中屋敷均のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
細菌とウイルスの違いは細胞を持っているか否かである、細胞を持たないウイルスは自己複製が出来ないため、いまのところの常識では生物と無生物の中間的な存在とされている。
ウイルスと言えばスペイン風邪やエボラ出血熱の様に、大量に人間を殺す恐ろしい存在というイメージが強い。しかし感染を繰り返すうちに毒性は徐々に弱まるそうだ、なぜなら宿主が絶滅してしまってはウイルス自身も死滅してしまうからだ。
またヘルペスウイルスは、宿主の免疫力が落ちると口唇ヘルペスを発症させてしまうが、リステリア菌やペスト菌に対しては、天然のワクチンの役割も果たしているらしい。実はウイルスたちも生き残るため、宿主のご機嫌を伺いなが -
Posted by ブクログ
以前「生物と無生物のあいだ」を読んだとき、細胞の振舞は人間社会に似ていると感じた。
本作の帯には「『生物と無生物のあいだ』から9年、新たなる科学ミステリーの傑作が誕生!」という文句が気になって買ってしまった。
本作の主役は「ウイルス」だ。ウイルスは生物ではないというのが通説だが、著者はウィルスは生きているとしか思えないと考える。
ウィルスの95%はタンパク質、残り5%がRNAである。
生物とは言えない分子構造だが、生物が生きていくのになくてはならないものである。
そもそもまず、生物とは何なのか、という定義に疑問を呈している。
細胞の振舞は人間社会に似ていると書いた -
Posted by ブクログ
ネタバレヒトゲノムのうち、タンパク質をコードしている部分は1.5%に過ぎない。一方、ウイルスや転移因子はヒトゲノムで増殖を繰りかえし、45%もの領域を占めている。ヒトのゲノムとは一体誰のものなのか?
また、キャプシドを持たないウイルスというものも最近は報告されており、ウイルスと他の生命との境界もゆらぎつつある
パンドラウイルスなどは2556個の遺伝子中2370個が他の生物との類似性がなく、全く新たな生物にあたるという見解もある
・一般にウイルスの毒性は徐々に弱まる。スペイン風邪の毒性もパンデミックの発生から数年で大きく低下したことが知られている。弱毒化によって感染した宿主が行動する時間が長くなればそ -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書はその名の通り、ウイルスは「生きている」と主張しています。そのため、著者はまず生命の特徴は何かを明確にしています。
著者は生命の特徴として「ダーウィン進化」をするか否かを挙げています。DNA等の突然変異により、他の個体と少しの変化を持たせて、自然淘汰により、環境に適用する個体のみが残っていくことを指し、ウイルスも当てはまるため、生きているのではと主張しています。
ただ、DNA等の変化は外的要因等により起こるものだと思うのですが、基本的には元通りに修復されるもので、間違った修復は確率的にしか起こらないので、この定義だと、生命は神にサイコロを振られている存在なのかと考えてしまいました。
-
Posted by ブクログ
このような生命の起源、生命とは何かという深遠なテーマについて、専門の研究者が記した書籍は最近少なくない。
中でも福岡伸一氏が、このテーマでは競合する著者になるのではないかと思う。
結論から言えば、福岡伸一氏とおおまかに言って結論は同じであるが、本書の方がやや専門的。難解なテクニカルタームについては章末に解説が記載されているが、解説する気が無い笑
例)アミノアシルトランスフェラーゼ:tRNAの3末端にアミノ酸を結合させる反応を担う酵素
まぁ、読みても専門家ではないし、テクニカルタームをいちいち解説していたら何の本かわからなくなってしまうので、いたしかたない。
本書の内容に話を戻すと、生命のか