鈴木主税のレビュー一覧

  • 貧困の終焉

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    貧困をなくすためにアメリカがどのように動くべきかを説いている。
    極度の貧困、中程度の貧困、相対的貧困。
    極度の貧困をなくすこと。また、中程度の貧困を開発のはしごに上がること。
    豊かな社会の所得を長期的に増加させたのは科学技術。
    農作物の収穫量の増加と都市人口の増加が経済成長とともに進む。
    農業生産が貧困国かを分ける。貯蓄ができるかが重要。
    中国は東欧と違い食料を保証しなかったので、労働意欲が高まった。
    現実的という言葉を自分にとって好都合という意味で使っている。

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    2018年04月12日
  • 文明の衝突 下

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    解説にありましたが、“ハンチントンは、20年早かった!”と思います。書かれている内容は、正に【今】の出来事かと思うような事ばかり。これを、20年前に予測していたんですから、ハンチントンが存命であれば、ここから20年後は、どの様に見通すのでしょうね?

    ただ一つだけ、腑に落ちない記述も。「文明間の戦争と秩序」と言う項で、あるシナリオが想定されているんですが、そこだけは腑に落ちないですね。全然違う事実となっています。

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    2017年10月26日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    世界で最も偉大な辞典の一つであるオックスフォード英語大辞典の編纂をするにあたり殺人を犯し、精神病を患う博士を中心としたノンフィクション。しっかりした辞書が存在しなかった時代、それを0から作り上げる人々の個性的な方々が描かれる。

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    2017年09月23日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    文明と文化は、いずれも人々の生活様式全般を言い、文明は文化を拡大したものである。
    19世紀のドイツでは文明を機械や技術、物質的要素にかかわるもの、文化は価値観や理想、
    高度に知的・芸術的・道徳的な社会の質にかかわるものとし、
    文明と文化をはっきり区別していた。
    一極・多極世界は四つのパワーレベルからなる。
    超大国→地域大国→ナンバー2の地域大国→その他の国。
    冷戦後、世界は七つあるいは八つの主要文明に属している。
    西欧文明・東方正教会文明・中華文明・日本文明・イスラム文明・ヒンドゥ文明・ラテンアメリカ文明そしてアフリカ文明。
    この異なる文明が衝突することになる。
    日本は文化と文明の観点からすると孤立した国家であるとハンチントンはいう。
    日本文明は日本という国一国と一致し、国外離散者すら存在しないという。

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    2017年09月17日
  • 貧困の終焉

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    「世界の貧困問題」に関心ある人にはぜひ読んでほしい一冊。なぜ貧困問題が起こり、今もって解決されないのかについて、偏らず、冷静に分析され、具体例も豊富に掲載されている。この問題は深刻かつ複雑で、解決なんて何十年もかかると思いがちであるが、著者は必ず解決できると信じている。その信じる力がこちらにも伝わってくるような一冊。貧困に限らず複雑な問題に対しては取り組む前から無力感に苛まれることがあるが、一つ一つ分解していけばどんなものでも理解し解決できる気がする。

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    2017年08月29日
  • 分断されるアメリカ

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    トランプ時代を的確に予測している。また、アメリカにおけるヒスパニック化は「アメリカ人」にとっては我々が思っているよりも深刻な課題として認識されていて、壁を作ろうというのが日本人から思うほど突飛な発想ではないこともわかる。

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    2017年05月07日
  • 貧困の終焉

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    報道が少しずつ増えてきている「SDGs」(国連の「持続可能な開発計画」)についての前段であったミレニアム開発目標についてその目的と果たすべき役割が詳細に語られていました。

    世界から貧困をなくすことは可能である、と自信をもって説く著者の姿勢にまずショックを受けると同時に、現在進行形の貧困根絶のためのアクション(SDGs)の基礎を学ぶことができました。

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    2017年02月21日
  • 分断されるアメリカ

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    長い(厚い)本だった。中身も重量級の重い内容であり、読むのに二週間ほどかかってしまいました。

