山田克哉のレビュー一覧

  • 原子爆弾〈新装改訂版〉 核分裂の発見から、マンハッタン計画、投下まで

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    ロシア・ウクライナ戦争、イランの核施設への攻撃など、核兵器を巡るきな臭い報道が増加しています。”核兵器廃絶”を主張するとしても、まずはその”しくみ”を理解することで”なぜあのような凄まじい威力が発生するのか”、”通常の爆弾とは異なりなぜ放射線の被害が出るのか”を知ることができるように、本書は丁寧に執筆されています。

    本書前半は核兵器の威力の根源となる”核分裂”について、科学者がどのように理解を進めて行ったのかを辿ります。原子核の構造(陽子、電子、中性子の発見など)、そして核分裂現象の発見などを数式などを全く使わず、出来るだけ平易に、かつ簡略化しすぎないように解説しています。
    本書は新書で50

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    2025年07月29日
  • 原子爆弾〈新装改訂版〉 核分裂の発見から、マンハッタン計画、投下まで

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    世界史上唯一の原爆投下国である日本。

    「妥当な判断だった」
    「過剰な攻撃だった」

    アメリカでも二分する原爆被害は、人道的な攻撃手段ではなかったと、少なくとも疑問視するだけの大量殺戮破壊兵器であることには、世界中が同意すると思います。
    それゆえに、『抑止力』などという口実で、核を保有する国もある。そう言う国では、電気の供給が当然止まった時、勝手に爆発しない、発射しない制御を考えていない。ミサイルに搭載していない物については安全だろうけれども、原子力発電や発射台に入った物については、対処を考えていないとのこと。

    小松左京の「復活の日」のように、核弾頭が勝手に発射する、メルトダウンを起こして臨

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    2025年07月27日
  • 重力のからくり 相対論と量子論はなぜ「相容れない」のか

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    ネタバレ

    最近、YouTubeでジェームスウェブの天体望遠鏡の写真や量子論の解説などを見て、天文学・物理学が凄いことになっているらしいな、と。でも全体像が今一つ見えてこない。そこで、評判のよいこの本を手に取った。

    物理音痴の私にも想像以上に面白く読めたのは、著者が数式の意味するところを、日常的な表現やメタファーへと落とし込む、職人技とも言っていいような語り口を持っているからだ。物理学者がどうやって物を考えているのかという道筋がよく分かった。

    ほうほう、なるほどなるほど、あー、それはすごい、なんと、そんな解釈もあるのか、などと感嘆しながら読み進めたのだが、自分の覚書を見直したら、単に分かったような気に

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    2023年11月10日
  • 真空のからくり 質量を生み出した空間の謎

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    『真空』というタイトルだけ見て買うと痛い目を見る典型的な本です。実験屋さんだと装置の真空を思い浮かべるかもしれませんが、本書はバリバリの素粒子の本です。

    非常にわかりやすく、かつ数式を使わずによくここまで素粒子を説明できるなと感心します。著者のからくりシリーズは当たり外れがありますが、これは当たりです。

    大学は理系だったけど、素粒子に興味がある人は多分読めます。そうでない人はちょっと難しいかもしれません。この本だけではないですが、素粒子の啓蒙書は一般向けと言われててもやはり難しいです。

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    2018年12月28日
  • 核兵器のしくみ

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    難しそうな理論や専門用語を避け、とにかく読みやすくわかりやすく書かれている。原子爆弾や原子力発電所について、その仕組みを知るにはもってこいの一冊だ。

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    2018年10月12日
  • E=mc2のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか

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    難しい物理の話を分かりやすく解説してくれる。アインシュタインが創った特殊相対性理論のE=mc2の式の意味をひも解く。なんとなく分かった気にさせてくれる。

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    2018年10月19日
  • 真空のからくり 質量を生み出した空間の謎

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    真空に起きた自発的対称性のやぶれから素粒子が質量を獲得する。真空が単に何もない空間ではなくエネルギーの揺らぎを発生させる空間であることをわかりやすく説明する。しかし、後半に話が進むとだんだんと頭が混乱してくるな。

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    2018年10月20日
  • E=mc2のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか

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    ネタバレ

    ニュートン力学、電磁気学、場の理論、エネルギーと続いて相対性理論、量子力学と流れていく物理学の解説書。アインシュタインの「物理学はいかに創られたか?」と同じようなコンセプトとストーリーの本だが、こちらのほうが断然分かりやすい。まあアインシュタインの本が書かれてから100年くらい経っているので、理論もこなれてきているだろうし、先達の解説書などもあるのだろうから、完成度が高くなっても当然か。それにしても、E=mc^2を軸に、この方程式の意味するところを持って現代物理学を読み解かせる著者の力量には感心した。理屈と理屈ではないところ(所謂、公理)を明確にしているところがよい。物理学というのは所詮頭の中

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    2018年09月17日
  • 真空のからくり 質量を生み出した空間の謎

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    ヒッグス機構とヒッグス場、ヒッグス粒子の違い、質量の起源などを真空を切り口に段階を追って丁寧に説明した本。量子力学を学んでいると本書の記述はより正確に理解できるだろうが、分からないとなんとなく煙に巻かれた感じになるかもしれない。

    ・場と仮想粒子
    ・場の振動と実粒子の発生
    ・現在の宇宙ではヒッグス粒子は存在しないが、ヒッグス場は存在する
    ・パートンと電子の衝突によって、1968年、クォークとグルーオンの実在が証明された。
    ・物質の割合
    ・電荷、色荷、弱荷、質量
    ・不確定性原理と仮想粒子。ゲージ場
    ・反粒子はマイナスエネルギー。相対性理論から。
    ・ゲージ粒子が質量をもつと対称性が破れる。
    ・アイ

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    2014年02月20日
  • 光と電気のからくり 物を熱するとなぜ光るのか?

