鈴木主税のレビュー一覧

  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    41万語以上の収録語数、オックスフォード英語大辞典(OED)の誕生に貢献した精神病院患者マイナー博士と編纂責任者との奇妙な交流。マイナー博士の数奇な生涯と苦悩と病棟の日々、協力者を募るOED編纂手法が興味深い。辞書好きにお勧め

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    2023年09月18日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    翻訳は2000年刊行。
    話題になった本だったような記憶がかすかにある。
    自分の年齢を考えたら、リアルタイムで読んでいてしかるべき本なんだけど。

    …でも、今からでも読む!
    だって、どのみち今も昔も、国際政治音痴だし。
    喪うものはないはずだ。
    と開き直って読んでみた。

    現在の状況と合致する部分のみが強く印象に残りやすいのだろう、とは思うけれど、本書の内容は現在にも通用する部分が多いと感じる。

    アメリカの覇権の弱体化。
    一極集中ではなく、世界が多極化する。
    1990年代から2000年代での見通しは、まさしくその通りになりつつあると感じられる。

    そこでどのような新しい国際秩序ができるか。
    本書

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    2023年01月04日
  • 貧困の終焉

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    ◯ 私たちの世代がなすべきことは、最低ラインにいる人びとが極度の貧困から抜け出して経済開発の梯子を自力で昇れるように手を貸すことである。(76p)

    ◯それ以来、私は何が必要かという点だけを明瞭にし、「政治的に可能」かどうかは気にしないようにした。(200p)

    ◯中国の中央集権機構(中略)は、つねに分散し変化してゆく市場経済のダイナミズムとは相容れない(294p)

    ★著者は学者として成功を収めただけでなく、政府顧問として南米、東欧、ロシア、中国、インドの経済開発でも成果をあげた。しかも冷戦が終結し、共産圏が市場経済へ移行する難しい時代に。そんな著者がアフリカの、そして世界の貧困をなくすため

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    2022年11月26日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    たしかにマイナー博士の人生は驚きだが、辞書編纂の大変な苦労、マレー博士の努力にもっと言及して欲しかった。

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    2022年05月15日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    2021-11-10
    先に映画を観たのだけれど、映画よりスリリングだった。けどそれは文章ならではのもので、映画も悪くは無い。

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    2021年11月12日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    辞典を作るという途方もない作業
    その作業に人生を捧げられる人物とは?
    悲しい運命の上に成り立つ辞典編纂の物語
    南北戦争などの勉強にもなる

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    2021年03月13日
  • 文明の衝突 下

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     未来予想を行っている本を後の時代になってよむと、当たっている部分、外れている部分がある。

     おひざ元のアメリカの洞察は的確で、結構予想が当たっている一方で、日本や台湾は本書に書かれているほど、中国にすり寄っていない。

     だからといって本書の価値が落ちるわけではない。西欧人の視点でとらえたイスラムやロシア、アジアの分析は参考になる部分も多い(アジアの文化・文明はもう少し多様かつ複雑な気もするが…)。

     経営学者(というかほとんど予言者(笑))のドラッカーのように、しっかりと本質を捉えていれば、当初の予想とは少し時間軸がずれて実現することもあるので、時折読み返す一冊としたい。
     
     


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    2024年07月08日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    本書は『文明の衝突』の著者サミュエル・ハチントンによる論文集だ。九九年に行われた日本講演、超大国アメリカに焦点を当てた論文、ハチントン理論の基盤となる国際論(著書抜粋)が含まれている。
    冷戦時代の世界は主として「民主主義国家」「共産主義国家」「第三世界」の三勢力に分かれていた。しかし、21世紀における国家の行動基準はイデオロギーや政治体制でなく、諸国を文化的に類別する“文明”である。また、米ソという二極化したパワーバランスが崩壊した現在、グローバルな超大国は米国のみであり、他には各地域における主要な地域大国が存在するーーつまり、事実上の一極・多極世界だというのが各論文に共通したテーマである。

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    2019年09月30日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    異なる文明どうしは本当に融合できないのだろうか?現在の状況を理解するには分かり易い理論だったが、そうは思いたくない。日本のバンドワゴニングの立ち位置は、文明どうしの融合のロールモデルになれないだろうか?

