あらすじ
“WHO ARE WE?” と自問する超大国アメリカ。その針路は世界主義か? 帝国主義か? それとも・・・。「入植者の国」として始まり、白人優位の民主主義で超大国となったアメリカ合衆国。しかし、二十世紀末以降は多様性を重んじた結果、国が分断される危機に陥った。再び「建国の父」らアングロ-プロテスタント(白人)文化を重要視する必要性を説く著者。その理由は? 世界的国際政治学者が2004年に予見した母国の未来が、再び大統領の座についたトランプのアメリカを読み解く2025年の必読書として復活!
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Posted by ブクログ
「文明の衝突」で冷戦後の世界を見通したハンティントン博士が、アメリカが抱える苦悩を分析。この本もまた、後のトランプ・ヒラリー大統領選の争点を予言していたといえる。
その原因はアメリカ国民にとっては周知の事実だと思われるが、国外の人とっては大変興味深い。特に移民を議論している日本にとっては特に示唆に富んでいる。
一例として、日本で手に入る情報では、「多元主義」を推し進める先進国と映るアメリカが、その成り立ちよりアングロサクソン系のキリスト教に根ざした「自由の国」であり、さらに今でも多くの国民がそれを信奉していると博士は丁寧に解説している。この価値観が非アングロサクソン系(特にヒスパニック系)の流入によって脅かされていることがトランプ大統領誕生の一因なのであろう。
余談だが、博士の支持政党が民主党であったことに驚きを覚えた。タカ派的論調からてっきり共和党支持だと思っていた。
Posted by ブクログ
トランプ時代を的確に予測している。また、アメリカにおけるヒスパニック化は「アメリカ人」にとっては我々が思っているよりも深刻な課題として認識されていて、壁を作ろうというのが日本人から思うほど突飛な発想ではないこともわかる。
Posted by ブクログ
長い(厚い)本だった。中身も重量級の重い内容であり、読むのに二週間ほどかかってしまいました。
さて、トランプさんがアメリカ大統領になって一月ほど経ちました。選挙戦の最中からアメリカを分断するような言動が垣間見られましたが、大統領になってからもそれは変わりません。大統領と言う立場がついてしまったので、より一層分断を加速するような気もします。
ただ、これを読んでわかったのは、アメリカ社会の変質、分断は昨日今日に始まったわけではなく、ずっと以前から始まっていたと言う事。トランプさんが4年の任期を全う出来るか分かりませんが、いづれにしてもアメリカは、もう元には戻れないのではないかと思います。