中屋敷均のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025年中学入試最多出題とのこと。
入試の国語の長文問題が大好きだったので、ぜひ読んでみたいと思って手に取りました。
タイトルになっている「わからない世界」とどう向き合えばいいのかが著者の経験をまじえ分かりやすく書かれています。
人生は不確かな事象に溢れています。地震などの災害を予測することは困難ですし、どこに就職したらいいのか、誰と結婚したらいいのか…など人生に正解はありません。
著者は「絶対に正しい選択など誰にもできない。私たちにできることは、ベストの選択をすることではなく、自分の選択をベストにするように生きていくだけです」といいます。
そして、自分の選択をベストにするためにコツコツと努力することの大切さを述べています。
更に、リスクを前にして立ちすくみ、何かを選ぶことから逃げ続けていると、誰かに支配されてしまうと警鐘を鳴らします。
ちくまプリマー新書は中高校生向けですが、まさにその頃に読みたかったなぁと思いました。私は怖がりでそういう選択から逃げてしまったタイプだったので特に…。
他にも、現在の国際情勢を予見するような中国、韓国等の近隣の国との関係性についてや、科学と非科学との関係性などが書かれていて大人の自分も面白く読みました。ぜひ、中高校生に読んでほしいと思います。 -
Posted by ブクログ
2025年に中学入試国語出題数No.1作品だそうです。
確かに国語の問題で出そうな感じの内容の本です。
他の方も感想に書かれていたのですが、政治的にちょっと強いところがあり、中高生にこれを純粋におすすめするのはどうかと個人的に思う部分もありました。
落ちてくる卵焼き(p159)の箇所が印象的。
「目先の損得や状況の変化に惑わされず、ずっと揺るがず心に持ち続けること。そして絶えずそれに向けた努力を続けること。そうして「卵焼き」が落ちてくるのを待ち続けること。それが「信じる」という行為なのだと思っている。」
卵焼きが落ちてくるって、なんだろうって、読んでいない人は思うかもしれませんが、チャンスがくるみたいな感じです。詳しく知りたい方は本を読んでみてください(笑)。 -
Posted by ブクログ
無謀じゃダメだし、臆病でもいけない!
消えない不安の中で、自分を見失わないために、大切なことを届けたい。(紹介文より)
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農学博士である筆者が、科学/非科学の二項対立に陥ることなく人生や社会について書いているエッセイ。
文学の引用があったり、遺伝子の話があったり、ご自身の想い出があったり、エッセイと言いつつも随所に知識が詰め込まれた不思議な読後感。
すぐに正解を求めたり、効率重視を良しとする世の中に、やんわり警鐘を鳴らしている。バランスと余裕を持って世の中を見つめている内容。
・「自分で選ぶ」大切さ
・世界は本当はとても複雑、効率がすべてではない
・「他人の悲しみを想像して共感する能力」がヒトを人たらしめている
まさに中高生や大学生など、現実を知るようになって、この世界をあきらめそうになったときに読むととても良い本。
「正しさ」を求められるこの世の中に違和感を感じたときに、「こんな考え方でもいいんだよ」と包み込んでもらえる。
子供たちのために、家の本棚に置いておこうかな。 -
Posted by ブクログ
細菌とウイルスの違いは細胞を持っているか否かである、細胞を持たないウイルスは自己複製が出来ないため、いまのところの常識では生物と無生物の中間的な存在とされている。
ウイルスと言えばスペイン風邪やエボラ出血熱の様に、大量に人間を殺す恐ろしい存在というイメージが強い。しかし感染を繰り返すうちに毒性は徐々に弱まるそうだ、なぜなら宿主が絶滅してしまってはウイルス自身も死滅してしまうからだ。
またヘルペスウイルスは、宿主の免疫力が落ちると口唇ヘルペスを発症させてしまうが、リステリア菌やペスト菌に対しては、天然のワクチンの役割も果たしているらしい。実はウイルスたちも生き残るため、宿主のご機嫌を伺いながら苦労しているのだ。
冒頭の自己複製という意味では、必須アミノ酸を体外から摂取している我々人間も、完全なる生物とは言えないのかもしれない。ついでに言うならば、食糧の大半を輸入している我が国も、完全なる国家と呼ぶには危うい存在なのかも… -
Posted by ブクログ
以前「生物と無生物のあいだ」を読んだとき、細胞の振舞は人間社会に似ていると感じた。
本作の帯には「『生物と無生物のあいだ』から9年、新たなる科学ミステリーの傑作が誕生!」という文句が気になって買ってしまった。
本作の主役は「ウイルス」だ。ウイルスは生物ではないというのが通説だが、著者はウィルスは生きているとしか思えないと考える。
ウィルスの95%はタンパク質、残り5%がRNAである。
生物とは言えない分子構造だが、生物が生きていくのになくてはならないものである。
そもそもまず、生物とは何なのか、という定義に疑問を呈している。
細胞の振舞は人間社会に似ていると書いたが、細胞に作用するウィルスは人間社会に当てはめると何になるのか、考えてみた。
俺が思うに、人間社会におけるウィルスはテクノロジーではないのか。
例えばスマートフォン。人間の生活を大いに変えてきた。
人間がスマートフォンを利用しているのか、スマートフォンが人間を支配しているのか。
スマホ中毒なる言葉は、その主従関係が倒錯していることを示している。
人間とスマートフォンの関係はウィルスが細胞に与える影響に似ている、と思う。
ゆえに、人間社会におけるウィルスはテクノロジーではないのかと考えた。
テクノロジーは自己発展し、それが毒にも薬にもなる。
高度に発展したAIは生物と無生物のあいだを超えるのか?
細胞と社会の相似性を考える。 -
Posted by ブクログ
ネタバレヒトゲノムのうち、タンパク質をコードしている部分は1.5%に過ぎない。一方、ウイルスや転移因子はヒトゲノムで増殖を繰りかえし、45%もの領域を占めている。ヒトのゲノムとは一体誰のものなのか?
また、キャプシドを持たないウイルスというものも最近は報告されており、ウイルスと他の生命との境界もゆらぎつつある
パンドラウイルスなどは2556個の遺伝子中2370個が他の生物との類似性がなく、全く新たな生物にあたるという見解もある
・一般にウイルスの毒性は徐々に弱まる。スペイン風邪の毒性もパンデミックの発生から数年で大きく低下したことが知られている。弱毒化によって感染した宿主が行動する時間が長くなればそれだけ感染の機会が増えるというウイルス側の適応進化
・ウイルスは細胞構造を持たないが、その核酸はキャプシドで囲まれている。多くのウイルスは細胞の外に出るときにはさらにエンベロープに囲まれる。エンベロープはリン脂質からできているので石鹸に弱い。インフルエンザは石鹸で予防できるがエンベロープを持たないノロウイルスには効果がない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書はその名の通り、ウイルスは「生きている」と主張しています。そのため、著者はまず生命の特徴は何かを明確にしています。
著者は生命の特徴として「ダーウィン進化」をするか否かを挙げています。DNA等の突然変異により、他の個体と少しの変化を持たせて、自然淘汰により、環境に適用する個体のみが残っていくことを指し、ウイルスも当てはまるため、生きているのではと主張しています。
ただ、DNA等の変化は外的要因等により起こるものだと思うのですが、基本的には元通りに修復されるもので、間違った修復は確率的にしか起こらないので、この定義だと、生命は神にサイコロを振られている存在なのかと考えてしまいました。
浅学の身ゆえ、これらの主張について他の書籍等で学んでみようと思いました。