あらすじ
紅茶の香りに似たアザミが咲きほこる庭、人の言葉を話すコガネムシがやってくる庭、焼きたてのミラベルのタルトと笑い声に包まれた庭、47歩先に壊れたアシカのプールが見える庭……。さまざまな“庭”を舞台に、生きるものの繋がりを描くITAN掲載シリーズをはじめ、満場一致で大賞を受賞したデビュー作を含む短編5作を収録。人間の愛しさを豊かに伝える鮮烈な才能!
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買ってよかった
庭にまつわる短編集。
インド(?)の王宮庭園での王と庭師、イタリア(?)山中ののどかな庭と家と家族、日本のコンビニ店員がコガネムシと会話する庭…
全部毛色が違って、どれもワクワクしながら読めました。
やっぱり田中さんの作品は「自然の風景」が光る。
たとえ狭いアパートの布団の中で読んでいても、世界中の庭を旅したような気分になるし、自然との一体感すら感じられる。
草を刈ったときの緑の匂いがしてきそう。
とくに印象的なのは、表題にもなっている「地上はポケットの中の庭」。
南イタリアの小さな家の、陽ざしや夕焼けを感じながら老衰で死にたい…って思うくらい綺麗なお話でした。(作中では死んでないです)(あと、国名は妄想です)
Posted by ブクログ
世界観が独特…だから好きですね。
「ファトマの第四庭園」が一番響いた〜
世の中には必ず味方がいる!絶対に!
人間は孤独であるがひとりではない。
仲間が必ずいるのだ…仲間とはいつかは別れていくがまた出会えるし心の中にいる。そんな気持ちになる名短編ですね。
ぜひ〜
話ごとの世界に没頭。
短編ごとのストーリーは、全く違う。
読み始めると、その世界観に入り込んでいる。
気持ちって、話さなければ伝わらない事。話さなくても伝わる事。
どちらもあるんだなぁ。
優しい気持ちになる。
Posted by ブクログ
人生に疲れていたので癒しを求めて買いました。
久しぶりの大当たり。
泣き所がわかりやすく、でも狙ったいやらしさの無い良作です。
庭をテーマにした作品集で、読み終わった後は、爽やかな風が心を通り抜けたような感覚がありました。
短編集なので、頭が疲れていても読めます。
おすすめです。
Posted by ブクログ
今まで読んだ短編集の漫画の中で、ダントツ一位の作品です。普通の漫画は捨てますが、これは今でも取っておいてあります。
まずは、読んでみてください。特に、高校〜大学生くらいにオススメしますが、大人が読んでも面白いです。人間がよくかけてると思います。
Posted by ブクログ
この人すごいなあ、としみじみ思う。絵は上手く個性もあるし、物語の組み立ても秀逸! 人情の機微も、人間心理の様々も見事に描き切っています。オススメ‼︎
Posted by ブクログ
丁寧で優しい不思議な短編集。画風は久井諒子さんに似てるけど、少し荒削りなような。でも、こういう無駄のない線画は大好き。これぞ漫画的漫画。
物語の一つ一つの季節感だとか、植物の多様さ、それらがいっぱいに詰まったひとつの庭のような一冊でした!
大事にしたい。
Posted by ブクログ
科学者や工学者でなにかを研究したりデザインして作り出したりする方々のお話しを読んだりすると、人工的なものは所詮、自然のものの美しさには負けてしまうそうだ。
無から生み出された自然物。
その美しさは、現代では自然の中へ入っていく経験よりも、写真やテレビで触れる機会の方が多い。
本書はその自然の美しさをあますことなく見せてくれる。それを前にして、人間とはなんと小さなことで一喜一憂していることか。
Posted by ブクログ
やっと読んだ~!
話題になりすぎて手を出し損ねてた本。でもカバーのきのこの絵にいつか買おう。とは思ってた…!