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    やべー電気設計よく分からん、これは根本的な理解が不十分(そもそも電気って何だっけ状態)なせいだと思い手にとった一冊。
    大事なことなので2回、と言わず3度4度繰り返すのでいらいらするかもしれないけれど馬鹿(僕)にはこれくらいでいいのかも。一番おぉぉぉと思ったのは相対論によるローレンツ力の説明。クーロン力なら根源的な力として受け入れられるけどローレンツ力って二次的な力のような気がして、「フレミングの左手の法則によりこの向きに力がはたらきます!」とか言われても納得できなかったので。まだ完全に納得できたわけではないけど、この本でかなりの部分がスッキリした。以下はメモ。

    電気の源は電荷
    電荷は電気力を

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    2013年07月20日
  • 核兵器のしくみ

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    むっちゃ読みやすい本だった。原子核の仕組みと核分裂/融合の仕組みについて易しく大幅に内容が割かれていたので、もっとつっこんだ事を知りたい人には物足りないかも。とにかく易しく書かれた本だった。

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    2012年07月13日
  • 量子力学はミステリー

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    量子力学は、自分の暮らしている世界よりはるかにスケールの小さい世界のことを想像しなければならない。しかも、その概念は「光は波であり、粒子である」とか一見矛盾するものが多い。量子力学の概念を理解するには、想像力を働かせるのが良いと個人的には思うが、それを助けてくれる本はなかなかない。この本は、読みやすい文体で想像力をかき立ててくれる。何だか難しいかも、と尻込みしている方には一読を勧めたい。

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    2011年07月24日
  • 量子力学はミステリー

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    「相対性理論から100年でわかったこと」佐藤勝彦著を読んで、もっと量子論を知りたいと思ったので、家にあったこの本を読んでみた。古典物理学における波の性質や原子モデルの話から書かれているので、とても分かりやすい。確率波やエネルギーレベルの話を繰り返し説明しながら、二重スリットやトンネル効果を説明している。この本を読んで、さらに量子力学を数学的にも知りたいと思った。何で自分は高校で物理をあまり勉強しなかったのかと後悔した。高校の物理でも量子力学を教えれば、物理に興味が湧く生徒が増えると思う。

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    2011年07月14日
  • 核兵器のしくみ

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    76ページ
     ウラン238ゆっくりは時間をかけて連続的にアルファ粒子を放出することになるのである
        ◆ウラン238ゆっくりは→ウラン238はゆっくり

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    2010年12月07日
  • 量子力学はミステリー

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    微粒子は粒子であり波である。数多の入門書が人間には決して実感出来ないこのイメージの解説に苦労しているが、安易に現実的な例示に走って誤解を与えている場合が多いのでは。本書は、人間的なイメージをどんどん否定して行くことで、却って正しい理解(という自己満足感?)に近付ける独特の良書となっている気がする。

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    2010年10月24日
  • はたして神は左利きか? ニュートリノの質量と「弱い力」の謎

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    [ 内容 ]
    不思議なことにニュートリノは左巻きスピンのものしか発見されない。
    この世界と「鏡の中の世界」との対称性の破れに密接にからむ「弱い力」のなせるわざだ。
    物理学者を悩ませ続けた「弱い相互作用」の複雑なしくみをわかりやすく解説する。

    [ 目次 ]
    第1章 神岡鉱山で何が起こったのか?
    第2章 自然の力と放射能
    第3章 ニュートリノは物理法則を救った
    第4章 鏡の中の世界
    第5章 素粒子の種類と保存則
    第6章 はたして神は左利きか?

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性

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    2010年05月23日
  • 量子力学のからくり 「幽霊波」の正体

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    ブルーバックスですが,量子力学をこれから学ぼうという人,学んでいる人にも読み応えのある一冊だと思います.ただ,エネルギーの概念などがさらっと出てくるので,まったく物理をさわったことのない人にはきついかもしれません.

    量子力学に登場する式の意味するところやその解釈を,ほとんど式を使わずに丁寧に解説してくれています.特に不確定性原理のところはとてもわかりやすかったです.量子力学がつくりあげられてきた歴史についても随所で取り上げられていて,この式はどういう背景から生まれてきたのかということなどが知れて,頭の中で整理ができました.

    純粋に量子力学をおもしろく感じさせてくれました.数式に立ち向かう勇

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    2010年04月01日
  • 量子力学のからくり 「幽霊波」の正体

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    倦厭していた分野でしたが、親しみのある文章のおかげでどうにか読み終えることができました。学部生への入門書に宜しいかと。

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    2009年10月04日
  • はたして神は左利きか? ニュートリノの質量と「弱い力」の謎

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    06/4/10L 4/10〜4/12
    弱い相互作用だけパリティが保存しないことや、クォークが第三世代まであることまでわかりやすく説明されていた。

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    2009年10月04日
  • 原子爆弾〈新装改訂版〉 核分裂の発見から、マンハッタン計画、投下まで

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    原子爆弾の開発の歴史がわかりやすく書かれている。
    技術的問題とその解決に重点が置かれていて、当時の科学界が垣間見えた。

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    2025年12月21日