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    2019年09月03日
  • 文明の衝突 下

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    ネタバレ

    上巻は『現状分析』がメインだったのでまだ良かったのだが、下巻は『対策』それも、『西欧文明の優越が失われてしまう。キー』の対策なので、まあ、引きながら読んだ。
    ああ、そりゃあ、問題になったわけだなあと。

    ただし、イスラム文明が他の文明と摩擦を生じている背景としての、『人口爆発』『若い世代が多い』という分析は、大事な視点だなと。
    いずれ、イスラム圏が豊かになれば、人口爆発が収まって穏健になる日も来るのだろうか?(まあ、その答えを見るまで生きていることは無理だからわからないが)

    あと、日本の扱いがあまりにもあれだよなあ。まあ、ちょうど細川政権の頃だろうからなあ。対米自立ダーみたいな乗りがあったの

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    2019年09月18日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    なんか変なタイトルだなと思って見ていたら原題も『The Professor and the Madman』てそのままだった。
    なんかビジネス書の題材になってそうな、100年以上前の一大プロジェクトだった辞書づくりのストーリーなのですが、狂人の協力があって完成できたというか、狂人の協力がなければもしかしたら完成していなかった、という話で、その狂人に殺された人物も含めて、因果関係と人間関係を探っていくのだけど、これが無茶苦茶おもしろい。一気に読み終えた。

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    2018年01月20日
  • 文明の衝突 上

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    元々1998年と、20年も前に書かれた本なのですが、あたかも2017年の今を書いている様な内容。怖い怖い。だって、本当に、書かれている様に物事が進んでいる。

    20年前の時点で、いまが見えていたとは、サミュエル・ハンチントン恐るべし。2008年に逝去しているけど、仮に2017年を彼が居たら、未来に何があるとみるのか気になります。サミュエルが見ても、2017年より先にも未来があると嬉しいな。

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    2017年10月20日
  • 貧困の終焉

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    理想論として理解はできる。ただ実行するまでの道筋を考えた時に、この理想論を筋書きとして使用していいかどうか、その自信が持てない。
    経済学としてはここまで、この本の先にあるのは社会学であり政治学だと思うが、この論を引き取れる学者・著作を待ちたい。

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    2016年06月05日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    ネタバレ

    「尖鋭化する文明・宗教の対立」と本書の帯にありますが、15年も前に、2016年現在の状況をここまで見通していたのかと唸らされる、そういう一冊でした。

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    2016年03月07日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    文明の衝突を読むか迷い、まずは事始めにこちらを読んだ。非常に明確に、現在の世界情勢を現してあるし、初版発行から15年経って、その情勢は複雑に悪化しているように思える。一方で、不干渉、共同調停、共通性という3つのルールは、暗礁に乗り上げる感覚に対して、目指すべき方向性の示唆を与えてくれる。また、日本のポジションも再考できた。

    ただ、やけに読みにくい構成と文章体…。雑に作られているように感じてしまった。

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    2015年12月13日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    国際政治学について勉強したくなった。今後はイデオロギーの対立ではなく、文明の対立になる。さらに、その中心をなす、宗教が大きなポイントになる、という論調。

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    2015年05月23日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    文明の衝突の内容を頭の中で整理するのに役立つ。特別に日本に向けられた示唆はそこまで多くない。
    グローバリズム論VS文明の衝突論
    多元主義ではなく、西欧のアイデンティティーを意識することが重要。リーダーであり続けるためには普遍主義の押し付けをやめなければならない。
    日本は中国と米国のどちらにつくかの決断を迫られる。バンドワゴン。

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    2015年03月30日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    どのような性質の人であっても力を発揮できる分野があるということで、ある種マネジメントとして感じるところのある本。
    治療を受けていたら力を発揮できなかったろう可能性も、異常と異能の違い。
    つかみが良いので、本エピソードに関する事実関係を知らなければそのまま読み始めた方が面白い。

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    2014年05月13日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    世界に衝撃を与えた文明の衝突論について、初めて直に触れてみた。アメリカの一極支配で世界が推移するはずはなく、文明にも衰退や崩壊の過程が可能性として存在するワケだから、多極構造の世界において日本がどのような立場に立つべきかを考えなければならない。
    日本が独立したひとつの文明圏であると指摘する著者の意見を大いに参考にすべきで、中西教授の言うところの「一極として立つ日本」として、最終的には世界の協調を促すリーダー的存在になる使命を負っているような気がする。
    イスラムとアメリカの対立は現在も続いているが、戦争を以てして解決に導くことは不可能だろう。
    なんにせよ、課題が山積みの世界情勢である。うかうかし

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    2013年10月15日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    サミュエル・ハンチントン著「文明の衝突と21世紀の日本」集英社新書(2000)

    *人間が共通してもっているのは「共通の文化への傾倒よりも、むしろ共通の的【もしくは悪】の自覚である。人間社会は、人間のものであるがゆえの普遍的であり、社会であるから特殊なのである」

    *現代のアメリカのどんな自称を観察するときも、「文化多元主義」VS「西欧アイデンティティ論」という対立軸を常に意識してみていく必要がある。この軸がアメリカ人の意識を強く拘束している。

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    2013年10月03日