リチャード・ドーキンスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
神様はいないんだよってことを論理的、科学的に説明した本。
日本ではあまり感じないし、自分自身もキリスト教信者じゃないので、人間含めこの世は神様が作ったんだとか、聖書は事実とかピンときてないんだけど、世界にはそう信じてる人もなかなかの数いて、ドーキンスがこの本含め、神様はいないだろって言いたくなる気持ちはわかる。信じるのはいいんだけど、他の人の生活に干渉するのはまずいと思うから。
んでもってこの本は、解説でも書いてあったけど、どうやらティーンエイジャーが対象で、「神は妄想である」の入門編らしく。言われれば口調とかそんな感じだなと思った。私は科学がめっちゃ苦手で、後半のDNAだのなんだのの話に -
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リチャード・ドーキンス(1941年~)は、英国の進化生物学者・動物行動学者。一般向けの著作を多数発表しており、存命の進化生物学者として、最も知名度の高い一人。
1991年発表の『The Selfish Gene(利己的な遺伝子)』で、「生物は遺伝子によって利用される"乗り物"に過ぎない」という比喩的表現を使って、「自然選択の実質的な単位が遺伝子である」とする遺伝子中心視点を提唱したダーウィニストであり、科学的合理主義の推進者である。また、科学的合理主義の推進者であることと表裏一体ともいえる、徹底した無神論者・反宗教主義者であり、科学的精神の普遍性と反宗教を説く啓蒙書として2 -
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文系脳の私でも読めた科学の本であり、この世界や生き物をできるだけ理解しようと、前向きになれる一冊。
この本は、リチャード・ドーキンスが91年に行った子どもたち向けの「進化」についての講義を書籍化したもの。子どもたち向けなので、難しい数式とか図とかは一切出てこないし、わかりやすい例えや図で文系脳の私でも苦なく読めた。
読んでいると、自分という存在を俯瞰しすぎて不思議な感覚に陥る。
太陽系が終焉するといわれる2億世紀の中のいち部分を生きている自分、デザインされたように見えるけど、進化の結果として生まれた自分、共通のDNAをもつすべての生命の中の一種としての自分。スケールの大きさにも気が -
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本書は、すでにどこかで発表されたリチャード・ドーキンスの文章を集めて編集して一つの書籍にまとめたものである。その材料には、科学解説、社会批評などの他に、知人の著書の序文や弔辞なども含まれる。イギリスのEU離脱を決めた国民投票やトランプを選んだ米大統領選の結果などにも皮肉を利かせた、ある意味翻訳を通すとわかりにくい類の文章まで集められている。
回りくどいものあったり、背景の理解が必要なものがあったりと、なかなかすっと楽しめなかった、というのが読後の感想である。
アインシュタインは「私はとても敬虔な無信仰者である - これはちょっと新しい種類の宗教だ」と言ったという。
もちろん、これはドーキン -
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英国王立研究所で、電磁気学・電気化学の研究で有名なマイケル・ファラデーが1825年に始めた“クリスマス・レクチャー”において、現在最も注目される進化生物学者のひとりリチャード・ドーキンスが『宇宙で成長する』と題して、1991年から5回に亘って行ったレクチャーの内容を編集・邦訳したもの。
ドーキンスは、ダーウィンの思想的後継者とも言われる学者であるが、本レクチャーの中で、様々な実験・実例を使って、進化の問題を考える上で最も重要な以下のようなポイントについて、易しく見事に説明している。
◆現存する生物の進化のためには長い時間が必要であったが、人間にその長さがイメージできないだけで、実際にはそれに十 -
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ネタバレ「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンスが1991年に英国王立研究所で行った、子どもたちを対象とした「進化」についてのレクチャーと著者へのインタビューをまとめた一冊。進化論と科学への啓発で、分かりやすくて面白い。しかし、「私たちは、DNAがひたすら同じDNAのコピーを作るために組み立てられた機械なのです」というメッセージは、おそらくそれが事実なのだろうが、特に子どもにはショッキングな内容で、レクチャーの中でケアが必要な気がする。