    さて、トランプさんがアメリカ大統領になって一月ほど経ちました。選挙戦の最中からアメリカを分断するような言動が垣間見られましたが、大統領になってからもそれは変わりません。大統領と言う立場がついてしまったので、より一層分断を加速するような気もします。

    ただ、これを読んでわかったのは、アメリカ社会の変質、分断は昨日今日に始まったわけではなく、ずっと以前から始まっていたと言う事。トランプさんが4年の任期を全う出来るか分かりませんが、いづれにしてもアメリカは、もう元には戻れないのではないかと思います。

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    2017年02月19日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    国際政治学者サミュエル・ハンチントンによる本書には、1993年発表の『文明の衝突』(抜粋)のほか、1998年に東京で行った「二十一世紀における日本の選択~国際政治の再編成」と、1999年に『フォーリン・アフェアーズ』誌に連載された「孤独な超大国」が収められている。
    『文明の衝突』は、冷戦の終結した21世紀の世界を予測した論文として、フランシス・フクヤマが『歴史の終わり』において「グローバルに民主主義と市場経済秩序が定着し、もはやイデオロギーなどの大きな歴史的対立がなくなる」という典型的な“アメリカ的世界観”を示したのに対して、「民主主義によって一つの世界が生まれるのではなく、数多くの文明間の違いに起因する、分断された世界となろう」という、およそ“非アメリカ的世界観”を描き、欧米世界を驚かせたものである。
    その主旨は、以下のようなものである。
    ◆冷戦後の世界の国家のグループ分けにおいて重要なのは、7つ(中国、日本、インド、イスラム、西欧、東方正教会、ラテンアメリカ)或いは8つ(+アフリカ)の世界の主要文明である。地域の政治は民族中心の政治に、世界の政治は文明中心の政治になり、超大国同士の抗争に代わり、文明の衝突が起こる。
    ◆その世界では、各国は各文明に対して、構成国、中核国、孤立国、分裂国、引き裂かれた国家として関係する。
    ◆異文明間の紛争は、地域的なレベルでは文明の断層線での紛争が起こり、世界的なレベルでは異文明の中核国家間での紛争が起こる。
    ◆世界的なレベルの衝突としては二つが想定される。一つは、アメリカと儒教的特徴をもつアジアとの対立で、特に中国の発展はアメリカにとってぬきさしならぬ挑戦となる可能性がある。もう一つは、既にアフガン戦争、湾岸戦争として顕在化していた、イスラムと他文明との衝突である。
    ◆異文明間の戦争を避けるには、他文明内の衝突に中核国家が干渉しないこと、中核国家が互いに交渉して自分たちの文明に属する国家や集団の関わる地域レベルの紛争を調停すること、あらゆる文明の住民が他の文明の住民と共通して持っている価値観や制度や生活習慣を模索し、それを拡大しようと努めること、が必要である。
    そして、「二十一世紀における日本の選択~国際政治の再編成」では、「東アジアの将来の平和と幸福は、日本と中国がともに生き、ともに進む道を見つけることにかかっている」、「孤独な超大国」では、「アメリカにとっては、多極体制の世界における大国の一つとなるほうが、唯一の超大国であったときよりも要求されるものは少なく、論争も減り、得るものは大きくなるだろう」と述べている。
    昨今の世界情勢を見ると、ハンチントン氏の予測が如何に鋭かったかがわかるし、衝突を避けるためのルールも依然有効なものである。
    今、読み返す価値のある著作と言える。
    (2009年5月了)

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    2016年01月11日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    かの有名な国際政治に関する論文である「文明の衝突」の抜粋の他、2論文を収録した論文集。

