大城立裕のレビュー一覧

  • 小説 琉球処分(下)
    毎年夏休みに沖縄に家族で休暇をすごしていますが
    今年たまたま、現地の博物館に行って沖縄の歴史の常設展
    を見に行きました。そこで少しだけのコーナーでしたが琉球処分
    についての展示が展示されていました。
    薩摩の圧政・第2次世界大戦での沖縄戦。普天間基地を含めた
    基地の問題。といろいろありますが、日本に力...続きを読む
  • 小説 琉球処分(下)
    後半は日本政府に対する反感が増す琉球と、同じことを繰り返し一向に進展しない交渉にいらだつ日本政府、琉球は時間をかせいで清からの援軍を期待するがその清は西洋の侵略を受けそれどころではなくなっている。悲しいのは琉球側も王朝とそれを支える士族が自分たちの立場の安泰を願うだけで百姓の見方になっていないこと。...続きを読む
  • 小説 琉球処分(上)
    元防衛次官、守屋武昌の「普天間」交渉秘録に続いて読んだのだが琉球処分時の松田道之の姿がかぶる。政府の官僚からするとなぜこの理屈がわからぬのか、一旦受け入れたことをなぜ反古にするのかと言ういらだちが募り、琉球〜沖縄からすると日本政府の言い分はわかるがなぜ我々の言い分を少しも聞いてもらえないのかとなる。...続きを読む
  • 小説 琉球処分(下)
    琉球処分とは、明治初期に日本が琉球国を軍事的に統合する過程を言う。本書はそれに関する小説である。

    読後感であるが、第一に歴史は繰り返すと言うことを改めて認識したと言うことである。普天間基地の時は守屋武昌氏をはじめとする防衛官僚が普天間移設に取り組んでいたが、この時も沖縄側は徹底した遅延戦略をとって...続きを読む
  • 小説 琉球処分(下)
    1959年の小説とは思えない新鮮さ。沖縄に様々な課題がある現代だからこそ読みたい小説だ。
    「テンペスト」を読んだ数年前。すごい小説だと思った。そしてその後の沖縄の歴史に興味を持った。
    本書は事実を小説化したものだが、まさに「その後」だ。
    日本に不信感を持ちながら、すでに傾いている清に期待をもち、結局...続きを読む
  • 小説 琉球処分(下)
    菅さんが総理の頃読んだそうです、今また政治家に読んでもらいたい。ほんの150年程前沖縄は中国と日本に両貢してた事実。下手したら中国の物になってたのかもですよ。時代の波に振り回される沖縄の原点を知る好書です。
  • カクテル・パーティー
    芥川賞を取ったとはいえ、地元の作家だし余り期待してなかった。意に反し、なかなか面白かった。学生時代に読んだはずだが内容は全く記憶に残ってなくて新鮮に読めた。沖縄が改めて特異な、はなはだ特異な環境に置かされていると感じた。我々は慣れ過ぎていた。NO!を声高に発しよう
  • カクテル・パーティー
    沖縄文学。1967年。芥川賞受賞。
    沖縄問題の原点がここにあるような気がする。
    芥川賞まで取っているの、あまり知られていないかも。
    穿った見方をすれば、問題点が浮き彫りになることを恐れる何者かの策略か。見せかけの「愛」の中にすっぽり覆われてしまった「差別意識」のようなものを感じる。
    沖縄をわかってい...続きを読む
  • 普天間よ
    戦争を異常事態でなく、日常に落とし込んで描かれた作品だと思った。

    沖縄戦を描いたものが3つ、当時を振り返ったものが3つ、今を描いたものが1つ。
    計7作の短編集。

    特に、最初と最後の「夏草」「普天間よ」が強く心を打った。

    沖縄戦は今も続いている。。
  • 小説 琉球処分(上)
    教科書にはない沖縄の歴史を思い知らされる1冊。明治政府の処分官松田道之の明治国家建国に向けた官僚としての責任感及びそれに基づく役割遂行への意思に共感する一方、独立国としての誇りを持ちつつ、生存のためのプラグマティズムとして日本と支那両属国の道を選択した琉球王国の立ち位置も理解できる。両者の狭間で多く...続きを読む
  • 小説 琉球処分(下)
    「琉球処分」と聞くと、沖縄戦の悲劇や基地問題と結びつけたくなる処だが、ここで描かれている事件は、未開の封建士族たちが自分達の既得権益を守るために起こした子供じみた反抗に過ぎず、琉球住民のほとんどを占める百姓階級にとっては別世界のローカルな話である。沖縄に対するヤマトの態度に共通性を見いだすことは可能...続きを読む
  • 小説 琉球処分(上)
    知らなかった沖縄の歴史。面白かった。
    ヤマト(薩摩)と中国(明・清)の両国に属した琉球王国に対し廃藩置県に伴い国王を廃し深刻と縁を切ることを迫る新政府。採算の先延ばしをするもついに首里城を明け渡すことになる琉球。何も持たない無力な琉球。東京の政府と現地で直面する担当官との温度差。現代に尾を引く沖縄の...続きを読む
  • 焼け跡の高校教師
    沖縄出身者で初めて芥川賞を受賞した著者・大城立裕氏の自伝的小説。戦後占領下の沖縄、仕事に倦んで教師へと職を変え、高校生に「国語」ではなく「文学」を教えたい、という思いを・・・。現在94歳の著者が自分の一番輝いていた時と回想する。
  • あなた
    他界した妻との日々を綴った「あなた」、普天間基地移設と建設会社を営む甥の立場をからめた「辺野古遠望」、同期会と若かりし頃の仲間を思う「B組会始末」「拈華微笑」「消息たち」、幼い頃のひなびた郷暮らしを描いた「御嶽の少年」の6短編が収まる。
    1編目の「あなた」は妻を思う(たぶん本人には言えなかった)夫の...続きを読む
  • 小説 琉球処分(下)
    琉球が日本統合されていく様を丹念に小説ととして描いてる。士族と百姓の立場の違い、ヤマトと琉球、清国の関係など、複雑にからませて描いている。歴史認識は単純にはいかないと改めて感じた。
  • 小説 琉球処分(上)
    明治維新直後の沖縄(琉球)の様子を小説として描いたもの。琉球の状況もさることながら、明治維新政府のやりようも窺い知ることができて興味深い。
  • カクテル・パーティー
    「亀甲墓」
    沖縄内陸への艦砲射撃が激化したことを受け
    先祖代々の墓に避難してくる一家の話
    亀甲墓と呼ばれる形態のそれは、一種のトーチカ状であり
    胎内のようでもあった
    砲弾の雨の降る中、先祖の霊から守られている気分にひたって
    捨てることのできない日常感覚へのこだわりが
    やがて彼らの首を絞めてゆく

    ...続きを読む
  • 小説 琉球処分(上)
    近代国家建設を進める明治政府に翻弄される琉球。琉球にとって日本とはどのような存在だったのか?興味深い
  • 小説 琉球処分(下)
    明治維新後の琉球。日本では廃藩置県が起こり、士農工商が崩れていく。薩摩藩の付庸国だった琉球は琉球藩、やがて沖縄県となる。その過程が琉球処分。外部環境の変化の中、日本と清に挟まれた琉球の人たちはそれぞれの立場で葛藤を持ちながら身の振り方を決していく。戦争こそ起きていないものの、日本の民族主義問題が書か...続きを読む
  • 小説 琉球処分(上)
    むつかしい。

    娯楽というよりは、勉強という感じで読み進めている。

    物語の総括は、下巻のレビューに。

    ★3つ、7ポイント。
    2014.11.30.図。