中屋敷均のレビュー一覧

  • 生命のからくり

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    ありきたりな表現で恐縮ですが、非常に興味深いものでした。生命は美しい、今、起きている様々な苦難も、驚くべきことも、ノイズのように見えることも、すべては生命の大きなリズムと流れの中にある。そういうことを思い浮かべました。
    核酸に内包された情報の保存と情報の変革のサイクルが機能し始めた時、「情報の蓄積システム」が地球上に現れ、それが「生命という現象」であり、最初の情報革命であった、そして、地球上の生物のうち、人類が文字情報を獲得し、保存と変革のサイクルを手中にしたとき、第2の情報革命が起きたとする本書は、人類の文明の歴史の中に、生命、DNAが刻むリズムに由来する何かを見てとります。本書が解き明か

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    2015年02月05日
  • 生命のからくり

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    現代新書からほぼ同時に出ていた「生命誕生」と合わせて読んだが、どっちもかなり面白かった。こっちは生物学者、向こうは鉱物学者が、それぞれ最新の研究を紹介しながら生命の起源を探っている感じがした。当方の拙い理解で言えば、核酸とかタンパク質のような高分子化合物が出来る所までは、「生命誕生」の方が、具体的で面白く、そこから先の生物進化については「生命のからくり」の方が論理的な印象を持った。この本では特にDNAの持つ遺伝情報の意味を、他の物質への影響力というような新しい概念で説明している所が、面白く感じた。生物学に興味のある人は一読の価値あり。

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    2014年08月01日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    遺伝子研究の歴史から最新の研究までをまとめた一冊でした。とくに印象に残ったのは、研究初期の「遺伝子の捉え方」が現在と大きく違っていたことです。いまでは二重らせん構造のイメージが一般的ですが、昔は“マトリョーシカのような入れ子構造”だと考えられていたという話には衝撃を受けました。

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    2025年12月04日
  • わからない世界と向き合うために

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    ネタバレ

    科学が発達した21世紀においても、解明できないこと、思いもよらないことが起こる。
    生物学者の著者が、若い世代のに向けて
    予期せぬことが起こる、消えない不安の中で自分を見失わないための大切なことを、
    自身の経験や、生物学的視点から書かれた一冊。

    最後の、著者が小学生の時の友達のこと、
    「楽しい時間は一瞬で過ぎ去る」の一節で不意に泣いてしまった。
    全体としては、次から次へと議題がふわっと出て来て、淡々と持論を述べていく印象なのですが、最後の章だけ何となく感傷的。

    経済のところはトランプ政権のことも思い起こされ、必ずしも賛同しきれないところもありつつ。

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    2025年09月23日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    遺伝の謎に向き合い続けてきた科学の歴史から現在研究が進められている領域までが概説されているブルーバックスらしい書籍。後半はまったくの専門外の自分には馴染みのない用語も多かったがそれでも面白く読み進められる。メンデルの実験から、ワトソン、クリックの二重らせんモデルぐらいまでは知っていることも多かったが、そこから最近のエピジェネティクスなどの研究に至る経緯や背景などは知らないことが多く勉強になった。今後の研究の発展も楽しみな分野。

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    2025年07月31日
  • わからない世界と向き合うために

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    縄文人が狩猟していたため野蛮で、弥生人が稲作だから穏やかなみたいなイメージを持っていたけれどまったく逆だった、ということがよく分かった。

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    2025年05月17日
  • わからない世界と向き合うために

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    あとがきまでエッセイだとは気が付かず…
    散りばめられた『わからないこと』を自分の中に落とし込む楽しさがある気がしました。

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    2025年03月16日
  • 科学と非科学 その正体を探る

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    ネタバレ

    科学と非科学、全体からの分離など、科学に限らず、学問や人生の本質に重なる話が多かったように思う。
    自然科学系には苦手意識があったが、非常に楽しく読むことができた。

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    2024年06月28日
  • わからない世界と向き合うために

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    「はじめに」と帯に書かれていた内容に救われた気持ちになりました。報われない、分らないこと世界ですが、考え、今の時間を大切にしていこうと思いました。

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    2024年05月05日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    もともと生物学の研究者だったけど、その分野を離れて15年が経つので、思い出すために読んでみた。

    途中までは知っていたし、ヒポクラテスとかの哲学には興味がないので読まなかった。

    RNAワールドやプリオンのところから読んだのだけど、これ素人が読んでわかるのかな?と思った。
    大学の生物学を真剣にやっている人くらいしか分からないのではないかと思った。

    著者は生物学に誠実な人だとは思った。
    僕はまあまあ面白かった。

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    2023年04月16日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

    購入済み

    すごい学びができる

    正直理解できないレベルの内容でしたが、80年代の生物学では想像できなかった常識が多く学べて、感動しました。RNA ワクチンや狂牛病、アルツハイマーなどにもつながるように思います。セントラルドグマのリセットができました。