    ◯「二十一世紀における日本の選択ー世界政治の再編成」
    「文明の衝突」理論によれば、今日の世界の在り方を規定するものはイデオロギーではなく、文化や文明の類であり、事実、イデオロギーで分裂していた東西ドイツは結合を遂げ、逆に文明の相違があるにもかかわらず結合していた旧ユーゴは分裂への道を辿った。そして同じ文明を共有する国同士は、ユーゴ紛争での旧ユーゴ各国への各々の支援勢力を見ればわかるように、理解し合い、助け合う傾向にある。
    一極・多極世界から、多極世界へと移り行くなかで、特に東アジアでは、異なる文明に属するアメリカと中国との対立が決定的となり、そこでどちらの文明でもない日本は文明という枠にとらわれることなく純粋に損得の判断から行動することができる。また、日本の外交政策は、結果的にはどうあれ一貫してバンドワゴニング(日英同盟、三国同盟、日米同盟など、いわゆる、「勝ち馬(になりそうな方)に乗る」)である。そのため、アメリカが超大国としての地位を失ったあかつきには、日本は中国と結びついていくとする。

    著者は、日本はバンドワゴンの行動原理に基づいていずれ中国と手を組むと指摘するが、現状安倍政権は、バンドワゴンかバランシングかということでいえば後者の戦略を採用しているようだ。まあ、こういう細かいところでは予測と違うことが起こっていても、超大国と地域No.2の大国は、地域大国の覇権を阻止するために手を結ぶ傾向にあるという、日本がバンドワゴン戦略を取りやすいということより大きな原則の部分では概ね妥当しているように見える。バンドワゴン戦略は、組む大国との信頼があるか、地理的な遠さなどで影響
    が及ばない場合でないと不当な影響力の行使の下に置かれかねない点でリスクがあり、現状の日中間にそれほどの信頼関係がない以上、著者の言うとおりの未来が訪れることはないと思う。


    ◯「孤独な超大国ーパワーの新たな展開」
    アメリカは慈悲深い覇権国を自称し、国際社会の利益のためと称して自己の利益の増進を追求してきたが、かつての冷戦下の二極体制や、湾岸戦争時の一極体制の時とは異なり、アメリカが自己利益の代弁者だと考える国は一極・多極体制の下では減少し、むしろ地域大国からの反発を招き、超大国として覇権的に振る舞うことへのコストと利益のバランスが崩れてきている。そこで、アメリカは超大国であり続けるよりも多極体制の下で地域大国として振る舞う方が、世界へリソースを支出しなくてもよくなり、反発も買わず、地域大国と超大国との間では必然の対立も回避できることで役割やコストを低減し、利益を増進させることにつながるとする。

    シリアとか、ウクライナ、南シナ海の問題とかみてると、まだアメリカにヘタレて引きこもってもらうには早いのかなーという気がする。シリアなんかではサウジとかの地域大国が積極的に役割を果たさない以上、世界に影響を与える同地域の安定化のためには、どうしてもアメリカが出てきてもらわなくては困るということがあるんじゃないかなぁ。ロシアとかイランだけに任せるという選択肢は無いだろうし。その点で、この論文が見通すような未来はまだ訪れているとはいえないのかな、と感じた。


    ◯「文明の衝突ー多極・多文明的な世界」
    冷戦終結後の多極化してゆく世界では、文明が国家の行動を規定し、そのことにより文明の断層線におけるフォルト・ライン紛争が発生しやすくなり、しかもそれは、紛争当事国と文明を同じくする国々をも巻き込んで大規模化しやすく、きたる多極世界に対する最も深刻な危機が、この文明の衝突であるとする。その上で、文明の衝突を予防するためには、世界はいまや文明によって規定されていることを自覚し、文明に基づいた国際秩序の構築、すなわち不干渉、共同調停、そして例えば異文明間でも共通する最低限の道徳観など、共通点を模索、拡大するという、共通性のルールに基づいた国家の行動が求められるとする。

    共通性のルールっていうのが、心に残った。つまり、異文明で、相手が何を考えてるのか全くよくわからなくても、根本は自分たちと同じ、人間なんだということを心に留めておこうということなんだな。


