中屋敷均のレビュー一覧

  • 生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

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    ネタバレ

    「私」という生物は、決して単独で成り立っているわけではないということがよくわかりました。

    遺伝子レベルでも、細菌レベルでも、異なる生命体との融合で「私」が成り立っている。

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    2026年10月01日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    メンデルなど黎明期から最新の研究成果(2022年時点)まで遺伝子に関する知見の歩み、迷走や論争まで網羅した本。研究は「歴史に名を残す」競争でもあるので研究者同士の出し抜き合いも苛烈。遺伝の仕組みが解き明かされるにつれて、直接の遺伝情報を持つDNA以外にも重要な機能があり、「獲得形質の遺伝」と見えるものの正体が分かる過程が面白かった。

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    2026年07月17日
  • 生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

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    タイトルと帯のとおり。
    生物学の知識がないため、難しいと感じる部分もあったけれど、大筋が面白すぎた。

    メモ
    ・トキソプラズマ
    ・自分の行動が自分の意志なのか、ウィルスのせいなのか、腸内細菌のせいなのか、遺伝情報にとけこんでいるウイルスはもう自分なのか・・・・・・
    ・自己複製する単位として個体を考えるとき、自己複製するための要件に他者や環境が入り込んでしまう。自己と他者の境界があいまい。
    ・意志は辻褄合わせのために後からやってくる。意志の立ち上がりの前に体が反応している。

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    2026年07月10日
  • 生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

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    「生命」という一見単純だが難解なテーマについて生物学の視点から考察を試みた新書。
    共生や寄生など変則的とも思える事象を挙げつつ、生命の本質に迫ろうとしている。

    「生物」や「生命」について学術界で完全合意された定義は存在しないのが現状ですが、敢えて踏み込もうとする著者の意思に敬意を表します。結論は読んでのお楽しみ。
    生命について考えさせられる数々の生物研究事例を丁寧に紹介しているので、唯々興味深いです。

    生物の意思決定において、多くの研究が外部因子の寄与を示唆していることに大いに驚きました。私たちの日々の決断も何かに操られている??今後のさらなる詳細メカニズム解明と事例蓄積に期待します。

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    2026年06月09日
  • 生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

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    ミトコンドリア、葉緑体など過去の共生から核を本体に完全に取り込まれている以外にも腸内細菌や共生細菌、ウイルスはいろいろなレベルでいる。
    ここで上げられているのは、トキソプラズマ原虫が猫の体内でしか再生産できないながら、他の動物の中でその生態を左右することで猫に行きつく。リスクを恐れない行動をとり、感染したオオカミはリーダーになる確率が46倍になるデータがあり、人間も感染した(全人類の推計1/3が感染)場合、起業、交通事故を起こす可能性が高くなる。
    こういった、いわゆるその生物そのものではない部分が生物の活動に大きな影響を与えている。

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    2026年05月16日
  • わからない世界と向き合うために

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    Y染色体で祖先まで男系は全て同じという話など、興味深い事が多く一気に読んだ。著者の誠実な人柄を感じる文章。面白い。

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    2026年03月26日
  • 生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

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    良書である。

    『生物とは何か』という書名であるが、最終的に、哲学的な問いにつながっていく。
    最終章のタイトルは、『そして「わたし」とは何か』である。

    まさに、わたし自身の哲学的な関心・疑問に沿っている。

    ⚫︎第1章
    トキソプラズマ原虫(真核単細胞生物)について。

    ほぼすべての温血動物に感染可能。
    全人類の3分の1は感染者と推定される。
    感染者は、ドーパミンやテストステロンが増加し、リスクのある積極的行動をとる傾向がある。

    ⚫︎第2章
    腸内細菌についての話。

    植物のセルロース・ヘミセルロースなどは難分解性であり、草食動物でも自身では分解できないので、腸内細菌の作る酵素で分解される。
    ウシ・ヤギなどの反芻動物(偶蹄目)は、腸内細菌を培養しながら、細菌そのものを殺菌・分解して、タンパク源とする。
    ウマ・サイなどの反芻しない奇蹄目は、腸内細菌自体を栄養源にはできない。
    腸内細菌との共生なしには、ヒトも動物も生きられない。

    ⚫︎第3章
    腸内フローラの話。

    腸から脳へのシグナルがある。
    腸内フローラは、精神疾患や人格形成にまで関係している。
    便移植により、体質や性格まで変わる。

    ⚫︎第4章
    細胞内共生の話。

    地球上のバイオマス炭素総量の82%が植物。
    光合成という大発明のおかげ。
    生命活動(化学反応)を駆動するエネルギーを、無尽蔵ともいえる太陽光から取り出す。