短編集キーワードとメモ~~~
☆五月の庭☆
黄金虫の恩返し
☆ファトマの第四庭園☆
アザミ
癒される草の香り
☆地上はポケットの中の庭☆
出逢いはさよならの始まりだけど
☆ここはぼくの庭☆
海・ともだち・うき・波
後ろめたさは
☆まばたきはそれから☆
将棋・同級生・私の名前は
カバーの下にはどころか裏にもおまけが。
植物の絵が描けるようになりたいなぁー昆虫も。
Posted by ブクログ
コガネムシの恩返し「5月の庭」、陛下と庭師の絆「ファトマの第四庭園」、終わることへの恐怖が癒される瞬間「地上はポケットの中の庭」、少年時代の行き違いがほぐれる「ここは僕の庭」、高校生棋士と名前はまだない平凡な女子高生「まばたきはそれから」
人間、人生を愛しくすずやかに描いていてさわやか。
Posted by ブクログ
「5月の庭」
コガネムシ。
「ファトマの第四庭園」
主従の友情。
「地上はポケットの中の庭」
集まりのたびに不機嫌なおじいさん。
生別死別を想像して出会いや誕生を祝えない性格。
でも。
この話が一番好き。共感。
「ここはぼくの庭」
眼の前で友人が溺れて。
「まばたきはそれから」
棋士の友達を見て自分のちっぽけさがひりひりと。
Posted by ブクログ
この方のどうやら好みらしい。
二つ目のファトマの話で思いがけず泣きそうになってしまった。本当に短い話なのに。泣くような話でもないというのに。
言葉で多くを語らない代わりに情景描写で心を語るあたりがよいなあと思う。
Posted by ブクログ
最初の「5月の庭」でいきなりのシュールな世界に引き込まれました。少しだけ坂田靖子の世界を思い出したのはなぜか。「ファトマの第四庭園」での軽妙なウイットとシリアスな場面に心地よい余韻が残ります。
表紙をめくって作者のコメント確認をお忘れなく。
Posted by ブクログ
過ぎゆく夏の日。懐かしさと、もの哀しさと。
そんな感覚が素敵な5編の短編集です。
カット割りというか、漫画でいえばコマ割りとかコマの運びなのですが、そのリズムがとてもよくて、気持ちよく雰囲気に浸れます。
長編の新作があるみたいなので、そちらも読んでみようかなと思います。
Posted by ブクログ
庭を一つのテーマに
色んな短編が綴られています。
1話目
〇〇の恩返し~的な話は世界各国色々あるので
妄想力豊かな私は、〇〇の恩返しをアレコレ考えたりすることもある。
けれど、カレは思いつかなかったなぁ。
まず、会話が出来る気がしないもの。
でも、これがとてもシュールだが面白い。
つい、部屋の中に迷い込んできたカレに
話しかけてみようかな…?そんな気持ちにさせてくれる。
その他、どれも淡々と、さらっと読み進められるけれど
それぞれの話の背景を
重ねてきた年月をゆっくり想像すると
凄く深い感動に包まれる作品になっている。
そのかわり、人生経験の浅い人or想像力に欠けた人が読むと
何がいいんだろう?
なんか物足りない…
的な気持ちになるのも否めない。
Posted by ブクログ
最近気になっている田中先生の短篇集ということで購入。その場所に残る、感謝、匂い、思い出などキャラクターの感情を描いていたエピソードたちでした。
人の思いはかけがえのない場所を作り出す。各話表題作の「庭」をキーワードにして場所に宿る人の思いを描いていました。庭というものは自分の写し鏡でもあるように、様々な思いを表現しています。命の基準、大事な人のために尽くす思い、終わらない繋がり、残してしまった後悔、それぞれがその庭の持ち主を反映させていました。居場所を作る難しさは色んな所で見受けられますが、居場所を作った後の思いというのはまだ体験不足だったので、今回たくさんの庭エピソードを見れて面白かったです。
田中先生はキレイな画風ながら後悔や停滞、喪失感といった人間が奥底に溜め込んでしまう感情を描くのがとても上手い人だとこの短篇集でも見受けられました。もう一つの短篇集も買わねば
Posted by ブクログ
表題作でもある「地上はポケットの中の庭」に出てくる
『怖いんだ、あのときからずっと。幸せであるほど続く日常が、そして終わるのもまた…怖い』
ということばのきれいさに心射抜かれる。
Posted by ブクログ
『地上はポケットの中の庭』。幸せである日常が終わることに不安に感じるおじいちゃん。自分も大人になってから親といつまで一緒にいられるのかなって不安になることが多いから切なくなった。
Posted by ブクログ
"ああ そうか
紅茶の香りのこの平原で
あなたにさよならしなくてはいけないのか"[ファトマの第四庭園]
「5月の庭」
「ファトマの第四庭園」
「地上はポケットの中の庭」
「ここはぼくの庭」
「まばたきはそれから」
Posted by ブクログ
絵が綺麗というレビューと雰囲気が良さそうだという判断から読んでみましたが、自分の好みにはいまいち合いませんでした。
絵は上手いけれど、人物も世界観もピンと来ず…。
若い人より老人の方が活き活きと描けているように感じました。
カバー裏まで描きこまれていて、そこは楽しめました。
Posted by ブクログ
庭がテーマの短編集。ファンタジーの要素がある作品もあれば、シュールな色合いのものもあり、楽しめました。
『ファトマの第四庭園』はファトマと陛下の絆の深さに、切なくなった。
Posted by ブクログ
千年万年りんごの子が面白かったので、こちらの短編も購入。
不思議な世界観が当たり前として自然にお話に溶け込んでいるところが、とても好きでした。
そしてじんわりと心が優しくなるようなお話を描く人なんだな、と思いました。
Posted by ブクログ
内容が印象に残りにくい作品だ。でもそれも計算に入っててむしろ狙っているのだろう。というのはタイトルの「地上はポケットの中の庭」という作品がまさにそのことを語っているからだ。過ぎていく忘れ去られていく時間が怖い…と。だからこそ私たちは人生の一コマ一コマをその時々を楽しく愛おしく過ごせばいいのだ。
Posted by ブクログ
面白い内容だし、絵も丁寧で落ち着くんだけど、
どのお話も「…で?」って感じの終わり方。
きっと読み手に続きなり終わりなりを委ねてるんだろうけど、
もうちょっとリードしてほしい気が、私はします。
でも、庭って素敵。
5月くらいに漂う濃い緑の匂いが恋しくなりました。
Posted by ブクログ
タイトルに庭がつく話が いくつか。
”5月の庭” コガネムシの恩返し。
”ファトマの第四庭園”がなんか好きだな。
話によっては ちょっとよくわからないものもあったけど。。
あとがきの不思議キャラに 目を奪われる。