    「解題」
    京大教授中西輝政による解説。この論文をどう読めばいいのかという視点を指し示してくれてありがたい。


    文明というものを通して世界を見るという体験は結構視野が広がるものだと思ったけど、やはり日本はいずれ中国の覇権に服することになるという著者の主張は飲み込めなかった。中西氏の言うように、中共の事実上の一党独裁が続く限り中国の覇権は、性急で未成熟なナショナリズムによる粗野な覇権にならざるをえないような気がするし、それよりは不満もあるが経験済みのアメリカの覇権の下にいるほうが良いというのがいまの日本の立場なんだろう。

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    2016年03月16日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    『文明の衝突』で有名な著者が、改めて世界の動向を分析する一冊。

    著作年月日が2000年と若干古いが、逆に著者の慧眼に驚かされる。
    そして、日本が中国と分断している独特の文明だというのが深く納得できた。

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    2015年08月24日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    【読んだきっかけ】本屋で見つけて内容が面白そうだったので。
    【内容】世界最大・最高の辞書『オックスフォード英語大辞典』編纂事業にまつわるノンフィクション。
    【感想】主人公のひとりは独学で言語学界の第一人者になったマレー博士、もうひとりは精神異常者マイナー博士。もうこの設定だけで面白い。
    マレー博士は何度も挫折しながら苦学を続け、ついに辞典編纂に携わることになる。マイナー博士は南北戦争に従軍した際精神を病み、事件を起こして以後精神病院に入る。マレー博士は広く文献閲読者を募ったが、その中に極めて優れた仕事を迅速に送り続けてくる人物がいることに気づく。だがそれがどんな人物なのかわからない…。

    辞典編纂がどんな意味を持ち、どれほど大変な事業なのか、この小説を読むとすこし分かる気がします。
    現代はWikipediaのような集合知の時代かもしれないけれど、その根幹にはこれまでの偉大な知の集積があるし、今後もこの価値が減じることはないだろうな、そんなことを考えました。良い本です。

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    2014年08月14日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ネタバレ

    OEDが出来上がるまでの秘話。特に統合失調症で殺人を犯し、精神病院に収容されていたマイナー博士の人生にはいろいろ考えさせられた。
    もし彼が人を殺さなければ、もし病院で過ごさなければ、OEDにここまで深くかかわることはなかっただろう。
    発病しなければ優秀な医者として働き、OEDにかかわる暇はなく、無名のまま(しかし幸せに)死んでいったかもしれない。
    こういう運命の皮肉はたくさんあるのだ。多分私たちの人生においても。
    辞書というものがそもそも「ない」状態からどうやって作るか、辞書と植民地支配の関係、南北戦争の実態など初めて知ることも多かった。
    ドラマチックな内容だが、決して筆を走らせず、資料から分かることを膨らませ過ぎない著者の書き方にも好感をもった。

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    2013年01月24日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    世界を「文明」という区分で考えている点は梅棹忠夫の「文明の生態史観」と共通している。大風呂敷の割には論理的で納得できる内容。冷戦直後というまだアメリカの1極支配があった時代にこの理論が導出されたのには驚く。
    最後にハンチントンは世界は多文明的であり最終的に収斂すべき単一の文明などないことを認めつつ、そのうえで自国文明の特徴を守り、他文明との違いを認めて争いを避けるべきであるとしている。

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    2013年01月02日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    ハンチントンの文明の衝突を買いに、地域の大型書店を訪ねたが、在庫がなく、この本を代わりに手に取った。

    あとがきで引用されている、”不死の幻影”、自分たちの社会は人間社会の最終型だと思い込む。だが、そのように自分たちの歴史は終わったと思い込む社会は、衰退に向かって行っていることに気づいていない、という表現は非常にスリリングである。

    国家論、文明論に関する興味は満たしてくれる著作だった。ただし2000年に記されており、12年後の現在と照らし合わせながら読む姿勢が必要だ。逆に言うとハンチントンの予想が、現在進行形の中でも意識されるのは面白い。