    ⚫︎第5章
    ゲノム退縮の話。

    宿主との共生の結果、宿主から供給されるものは、細菌自身で作る能力を失う。
    遺伝子のわずかな突然変異だけで、共生菌化することも。
    ゲノムが短いもののほうが早く複製が済むため、増殖速度が速くなる。

    ⚫︎第6章
    ヒトゲノムの中に入り込んでいる多数のウイルス由来の遺伝子配列について。
    (その大きな役割、そしてウイルス進化論)

    ⚫︎第7章
    異なる起源のゲノムが、複数で混在したまま、"個体"を成すことについて。

    ポテトとトマトを細胞融合させた、雑種植物「ポマト」は、両者の遺伝情報が同居(異質四倍体)。
    パンコムギは異質六倍体、栽培イチゴは異質八倍体。
    「地衣」という、複数種の菌と複数種の藻類が共生した「ミニ生態系」的な"個体"。
    「接ぎ木」というキメラ、異なったゲノム情報を持つ細胞が"個体"の中で共存する。

    ⚫︎第8章
    寄生者が宿主の行動を支配する「宿主操作」について。

    ハリガネムシは、カマキリを入水自殺させる。
    ハリガネムシのゲノムは、10%以上が、カマキリ由来、それを使って宿主を操っている。
    カマキリの脳における遺伝子発現を操作するのではなく、自身のゲノムから作ったタンパク質により、宿主を操作している。

    ⚫︎最終章
    「わたし」は、他者・外界・世界から、区切れるものなのか?という問い。

    生物の持つ情報には、DNAによる「遺伝情報」と、脳細胞のネットワークからなる「脳情報」の二つがあるとする論がある。
    固有の「脳情報」を持つということが、私たち人間が「個体」や「自我」を区別する基準となっている。

    しかし、生物の大部分には、そのような「個体」は、存在していないだろう。
    そして、生物の生存や自己複製には、例外なく何かの外部環境に依存している。

    p.211 …形而下には、どこにも混じりけのない純粋な「わたし」など、そもそも存在しないのである。

    p.212…形而上の世界でのみ、固有の『個体』そして「わたし」が存在できるのだ。

    (しかし、例えば、腸内細菌が無意識に与える影響を加味すれば)

    p.214 …それは疑いもなく、私たちの中枢神経系が、すなわち「脳情報」が、何者かの介入を受けた証拠である。そしてその事実は、私たちの形而上の『個体』でさえ、何者かの「意思」と一体化してしまうことを示唆している。

    p.214 …どんな生き物にも、そして私たちの脳情報による『個体』にさえも、他から完全に独立した混じりけのない「わたし」などは存在していないかもしれない。

    人間も生物である以上、腸内細菌をはじめとした生物的環境や生物サイクルから、逃れた存在ではない。
    人間の思考というものも、その影響下で行われているものである。

    本書の主張に、四畳半哲学者の視点から、さらにプラスするならば、形而上学的な「わたし」についても、「言語ゲーム」をはじめとした文化的・歴史的な関係性の積み重ねなくしては、思考することは不可能である、ということがある。

    つまり私たちは、生物としても、思考する人間としても、「環境の積み重ね」から離れた、完全に自由な思索などは、元来、行えないのだ。

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    生物的環境から「わたし」を切り分けることは出来ないだろう、というのが本書の主旨である。
    それを読みながら考えていると、やはり、さらに根本的な疑問に突き当たる。

    そもそも物理法則に従った物理運動が行われているだけの世界において、「生物」が誕生し、「意識」が生まれる必要性が、まったく無いとしか思えないのだ。

    微生物が、人間の「心」に影響を与えることも不思議だが、それ以上に、

    ⚫︎身体という物質から、非物質である「心」が、なぜ、どうやって生まれるのか?
    ⚫︎逆に言えば、非物質である「心」が、なぜ、どうやって物質である身体を動かすのか?

    という、「心身問題」が気になって仕方ない。

    そして、あらゆる生物は、「自己を保存する」、少なくとも「増殖する」という方向性を持った運動をしている。
    下等な微生物において、そこに「意思」と呼べるものはないだろうが、その運動にさえ、増殖するという方向性が明確にある。

    この事実が、不思議で仕方ない。

    著者は、生命を、

    p.218 …生命の原理とは「情報の保存」と「情報の変革」という二つの相反するベクトルが相互に作用するサイクルの中で、「幸運」が蓄積されていくシステム…

    と、定義している。

    意味のない物理運動だけが起こるはずの宇宙で、なぜ、そのような「ベクトル」、つまり方向性を持った運動が起こり、それに勤しむ「意思」が生まれる必要があるのか?

