハードボイルドとしての印象が強いけれど、ミステリーとしても秀逸な作品である。心に残る名台詞でも有名。

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    2022年04月14日
  • 長いお別れ

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    チャンドラーは長編も短編も全て好き。特にこの「ロング・グッドバイ」は最高傑作としていつまでも手元に置いておきたい本だ。

    30年ぶりに再読した。多分、3回目。
    やはり面白い。何より登場人物が魅力的だ。エリオットの引用など鼻につくと思われる方が居るかも知れないがこれはマーローの良い味になっている。

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    2020年11月09日
  • さらば愛しき女よ

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    チャンドラー長編2作目にして不朽の傑作。

    私がこの作品と出逢ったことの最大の不幸は先に『長いお別れ』を読んでしまったことにある。もしあの頃の私がフィリップ・マーロウの人生の歩みに少しでも配慮しておけば、そんな愚行は起こさなかったに違いない。あれ以来、私は新しい作者の作品に着手する時は愚直なまでに原書刊行順に執着するようになった。
    そんなわけでチャンドラー作品の中で「永遠の№2」が私の中で付せられるようになってしまったのだが、全編を覆うペシミズムはなんとも云いようがないほど胸に染みていく。上質のブランデーが1滴も無駄に出来ないように、本書もまた一言一句無駄に出来ない上質の文章だ。

    マーロ

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    2017年05月21日
  • さらば愛しき女よ

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    やっぱり・・・何度読んでも、この作品を越えるハードボイルド作品はないでしょう!あまりにもベタだけど・・・あはは
    ハードボイルド作品を読むと、どうしても探偵の原型はマーロウからきていわねーって思っちゃうんですよねぇ><
    他のチャンドラー作品も、「長いお別れ」は別として、霞んでしまいますもんね。
    それだけ私には本書が鮮烈だったわけなんです。ハメットもいいけど・・やっぱりチャンドラーかなぁ~。

    なんといっても、主人公の私立探偵マーロウの人物像が魅力的すぎる。
    これこそ男の鏡!みたいな考え方。決して幸せでも大金持ちでもない。でも彼の中には静寂があり、少しシニカルな物言いもなんだか全てが私にはヤバイの

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    2013年10月04日
  • 高い窓

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    フィリップ・マーロウものの長編はこれで全部読み終わったことに…
    7編しか書かれていないことが悔やまれてならない。

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    2012年07月03日
  • 湖中の女

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    先に「ベイ・シティ・ブルース」を読んでいたこともあって、すんなり文が入ってきた。一番好きなセリフがカットされていたのは残念だが、犯人を知っててなお楽しめる探偵ものも中々出合えない。

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    2012年06月30日
  • 湖中の女

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    短編である程度わかってしまっている流れはあったがそれを気にさせない面白さだった。かっこいいなあクソッ。

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    2011年06月11日