    中でも興味を惹いたのは日中関係。ドイツとフランスが達成した相互関係を、日中が確立するには、相互信認という点で非常に大きなハードルがある。中国は、東アジアの覇権を求める方向に向かうだろう。中国は、日米同盟が弱まり、日本が軍事増強、核武装の方向に向かうことを恐れている、と著者は指摘していた。これは2000年当時には真実だったのかもしれない。そのターニングポイントを逃してしまった現在、中国はもはや日本を恐れてはいないのだろう。尖閣問題をどうとらえるか。経済的観点から収束に向かうだろうという見通しや、自主独立などこれまではタブーと目されてきた問題へと回帰する国家意識など、様々な立場が意識されるようになってきている。

    バランシングとバンドワゴニングという国際関係の力学において、著者はこれからの日中関係は、日本が中国の覇権に入る、バンドワゴニングの方向に向かうと予測している。これはこれまでの日本の国際関係というのが、英国、ドイツ、米国と時の世界の覇権国と手を結ぶことで成立してきたことを取り上げ、日本の階層的な外交構造からこれまでと同様のstrategyをとると考えたからだ。

    著者曰く、文明というのは、家族のようなものだ、と。その意味で日本は、家族を持たない文明である。東アジア情勢がtensiveになっている昨今、少なくとも日本は自己のアイデンティティの確立の大切さを漸く気づきはじめた。戦後史をまとめた著作、これからの採るべき方針を論じた著作が売れているのは良い傾向だろう。

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    2012年09月30日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    世界の国家は常にパワーゲームをしているということ、そしてそこには文明と文化が密接に結びついているということを知る。島国である日本は独特な文明・文化を持っているが故に孤立しがちであり、理解されにくいという現実。翻訳本なので若干読みにくいが、的を射た内容となっている。

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    2012年05月05日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    ネタバレ

    国家間の紛争の根本となる原因は何か、今後の世界情勢及び日本の外交政策は今後どの方向で進んでいくかを考えるネタのために読んだ本。

    冷戦時代の自由世界、共産圏、第三世界から、今は文明ごとに勢力が分かれていることについて、歴史的背景や宗教などをもとに丁寧に解説された良書でした。

    とくに文明毎に世界の勢力がわかれていくという視点が自分には欠けていたので、大変勉強になった。

    今の各国の国家政策において、なぜ某国と某国の関係が良いのか、なぜ某国は某国と関係がよくないのかの理由が本書を読んで少しづつ考えられるようになった。

    またビジネスにおいても相手国がどういう文明に属しているか、どういう価値観であるかを考慮して展開していくことが重要とも考えた。

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    2012年01月04日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    世界最大の辞書、オックスフォード英語大事典(OED)の編纂作業にまつわる嘘のような逸話。編纂主任を務めるジェームズ・マレーと、彼に膨大な量の用例を送り続け、辞典完成に大きく貢献した篤志協力者W・C・マイナーの2人をめぐる物語である。ジェームズ・マレーはイギリスの貧しい家に生まれながら独学で数多くの言語を習得し、OEDの編纂に関わることで、歴史上最高の言語学者といわれるまで上り詰めた。その一方でマイナーはアメリカの裕福な家に生まれながら、戦争のトラウマからか精神を病み、若年性痴呆にかかる。戦中に命令で焼印を押させられたアイルランド人を極度に恐れ、自分が常にアイルランド人に命を狙われているという妄想にとらわれ続け、その果てに無垢の男を銃殺してしまう。そんな2人のそれぞれの物語と、2人の出会い、そして辞書の完成への道のりが、辞書に関するうんちくなどを交えて丁寧に説明される。ノンフィクションの傑作。

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    2012年01月09日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    史上最大の英語辞書であるところのオックスフォード英語辞典の主幹編纂者、ジェイムズ・マレー博士と、その篤志協力者の一人であったウィリアム・チェスター・マイナー博士を軸に描くノンフィクションです。思わずOEDが欲しくなったけど、CD版でも4万円もするんですよねえ・・・。
    紙媒体より随分ましですけれど(汗

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    2009年10月04日
  • 貧困の終焉

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    いろんな国のことが書いてあるので、勉強になる。ただあまりにいろんなところ過ぎるので、前提知識もないし、そもそも関連性がある本と言うわけではないので、そういう意味では読みづらい

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    2026年07月31日