    これに、科学で答えることは難しい。

    著者は、

    p.218 もしこの世に、何かを発展・展開させていくために必要な理のようなものがあるとしたら…

    と書いている。

    おもしろい仮定(仮想・想像)である。
    宇宙の成立と共に、もしくは、それより前に、そのような「普遍的な理」が存在する、なんてことがあるのだろうか?

    人類が、答えにたどり着けるのか分からないが、とにかく、不思議なものである。

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    2026年03月22日
  • 生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

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    とても刺激的な本だった。生命とは何かというタイトルで、特にキーワードは”共生”だろうか。扱うテーマがとても興味深い。例えば、

    ・トキソプラズマという寄生虫に感染するとアクティブな気質に変わる。人類の約1/3が感染している。感染された生物は、オオカミで言うとリーダー、人間でいうと起業家になる確率が高い。
    ・ヒトゲノムの中にウイルス由来のものがあり、スイッチとしての制御や遺伝子として利用されていたりする。
    ・カマキリを操り入水自殺させるハリガネムシ

    生命体は単独で生きているわけではなく、様々な他の生物との共生を通じて生き、進化しているということだろう。ミトコンドリアが他の生物を飲み込んだものだというのは昔から聞いていたが、他にも多数の例があることがよくわかった。学校の授業でもこうしたテーマを扱うと生物に興味を持つ学生も増えるのではと思う。

    トキソプラズマの例も興味深い。非常にエネルギッシュでアクティブな人は時々いて会社でも頭角を現しているものだが、そういう人はトキソプラズマを保有してるんだろうな、と思う。他の生物と合体して強くなる、寄生獣やデビルマンの世界だ。

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    2026年04月30日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    遺伝子の発見、研究の歴史をわかりやすく解説して、読んでいるうちに遺伝子のことがわかってくるとても良い本。

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    2025年12月12日
  • ウイルスは生きている

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    「はじめに」から最後まで、ずっとワクワクしっぱなし。すごく面白かった。インフルエンザの由来から、進化、生命観まで。

    幅広い学術知識を再構築した、素晴らしい科学読みもの。

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    2025年02月20日
  • わからない世界と向き合うために

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    18ページにある Control your own destiny, or someone else will (自ら選ばない者は、他人に支配される)は至言だと感じた.Y染色体が男児から男児へ伝わること、日本では縄文人が住み着き、その後弥生人が来たことが染色体の解析で分かることは面白かった.現代社会が、異論に対して狭量になっているとの指摘はその通りだと思う.経済的合理性を錦の御旗にして、格差を作り、敗者を顧みない社会になってきたことへの警鐘も重要な視点だ.原生生物から進化が始まったという話、別の先生から仕入れた知識ではLUCA(Last Universal Common Ancestor)のことだろう.最後に出てきた 「人間を人間たらしめているのは、他人の悲しみを想像して共感する能力だ」 は非常に素晴らしい言葉だ.いろいろなことを再認識させれくれる至言が満載の本だ.

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    2024年10月25日
  • 科学と非科学 その正体を探る

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    科学と非科学 その正体を探る
    著:中屋敷 均
    講談社現代新書

    おもしろかった。
    科学とは、確定しているものではなく、生命とおなじように生きているという考えには納得でした。

    ノーベル生理学賞を受賞したバーバラ・マクリントックの動く遺伝子の話がでてくる
    「科学的に正しければ、理解され受け入れられる」
    という科学の基盤をなす了承事項は、そんなに単純なものではないことを告げている
    彼女は何十年も時代を先取りをしていたが故に、その内容をだれもが理解できずに、無視をされることとなる
    本書は、このエピソードが告げる、科学的真実とは何か、という問いを投げかけているのである

    気になったのは、以下です

    ■神託を担う科学

    現代社会では、理性で世界を理解することができる、信じられており、科学がその世界の姿を説き明かす役割を果たすことになっている

    科学的とは一体、何なのか科学が立っている基盤とは一体どのようなものなのか

    社会が科学に求めている最も重要なことの1つは、この世界にあることを分かりやすく「説明すること」である

    科学には2つの顔がある
     社会に神託を下す装置としての科学と
     この世の法則や真理を追究する科学である

    正しいということは何か
     1つは繰り返し起こることは法則化ができること
     もう1つは法則化できたことは、他の現象にも応用ができること
     
    帰納法と演繹法が世界を説明する論理として成り立つための重要な前提があるそれは、この世界が、同じことをすれば、同じ結果が返ってくるようにできている、という仮定である

