田中相のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まだそういえば買ってなかったと思い購入。それぞれの作品たちの主人公たちの思考がストレートに描かれて満足できました。
自分の思い。田中相作品によく見られるのですが、あくまで主人公以外の思考やモノローグが作品内に入り込むことは少ないですよね。主人公視点で進むので物語に没頭するのではなく、その主人公の感情や考え、主人公が見る景色が中心に入ってくるのでキャラに感情移入できます。加古里・スズシロの話ではどちらかといえば気になるのはスズシロの思考ですが、そこらへんはカコからみたスズシロの変化が主軸なためカコの思考だけが描かれています。そのぶんスズシロの表情の変化が激しく、それはそれで効果的なのかなと -
Posted by ブクログ
庭を一つのテーマに
色んな短編が綴られています。
1話目
〇〇の恩返し~的な話は世界各国色々あるので
妄想力豊かな私は、〇〇の恩返しをアレコレ考えたりすることもある。
けれど、カレは思いつかなかったなぁ。
まず、会話が出来る気がしないもの。
でも、これがとてもシュールだが面白い。
つい、部屋の中に迷い込んできたカレに
話しかけてみようかな…?そんな気持ちにさせてくれる。
その他、どれも淡々と、さらっと読み進められるけれど
それぞれの話の背景を
重ねてきた年月をゆっくり想像すると
凄く深い感動に包まれる作品になっている。
そのかわり、人生経験の浅い人or想像力に欠けた人が読むと
何がいい -
Posted by ブクログ
最近気になっている田中先生の短篇集ということで購入。その場所に残る、感謝、匂い、思い出などキャラクターの感情を描いていたエピソードたちでした。
人の思いはかけがえのない場所を作り出す。各話表題作の「庭」をキーワードにして場所に宿る人の思いを描いていました。庭というものは自分の写し鏡でもあるように、様々な思いを表現しています。命の基準、大事な人のために尽くす思い、終わらない繋がり、残してしまった後悔、それぞれがその庭の持ち主を反映させていました。居場所を作る難しさは色んな所で見受けられますが、居場所を作った後の思いというのはまだ体験不足だったので、今回たくさんの庭エピソードを見れて面白かっ