このメッセージの解釈は人それぞれだと思うが、我々人間は生きる意味や目的を求めてしまう生き物である。しかし、デザイノイド(デザインされたように見える物体)である -
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「利己的な遺伝子」などの著書で知られる世界的な生物学者であり、また徹底した無神論者としても知られる著者が、「宇宙の中で進化すること」をテーマに子供たちのために行った特別レクチャーの内容を収録した講義録。
ダーウィンの進化論をベースとして、生物の遺伝子が自己複製するために、「自然選択」や「自促型共進化」と呼ばれるプロセスによって、人知を超えた長い年月をかけて、“乗り物”である生物を漸進的に進化させてきたことを、豊富な実演を取り入れた講義によって分かりやすく伝えている。
そのような進化の産物である人間の脳が、進化の時間軸でみれば“つい最近の出来事”として「目的」をもつようになり、宇宙の謎の解明 -
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電磁気学を作ったマイケル・ファラデーは1825年に英国王立研究所で「子供達のためのクリスマスレクチャー」というものを始め、これが伝統化して今日につながる。本書はそのクリスマスレクチャの1991年、「利己的な遺伝子」で有名なリチャード・ドーキンスが担当した回の内容を文字化したものである。
物質や生命の進化、特に生命の"不可能な山"を漸進的に登っていくメカニズムとその無目的性(本書ではそれを「デザインされた物」と「デザイノイド」との違いで解説している)について、子供でも分かるように多数の実例を用いて解説をしてくれている。
最終章では、人間と他の生物の違いについて特に詳しく解 -
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Posted by ブクログ
ふむふむふむ。なかなかグッドでした。
読む人が読んだら大炎上しそうな内容でしたが、根拠を明示しながらの説明は首尾一貫としており、こういうスタンスもありだよね、と私は思えました。
特に最後の結論には納得感があり、非常に勉強になりました。
宗教が良い方向へ働いているうちは神はいてもいいと思いますが、悪い方向へ働いてしまったとしたら、それは神のいない世界を歩き始めるべきではないかと思います。
日本人は無神教的で、海外の宗教問題への意識が希薄であるという話を聞いたことがあり、私もその自覚はあるので、他者が大切にしていることを踏みにじりたくはないなあと思っていましたが、戦争やテロまで繋がって実害が出てい -
Posted by ブクログ
正直なところ、本書を読んでドーキンスの話を理解できたとは言い難い。途中で辞めちゃおうかと思うくらいに。身内の方々の思い出話とか、追悼文のようなものも、別に俺ファンというわけじゃないから、ちょっと距離感あったし。でも、最後まで目を通したのは、読んでみて何か、ここからくみ取るべきものがあると感じたからだ。
社会には合理的じゃない部分、理不尽な部分、時代を変えたり、時代が同じでも別の角度から見たら、愚かとしか思えないことがたくさんある。自分自身の中にも、別角度から見たら、何やってるんだお前、というところがたくさんあるだろう。それはどうしようもないことだよね、と思うと同時になんとかしたい、もっと良 -
Posted by ブクログ
上質な科学エッセイ。中の一つに、こんな話。
ジェリンオイル。中枢神経系に直接作用する強力な薬物であり、様々な症状を引き起こすが、たいていは反社会的あるいは自傷的なものである。子供の脳を変質させ、治療が難しい危険な妄想や、大人になってからも障害を引き起こす恐れがある。2001年9月11日航空機による自爆テロ。これはジェリンオイルによるトリップだった。セーラムの魔女狩り、コンキスタドールによる南米先住民の大虐殺、中世ヨーロッパで起きた戦争の大部分を煽り、近年ではインド亜大陸とアイルランドの分割に伴う大虐殺に火をつけたのもジェリンオイル。
今まで生きてきて聞いた事がない。よく知られた薬物の別呼称 -