    科学には、性格がことなった2つのものが混在している
     1つは、この世の真理をもとめ、単純化された条件下で100%正しいような法則を追い求めるもの
     もう1つは、100%の正しさなどなく、不安定なより現実的なものである

    絶対に安全なものなどない、科学は常にある条件下では、安全ですと言わざるをえない

    科学の外に広がる、未知の世界、現在の科学で認識できなことが、この世に存在しないことを意味しないのならば、では一体、何が、科学的で、何が、非科学なものであろうか

    また、どこまでが科学的で、どこからが、非科学的なのか、その境界線を引くことができるのなら何をもって、見分けることができるのか

    科学と生命は似ていて、共に生きている
    科学が教えることは、すべて修正される可能性がある
    また、仮説がどのくらい確からしいのかという確度の問題が存在するだけである

    権威主義は、科学の発展と、真実にとって、最大の敵である

    生命の営みはカオスの縁に潜んでいる

    分かってしまった、世界に人の選択の余地はない
    人はただその正しさに従うだけである
    逆にまったくの混沌の中で、何かを選択してみてもそれはギャンブルだ

    ■不確かな科学とともに

    科学という真実をえるためには、犠牲を払わなければならない

    科学がいきつくところは、厳密に考えると結局何も確かなことは分からないというところだ、そしてそれは、意味のない情報だ

    自分の見えない闇には、時にリスクがひそんでいる

    リスクはゼロにできない、ということだ

    我々の目の前にあるのは、強欲資本主義や、傲慢合理主義であり、それらが生んだ、制御できない巨大で破壊的な問題の数々である

    過度な選択と集中、それがもたらすのは、淘汰である

    生物の持つジレンマ、それは、変わるべきか、それとも、変わらないべきか

    ランダムに起こる遺伝子の変異は、現環境下では無駄である
    それを許容して生み出し続けることが、現状とは違う環境で生存できる新しい生き物を生み出し、簡単には、絶滅しない強靭性を生命に与える

    閉じられたこと、たとえば、日本人は、島国で鎖国までをしていた、そこでは、全く違った形の文化を生む母体となっている閉じられたことは、そういう力をもっている

    存在の在り方を限定することは、形を作ることに必須の要素であることであり、それはあるべき場所にあるべきものを配置することを意味する

    意志ある選択、重大が場面にであったときに、科学は、意志ある選択をするために存在する
    不確かなものを含めて、科学的知見は常に、考える素材である
    それが科学の存在意義であり、その選択こそが、私たちに与えられた世界を拓く力、生きる意味なのではないでしょうか

    目次
    プロローグ
    序 バーバラの見た夢
    第1部 神託を担う科学
     第1話 デルフォイの神託
     第2話 分からないこと
     第3話 消える魔球
     第4話 無限と有限
     第5話 科学と似非科学
     第6話 科学は生きている
     第7話 科学と非科学のはざまで
    第2部 不確かな科学とともに
     第8話 ドイツの滑空王
     第9話 リスクとともに
     第10話 アフリカ象と大学人
     第11話 「無駄」と科学
     第12話 閉じられたこと
     第13話 この世に「形」を生み出すこと
     第14話 確率の話
    エピローグ
    あとがき

    ISBN:9784065150948
    出版社:講談社
    判型:新書
    ページ数:192ページ
    定価:800円(本体)
    発行年月日:2019年02月
    発売日:2019年03月01日発行

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    2024年10月13日
  • 生命のからくり

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    私は生粋の文系人間で、理数系の書籍はことごとく避けてきたが、生命の起源とか原理に興味が湧いたので覚悟を決めて本書を手に取ってみた。

    本書の趣旨はシンプルで、生命の設計図に当たるDNAは自己情報の保存と変革の相反する性質を内包しており、それゆえ弁証法的に生物が今日の姿まで発展してきたというものである。後半では人間の文明の発展も同様で、過去の偉人の知見を元に各時代の天才達が新しい1ページを書き足して来た歴史に触れている。

    生命の起源については軽く触れられているのみだが、最新の有力な説としては、海底の熱水噴出孔から始まったのでは無いかということだ。なお、核戦争が起きて地上の生物が全滅しても、まだ海底には古細菌が脈々と生きているのでいずれ再生するだろうという、謎にポジティブな主張が面白かった笑

