大城立裕のレビュー一覧

  • 焼け跡の高校教師

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    沖縄出身者で初めて芥川賞を受賞した著者・大城立裕氏の自伝的小説。戦後占領下の沖縄、仕事に倦んで教師へと職を変え、高校生に「国語」ではなく「文学」を教えたい、という思いを・・・。現在94歳の著者が自分の一番輝いていた時と回想する。

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    2020年08月03日
  • あなた

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    他界した妻との日々を綴った「あなた」、普天間基地移設と建設会社を営む甥の立場をからめた「辺野古遠望」、同期会と若かりし頃の仲間を思う「B組会始末」「拈華微笑」「消息たち」、幼い頃のひなびた郷暮らしを描いた「御嶽の少年」の6短編が収まる。
    1編目の「あなた」は妻を思う(たぶん本人には言えなかった)夫の思いや感謝、家族の悲喜こもごもの場面が訥々と綴られ、長い年月を共にした夫婦の絆に打たれる。「B組会始末」なども遠い学生時代の仲間たちとの思い出、その後の交歓やだんだんとその仲間が鬼籍に入っていくさまが感慨を呼ぶ。
    「辺野古遠望」はちょっと煮え切らない筆致がもどかしい。沖縄初の芥川賞作家であり県職員と

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    2019年01月02日
  • 小説 琉球処分(下)

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    琉球が日本統合されていく様を丹念に小説ととして描いてる。士族と百姓の立場の違い、ヤマトと琉球、清国の関係など、複雑にからませて描いている。歴史認識は単純にはいかないと改めて感じた。

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    2018年11月12日
  • 小説 琉球処分(上)

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    明治維新直後の沖縄(琉球)の様子を小説として描いたもの。琉球の状況もさることながら、明治維新政府のやりようも窺い知ることができて興味深い。

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    2018年11月12日
  • カクテル・パーティー

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    「亀甲墓」
    沖縄内陸への艦砲射撃が激化したことを受け
    先祖代々の墓に避難してくる一家の話
    亀甲墓と呼ばれる形態のそれは、一種のトーチカ状であり
    胎内のようでもあった
    砲弾の雨の降る中、先祖の霊から守られている気分にひたって
    捨てることのできない日常感覚へのこだわりが
    やがて彼らの首を絞めてゆく

    「棒兵隊」
    避難民の中からなんとか
    動けそうな男ばかり集めて編成された「郷土防衛隊」
    しかし武器も食料も無く
    敵の銃弾をかいくぐってする水汲みぐらいしか仕事がない
    やがて正規兵たちの不安が、スパイ探しの名を借りた内ゲバに発展する
    心ある少尉の機転で防衛隊員たちは脱出するが
    すでに戦線の崩壊した沖縄で行

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    2018年06月05日
  • 小説 琉球処分(上)

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    近代国家建設を進める明治政府に翻弄される琉球。琉球にとって日本とはどのような存在だったのか?興味深い

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    2018年03月09日
  • 小説 琉球処分(下)

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    明治維新後の琉球。日本では廃藩置県が起こり、士農工商が崩れていく。薩摩藩の付庸国だった琉球は琉球藩、やがて沖縄県となる。その過程が琉球処分。外部環境の変化の中、日本と清に挟まれた琉球の人たちはそれぞれの立場で葛藤を持ちながら身の振り方を決していく。戦争こそ起きていないものの、日本の民族主義問題が書かれてある。これが今の沖縄問題の深層には沖縄戦以前のこういった歴史も影響しているのだろう。

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    2017年01月09日
  • 小説 琉球処分(上)

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    ネタバレ

    むつかしい。

    娯楽というよりは、勉強という感じで読み進めている。

    物語の総括は、下巻のレビューに。

    ★3つ、7ポイント。
    2014.11.30.図。

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    2015年05月28日
  • 小説 琉球処分(上)

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    史実を踏まえた物語。日本と琉球は別の国だったのだなと今更ながら考えさせられた。但し、士族からの視点で書かれているので、百姓がこの琉球処分をどうとらえていたのかも知りたいものだ。

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    2013年05月28日
  • 小説 琉球処分(上)

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    元々は、1972年に出版された作品。

    菅総理が、「『琉球処分』と言う本を読んでいる」と言っていたので、読んでみました。1972年といえば、5月15日に沖縄返還がなされた年です。この作品は、それに関連して出版されたと理解できます。

    琉球処分は、過酷な経験を琉球・沖縄に課したと言う事になるのだと思います。過酷な処分自体を否定する気は毛頭ありません。しかし、小説なので話を割り引く必要があると思いますが、その根底には、“コミュニケーション不足”と言う問題があったんだなぁと言う事が、物凄くよく判りました。いや、“コミュニケーション【不足】”等と言う生やさしいものではなく、“コミュニケーション【断絶】

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    2012年06月03日
  • 小説 琉球処分(上)

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    読むのにやたら長い時間がかかってしまった…。厚いのが2冊なうえに、話がなかなか進展しなくて、正直投げ出したくなる感じだったけど、それこそがねらいなのかともうがってしまうほど。琉球処分にあたってのヤマト役人の苛立ちの追体験をさせたいのかな、と。しかし、今の辺野古の問題は「平成の琉球処分」というあとがきにどきっとする。

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    2010年11月09日