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    2022年06月18日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    タンパク質をコードする塩基配列が遺伝子というところで知識が止まっている人(私も)にとって、最新の知見を簡潔に学べるのでお勧め。

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    2022年04月30日
  • ウイルスは生きている

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    人間は新型コロナを駆逐しようと躍起になりコントロールしようとしているが、新たな変異という「ジャンプ」を引き起こすだけで、もしかしたら余計なことをしているのかもしれない。

    生命はゆらぎのようなもので独立している生物という物はない。混じり合って存在しているカオス。
    これは仏教にも通じる概念だと思った。

    だから他人を病原体とみなして攻撃したり恐怖に駆られて人の夢を奪う社会は、ひとときのゆらぎに生きている私たちにとって健全であるとはいえないですね。

    生命を一段高いところから俯瞰して見せてくれる本。

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    2021年05月24日
  • ウイルスは生きている

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    ウィルスは自己増殖しないので生命ではない、と言われているが、生命とは何かを改めてよく考えると、実はウィルスも生命ではないのか、と問いかける本。
    蛾の幼虫に卵を産んで寄生する蜂(カリヤコマユバチ)の、寄生幼虫が寄主を巧に操るようすは、実はウィルスが関係しているとは、なんということか!
    生命進化は伽藍(整理され主導された環境)かバザール(種々雑多なものが入り交じっている環境)かなんていうのも、興味深い内容であった。

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    2021年04月14日
  • ウイルスは生きている

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    ウイルスとは何か、今まさに世の中を惨禍に巻き込んでいる新型コロナとは何か、なぜ生まれたのか、何者なのか、、よくわかる。

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    2020年04月11日
  • 科学と非科学 その正体を探る

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    ▼新しい概念とは
    ■一人の夢から生まれたものが、社会に認められて、科学理論の体系の一部となったもの

    ■新しい概念は、今の常識という前提では想定しないものが多い
    だからこそ、正しさだけでなく分かりやすさが重要

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    2020年01月01日
  • 科学と非科学 その正体を探る

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    世界は科学的に説明できる部分もあるし、科学ではまだ説明できない部分もある。科学で説明できる範囲は限定されるし、それまで非科学的とみなされていた事象を科学的に説明できるようになった部分もある。

    分子生物学者である著者は、科学と非科学の境界は絶えず、行きつ戻りつするのだと言う。それは、科学的知見は常に検証、修正が行われ、より確からしい理論へと改善されていくと言うことだ。しかし、それが即ち、科学は日々アップデートされ、世界をより正確に説明するようになってきているかと言うと、そう単純でもない。

    「科学的」だとか「非科学的」だという表現は一般的に使われている。いわゆる「科学的」とされるものは客観的に

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    2019年10月16日
  • 科学と非科学 その正体を探る

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    中屋敷均(1964年~)は、神戸大学大学院教授で、植物・菌類ウイルス研究を専門とする分子生物学者。
    本書は、講談社のPR誌「本」に2018年1~12月に連載された「科学と非科学~その間にあるもの」をもとに、再構成・加筆修正されたもの。
    内容は、著者によれば、学術書では書くことが難しい、「科学と非科学のはざま、言うならば、「光」と「闇」の間にある、様々な「薄闇」に焦点を当て」て、著書の思いをエッセイ風に綴ったものである。
    第一部では、「科学的」とは何なのか? 「科学」が立っている基盤とはどういうものか? 現代社会において「科学」に求められていることは何なのか? 「科学」に100%の信頼性を求める

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    2019年04月30日
  • ウイルスは生きている

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    どちらかというと生物ではないという意見が主流なウイルスであるが、生物の進化はもちろん、さまざまな生命活動に密接に関わっており、それ自体も生命につながる存在であるからウイルスは生きているんだ!という主張と思われます。

    なんとも言えないけど、ウイルスに関する様々な話がとても興味深く、この宇宙は何でこんな複雑な仕組みを矛盾なく作りあげたんだろうと空恐ろしくなります。

    この世界は人間には解けない謎が多過ぎる。

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    2018年09月26日
  • 生命のからくり

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    『ウイルスは生きている』からの流れでもう1冊読んでみました。科学史や最新学説の解説ではなくしばしばやや哲学的に「生命とは何なのか」「生命に特徴的なこととは何か」を考えることが本書のテーマです。

    読んでいて印象に残ったのは2点。まず1点目は「化学進化説」を前提とし、無機物と有機物、ウイルスと細胞を持つ生物、「独立」して生きる生物とそうでないものとの間に、本質的な線引きなど不可能であること、また「進化」というのが能動的な過程などではなく「淘汰」と「偶然」の積み重ねによる結果論でしかないことを強調する筆者にとっても、生命の「進化」の過程の記述は目的論的なものとならざるをえないことです。「生命」を論

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    2016年11月30日