    科学的な事例のみではなく、哲学や歴史など文系的な事象と絡めながら説明されているので、文系人間にも分かりやすいだけではなく、科学のロマンみたいなものまで感じられた。読みごたえのある文章展開がしっくりきたので、別の著書も読みたくなった。

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    2024年03月28日
  • 生命のからくり

    購入済み

    1章のブフネラや細胞内小器官とウイルスの比較検討から、生きているとはどういうことか、生命と非生命の境界はどこにあるのかと展開する話題にただちに引き込まれる。2章以降もどうやってDNAを中心とした生命のしくみが発達してきたのか、生命の本質は何なのかについて深い考察があり知識をアップデート出来た。ウイルスや分子生物学についてもっと学びたくなった。

    #タメになる #深い

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    2024年02月24日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    遺伝学、分子生物学初心者なりに頑張ってついて行きました。
    メンデルの三法則すらちゃんと理解していない自分でもなんとか読み進めたから好感触だったが、後半へ進むにつれ、基礎固めの甘さが露呈し理解三割。
    遺伝子についての本はもっと読まないと。

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    2023年12月24日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    遺伝学の歴史と、そのたびごとに遺伝子の理解がどのように更新されたのかが概観されてゆく。分子生物学の本でなんでこの記述スタイル?と訝って読んでいたが、DNA、mRNA、tRNA、タンパク質のセントラルドグマというお馴染みの図式が説明されたところからが本番。
    セントラルドグマ以外にもほかのRNAやら酵素やらが形質遺伝に関わるだとか、ラマルキズムとして片付けられていたはずの獲得形質の遺伝もDNAメチル化によって説明づけられる可能性があるだとか、とにかく遺伝機構(つまりは遺伝子なるもの)の複雑な様相が明らかになっている、らしい。

    シュレーディンガー『生命とは何か』をメルクマールに、物理法則をベースに演繹的な推論を(も)用いる物理学者や化学者が、かつて帰納的な実験・観察とその分析に終始しがちだった生物学分野に参入することで分子生物学が生まれるシーンは感動的ではある(pp.109-112)。
    しかし最新の展開や著者の見通しを読むに、複製と多様性をなぜか両立させる遺伝(子)の制御構造の探究は、物理学・化学の知見を導入しながらも原理論に進む方向性は(少なくとも本書では)仄めかされておらず、今後の分子生物学の道のりの長さも感じさせる。

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    2023年11月27日
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

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    現今、最大重要な科学事項であり、しかし理解が非常に難しい「遺伝子」について比較的分かりやすく解説された内容。特に歴史的に「遺伝子」についての研究の詳細を説いてくれているので素人には理解に役に立つ。
    生命科学が大きくに人間の生活、生命、歴史、思考そのものを変革しつつある時「遺伝子」という概念を自己の中にそれなりに明確に持つことが必須のものとして迫られている。

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    2022年05月18日
  • ウイルスは生きている

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    ウイルスの基本的な構造や性質を紹介すると同時に、ウイルスを含んだ新たな生命観について考察した本。

    ウイルスは時に人類とは対立する存在となってしまいます。しかし、本書で紹介されている胎盤形成の例のように、長い目で見れば、ヒトを含む生命は多くのウイルスからの恩恵を受けて進化してきている事を理解しました。

    生命はそれぞれ独立した存在ではなく、長い年月をかけて他の生物との合体や遺伝子の交換を経て進化し、育まれてきたことを教えてくれる良書でした。

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    2021年09月19日
  • 科学と非科学 その正体を探る

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    エピローグが響く。

    科学的とか非科学的とかそんな簡単な話ではないようだ。
    自分は非科学は信じない非合理だ!って決めつけてる節はあった。
    非科学的な言動が嫌いなのは揺るがないが、非科学的なものを大事にしても良いとも思った。
    科学者のエッセイもっと読んでみた

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    2021年12月07日
  • ウイルスは生きている

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    ネタバレ

    めっちゃ面白い。地味な表紙に反して、惹き込まれた。

    どこからどこまでが、生命か。

    これは結局キメの問題なので、百人居たら百通りの線引きがある。

    が、ウィルスが割と移ろいゆくもので、我々も結構自由にいろんな機能を持ってなかったり、他者に依存してたり。

    そんな事例がてんこ盛りで、本当に興味深い。
    (しかも、知らない事が多かった!ポップサイエンス系の本はかなり読んでるけど)

    本棚でたまたま目について、コロナウイルスについての理解を深めようと手にとったけどこんなに面白いとは。

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    2020年10月02日