鈴木主税のレビュー一覧

  • 分断されるアメリカ

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    ハンチントンの本は本当に面白いです。というか、アメリカに対する不安と悲しみに満ち溢れていて、面白いと言っては失礼かもしれません。

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    2025年07月08日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ジェイムズ・マレー(1837-1915)はOED編纂の中心人物。ウィキペディアで彼の写真を見た時には驚いた。仙人のような風貌だったからだ……まるでことばの霞みを食って生きているかのような。
    本書のもうひとりの主役はウィリアム・チェスター・マイナー(1834-1920)。軍医だったが、精神病を発症し、妄想から殺人をおかしてしまった。その後医療刑務所のなかにいて、16・17世紀の書物からOED用の例文をピックアップし続け、その完成に多大な貢献をした。ふたりは10年近くにわたって手紙のやりとりをしていたが、会ったことはなかった。本書のヤマ場は、1891年(俗説では1898年)、彼らが初めて対面する場

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    2025年05月11日
  • 文明の衝突 上

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    アメリカの政治学者、サミュエル・ハンチントンの1993年の著書。
    アメリカの主要大学数校で推薦図書に挙げられており、数ある歴史的名著と並んで比較的新しいこの本がどのように重要な意味を持つか興味深く、手に取った。

    著者の主張は、「今後、国家間よりも文明間での争いが激化する」というもの。
    そこには、西欧文明が優位であり普遍であるべきだという「傲慢さ」への戒めも込められている。

    文明(Civilization)は様々なの意味を含む言葉だが、ここでは文化・宗教・価値観などを指しており、例えば「文明の利器」という言葉に含まれる技術的な意味合いはない。
    『文明を定義するあらゆる客観的な要素のなかで最も

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    2025年02月28日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    かなり前の本なのに、現在の中国と日本の関係、イスラム国のような集団の出現を見抜いていた洞察力の鋭さ。

    さらには、今後数100年の世界情勢をも、おそらく言い当てているであろう射程の長い内容の本。オススメ。

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    2024年08月27日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ずっと読みたいなと思ってた作品やっと読めました!ノンフィクションはほぼ初めてでしたが、小説みたいにスリリングで臨場感高く、読み応え抜群でした!
    辞書編纂の仕事…いいなぁ
    辞書編纂ものの本は何気に今年4冊目?

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    2023年11月23日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    文明衝突論を展開したハーバード大学のサミュエル・ハンチントンが日本にフォーカスを向けた名著。

    政治経済の利益、イデオロギーによる分裂が顕著だった20世紀と比べて、21世紀は文化によって分裂している、これからもその分裂は続くと分析している。2000年に出版された本だが、この内容は2022年のロシア・ウクライナ戦争の勃発を予言していたとも言える。

    宗教もなく、文化的にも完全に独立した日本だからこそ、先入観を持つことなく他宗教や他文明の理解・教育を進めて、国際平和を促進させることに一役買うことができるのではないかという希望を感じた。この本のように多様化する社会を深く理解しようとする価値観が広まり

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    2022年12月07日
  • 文明の衝突 下

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    20年前に書かれた本だが十分読みごたえがあった。ウクライナや中国で今おこっていることを考える上でも参考となった。

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    2022年08月23日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    2000年の作品。当時はアメリカ一極支配の時代であったが、その後の地域での紛争、イスラムの団結、中国の台頭による新たなパワーバランスを、基本的には全て予見しているのが凄い。
    イデオロギーによる対立が終わり、世界は国を超えた文明ごとに分断され、文明間の衝突が始まる。
    西欧文明(欧米等)、東方正教会文明(ロシア等)、中華文明(中国等)、日本文明、イスラム文明、ヒンドゥー文明、ラテンアメリカ文明、アフリカ文明。当時はこのうち、西欧文明が突出したパワーを持っており、中国は地域での大国に留まっていた。ハンチントン理論によると、超大国と地域大国は直接対峙せず、むしろ、地域の準大国と超大国が組んで、地域大国

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    2021年10月04日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    映画が面白そうだったので、映画を観る前に原作を読んでみた。
    オックスフォード英語大辞典(OED)の編纂のノンフィクション。事実は小説より奇なりというしかない。

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    2021年01月20日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    出町柳の古本屋さんで偶然見つけて購入.
    「オックスフォード英語大辞典」はよく知らなかったのだが,語源,意味の変遷を,時代ごとの大量の例文によって示した大辞典で,編纂には足かけ70年を要したという大作である.清の時代の康熙字典のようなものか.
    その編纂作業の中盤の中心人物であったマレー博士と,在野にありながら多大な貢献をしたマイナー博士の二人を描く.独学で言語学の第一人者となったマレーと,蔵書から大量の,しかも適切な例文を見つけて提供してくる謎の人物マイナー博士の交流には,何か胸が熱くなる.

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    2020年08月21日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    日本も世界も、米中対立に翻弄されながらも何気に均衡を保てているのはある意味奇跡。それは互いの、各国間の文明に不可侵だからか?そういう意味では北朝鮮やイラン問題もそうか。政治的、軍事的な非難の応報はありながらも、文化、文明を否定することはないもんなぁ。

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    2020年03月29日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ネタバレ

    英国版「舟を編む」。でもぜんぜんほんわかしてない。ノッてくるまで時間かかったけど、OEDの構想が出てくる辺りからめちゃめちゃ面白かった!さすが英国、という気の長さとエキセントリックさ。

    シェークスピアの時代には辞書がなく、その用法があっているのか綴りはあっているのかなどを確かめる方法はなかった、というのは目から鱗。言葉が変化していったり誤用といわれたものがそうでなくなったりしていくのは、当たり前のことなんだな。
    OEDの、言葉は変わっていくものなのだから、辞書は言葉の間違いを正すものではなくあくまで言葉の歴史を記すものであるという姿勢はいいな。

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    2019年04月18日
  • 分断されるアメリカ

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     「文明の衝突」で冷戦後の世界を見通したハンティントン博士が、アメリカが抱える苦悩を分析。この本もまた、後のトランプ・ヒラリー大統領選の争点を予言していたといえる。
     その原因はアメリカ国民にとっては周知の事実だと思われるが、国外の人とっては大変興味深い。特に移民を議論している日本にとっては特に示唆に富んでいる。
     一例として、日本で手に入る情報では、「多元主義」を推し進める先進国と映るアメリカが、その成り立ちよりアングロサクソン系のキリスト教に根ざした「自由の国」であり、さらに今でも多くの国民がそれを信奉していると博士は丁寧に解説している。この価値観が非アングロサクソン系(特にヒスパニック系

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    2019年12月17日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    "地球上の各地域で育まれてきた文明を定義づけ、現代社会の関係性をアカデミックに論述した本。これも世界を見つめる視点ひとつである。
    人間は多様性ある生き物故、この時代まで進化を遂げてきたのだと思う。
    しかし、その多様性を受け入れつつも、排他的な争いも続けている。
    すべての人類が共存するには、共通の敵が生まれない限り実現は難しいのかもしれないと感じた。"

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    2018年11月23日
  • 文明の衝突 上

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     冷戦後の世界をおもに「宗教」「民族」からなる「文明」という切り口で予言、解説。9.11から続くアフガニスタン紛争やイラク戦争を予見したものとして名高い。

     個人的には本書の内容が自己成就的に達せされているようにみえるトルコに関する記述に興味を惹かれた。あとタイムリーにリトアニア(2018/10/16現在)
    ウクライナークリミアはEUの失政かな。

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    2020年07月03日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話。サイモンウィンチェスター先生の著書。かの有名なオックスフォード英語大辞典は博士と狂人のたゆまぬ努力と共同作業で生まれた。博士と狂人とされているけれど、天才と狂人は紙一重とも言うし、博士と天才であったのかもしれませんね。

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    2018年08月13日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    ネタバレ

    前半が終わると、文明の衝突のサマリ的紹介になり、わかりやすく「文明の衝突」で唱える文明論が抑えられるかと思います。

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    2015年09月16日
  • 貧困の終焉

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    ネタバレ

    開発経済に関心のある人には必読だと思います。米国人でこれだけものを分かっている人がいるというのは、一種、救いではあるのではないかと。

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    2015年01月20日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    オックスフォード英語辞典というものがあって、英語にはこういう凄い辞書があっていいなぁ~、日本語にもあれば良いのにとずっと思ってました。これはそのオックスフォード英語辞典の編集者とそのちょっと変わった寄稿者にお話。細かい感想は省くけどオックスフォード英語辞典がボランティアによる貢献を最初から計算に入れて作られる有様は今のオープンソースソフトウェアのやり方ととても似てて、ある意味先祖とも言えるんじゃないかな。

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    2013年06月09日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    冷戦後に発表された、「文明の衝突」はかなりの大作だが、そのエッセンスと日本とアメリカについての論文をまとめた、ダイジェスト版。

    内容は、21世紀の日本の選択、孤独な超大国(アメリカ)、文明の衝突(ダイジェスト版)と3本立てで、著者ハンチントンの考えが新書で手軽に理解することができる。

    特に文明の衝突は、これまで冷戦のイデオロギーの対立軸1つの2大勢力(と非同盟の3つ)の戦いであったものが、8大文明(中国、日本、インド、イスラム、西欧、東方正教会、ラテンアメリカ、アフリカ文明)にわけて、その文明同士の相互理解不足や、文化(と文明)の歴史や違いなどによっての戦争などが起こることを予見している。

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    2012年10月10日